2011-10-02

レジュメ●10月3日(月)出版社が電子書籍に取組む方法(実務編)

明日のこれのレジュメです。
────────────────────
版元ドットコムpresents
出版社が電子書籍に取組む方法(実務編)──中小出版社の電子書籍戦略と出版デジタル機構
●日時 2011年10月03日(月)
Open 18:00 / Start 19:00
●場所 ロフトプラスワン
 新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2 TEL 03-3205-6864
●出演 沢辺均(ポット出版)
 萩野正昭(予定 ボイジャー)
 鎌田純子(予定 ボイジャー)
 仲俣暁生(文芸評論家・マガジン航編集長・文藝家協会電電子書籍出版検討委員会)
●料金
¥1000(+飲食代)
●申し込み
■一般の方
ロフトプラスワンの以下のお申込みフォームからお願いします。
LOFT/PLUS ONE | 予約フォーム
■版元ドットコム会員・会友とその紹介者の方
以下の申込フォームからお願いします。
短縮URL http://goo.gl/60nXN

ココから進行表とレジュメ────────────────────
★第一部 19:00~20:30
○出版社が電子書籍に取組む方法(実務編)
 沢辺(40分)
○ブックズインブラウザーズが電子書籍を変える
 ボイジャー 鎌田?清水?萩野?(20分)
○全体質疑 (30分)

★休憩 20:30~20:40(10分)

★第二部 20:40~21:30
○出版デジタル機構は離陸するのか? 
 全員で討議(質疑含めて、20分)
○アプリ・フォーマットの環境はどうなるか?
 (アプリフリー、プラグインフリー ブラウザ基本技術のみ)
 全員で討議(質疑含めて、20分)
○全体質疑(10分)

★終了後はダラダラとその場で二次会

────────────────────
沢辺の第一部のレジュメ

■現在の電子書籍フォーマットにはどういうものがあるのか?

●タグテキストを利用したもの .book XMDF
 リフローする (iPadでVOYAGERBOOKSを見せる)
 テキストデータが必要
 小見出し・本文などの属性にタグで挟んでいく(タグテキストを見せる)

●誌面を画像としてみせるもの
◯画像の裏側にテキスト(透明テキスト)があるもの
 つくり方は2種類
・inDesignなどの組版ソフトからPDF書き出しする inDesignに書かれているテキストそのものが透明テキストとなる(ず・ぼん17で書き出してみる)
・誌面をスキャンして電子的な画像をつくり、それにOCR(光学文字読み取り)をかけることでテキストを作り出す 読み間違えが残る
・透明テキストは主に全文に対する検索の用途。読書そのものは画像を読む。
 マンガなど、検索の必要度の少ないものは透明テキストをつけないものもあるという。

◯画像だけでテキストのないもの
全文検索ができなければ、このスタイルだと思われる

■今後のフォーマットはどうなると思われるか
●EPUB3(まだ規格合意がされていない)が普及する可能性が大きいと思われる。
●もうひとつは、まったくあたらしいフォーマット(想像つかない)
 EPUBはタグテキストの一種
 中間フォーマット(.book/XMDF/EPUBどれかひとつのファイルから、それぞれに変換するために規格)がすすんでいる
 いずれにしても、タグテキストの用意があれば対応は比較的カンタン

■ビュアーから見た課題
●ビュアーを分類してみる←誰がどんな目的で制作したか
・電子書籍書店が開発しているもの .book XMDF Kindle iBook
DRM(コピーなどをさせない)をかけるのが一般的
・フリーウエア i文庫HDなど
DRMのかかったものは基本的には開けない

●ビュアーを分類してみる←データの置き場
・サーバー
Kindleのように専用アプリでサーバーにアクセスしてある程度のデータをダウンロードしながら
ブックインブラウザー ウエブサイトのを見るように電子書籍を見る
・ローカルにダウンロード
アプリと電子書籍がセット
書店の開発したアプリで管理できるもの

●DRMの仕組み
開く時に、そのDRM開発会社(adobe/appleなど)のネットワークのサーバーに「私はちゃんと買っていますよ」と問い合わせさせて、サーバーにの記録と問い合わせ者の記録に合致したら、許可をだす。

●ビュアーの問題
・単独アプリ
・電子書籍書店とむすびついたアプリ
・アップストアの制限
・ウエブアプリ

■出版社にとっての大きな課題
●電子書籍をつくるためのデータを出版社が自由にできる状態にないところが多い
・印刷のためにつくったデジタルデータ
inDesignデータ/組版ソフトからかきだしたPDFデータの所有権
・それぞれの電子書籍書店につくってもらったデータ
google/電子取次
・制作会社がつくったデータなら所有で来ていると思う。

●著作権者との契約
◯既刊本の電子化
・一般的には紙の本の独占販売権とおもわれる
・「電子化します 不同意なら連絡ください」か「電子化の了解をください」
◯今後発行する書籍
・項目を列記して、不同意の項目のみ意思表示してもらう
・基本を、非独占にして特別な場合のみ独占を提案することにできないか
独占の場合は印税率を上げる

●印税支払い
・印税は実売計算になる(レベニューシェア)
・印税率の相場がまだ形成されていない
・支払いの煩雑さをどうするか?

●ビュワーから見たもの
・ウエブビュアー
・アプリとしてのビュワー
 ダウンロードとクラウド
 ネット書店とセットのもの/フリーソフト
・アプリとデータがセット

■今、出版業界、出版社としてやるべきこと
●出版業界としてやるべきこと
・数十万タイトルの既刊本を電子書籍に
・新刊本はタグテキスト型の電子書籍に
・印税支払体制/システム/著作権管理システム

●出版社としてやるべきこと
・既刊本の電子書籍化
スキャン電子書籍制作と販売とデータの管理権
・印刷新刊本のデジタルデータからタグテキスト型の電子書籍
タクテキストがあれば、.book/XMDF/今後出てくるEPUB3にするのに手間がすくなくできる。中間フォーマットができれば、一発で変換。
制作と販売と管理権
・著作権者との契約

沢辺の第二部での問題意識────────────────────

出版デジタル機構の合意を大切に、出版資産を生かした電子書籍市場の活性化へ

●株式会社の意味は大きい

●電子書籍市場に出版社のはたすことの可能性
・ジャパニーズ・ブックダム=今、読者が紙の本で持っている本のデジタルデータを提供することを考えたいと思っている。たとえば、自炊代行業者に宅配便で送るように、出版デジタル機構に送ってもらえればそのデータか閲覧権を提供する。
・著作権集中処理=利用度合いに見合った使用料で著作物の利用を可能にするこができそうだ。

版元ドットコムストアで販売開始することが電子書籍状況への準備になる

■紙の本の新刊本を電子書籍で発売
●制作
・社内で inDesignデータはあるし、タグテキスト型の電子書籍制作が可能→データを版元ドットコムに
・社内にinDesignデータ(印刷するものと完全に同じもの)はある→電子書籍制作会社か版元ドットコム制作サービスへ
・組版も印刷会社に外注→印刷会社でタグテキスト型の電子書籍制作を依頼する/印刷会社にデータ渡しを交渉/組版・データ制作を組版専門会社に依頼/版元ドットコム制作サービスへ

●契約
電子化権も契約

■既刊本の電子書籍での販売
●制作
・社内で inDesignデータ(印刷するものと完全に同じもの)はあるし、 PDF書き出しも可能→データを版元ドットコムに
・組版も印刷会社に外注でデータ引き渡し交渉がうまくできない→スキャンOCRを制作(コストが非常に安く、OCRの調整も精度がたかいので版元ドットコム制作サービスへ

●契約
電子化権も契約 「やります型」か「返事があればやります型」か?
────────────────────