2012-07-25

最近の装丁3冊

ご無沙汰しております。

日誌当番、しばらくまわってこないなぁとか思っていたら
最後に書いたのは4/16でした。

なぜだか順番がとばされていた様です。
いじめ?w

さて、久々ですので、ここ3カ月で私が装丁を担当した本を
新しいものから順に3冊ほど紹介させていただきます。

最近、ポットのブックデザイン覚え書きも更新できていないので
仕様も書いてみました。

百年の憂鬱
第40回文藝賞受賞作家・伏見憲明さんの最新刊です。
カバーと表紙を担当しました(組版は山田が担当)。

装丁を考える前に読んだ文章のイメージで、
強い目線の写真が使いたいな、と思っていました。
担当編集者の高橋に相談し、提案してもらったのが
フォトグラファーの野村佐紀子さんの作品。
野村さんの作品を調べてみたところ
イメージばっちりの写真と出会えたので、
そのまま使わせていただきました。

——–仕様——–
[本文]
用紙…ラフクリーム琥珀N/四六判/Y/71.5kg
刷り…スミ(マットインク)

[カバー]
用紙…TS-1/N-8/四六判/Y/100kg
刷り…1/0色 (スリーエイトブラック)
加工…グロスニス

[表紙]
用紙…ビオトープGA-FS/ミッドナイトブルー/四六判/Y/60kg
刷り…1/0色 (DIC 621)
加工…なし

[見返し]
用紙…ビオトープGA-FS/マゼランブルー/四六判/Y/90kg
刷り…なし
加工…なし

[オビ]
用紙…オーロラコート/四六判/Y/110kg
刷り…1/0色 (PANTONE Hexachrome Cyan C)
加工…グロスニス
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絵物語 ドミナの園
この本の装丁のお話をいただいた時
最初に思いついたのが「中面はすべてスミベタに」ということでした。
覗き穴からノゾキ見している感じにしたかったのです。
結果、全面スミベタの罠にかかってしまったわけですが…
(詳しくは、大田の日誌参照)

ちなみに、この本は、外側の装丁を決めるのに相当難儀しました。
で、悶々と悩んでいる最中に、
今回の担当編集者、タコシェの中山さんがくださったメールの
「お尻讃美」という一言で、自分の中で全てが腑に落ち
当初考えていた路線を大幅に変更してこの体になりました。

「聖なるお尻のバイブル」というイメージ、
うまく伝わればうれしいのですが…

——–仕様——–
[カバー・オビ]
用紙…オーロラコート/菊判/T目/93.5kg
刷り…1/0色(スリーエイトブラック)
加工…型抜き/箔押し(KATANI 30)/ラミータックPETグロス

[表紙]
用紙…レザック66/チャコール/四六判/Y目/260kg
刷り…1/0色(スリーエイトブラック)
加工…なし

[本文]
用紙…b7/ナチュラル/A判/Y目/55.0kg
刷り…1/1色(スミ)
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カバーの真ん中を抜いて、額装のように本体表紙が見えるようにしてあります。
アーンド金の箔押し。ゴージャス!
PPはいつものグロスPPよりツルツルペカペカなものを使用。

加工でお金を使いたかったので、見返しはなくしてコスト削減 w
カバーとオビもコスト削減のため、共刷りにしました。

 

劇画家畜人ヤプー4【復刻版】
このシリーズの表紙には
毎回、その巻の1コマを私が独断でフィーチャーしw
ローズのオペークインキでこっそり全面刷りしているのですが
今回は最終巻ということもあって、渾身のセレクトです。
ぜひカバーをひっぺがしてご覧いただければと思います。

——–仕様——–
[カバー]
用紙…オーロラコート/菊判/T/93.5kg
刷り…3/0色(DIC 621+ PANTONE 801 C+ スリーエイトブラック)
加工…グロスPP

[表紙]
用紙…スーパーコントラスト/スーパーブラック/四六版/Y/100kg
刷り…1/0色(オペークインキ・ローズ)

[オビ]
用紙…NTラシャ/スノーホワイト/四六判/Y/100kg
色…特色2C(DIC 621+ スリーエイトブラック)
加工…マットニス

[見返し]
用紙…色上質/黒/A判/T/特厚口
刷り…1/0色(オペークインキ・白)
加工…なし

[本文]
用紙…OKサワークリーム/A判/T/44kg
刷り…1/1色(マットスミ)

[巻末付録]
用紙…シナールスペクトラ/ターコイズ/四六判/Y/69.0kg
刷り…1/1色(マットスミ)
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