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[第2章●強靱なリファレンス環境の探求]
2… 検索語を工夫する
[2003.08.15登録]

石田豊
ishida@pot.co.jp

Web検索はノイズが多くてやりきれん、という声をよく聞く。中には「だからインターネットもなんらかの形で情報発信できる人や組織に一定の資格を設けるべき」なんてムチャクチャなことを主張する御仁までいる。度し難いアホとしか言いようがない。

Web検索以外、たとえば図書館でもいいし辞書の類いでもいいのだが、そういった「従来の検索システム」の中には「ノイズ」はなかったとでも言うのだろうか? 調べものには昔からノイズはつきものだし、そもそも「あなたにとってのノイズ」も「わたしにとってはビンゴ」だったりする。クリオネを検索して「お気楽主婦クリオネの優雅な日常」とか「レストラン・クリオネ」とかというページがひっかかるとしても、それが「ノイズ」であるのは、単に「それをノイズと感じる人」にとってだけだ。

理念としては、そうなんだけど、でも実際のWeb検索では「ノイズ」の多さに困ってしまうことは多い。ヒットしすぎる、のである。

これはあの手この手の「技術」を使ってできるだけ回避を試みればいいのである。

たとえば前回例にだした「学名による検索」。相手が生物である場合に限るが、学名込みで検索することによって、比較的「生物学っぽい」情報だけがフィルタリングされる。

検索語を工夫するのも効果がある。たとえばあなたが、ストッキングとかに80デニールとかと書いてあるけど、あのデニールって、いったい何よ、という疑問を持ったとする。この疑問を解決すべく「デニール」でググってしまえば、あなたは無数のパンスト通販サイトの山を抱えてしまうことになる。

ここは検索語を「デニールとは」とすべきなのだ。

「デニールとは」でググれば97件のヒットになり、ディスクリプションを眺めていくだけで「9000mが1gになる糸の重さが1デニールである」ということがわかり、同じ繊維で比較すればデニールは糸の太さと見なせることもわかる。しかも大阪読売新聞「もの知り百科」というページにより、この単位がいささか旧式のものであるということも判明する。昨今は「デシテックス」を使うのが正式だとか。

また、仮に「小林一茶の生誕地」が知りたいとする。「一茶」「小林一茶」で検索してもあまりに多数の結果がヒットして、なかなか生誕地の情報にはたどり着けない。ここでも検索語を工夫して「一茶 で生まれ」としてみるとよい。「一茶は現在の○○県○○町で生まれ」という風な文章を期待してのことだ。

この検索で一茶は柏原(長野県信濃町)生まれであることがすぐに判明する。上記の「〜とは」検索ほどピンポイントでヒットするわけではないが、それでも漫然と「一茶」で検索するより絞り込めるし「一茶の生涯」で検索するよりカタい。

「カルボナーラ」ってどういう意味か、という場合には、素直に「カルボナーラ 意味」でもいいし、「カルボナーラ イタリア語で」でもよい。実際に試して見ると、後者の方が結果の具合はよろしい。

とにかく結果の文脈を想像して、その文脈に「ありがちな構文」で検索してみると、ノイズはぐっと抑えられる。その際「小林一茶の生誕地」「カルボナーラの意味」という具合にあまりにも「そのまんま」検索を行うと、かえって結果が貧しくなる。その兼ね合いが大切になる。

巷間よく言われる「Web検索でのノイズ」はこのようなことだけを指しているのではないにしても、無反省に「ノイズの多さ」を云々することは、自分の工夫と想像力のなさをはしなくも告白しているに過ぎないと思うのだ。

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