投稿者「松沢 呉一」のアーカイブ

松沢 呉一 について

1958年生。ライター。

校正・校閲をするということ

今日は、校正および校閲について書こうと思います。
前々回の日記でも少し触れましたが、「校正」は、誤字・脱字がないか、再校紙に赤字が忠実に反映されているか、といった、照らし合わせを行う作業を指します。

一方、「校閲」は「ファクトチェック」と呼ばれている作業です。2013年は元号に直すと平成25年で合っているのか、人物名の漢字は正しいか、東日本大震災時の首相は、菅直人氏で間違いないか……。現在はインターネットで何でも調べられるとはいえ、こんなにも多方面に捜査網を広げなければならないのが編集者の仕事であることを知り、驚いています。なら、誰がファクトチェックやってると思ってたの?と聞かれると、それはそれで困るのですが……。

そして、インターネットで調べる際の心構えを、大田さんに教えてもらいました。
私はちょうど単行本のカバーの校正を任されており、海外のとある市民賞の名称が正しいか否か気になったので、まずwikipediaの検索バーに名称を入力しました。そこで開かれたページによれば、カバーに書かれているものとスペルが異なっていたので、「カバーのスペルが間違っているのでは」と提案してしまったのです。

暫くの後に大田さんが、グアム政府の公式ホームページを参照すると、市民賞のスペルはカバーに書かれたもので合っているよ、と指摘してくれました。そして、私の開いたページは、市民賞そのものを詳細に解説するページではないこと。そもそもwikipedia自体が、(こうした校正の場においては)信ぴょう性のある媒体ではないこと。したがって、これからはもっと信頼出来る根拠を探すようにすること。以上のように、教えてくれました。

世の中に出ていく本をつくるということは、世間から「ここに書いてあることは正しいのだ」という目で見られるに耐え得る本をつくるということです。それなのに作り手が、いい加減な情報に便乗してしまっては、元も子もないですね。反省と共に、肝に命じたいとおもいます。

校正の過程(学習メモ2)

3月に入りました。私の通う大学でも、卒業ムードが着々と高まっています。
ついこの間、ゼミの幹事から「我々の学科では、代々卒業生が先生方にプレゼントを贈ることが伝統になっています。そこでプレゼントの案を皆さんから募集します。なお、先生方をびっくりさせるため、このことは当日まで秘密です」というメールが届きました。
目上の方への贈り物というのは、とても難しいです。友人と案を出し合って見たものの、全く良い物が思いつきません。
……しかし、いくら秘密にしたからって、「送ることが伝統になっている」以上、「びっくりさせる」ことは不可能に近いんじゃないでしょうか。逆に、何も贈られなければ、めちゃくちゃびっくりすると思いますが……。

さて、宿題にしていた出版用語の整理です。今回は、校正の過程をまとめます。ネットで調べたことと、しばらく前に高橋さんから教えて頂いたことが基になっています。私の解釈が間違っている箇所がありましたら、ご指摘をお願いします。

①初校:元原稿と、初校とのつきあわせ
→初校は、著者から送られてきた元原稿を何らかの方法で復元したもの。しかし、例えば手書き原稿の内容をパソコンに入力した場合、どうしても間違いが出る。そのため「元原稿が、初校にそのまま起こされているか」をチェックする必要がある。この初校を「ゲラ」とも呼ぶ。

②初校の「素読み」
→「素読み」とは、原稿とつきあわせずに、ゲラだけを読んで校正を行うこと。ここで、誤字・脱字はないか、助詞の使い方がおかしくないか、文脈はわかりやすいか、などをチェックする。校正した結果は、後ほど著者に「ここに訂正を入れてもいいですか」と提案する。これを「校正案」と呼ぶ。

③再校:校正済みの初校と、再校紙とのつきあわせ
→初校に入れられた修正が、再校に正しく反映されているかをチェックする。このあと、三校・四校……と、続く場合もある。

④著者校
→以上の段階を経て校正された原稿に著者が目をとおす。

⑤校了

④著者校と⑤校了の間には、「色校」という過程もあるそうです。wikipediaの説明文は読んだのですが、イマイチ実感を伴った理解が出来なかったため、今回はとばします。そのうち、ポットで「色校」に直面したとき、改めて記事にしたいと思います。

盛り沢山の金曜日

今日は、週の終わりにして、色々なことが起こった一日でした。

・「出社したらやること」が、ひとつ増えました。
【状況報告メール】をポットの全員に送ることです。皆さんの報告メールを見るのはとても好きなのですが、自分はうっかり忘れてしまいそうなので、ここに記しておくことにします。
 
・初めて「素読み」をさせてもらいました。
これまでは、赤字が原稿に反映されているかをチェックする「つきあわせ」(きのう失敗したのもこれです)のみを任されていたので、また違った緊張感が漂います。
「素読み」を任されるとき、那須さんから「校正兼、校閲をするということでお願い」と言われました。「校正」は誤字・脱字のチェックをすることですが、「校閲」は事実関係の確認にまで目を向けることです(と、解釈しています)。
この土日は、これまで自分が直面してきた出版用語を整理しようと思っています。来週のどこかで、日誌にまとめることが目標です。

・ポットの秘密を知りました。皇族関係の方が多い(!?)ようです。私は、なんだか身に余る由来のあだ名で呼んで頂いているようで、とても光栄です。

・夕方、笠間書院の岡田さんがいらっしゃいました。以前、ポットで勤務されていた大先輩です。私の日誌にも目をとおして下さっているとのことで、嬉しかったです。またお会いする機会ありましたら、よろしくお願い致します。

・最後に。掃除大会の時間を境に、私の机に妙な物体の入ったインク壺のようなものが出現しました。特に邪魔にもならないので、全く構わないのですが……。これは一体何なのでしょうか。確かに今朝までは無かったと思うので、ちょっと不思議に思っています。

反省と心構え

今日はすごく失敗をして、那須さんにおおきな迷惑をかけてしまいました。反省の一日です。
失敗の原因は何かと考えを巡らせてみたのですが、結局は自分の仕事に対する姿勢の甘さ、ではないかと思います。自分が仕事の内容を理解できていないことにも、気づけていませんでした。

今後の対策としては、那須さんは仕事の内容を丁寧に解説してくれるので、その時に、「自分はどこまで理解したか」「どういうふうに仕事を進めればいいと解釈したか」を復唱しようと思います。
私はまだ、目の前の仕事が、行程全体の何処の部分にあたるのか、全く掴めていない段階です。そんな状態でも仕事を任せて貰っているので、私のやるべきことは、ひらたく云えば、「しつこいくらい確認すること」。これに尽きるなと思いました。今後の心構えとして、ここに残しておきます。

カバーデザインの依頼

高橋さんに声をかけていただき、出版部がデザイン部へ、カバーデザインの依頼をするときの模様を見学しました。
ポットには、出版部とデザイン部、それに編プロ部がまさしく「同居」しています。そのため、出版部が発行する単行本のカバーデザインを、デザイン部に依頼するということが、日常的に行われているのです。
普段は気の置けないやり取りをしているのですが、こと仕事に際しては、きちんと会議の場をもうけます。言葉遣いや話し方も「仕事人」が「仕事人」に対する時のそれで、カッコイイなぁと思って聞いていました。
その、カッコイイ会議の概要を以下に記録しておきます。

【出版部から、依頼にあたって伝えた、本の概要】
・ジャンル
・体裁(ページ数、右綴じかor左綴じ、値段など)
・読者のターゲット層
・自分がイメージしている、カバー案
・著者がイメージしている、カバー案

【デザイン部から出された質問】
・カバーに起用された人物の、知名度はどれくらいか
・店内の写真がカバーに使われようとしているが、平気なのか
・著者の肖像をカバーに用いても大丈夫か

三十分ほどの会議で、今回私に理解出来たのは、この程度でした。次回からは、どうやってお互いに意思疎通をはかっているのか……すなわち、出版部はいかにして頭の中のイメージをうまく言語化し、デザイン部は言語化され切らなかった部分にまで、いかにして想像力を及ばせ、新しいイメージを自分の中に構築するのか……ということにも思いを馳せながら、見学させて貰いたいなぁと思っています。

ところで、先日はついに沢辺社長にお会いすること適いました!本の中、またはパソコンの画面の中でしか、お顔を見た事がありませんでしたので、未だ「有名人に会えた!」という、フワフワした感覚が抜けません。
そして本日は、青弓社の矢野さんにもお会いしました。私の名前を覚えて下さっていて、とても嬉しかったです。書籍の《社内直販》も体験させて貰いました。

この日誌が、いろんな方に読んで頂けていると思うと、嬉しいです。どうぞこれからも、よろしくお願いいたします。

テープ起こし

テープ起こしが、苦手です。
といっても、まだ一本分の経験しかありませんので、苦手と決めつけてしまうのも良くないのですが。
それにしても、常に私のミスを穏やかに訂正してくれる大田さんが、テープ起こしの時だけは間髪入れずに、「遅いね!」の一言を放ったので、相当なものがあるのだと思います。(ちなみに大田さんは、私の4倍から5倍の速度で起こすそうです)

佐藤さんからは、「自分の速度を把握しておくといいよ」と言われているのですが、あまりの遅さに呆れ果て、誰も私にテープ起こしを頼まなくなってしまうと困るので、ここで公表することはやめておきます。
回数を重ねるうちに、少しでも早くなれば良いのですが……。

しかし、テープ起こしの作業そのものは好きです。
部屋に居ながらにして、色々な人の発言に触れられるというのもそうですが、
それ以上に、聞き手の相づちが興味深いです。
「うんうん」「へぇ〜」だけでなく、「私もそうですよ」「私も知らなかった!」と、同意を示したり。
会話の方向を修正したり、逆に、どんどん新しい話題で膨らませていったり。
最後のほうでは、ヘッドホン越しにも和気あいあいとした空気が伝わってきて、編集者ってこういうこともやるんだ…すごいなぁ…と思っていました。

これが、「作り手の側の視点を持つと、作品は二倍楽しめる」ということかなぁ……と感じた、初テープ起こしでした。

変わったことと、変わりたいこと

ポットで過ごす二週目が、終わろうとしています。
お手伝いが増えるたびに、私が周囲にかける迷惑も積み重なっていくような気がしますが、皆さん優しくしてくれるので、毎日とても楽しいです。
しかし、頼り切っているわけにもいかないので、「人に聞く前に、まずは自分で調べられるだけ調べる」ことを、来週の目標にしたいと思います。場合によっては、間髪入れずに指示をあおいだほうが良い時もあるので、兼ね合いが難しいですが……。
「来た時から、変わったな」と皆さんに思って頂けるのは、まだまだ当分先でしょうが、精進していきたいと思います。

ところで、毎朝八時過ぎに家を出る生活を始めてから、頻繁に顔を合わせるようになった人がいます。といっても、名前や素性はわかりません。しかし、とっても素敵なオバサマだということは、はっきりしています。そのオバサマと私は、なぜかいつも狭い路地ですれ違うようになるのですが、必ず笑顔で、道をあけてくれるのです。今日こそは私が先に譲ろう、と思うのですが、いつの間にか先を越されてしまいます。

はじめのうちは「すみません…」と会釈をして通っていたのですが、私の反射神経がオバサマに敵わないことが明らかになってからは、「ありがとうございます」と言うように心がけています。オバサマにとっての一日を、お礼の言葉で始めることで、せめてもの恩返しになるかな?と思ったので……。来週は何回「オバサマDAY」 があるのか、ささやかな楽しみです。

今日、初めてSDの日高さんにご挨拶しましたが、君の日誌を読んでいますよ、と言って貰い、とても嬉しかったです。今回は月曜朝礼の校長先生みたいな話になってしまいましたが、「学習メモ」の回も頑張って増やすつもりでいますので、引き続き、素敵な読者さんでいて下さるとありがたいです。

「取次搬入」訂正版

昨日の日誌ですが、間違いが多々ありました。改めて教えて貰ったものを、訂正として以下に記します。大田さん、何度もすみませんでした。ありがとうございます。

訂正1:ポットから各書店へ本が届く段階について。
(1.ポットの制作した本が、大村紙業に託される。)
2.取次に本のデータが登録される。
3.大村紙業が各取次にポットの本を搬入する。
4.取次から、書店に本が届く。
昨日の日誌では、2.の段階と、3.の段階とを逆に書いていました。そもそも取次は、データに登録された本でないと搬入できないのだそうです。

訂正2:「取次搬入」について
読んで字の如く、大村紙業やシナノ印刷から「取次」に本が「搬入」される段階を指します。つまり、上記の訂正後の段階だと、3.にあたります。

訂正3:書店に本が到着する日について
昨日の日誌では、「『25日(月)に取次搬入です』と答えれば、正確な日にちを書店さん側が把握することが出来る」と書きましたが、ただしくは「書店さんはおおよその目安をつけることが出来る」でした。到着日は、その時の状況によって変動するものなのだそうです。

私自身、書店で本を注文したとき、「一週間から十日ほどお時間ちょうだい致します」と言われたことが何度もあります。なぜそんなに時間が掛かるのかわからず、私の頼む本はそんなに世間の人気とズレているのかなぁと危惧しておりました。しかし大元の出版社から取り寄せる場合は、どんな本でもそれなりの時間がかかるものなのですね。流通の仕組みを知り、納得です。

取次搬入(学習メモ1)

私がゴミ出しにいそしんでいた今朝早く、書店さんから電話が入りました。
「『ず・ぼん18』はまだ書店に届かないのでしょうか」というのが電話の内容で
した。そんなに早く売りたいのかな……と、嬉しく思いつつも、きのう各取次へ見
本を送ったこと、そして、書店に届くのは恐らく来週の後半になることを伝えま
した。

以上の内容をポット出版部に報告したところ、那須さん(今日は自宅で療養中)
から、「今後こういう電話があったら、25日(月)に取次搬入です、と
答えるように」とのメールを貰いました。

ここで「?」と思ったことは二つです。
一つは、トリツギハンニュウとは何ぞや?ということ。
もう一つは、25日という日にちは何処から割り出されてくるのか?ということです。

さっそく大田さんにSOSを発したところ、とてもわかりやすく教えてくれまし
た。忘れないうちに、学習メモとして以下に残します。私の解釈が間違っていた
ら、指摘をお願いします。

ポットから各書店へ本が届くまでには、いくつかの段階がある。
1.ポットの制作した本が、大村紙業に託される。
2.大村紙業が各取次にポットの本を搬入する。
3.取次に本のデータが登録され、各書店への本の振り分けが決定する。
4.取次から、書店に本が届く。

取次搬入とは、3.の段階のことを指すようです。

では次に、25日(月)の根拠について。
2.の段階から3.の段階に至るには、数日を費やします。取次はまず、本のデータを登録する必要があります(作業A)。次に、どの書店にどれだけの部数を割り当てるのかを決定しなければなりません(作業B)。今回の『ず・ぼん18』の場合は、注文を出した書店に対して本を送る、という体制になっているので、(作業B)は必要ないそうですが、それでも、大村紙業から本が搬入されてきてから、なか二日ぐらいはかかるとのことです。

従って、上記の「三つの段階」に『ず・ぼん18』の旅程をあてはめると、
1.2月19日
2.2月20日・21日・22日
ー23日と24日は休日なので休みー
3.2月25日=取次搬入
となります。

では、肝心の4.書店に本が届く日、はいつなのかということですが、これは書店の規模や地域によってもまちまちです。ただし、各書店さんは、取次搬入からどれくらいの日数で、自分の店に本が到着するのかを了解しています。だから、今朝の電話には「25日(月)に取次搬入です」と答えれば、正確な日にちを書店さん側が把握することが出来たのだ、というわけでした。

マイ、ネイム、イズ…

「ポット出版」、一度聞けば忘れない名前です。
しかしその分、聞き取ってもらうまでには、かなりの労力を必要とします。
大学の友人などは(私の発音が悪いせいもあるのですが)、五回ぐらい「ポット!ポ、ッ、ト!」と繰り返したところでようやく、
「ああ〜!電気ポットのポットかぁ〜!」と。

……電気ポットの、ポット。決して間違ってはいないのですが、このコテージのようなオフィス、そして十名近くのヒトと二匹のワン公とが、まるで弥生時代かのごとく共存している環境には、どうにも馴染まない無機質さです。せめて「ティーポットの、ポット」とでも表現したいなぁ。

さて、今日行ったことリストです。
・付け合わせ作業
・各取次へ『ず・ぼん18』の見本を送る

今日はお客様がとても多い、賑やかな一日でした。可愛らしい女子大生さん(全員、一年生と二年生)が四人も見学にみえたのです!せっかく堀さんにお声をかけて頂いたのですが、作業でてんやわんやになっており、テーブルに加わることができませんでした。ごめんなさい。

……ちなみに私「松村」自身も、「マツウラ」さんと聞き違えられたり、「村松」さんと混同されたりと、トラップの多い名前です。ポット内でも既に、上野さんと小久保さんが、『松村or村松、究極の二択』に悩まされていました。当面の間はどちらで呼ばれても振り向きますので、間違いを恐れず、とにかく気軽に呼びつけて貰いたいです。今週も、よろしくお願いします。