投稿者「崇 笹沼」のアーカイブ

図書館サイトへの入り口

iGoogleやMyYahooのようなパーソナライズドサービスを、日常的に使っている人はどれくらいいるのだろう? 僕の身の回りには、まだ1人もいない。
だからどういう人が使ってくれて、どんな効果があるのか、今のところは未知数だが、iGoogleのユーザーが、自分の画面上に図書館サイトへの入り口を追加できるようガジェットをつくってみた。

 注1:iGoogle  →Googleのパーソナライズドサービス。
 注2:ガジェット→ブラウザ上で動く小さなアプリケーション。

これは僕の思いつきではなく、「情報の科学と技術」Vol.58, No.5に掲載された、角家永さん・木下和彦さんの「iGoogleガジェットを活用した図書館サービスの提供」に触発されてのことだ。

最近の大学図書館では、図書館Webサイト内のサービスの充実ばかりではなく、わざわざ図書館サイトにアクセスしなくても利用できるようにしようという動きも出始めている。
大学図書館の利用者は、ほぼ全員がネット利用者だから、こういうアプローチも効果的なのだろう。
公共図書館でそういう前提が通用するのは、もう少し先の話のような気がする。

ともかく面白そうなのでちょっと試してみたら、意外に簡単にできそうだった。
そこで実験と広報を兼ねてまずは図書館サイトとOPACのページ、「はてなダイアリー」と「ブクログ」を使った資料紹介のページにリンクするだけの、ごく簡単なものをつくってみた。
広島市立図書館のように、iGoogleから蔵書検索が出来るようになれば便利だと思い、前掲の論文を参考にしたり、Myrmecoleonさん作の「Library Gadget Generator」というOPACをガジェットに変換するツールを使って試行錯誤してみた。
だが、システム仕様と僕の技量の両方に問題があるようで、残念ながらまだそこまではできていない。
図書館システムのメーカーに仕様を問い合わせているが、この問題が解消するには少し時間がかかりそうだ。

今のところ、それほど普及しているとは思えないWebのパーソナライズドサービスだが、例えば近所の役所や郵便局、病院やスーパーなどリアルな日常生活とリンクするガジェットがたくさん現れれば、一気に普及する可能性はあるんじゃないかと思う。
そんな中で、やり方次第では公共図書館のガジェットが、それぞれの地域のキラーコンテンツになる可能性もあるのかもしれない。

ガジェットをつくっているうちに、少しずついろんな考えが出てきたので、図書館の個人認証機能のことなども盛り込んで、次の[本]のメルマガに書いてみようと思う。

「あさやけ?」

『朝焼けの図書館員』というタイトル案を見たとき、来年40代に突入する僕は、徹夜明けとか昔懐かしいミラーマンなんかを思い出した。
これからの図書館を担っていくイメージだと、ポット出版の沢辺さんから聞いて、なんだかこそばゆいムズムズした気分もあった。

3年前から、出版社や書店の有志が立ち上げた「[本]のメルマガ」というメールマガジンに、隔月で図書館の話を書いている。
そこでいただく感想や、今までは接点がなかった人との出会いが面白く刺激になっている。不特定多数に向けて実名で書くというのは、やっぱりそれなりにリスクを背負うことだけれど、その勢いで今回も引き受けてみようと思った。

メルマガでは、ある程度考えがまとまったことを書いているつもりだが、ここではもっと曖昧な状態でも、いまの図書館についての考えや、これからのことを、その時々に思っているまま、簡単に書いてみたい。
そこで、また新たな広がりを持つことが出来るなら、それは何よりじゃないかと思う。

僕は今のところ市立図書館の副館長をしている。
5年前に図書館づくりのために呼ばれた図書館屋で、もともと地方公務員ではなくて、企業や大学で働いていた。
だから、自治体の財政や組織を意識することは比較的少なくて、むしろ版元や取次、書店と同じように、人と本とを繋ぐ仕事の一部という感覚の方がずっと強い。

図書館員だからといって、いつも図書館と利用者のことばかり考えているのではなく、本に関わる業界全体を広く意識して、いろいろな人たちとできるだけ意識を共有したり、情報を交換しながら、図書館という箱に固執しないオープンなスタンスでやっていくのが、僕の場合は性にあっている。
これからも図書館に関わり続けるのか、あるいは別の立ち位置から本に関わっていくのかはわからないが、常に軸はそのあたりに置いている。

今のところは、出版流通過程の中で比較的読者に近いこの公共図書館という場から、本の復権を目論み、ない知恵を絞ってウンウン唸っている。

この先どうなるかわからないけれど、ともかく始めてみよう。