投稿者「松沢 呉一」のアーカイブ

松沢 呉一 について

1958年生。ライター。

三田線で行ける温泉

昔は、温泉なんて熱いばかりで5分も浸かっていたらいいほうだと思っていたのですが、
年を重ねるごとにその魅力がわかるようになってきました。

私の今のイチオシは、三田線の志村坂上という駅を降りて
住宅街を縫うようにして10分ほど歩いていったところにある、温泉施設です。
8月に有休を頂いた日、友人と二人で行ってみました。
地元のおばちゃん達がいっぱい来ていて、変に気取っていないところと、
風呂あがりに食べる200円のかき氷の安っぽいおいしさが、とてもいいなと思っています。

(…という話を、インターンで来てくれていた中田さんにしかけたままだったのでここに書いてみましたが、
彼女はまだまだ若いので、なかなかこの心境には至ってくれないかもしれません……)

上野さんの断捨離

ここ数日、ポットを退社するときは必ず大きな紙袋を提げています。
なぜかというと、上野さんが「断捨離」をされたからです。
今回は「松っちゃんに」と言って、なんと紙袋3つ分の服や靴、鞄を持ってきてくれました。
どれも、おしゃれで格好良いものばかりで、
いまのままだと、私は着方がまったくわかりません。
他の仕事と同様、
上野さんにゼロからすべてを教えてもらっているところです。

しかし、他の人の服に腕を通してみると、
自分の体系がよくわかるな、と思います。
私はとにかく肩幅が広いです。昔、水泳をやりすぎたのが原因かもしれません。

そして今日は、3つめの紙袋を持ってこれから帰るところです。
上野さん、本当にどうもありがとうございます!

夜明けの感慨

ついに私の「初・ポット宿泊」が達成されました。
これまで、現在先輩であるところの「過去の新人さんたち」の日誌を見ては、
本当に泊まりってあるんだ…えっ、入社から1カ月もしないうちに宿泊されている!
私はいつ「泊まり」宣告を下されるのだろう…と、ジェットコースターに乗る前のようにドキドキしていたのですが、
いざそのときがやってくると、すんなりとポットで一夜を明かしていました。
そして、意外な居心地の良さに、つい気軽に泊まってしまいそうになります。

そもそも徹夜の経験自体、ポットに入るまでは二度ほどしかなかったため、
夜から朝への移り変わりがとても新鮮に目に映ります。
ただひたすら、地球の自転の速さに感心するばかりです。
「そのうち、朝がきても何の感慨も湧かなくなるんだよ」
と、上野さん&和田さんからは諭されましたが……。

次の日誌がまわってくるまでに果たして何泊しているのか!? そして、まだ夜明けへの感慨は残っているでしょうか。

席替え

二日間も日誌を止めてしまいました、ごめんなさい!

私が日誌をさぼっている間に、ポットの模様は大きく変わりました。席替えをしたからです。
「席替え」という響き自体、味わうのは実に高校時代以来です。部署ごとに固まることが優先されるので、「くじ引き」や「ご対面」などのドキドキ方式は採用されませんでしたが。
その代わり、1カ月以上前からポット会議で議論を重ねた上での、練りに練ったフォーメーションです。

ポットに来てから3カ月、これまで机を間借りしてきた私にとっては、はじめて自分の机が出来た思いでとても嬉しいです。心機一転、頑張っていこうと思います。

風邪、2分の1

今週は、三日間しかポットに来ていません。
ことし初の風邪をひき、情けなくも寝込んでしまったためです。
薬が無くなるたびに、かかりつけの病院へ足を運んでいたのですが、二度目に訪れたとき、お医者さんが鷹のように鋭い目で私の顔を覗きこんで、言いました。

「舌が荒れていますね。ちゃんと野菜食べてないでしょう。」

ガーンと、頭を殴られたような思いがしました。舌を見ただけで食生活の乱れまで分かるなんて、お医者さんはあなどれません。
どうやら、食べ物をのせたときに舌先がピリピリするようだと、舌が荒れている=野菜不足ということなんだそうです。

せっかくなので、もう一つ豆知識を。熱を出して汗をかくことは風邪を治す近道ですが、その後、お風呂に入ったときに寒気を感じたら、直ちに入るのを止めなさい! だそうです。まだ体に熱が残っている証拠で、そのまま入り続けると治るどころか、さらなる高熱に苦しめられることになるそうです。

ちなみに私はこの数年間、1年に必ず2回風邪をひくが、しかし2回以上は絶対ひかない。というスタイルを保ち続けてきました。したがって、今年2回分のうちの1回が終わったと見るべきなのでしょうか。出来れば、もう休んでしまうような風邪にはかかりたくないのですが……。

一ヶ月経過

ポットに来てから、今日でちょうど一ヶ月です。先月の12日、「一ヶ月後には、猫の手レベルになっていることが目標だ」と書きましたが……まだまだ、役に立つよりは、邪魔をしてしまうことのほうが多い毎日です。

最近、友人から「出版社のバイトって、どういうことをしてるの?」と質問される機会が非常に多いです。自分の仕事を整理するためにも、これまで任せて貰ってきたお手伝いの内容を、以下に書きだしてみます。

【毎日やっていること】
・ゴミ出し、洗い物
・コーヒーを煎れる(ポットのコーヒーは、豆から挽きます!)
・宅配の荷物受け取り、発送作業
・書店からの本の注文を電話で受ける
・大村紙業に本の発注作業

【日替わりお手伝いメニュー】
・原稿の校正
→突き合わせ:入れられた赤字が反映されているか確認
→校正・校閲:誤字、脱字の確認、ファクトチェック

・データ入力
→ポットの本を定期で買ってくれている書店さんのデータ処理
→発売予定の本に対して注文を入れてくれた書店さんのデータ処理

・ポットから直販で本を送る

・出版会議、ポット会議に参加

お手伝いといっても、今は「私でも出来る環境を、整えてもらってから」やらせて貰えているので、果たして手伝っているのか、逆に教えてくれる方の仕事を増やしてしまっているのか、微妙なところです。ポット内での備品の置き場や、パソコン内のデータの在り処も徐々にわかってきたので、これからの一ヶ月間は、出来るだけ「お手を煩わせないお手伝い」が出来るようにしたいなぁと思っています。

それから、電話の受け答え。なかなか肩の力が抜けないなぁと思います。今日は沢辺さんから、「スタッフから電話を受けたときは、自分の名前を名乗るように。声だけじゃあ、誰が受けたかわからないからね」と教えていただきました。以後かならず気をつけます。(沢辺さん、ありがとうございました。)

「毎日やっていること」で、大事なことを忘れていました。ポットの看板犬、鉄くん&すずちゃんをなでることです。毎朝、あいさつしに駆け寄ってきてくれます。この二頭を含む、みなさまにあたたかく受け入れて貰っており、ありがたい毎日です。今後ともよろしくお願いいたします。

「エツラン」

先週末、ひさしぶりに学科の閲覧室を訪れました。大学にいた四年間のうち、一番足繁く通った場所が、この閲覧室でした。こう言うと私がすごく勉強家のように思われますが、実は私の所属していた史学科の閲覧室というのは特殊で、蔵書に囲まれながらお弁当を食べたり、お菓子をつまみながらずっと喋っていたり、いかめしい印象はまるでありませんでした。エツランに行けば誰か、見知った顔がいる。待ち合わせは、エツランで。いわば、リビングのようなところでした。
100ページ手書きの卒論を皆で完成させたのもこの部屋で、あれからまだ数ヶ月しか経っていないのですが、もう閲覧室は下の学年のものとなっていて、いつもの顔ぶれはありません。

閲覧室の横の史学科事務室には、学生の就職先一覧をまとめたファイルが置いてあります。それを見ると、みんな、じつに色々な業界に、地方に、就職していくんだなぁということがわかります。砂鉄の上に磁石をかざしたときのように、パァッと散らばっていくのです。バラバラになることの不思議よりも、これだけ進む道の違う人間が、今までひとところに固まり、同じ空気を吸っていたことの不思議のほうが、大きいです。

しかしその分、数年後には皆と顔を合わせるだけで、自分の知らない世界を覗くことが出来るのだろう、という楽しみもあります。また、私はその時、皆から「どういう世界の人間だと」思われるのでしょうか。卒業式が、一週間ちょっと後に迫っています。

スマホに収められた桜染め

きのう桜染めの話を書きましたら、SDの日高さんが、素敵な写真を見せてくれました。
なんと、本当の桜染めの織物の写真です!「音に聞く……という感じではあるけど、なかなか本物って見ることないでしょう」と仰っていましたが、まさにそのとおりです。昨日あれだけ「桜染めは綺麗だ」「桜の生き様は美しい」とか言っておきながら、実際に見たことは一回も無かったのです。
いかにもサクラ!といったような、わざとらしいピンク色ではなく、どちらかというと朱鷺(とき)色に近いのかなぁと思いました。

ところで、日高さんがその桜染めをどこで撮影されたかといいますと、「寺山修司記念館のおみやげコーナー」だそうです。どこにあるのかも(そもそも、寺山修司がどんな人なのかも)知らなかったため、ケンサクした結果によれば……青森!?そんな遠方まで、わざわざ行かれたのでしょうか。今度、あらためて旅の想い出を伺いたいなと思います。

ちなみに、私と日高さんの見解は、「桜染め、って断りがいれてあるから有難いけど、百均に置いてあったらなんの価値もわからないね」ということで一致した…ように思います。それくらい、自己主張の控えめな美しさということなのでしょうか。

日高さん、素敵な写真をありがとうございました。いつもくだらない日誌ですが、読んで下さって本当に嬉しいです!

桜のまだ咲かない季節

昨日から、めっきり暖かくなってきました。
空気のにおいはまだ冬のままですが、風がだいぶやわらかくなって、春が近いのだなぁと感じます。

私はこの時期になると「桜染め」を思い出します。織物をきれいに染め上げる桜染め、あれは、桜の幹を細かく砕くことから始めるのだそうです。花びらを煮詰めて色をつけるのではないか、と思いがちですが、違うんだそうです。つまり、桜の綺麗なピンク色は、あのゴツゴツした、茶色い幹から出てくるのだということです。

これは、私が実際に目の当たりにしたことでもなく、調べたことでもなく、中学時代の国語の先生から教えてもらった話です。先生はこの話のあとに、人間も同じで、みにくい姿でもひたすら冬を耐え忍ぶことによって、いつか美しい花を咲かせられる人になれればいいですね。と言っていました。
まだまだ、ポット内で迷惑をかけ続けている私ですが、いつかは、ほんのちょっとでも役に立てる存在になれるといいなぁ……と思って過ごしています。

先生にも、ひさしぶりに葉書を出してみようか……。

カバーコンペなるもの

「カバーコンペ」なるものに、参加させてもらいました。
ここでいう「カバー」とは、帯を含めた本の表紙のことです。なぜ「コンペ」かといえば、一冊の本に対して、四名のデザイン部の方が、それぞれデザインしたカバーを持ち寄り、その中から「ポット内での一番」を決定するからです。

2月27日に「カバーデザインの依頼」という日誌を書きました。あのとき出版部側から依頼したカバーデザインが、今日出来上がったのです。こう書くと、まるで勝手にどこかからか生成されたような、あっさりした印象を受けますが、実際にはデザイン部の方々が、自分の手と、頭と、センスを駆使して、一から組み立てているわけです。本当にすごいなぁと思います。私は、学校の成績でいっつも美術(と、数学)が「2」だったので、なおさらすごいと思います。出来上がったカバーを前にして、とても人間が成し得た業とは思えませんでした。

しかし、そんな美術の才能が皆無に等しい私も、「投票」には参加しなければなりません。デザイン部の方、一人一人から「なぜこのデザインにしたか?」の解説を貰った上で、自分の名前が書かれた付箋を、一番良いと思ったカバーに貼り付けるのです。
そのときの判断基準についてですが、みなさんの話を聞いている限りでわかったことを、以下に記しておきます。

・想定しているメインターゲットに訴えかけるカバーであるか
・場合によっては、メインターゲット外の人でも、手に取りやすいか
・本のタイトルと、カバーから受けるイメージが一致しているか
・「どこかで見た表紙」になっていないか

まだまだ、判断基準は色々あるのだと思います。次回も積極的に参加して、カバー選びのポイントを抑えていきたいなと思います。