スタジオ・ポット
ポットのサイト内を検索 [検索方法]

芝居編 10|09|08|07|06|05|04|03|02|01
映画編 10|09|08|07|06|05|04|03|02|01

芝居編05●バリアフリーシアタージャパンの素敵な未来

●書き手
高島琴美さん
[バリアフリーシアター・
ジャパン
]  

 さて、バリアフリーシアタージャパンにとっての素敵な未来とは、いったいどんな未来でしょうか。
答えは、「映画、演劇という言葉の意味が、今と違っている未来」。
 そりゃそうですよね。だって、今、映画を目が不自由な人が見るということは、多分、想像のそとにある、という人が多そうです。ということは、その人々にとって、映画とは、「目に不自由のない人が見るもの」という定義が、その人の中に、確実にあるわけですよね。
 だとすると、映画の定義が、「目が不自由な人も見るもの」というふうに、変化する必要があるわけです。演劇も、同じことが言えます。
 とすると、そのことで、変わるのは、劇場だけではないのですね。
 たとえば、演劇学、映画学。演劇学科や映画学科で教えることの内容も、当然変わりますね。演劇概論、なんていう講義があったとすると、そのテキストを開くと、多分4つ目くらいの項目に、「すべての人が見る演劇デザイン」なんていうのがあるわけです。創り手側の意識が、変わるわけですね。そうすると、創り手側の世界観に、なんらかの影響がでてくると思います。世界観の変化、これは、大変興味深いテーマです。
 
 それから、先日の中教審の教養教育についての答申の中にも、演劇や映画を見るという項目がありました。この答申については、いろいろ考え方もあると思いますが、私としては、すべての人が、教養を身につけることができるように、システム整備をしてほしいものだと思います。
 たとえば、今後、ホームレス家庭などというのは、登場するのでしょうか?すでに存在しているのでしょうか?そこのところは、私はよくわからないのですが、ホームレス家庭に育つ子どもにも、ぜひ教養を身につけてほしいものだと思います。
 でも、いったい、教養って何なんでしょう??と、気になりますが、まあそれはそれとして、ホームレス家庭の子どもが劇場に行くためには、やはり、空間を共有するわけですから、周囲に違和感を与えないように、お風呂に入って、服を着替えて、出かけてきてほしいです。それは、システムとして、できることですよね。そういうサービスを連結すれば、可能なことです。
 
 それから、当然、観客として来ている人々の意識も変わります。
 先日、あるパフォーマンスに、目の不自由な方が招待されたのですが、主催者からは「必ず付き添いの方と来てください」というお願いがあったそうです。その場合は、劇場のスタッフが、いろいろ対応できないという理由で、そうなっていたようです。でも、ほんとだったら、一人で行けるなら、行きたいこともありますよね。
 それから、弱視の人が、もっと視力の弱い人、場合によっては全盲の人とを誘導したり、いっしょに行動することも、よくあることです。そういう場合は、劇場まで出かけたり、という移動はできるけれども、たとえば、ロビーの掲示の文字は読めない、ということもあります。そういう観客がたくさん映画館にくるようになって、よく見かけると、当然、人の意識、は変わると思います。
 この世界というものに対するイメージも変わるでしょう。
 この世界というものは、弱視の人が、全盲の人を誘導して歩き回っている場所なのだと。
 今現在も、この世界は、そういう世界なのですが、そのことを、みんながリアルに感じる世界。
 
 これが、素敵な未来です。

   
page top ↑

|ポット出版 |ず・ぼん全文記事|石田豊が使い倒すARENAメール術・補遺|ちんまん単語DB|
|デジタル時代の出版メディア・考 | 書店員・高倉美恵 | パレード写真 |「伝説のオカマ」は差別か |
|黒子の部屋 |真実・篠田博之の部屋|篠田博之のコーナー |風俗嬢意識調査 |ゲル自慢|S-MAP|
|ポットの気文|ポットの日誌|バリアフリーな芝居と映画|MOJもじくみ仮名|

▲home▲


このサイトはどなたでも自由にリンクしていただいてかまいません。
このサイトに掲載されている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
ポットメンバーのもの、上記以外のものの著作権は株式会社スタジオ・ポットにあります。
お問い合せ→top@pot.co.jp/本の注文→books@pot.co.jp