投稿者「沢辺 均」のアーカイブ

「自炊の森」はだめでしょう+自炊について+書協ガンバレ

自炊の森という店が秋葉原にプレオープンしたそうだ。

●akiba PC hotline【 2010年12月28日号 】
 店内の漫画を「自炊」するレンタルスペースが仮オープン、
 裁断済み書籍を提供、ネット上は懸念の声多数

断裁済みの本とかマンガ、業務用スキャナをおいて、自炊させるサービスだそうだ。
●自炊の森 Twitterアカウント http://twitter.com/jisuinomori

こりゃダメでしょう。
ツイッターでは
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当店のサービスの要点は、利用者ご自身が自分の体を使って自炊(スキャン)する、という点です。著作権法で定められている私的複製の要件として、これが求められるからです。
http://twitter.com/#!/jisuinomori/status/19075483773706240
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とか書いているけど、著作権法では完全にアウトだとおもう。

その最大のポイントは、断裁済みの本を貸し出すところだ。

この店に並べられている本やマンガを出版している版元は、
法的手段を、出来るだけ早くとるのがいいと思う。

自炊が盛り上がっている(らしいってこと)のは、当然だと思う。
本として残しておくほどではないにせよ、一応資料としてとっておきたいな、という本があることはとってもワカル。
デジタルデータがあるのなら、あるいは、デジタルでアクセスが可能なら、
捨ててしまってそのスペースを空かせたいのはオイラも同じだ。
(昨日大掃除したばかりだしね)
この前、あるIT系の大企業の人から、会社の引っ越しのついでで、紙の本を「自炊」してしまいたいのだが、
出版界に相談する窓口も見つからなかったので、結局、それを保管するスペースを、家賃をはらって
確保する以外に無かった、きちんと対価を払うので、対応してもらいたかった、という話を聞いた、。
これも同じ話。

オレ自身の著作権法解釈は、福井健策弁護士の見解とほとんど同じだ。
出版業界のムードとしては、福井さんほど、ラディカル、ではないだろうけどね。

書籍の電子化、「自炊」「スキャン代行」は法的にOK?〜福井弁護士に聞く著作権Q&A

ところで、
「自炊の森」は論外としても、大手出版社が、自炊代行サービスにも対策をとろうとしてるって話がある。
気持ちはなんか解らんでもないけど、アプローチが逆だと思う。
福井さんも
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 Q8:自炊の代行サービスは適法?
 A8:権利者から複製の許可を取らない限りは、違法でしょう。
 解説:私的複製の範囲を規定する著作権法第30条1項を見ると、「『使用する者が』複製することができる」と書かれています。こうしたことから、自炊に限らず複製の代行サービスは、私的複製として許容されないというのが通説として定着しています(表【2】参照)。

 これまでも新しいメディアが生まれるたびに複製代行サービスが登場しましたが、ビデオのダビングサービスをはじめ、権利者の許可のない複製の代行サービスは基本的に押さえ込まれてきた経緯があります。  自炊代行サービスに関する判例はまだありませんが、現行法を解釈すれば、おそらく複製権侵害に該当すると考えられます。

 とはいえ、私も自著で利用してみたことがありますが、こうした自炊代行サービスは電子書籍のラインナップが揃わない現在、利便性がありユーザーの需要が高いことは間違いありません。許諾の確認できない書籍のスキャン代行は当面停止し、前述の複写権団体などを通じて作家・出版社と包括契約を模索するなど、各業者は適法化に向けて努力すべきでしょう。無論、作家・出版社側の電子書籍充実に向けた努力も望まれます。
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と書いているし、先のIT系大企業のような要望に、出版界が応えられていないということへの対応こそ、
先にやるべきことなんじゃないだろうか?
そうしないと、理解を得られない。妥当な費用負担をして、便利になりたい、という要望に応えることが先決で、
その対案を出さずに、自炊代行サービスタタキをするのは、妥当性を欠くやり方だと思う。
提供しているサービスの不足をたなに上げて、その不足を埋める第三者の行為を「だけ」をたたくだけだから。

さてさて、
書協という、ナンバーワン出版業界団体の行動には、まったく関与できないし、してもいないし、
これまでも特に態度を明らかにしたこともない、と思うんだけど、
この「自炊の森」に書協なり、の業界団体が反撃するなら、断固支持するつもりだ。

もちろん、自炊要望に応える対応策も必要だけどね。

ポット出版でも、ささやかに「ず・ぼん」のバックナンバーをネットで公開してるけど、
ポット出版で「ず・ぼん」シリーズを「自炊」して、紙の本を買ってくれた人には無料で、
紙の本を買ってくれていない人には有料で、PDF化して公開しようと計画中だ。
DRMは(ほとんど)かけないで、ね。

2011年の電子書籍議論は、DRMのことがいよいよメインテーマになる予感?
いや、オレの「希望」だけかもしんないけどね。

ポット出版社長・沢辺均の日記 -102[2010.12.20〜2010.12.24]

●2010.12.20月
C社に行って、国立国会図書館の長尾館長インタビューの相談。
夕方に、「特許」問題。腹がたつ。
それにしても、12月はトラブルばかりだ。
夜は20時からポットチャンネル。
電子書籍交換フォーマットの現在
ゲスト:植村八潮 × 楠正憲 × 境真良 × パーソナリティ:沢辺均」
境さん、楠さんがいてくれて良かった、助かった。
解りやすく、合意を取り出すような大人の態度。っておれの方が年齢的には大人なんだけど(笑)。
1時間延長して終わったのが23時。
それでも近所の飲み屋で軽く飲み会。終電まで急いだ急いだ。
だけど、見学に来てくれた小形さんが終電をノガして、深沢さんと三人で始発まで、
コーヒーでおしゃべり。小形さんとの意外な接点が見つかってビックリ。朝5時まで。

●2010.12.21火
午前中はマンションの管理組合。303号室と302号室にケーブルなどを繫げる工事の了解を得る。
午後からは「ず・ぼん16」の入稿のために時間をあけてあったのだけど、
雑用を片付けていたらなかなか「ず・ぼん」に取りかかれない。夜になってやっと「ず・ぼん」の人に。
途中那須ゆかりが、自分の飼い犬=にかまれて病院へいくなどのトラブルが発生。
うーむたいへんだ。でもほんとに鉄じゃないのか?

●2010.12.22水
雑協同時配信実験等の全体会議に参加。深沢さんと二人で。
終わってから、バラバラと打ち合わせしたり。
そんで、マガジンハウスのMKさんとご挨拶。一緒に香港に行ったのはもう15〜20年前。
うーんかわってないぞ。
夜は慶応大学の原田センセと●●●のNKさんとお話会。
いろいろ誤解を解いて、とか、これからのとりくみを有意義にする話。

●2010.12.23木 祝
祝日、ポットチャンネルでオイラのバンだった。
テーマはプライドパレード(昔のレズビアン・ゲイパレード)の内紛のこと。
主流派・反主流派(って、シャレですぜ)とも悪気なさそう。
なんていうか、合意を作っていく技術が下手なんじゃないかな、と。
それに事務! 組織は事務に支えられるんだと思っているのだけど、
出演してくれた「反主流派」が目の前にいるもんだから、
ついつい「反主流派」に突っ込んだんけど、どっちもどっちというたちばだな、ヤッパ。

●2010.12.24金
遅刻した。出版チームは那須を除いてみんな休み。
中公の高橋さんとカラー新書のデザイン打ち合わせ。
そのごいろいろ雑用で21時30分をすぎてしまう。
資料読みとか、ベーカム資料のことなんかはなんとか週末にやろう。
「特許」問題で、相手側に電話。
版元ドットコムは問題にする気はない、って反対だろう。
版元ドットコムが問題にするかどうかって問題なんだ。コラ。
申請書をみせてくれと要求。

01/14金 情報通信政策フォーラムでスピーカーします

山田肇(東洋大学経済学部教授、ICPF理事長)さんからメールがきて、情報通信政策フォーラムのセミナーのスピーカーをたのまれた。
津田大介さんが副理事長をやっていて「推薦」してくれたようだ。

第1回セミナー 『電子書籍を巡る動向 政府の動き』
 安藤英作氏(総務省情報流通行政局情報流通振興課長)
 川瀬 真氏(文化庁長官官房著作物流通推進室長)
第2回セミナー 『電子書籍をめぐる動向 EPUB日本語拡張仕様と将来展開』
 三瓶 徹氏(日本電子出版協会事務局長)
につづく第三弾のよう。

会員でなくとも参加できるようです。

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第3回セミナー 『電子書籍をめぐる動向 積極的な出版社はどう考えているか』

特定非営利活動法人情報通信政策フォーラム(ICPF)主催
IEEE TMC Japan Chapter協賛
 この一年、電子書籍をめぐり大きな変化が起きています。アメリカでの出来事を対岸の火事のように眺めていた出版業界や端末機器メーカーが、ついに一斉に動き出しました。電子書籍の普及は私たちの生活をどのように変えていくのでしょうか。産業構造にどのような変化が予測されるのでしょうか。ICPFではこの秋、「電子書籍をめぐる動向」と題するセミナーシリーズを開催することにしました。

 第3回は出版社の動向をテーマに開催します。電子書籍に対して積極的に動こうとしている出版社もあれば、慎重に臨もうとしている出版社も存在します。そんな中、2010年1月からすべての新刊を書籍版と.book形式の電子版で発売し始めたポット出版の沢辺 均代表に、積極派はどのように考えているかをお話ししていただくことにしました。

 沢辺氏は、各出版社がつくった版元がつくった本の情報をインターネット上で公開・提供する版元ドットコムも運営されています。これについても併せてご紹介いただく予定です。皆さま、ふるってご参加くださるようご案内いたします。

月日:1月14日(金曜日)
時刻:18時30分~20時30分
場所:東洋大学白山キャンパス6号館1階第三会議室
テーマ:「電子書籍に対する出版社の姿勢について」
モデレータ:山田 肇(東洋大学経済学部教授、ICPF理事長)
スピーカー:沢辺 均氏(ポット出版代表)

参加費:2000円(ただしICPF会員は無料です)

参加お申し込み:

* こちらのフォームよりお申し込み下さい。

ポット出版社長・沢辺均の日記 -101[2010.12.14〜2010.12.19]

日曜、事務所にでて来て「中間フォーマット」の資料を読みあさる。
明日のポットチャンネルに備えて。

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ポットチャンネル・おスペ版 2010年12月20日(月)20時〜22時
電子書籍交換フォーマットの現在
ゲスト:植村八潮 × 楠正憲 × 境真良 × パーソナリティ:沢辺均

●電子書籍交換フォーマットの現在
現在、電子書籍の交換フォーマットの策定や国際レベルでの標準化がすすんでいます。
IECで電子出版の国際準化にかかわり、今回、交換フォーマットを提案した植村八潮さん、
W3Cを含む国際標準の動向に詳しいマイクロソフトの技術標準部長楠正憲さん、
経産省の境真良さんとともに、
三省デジ懇後のアクションプランで「電子書籍交換フォーマット標準会議」として実現した経緯も含め、
日本における交換フォーマットの果たす役割と必要性、
さらに電子書籍フォーマットの将来像や、標準化の世界について語り合います。

●「電子書籍 関連資料」を公開しました。(2010.12.09)
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ぜひみてくださいね。

●2010.12.14火
雑協の電子配信実験のサイト打ち合わせで、深沢さんとNTTコミュケーションへ。
16時から21時くらいまでだ。なげー、、、。
にもかかわらず、ビルの下にある珈琲屋で一休み。
で、おしゃべり二人で、あっというまに1時間以上。
会議の途中、植村さんや原田さんから電話。ジャパニーズ・ブックダムのこと。中間フォーマットのことも絡んでね。

●2010.12.15水
JPOの近刊情報センターの会議。小委員会。
ははは、日当の出る会議なのだ。
午後、急遽原田さんと近くの喫茶店で「オムハヤシ」を食べながら、
ジャパニーズ・ブックダムに関して議論。
夕方深沢さんが来て、雑協実験のための
書誌情報を書くのと、タグテキストのチェックをするウエブアプリの相談を、SDの日高交えて。

●2010.12.16木
出版会議。
午後には、雑協の電子配信実験のことで、新人物往来社へ深沢さんと行く。共同印刷の人もきて、PDF/書誌情報/タグテキストをつくるための打ち合わせ。
よるはポットチャンネル。オレはほとんど手をかけずに進行する体制が出来た。
飯島会長を中心に、出版部メンバー、マロンちゃんでほぼ問題なく進められる。
今日のパーソナリティは掟ポルシェさん。ゲストは漫画家の東村アキコさん。
東村さん、カワイイ、。
で、放送開始したら、掟さんの声がバカでかくて、東村さんの声が全然聞き取れない。何度も状況を現場に連絡するけど、全然なおらない。
高橋(当日のスイッチャー)の報告によれば、東村さんと掟さんの右左の位置をセッティングから替えたので、掟さんのマイクを入力マックス、東村さんのマイクを入力ゼロにして、それでも聞こえない+声がでかいのでへんだへんだとおたおたしてたそうだ。
マイクはあらかじめ「1」「2」としているのだから、1=右 2=左とかで記憶すべきものを、1=掟さん、2=東村さんみたいに記憶していたそうだ。
それにしても、、、、。
二人とも、次があるということで、メシはなしで解散。
それと、第三書館の「流出「公安テロ情報」全データ イスラム教徒=「テロリスト」なのか? 」をめぐって版元ドットコムでいろいろトラブル。●●から●●もくるしね。
メールで情報整理して報告したりね。
で、北川さんにはドタマに来る。(いつものことで、版元ドットコムの蛇とマングースを自認してますから)

●2010.12.17金
午前中、雑協の電子配信ファイルフォーマット協議会。
だんだん詰まって来たゾ。
午後は.Tooのメンテナンスマンが来て、複合機のファックスボード増設工事。
一台で、2回線使えるようにしたのだ。
夕方、第三書館の北川シャチョー登場。
怒鳴りあい(って怒鳴ったのはオレだけだ)。
一応、あるところまで話はまとまったけどね。
ヨルは、昔の仲間=渋谷区役所のサッカー部の忘年会の2次会に行く。
ナグモからメールのお誘いをもらってね。
サノヤン/カバ/ハセガワ/ハマデさん/アンゾー/タナカなど、懐かしい面々だった。

●2010.12.18土
午後からスタジオでバンド練習。1時間+3時間。
終わって、トミタの出る、ゴスペル教室発表会。
あんなにあがってるトミタははじめてだ。おもしれー、人があがるのをみるのは、ね。
さらに終わってからベラミナイト。
ベラミにいったら、クロの革ジャンでおそろいの面々が、ビートルズとキャロル。
そのごいろいろあったけど、一応みんなに「やれよ」って言ってもらって、STAND BY ME(ベン・E・キングのね)と、Sweet Home Chicago(ブルースブラザースとかやってるやつ、あのロバートジョンソンもだけど)。
Sweet Home Chicagoは、3コードだから、だれでもすぐ出来るんで選んだ。
オイラのギターを次々に回したりしたからか、一応みんなノリノリ。
で偶然それがラストになって、おしまい。

●2010.12.19日
ナースが、点(犬です)をつれて突然の来訪。日曜出勤しにきたらしい。
鉄は点が嫌いで、吠えたりツッかっかったり。
それから、事務所にでて電子書籍の中間フォーマットとEpubなんかの資料を一生懸命読む。
さあ、これから、犬の散歩だ。
とおもったら、撮影帰りに寄った上野がかえって、かわりに和田が出勤。
日曜なのにみんな申し訳ない。土曜は見てないけど、誰か来てたようだし。
28日の忘年会には、ルゴロアのフレンチのフルコースとワイン飲み放題をごちそうするんでカンベンしてちょ。
(これ、オレのお小遣いね。会社の経費でじゃないです。てか今年は講演料がバラバラとオレの個人口座に入金されたんでね。会社に振込んでもらうようにしてるんだけど、相手によったり、手続きのメンドウサンがあったりで、どうしてもそうなる場合が多いんだよね)

ポット出版社長・沢辺均の日記 -100[2010.12.07〜2010.12.13]

「沢辺均の日記」がついに100回目だ。バンザーイ。
最初の-01は2009年2月16日(月)。
当初のタイトルは「沢辺の今日この頃」で、「ポット出版社長・沢辺均の日記」だった。

その日の日記をコピペしてみると、

>前からやりたいな、と思っていた事に、沢辺の日誌メモを、この「ポットの日誌」に載せる事がある。
>途中で、続かなくなるかもしれないけど、そんときはそんときで、ともかくやってみる事にする。

>タイトルは「沢辺の今日この頃」。
>これを書くために前から考えていたルールは
>●続かなくても、自分をゆるす
>●書かなくても無理してさかのぼらず、その日から再開する
>●できるだけ内容は薄くして、続けることを優先する
>などなどです。

>ポットというところで、どんな事が起こっているのか、という一端を知ってもらう事で、
>存在にリアリティを持ってもらえればいいな、というのがまあ目的です。

>まず、今日から。

と書いた。

>●続かなくても、自分をゆるす
だったけど、とりあえず続いた。それも1年10ヶ月も。
これ、54年間生きて来て(って大げさだけど)、はじめてのことだ。
人並みに、日記をつけようなんておもったこともあったけど、
一度も続いたことがなかった。まあ、だいたい10日くらいで、頓挫してたんじゃないかな?
>●書かなくても無理してさかのぼらず、その日から再開する
と書いたけど、結局、すべてさかのぼって書いたはずだ。
>●できるだけ内容は薄くして、続けることを優先する
はは、はい、内容薄いです。だから続けられたのかな?と思うのです。

で、タイトルを替えたことについてです。
当初は「沢辺の今日この頃」。だけど、沢辺って誰だ?って話であって、
検索を意識したら、あんまり知られてなくたって「ポット出版」という、
「沢辺」より少しでも知られているであろう固有名詞をいれなきゃね、って思って途中で変更。
ついでに、「社長」ってつければ、「出版+社長」で検索した人がいたら間違って、
たどり着く人もいるんじゃないかな? と考えてのことでした。
いやー自分で「社長」って書くのは恥ずかしいんだけど。

●2010.12.07火
午後に、JPO(日本出版インフラセンター)/近刊情報センターの東京説明会。
いやー、300人を越える人が詰めかけてくれた。
予定通り、近刊情報センターのウエブサイトも立ち上がって紹介もできた。
それが終わって、語研の高島さんと飯田橋のドトールで珈琲を飲んで、
お茶の水へ。
雑協のデジタル配信実験で、印刷所(大凸)との打ち合わせ。
その間に、第三書館の「流出「公安テロ情報」全データ イスラム教徒=「テロリスト」なのか?」のことで
バタバタしたり。

2010.12.08水
13時から、社内の勉強会。「inDesign+組版」
デザイナーばかりでなく、編集者も含めた初級編で、1時間で終えるつもりが、
やっと半分終わったところで、1時間半。喋り出したら泊まらないんだなー、オレ。
スタッフの友人デザイナー・シナノ印刷の村山クン、も参加してくれた。
夕方事務所をでて版元ドットコムの忘年会。一次会は120人くらい、でも二次会はやっと20人。

●2010.12.09木
出版会議、その後整体(均整)を受ける。
夕方、情報通信政策フォーラムの山田肇さんが1月の講演の顔合わせに。
山田さんは、佐藤たちが時々行くのみや「SHIZEN」のすぐ近所にすんでるんだそうだ。
すげーご近所さん。
で、同時刻にポットチャンネル/下関マグロさんの回の準備が会ったんだけど、
ゲストも同じ山田さん(山田参助さん)で、あっちへ案内したり、なんだかんだと
取り違えてしまって、、バタバタ。
ポットチャンネルも、参助さんの「出来かた」も面白かったぞ。

●2010.12.10金
民主党政権への伏流」の著者で、友達の前田和男さんに頼まれて、
内閣府政策統括官(共生社会政策担当)の村木厚子さんのメッセージのビデオ撮影に、飯島会長と二人で行く。
民主党の江端貴子さん(衆議院議員)が12月15日に開くパーティーで流す、村木さんのメッセージをビデオで撮るのだ。
前田さん、江端さんと内閣府の一階で集合。
村木サンはあの「障害者団体向け割引郵便制度悪用事件」で逮捕されたけど無罪になった人。
人懐っこい笑顔で、良さげな人だったぞ。1955年生まれみたいだから、同じ年ってことになるのか。
江端さんは、豊島+練馬(の一部)が選挙区で、小池百合子(自民)さんを破って当選した人。
そんなことも知らずに「何期目ですか?」なんてバカ質問をしてしまったぞ(笑)。
帰って来て、ポット会議(超短縮版)。
社内引っ越しを計画中なんで、その話がバカみたいに盛り上がってしまう。
兄弟会社の「スタジオ・ポットSD」(日高と石塚が役員で、サイトとデータベースの商売、版元ドットコムの事務局も担当してる)をトナリの302号室に移ってもらって、人が増えたポットが現在の303号室を少し余裕を持って使おうって計画。
ヨルは情報通信政策フォーラムの秋期第2回セミナー「電子書籍をめぐる動向」を聞きにいく。
「EPUB日本語拡張仕様と将来展開」スピーカー:三瓶 徹氏(日本電子出版協会事務局長)
来年の1月14日(金曜日)に「電子書籍に対する出版社の姿勢について」というのでスピーカーをするので、
下見などもかねて。
無茶な組み立てだな、と一人で悶々としてしまう。
・電子書籍にして、日本語の本を世界に発信しなければ
→え、自動翻訳とかを完成させるとかして、英語版にしなきゃ、発信する意味が少ないでしょ。
・エグゼビアやシュプリンガーのように、
 がちっと学術雑誌・本を固めて、「まとめて買わなきゃバラ売りしないよ」って商売を
 日本のものでもしなけりゃダメだよ
→そんな独占、やらせない状態をつくらなきゃでしょ。
今大学図書館が抱えているのは、独占体制を作られて、値上げされて、予算が喰われてしまっている、
ってはなしだと聞いてるしな。
・再販制があるから価格競争がない
→日本の本が相対的にやすいのは、再販制のもとで起こってることだよ。
小売店には競争ないけど、版元は値上げしない「競争」してないか?
再販制は不要だとおもうけど。
・委託だから、返品される、倉庫が必要なのは返品があるから
→返品は、再出荷されてるゾ、。
→返品なくても、倉庫は必要だぞ、電子書籍なら不要だけど。
なんか電子にすれば全て解決みたいな話に聞こえてしまった。

●2010.12.11土
6時に電話でおこしてもらって、着替えて、鉄とすずをつれて勝沼近辺の無人農家へ。
農家の利用を考えているのだ。飯島会長のお姉さんのダンナさんの実家
温泉に入ったり、野菜をもらったりして夕方車で寝てる間に東京へ戻る。
ほうれん草がうまい。
夜中の1時に電話。トラブル発生。

●2010.12.12日
クリエーター気取りはたちが悪い。
村木さんの動画をDVDに焼いたりして夜の忘年会へ。
ヨルはげんきな図書館メンバーの受託してる渋谷区立こもれび大和田図書館の忘年会。
館長や、中央図書館の人も2名合流して、受託スタッフと一緒に中華料理。

●2010.12.13月
午前中、国立国会図書館の「全文テキスト化実証実験参加協力会社との定例会(第2回)」
だいたい、教室形式の並び方だし、なんか協議する、というより、
国立国会図書館の説明を伺うみたいなムードに支配されてるような気がして、
一人で抵抗。出来るだけ会話みたいな質問・意見をシャベクル。
あー、恥ずかしい。
終わって、柳さんの席によって、情報交換など。うむ、Nさんと飲み会申し込むか?
午後はCHIグループの●さんがきて、新しいサービスについての取材。
トラブルも収まった。

●電子書籍 関連資料 を公開しました。

2010.12.20のポットチャンネル「電子書籍交換フォーマットの現在」のための資料コーナー「電子書籍 関連資料」をつくりました。

掲載内容は、以下のとおりです。

■01 月刊『印刷雑誌』2010年9月号【特集】:《電子書籍規格の必要性》

●みんなの電子書籍であるために
 −−電子出版の変遷と動向 萩野正昭

●組版データの活用 アドビシステムズ(略、掲載していません)

●日本語表現と求められる標準化
 −−電子書籍ファイルフォーマットの標準化と交換フォーマット 植村八潮

●電子書籍ファイルフォーマットの構造
 −−記述言語とIEC TC100/TA10 の電子書籍フォーマット 小町祐史)

●統一中間フォーマットの要件 齋鹿尚史

電子書籍 関連資料

2010.12.20のポットチャンネル「電子書籍交換フォーマットの現在」のための資料コーナーです。
PDFファイルのほか、その下に、テキストを貼ってあります。
(図版は後ほど挿入します。20101209現在)

USTREAM放送は
●ポットチャンネル・おスペ版 2010年12月20日(月)20時〜22時
電子書籍交換フォーマットの現在
ゲスト:植村八潮 × 楠正憲 × 境真良 × パーソナリティ:沢辺均[見学者募集中]

■01 月刊『印刷雑誌』2010年9月号【特集】:《電子書籍規格の必要性》
編著者・印刷学会出版部 編/発行元・印刷学会出版部/定価・1,470 円(本体 1,400 円+税)

●みんなの電子書籍であるために
−−電子出版の変遷と動向 萩野正昭 PDF(430kb)

●組版データの活用 アドビシステムズ(略)

●日本語表現と求められる標準化
−−電子書籍ファイルフォーマットの標準化と交換フォーマット 植村八潮 PDF(451kb)

●電子書籍ファイルフォーマットの構造
−−記述言語とIEC TC100/TA10 の電子書籍フォーマット 小町祐史PDF(373kb)

●統一中間フォーマットの要件 齋鹿尚史 PDF(373kb)

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●みんなの電子出版であるために—電子出版の変遷と動向
萩野 正昭(HAGINO,Masaaki 株式会社ボイジャー代表取締役社長)

幾多の人たちが電子的な出版の普及に取り組んできた。しかし,その普及は決して容易なものではなかった。ある意味で積み上げては一切をもともなく崩しさる徒労の繰り返しだった。
なぜそうだったのか。考えてみると,電子的な出版が何かに依存する体質をもっていたことがわかってくる。電子的な出版とは,本を閲覧するために常にコンテンツを表示するデバイス(端末)を必要とする。つまりeBook(電子書籍)とは,本の中味(本文)と本のガワ(外枠)とが分離しているものであり,外枠である電子書籍端末を中心とした導入が繰り返されてきた。成り立たせるべき電子的な出版のフォーマットは常に競争の道具となり,これを共有化し統一化する動きへと発展することはなかった。

▼これまでの電子出版の敗因と理由
電子的な出版には,カバーしなければならない4つの領域がある。

1. コンテンツ領域
2. ハードウェア領域
3. デリバリー領域
4. フォーマット(Reader)領域

コンテンツ領域は現在,出版社,新聞社,テレビ局,映画会社など既存メディアが占めている。ハードウェア領域はデバイスを製造する電機メーカーやコンピュータメーカーの独壇場だ。デリバリー領域は日本では携帯電話のキャリアと呼ばれる人たち,本の配送・配信でもっとも力を持つアマゾン,そして最近になってアップルやグーグルが運営しようとしているネット上の仮想店舗であるiBookStore やAndroid Market などがこれにあたる。プレーヤーは既存勢力,新興勢力などまちまちだが,いずれも巨大企業がほとんどだ。残ったフォーマット領域はこれとは様相が違い,比較的小さなベンチャー企業が集中した。小さなベンチャーは大きな会社と提携したり別れたりの離合集散をくりかえし,激しい角逐合戦が展開されたのだ。
そこには,各領域の私利私欲むき出しの覇権意識が充満していた。自分が送り手として市場支配することが第一であり,受け手は購買する以外の何者でもなかった。メディアに参加するどころではなく,ただ口を開けて送り手の供給を飲むことだけが求められた。
当然にもフォーマットは乱立した。それどころか彗星のごとくあらわれて短命に潰えるものも少なくなかった。これに依拠してeBook を買えば,購入した本はフォーマットと一緒に読めなくなる運命とならざるをえない。これが一体「本」と呼べるものなのだろうか。電子的な出版フォーマットに関わったすべての関係者は,この事実の反省なしに再び同じ口を開くべきではない。
日本におけるさまざまな電子書籍端末の導入と失敗について明らかにする作業は真剣に行われたとは思えない。事業者は儲からなければ即断即決,新たな進路を取るのがビジネスというものだとまことしやかに開き直る。電子的な出版に心血を注ぐならば一度や二度の失敗から立ち直るために本質を見極める努力があっていいはずだった。

▼国境を越えた流通と言語の壁
電子的な出版は北米を中心に激しい展開が起こってきた。そして何度目かの注目がまた,われわれにやってきた。
グーグル訴訟の和解問題でも明らかになったように,世界の本はすべからくデジタル化される方向に動いている。いわゆる「全書籍電子化計画」だ。また電子化された本を閲覧するためにフォーマットの統一へと世界は動いてきた。ePUB はeBookの世界標準フォーマットとして,マルチ言語対応をカバーしようとしている。こうした世界の動きと私たち日本での活動をどう結びつけていけばいいのだろうか。
インターネットの着実な普及によって,もっとも縁遠かった流通の基盤を私たちは手元に引きつけることができるようになった。デジタル化された出版コンテンツは,流通という次元ではもはや国境の壁を越え,世界を翔けることが可能となっている。アマゾンのKindle を買った人は,そのデバイスを購入したというだけで,次の瞬間に本を購入できた。携帯電話会社との面倒な契約もいらず,複雑な手順もいらず,欲しい作品(2010年夏現在,アマゾン・ジャパンでの販売は行われていない)を本棚から選んで注文すれば,数十秒でその本はあなたのKindle へ届けられる。国際電話のデータ通信を使い,米国のサーバから本は飛んできたのだ。つまり流通は世界をカバーする段階に突き進んでいる。
問題は言語だろう。言語の壁はいつか越えられるものだろうが,現状はまだ強固にそそり立っている。言語とは習慣や文化そのものだ。
たとえば日本語の本を考えてみよう。文芸書はおもに縦書きだ。そこには日本独特の本の表現としての長い伝統があり,組版の原則ルールを形成してきたのだ。長い印刷の歴史がこれを支えてきたといえる。
世界の標準に日本語の独特な表現方法を組み込ませていくことは,簡単なことではない。それなりの時間を要する。しかし,その間にも世界は動きを止めることはない。動きながら考えていくことを余儀なくされる。

▼動き出す日本語書籍の電子化
日本国内での書籍の電子化の動きも活発になっている。2010 年1 月より施行された「改正著作権法」によって国会図書館は,著作権保護期間の有無にかかわらず所蔵するすべての資料をデジタル化する権利を認められた。予算措置を背景にこの作業は進められていくことになるだろう。
いくつかの制限を前提に,図書館のeBook の閲覧,貸出は進められていくと思う。そうなるときに,日本語の電子的な出版フォーマットはどのようになっていくのか。そしてまた,そのとき世界の標準との関係はどうなっていくのか。これらの問題をつないでいく活動を誰がいつどのようにやっていくのか。

▼日本語のデジタル化と世界標準
文部科学省,経済産業省,総務省の三省は「デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会」を開催し,この分野に関わる日本の産業界,学識経験者を招き討論をしてきた。この場では実にさまざまな課題が話し合われたわけだが,特筆すべきこととして,日本語におけるデジタル化に際しての「交換ファイルの標準化」という方針が打ち出されている。
これには,政府が後押しして業界が日本独自の閉ざされたフォーマットを仕立てようとしているかのように思った方たちがいたようだ。とかく大掛かりな“統一論議” には,裏の事情が云々される面が多々あるものだ。しかし,ここでの「交換ファイルの標準化」とは,そんな狭い考え方ではない。とにかく限られた市場の中で自分の果実を確保するほかなかった時代を経て,私たちは確実に次なるもっと遠く,そしてもっと広い電子的な出版の世界を創り上げるときに遭遇しているのだ。それぞれが勝手にあみだしてきた方法や決めごとを洗い出し,今までの経験を未来へ生かしていく日本語デジタル化基準のガイドラインをオープンに示す必要がある。それを世界の動向と合わせつつ,動きながら,走りの方向性を見極めて,世界標準との擦り合わせをしていかなければならない。
持てるものから我が利を確保することを乗り越えて,持てるものを差し出して人々の利とするための活動の場にようやく私たちは立つことができた。おそらく初めてといっていいことだろう。

▼障害を乗り越えるための標準化
ファイルフォーマットのオープン化は“橋” なのだと思う。もちろんそれは象徴だ。
人は自分の足で,自由に橋を渡り行き来する。行きたいときに何度でも。私たちの世界は決して陸続きばかりではない。断崖や多くの壁に遮られた障害が存在しているのだ。海や山という地理的な隔絶,言語というコミュニケーションの差異,そして国境という人為的,政治的,経済的な区分。それらをつなぐ橋を架けていこう。
空気や水のごとく,生きていく上で人が対価を要求されずに使用できる電子的な出版の基盤を確立させていくために。出版における多くのものの連携できる世界を確立していくために。

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●日本語表現と求められる標準化−−電子書籍ファイルフォーマットの標準化と交換フォーマット
植村八潮(UEMURA,Yashio 東京電機大学出版局 局長)

▼標準化の背景
日本語書籍における組版規則は,日本語表現と出版文化形成に大きな役割を果たしている。欧米の書籍と比較すればわかるように,縦組み,ルビなどの日本語特有の組版規則,多数の文字,さらに多様なフォントなど,いくつもの特徴を有している。その結果,日本語の電子書籍の制作においては,手間とコストがかかる傾向にある。
一方で,「電子書籍元年」と呼ばれる熱狂的な電子書籍ブームの到来である。先頃開催された東京国際ブックフェア(東京ビックサイト,7 月7〜 10 日)では,過去最高の来場者となり,中でも電子出版関連のコーナーに多くの見学者が押し寄せることとなった。
日本での電子書籍市場は,574 億円(インプレスR&D「電子書籍ビジネス調査報告書2010」)となり,出版市場(1 兆9356 億円)に対して3%程度と十分な市場を形成するに至った。2010年後半には,日本語対応電子書籍端末の販売が予想されており,さらに成長が期待されている。
このような状況で,出版界や印刷業界は,電子書籍コンテンツの制作と流通対応が急務となっている。そのためには電子書籍コンテンツの生産性を向上し,さらに制作した電子書籍を多種多様なプラットフォーム・端末において利用し,提供できる環境作りを行う必要がある。日本語電子書籍ファイルフォーマットの標準化が,従来から求められてきた理由である。
以上のような背景を受けて,総務省,文部科学省,経済産業省による「デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会」(以下,三省デジ懇)が設立され,喫緊の課題やいくつかの論点整理を行っている。このほど,報告書を公表し,いくつかの提言を行った※1。

※1:2010年6月28日報告書公表,http://www.soumu.go.jp/main_content/000072064.pdf

この中でも,とくに電子書籍の中間(交換)フォーマットの統一規格を検討する「電子出版日本語フォーマット統一規格会議」の設置が注目されることとなった。筆者は,三省デジ懇の傘下に設けられた「技術に関するワーキングチーム」の構成員として報告書案の作成に参加し,ファイルフォーマット標準化の重要性を主張した。
報告書の中では,

日本語表現に実績のあるファイルフォーマットである「XMDF」(シャープ)と「ドットブック」(ボイジャー)との協調により,出版物のつくり手からの要望にも対応するべく,我が国における中間(交換)フォーマットの統一規格策定に向けた大きな一歩が踏み出された。

としている。
結果的に電子書籍の中間(交換)フォーマットの統一規格が報告書に盛り込めたのは,これまでIEC(国際電気標準化会議)や国内メーカー団体のJEITA(電子情報技術産業協会)において,ファイルフォーマットの国際標準化が進んでいたからである。
もともと民間活動の中で取り組まれてきたことが,改めて政府の懇談会で取り上げられたことになったのである。とはいえ日本が主導して国際標準化が進んでいることについて,政府内や電子書籍関係者に知られていなかったのも事実である。再評価されたことで,実証実験の予算化検討も含め,標準化に対する政府の支援が期待されている。

▼IEC TC100 / TA10
電子書籍に関する国際標準は,IEC TC100 /TA10 が担当しており,現在まで,以下に示す4つの国際標準が発行されている。IEC 62571 を除いて,すべて日本提案である。カッコ内は発行年月。

1)IEC/TS 62229 Ed. 1.0(2006 年7 月)
マルチメディア電子出版及び電子書籍の概念モデルを示した。
2)IEC 62448(2007 年4 月第1 版,2009 年2月第2 版)
中間(交換)フォーマットである。annexA としてソニーのBBeB をベースに標準化し,改訂版でannexB としてシャープのXMDF をベースに標準化した。
3)IEC 62524(2009 年2 月)
配信・閲覧に用いられるリーダーズフォーマット。
4) IEC 62571(2010 年1 月)
米国提案によるデジタルオーディオフォーマット。

また,検討中のプロジェクトは次の通りである。
1)PT 62605
電子辞書フォーマットで,国内電子辞書のデファクト標準に近いディジタルアシスト社のLeXMLとIEC 62448 Annex B (XMDF ベース)のタグを追加し,拡張・改良したものである。2010 年中に国際標準の発行が見込まれている。
2)PT 62665(Texture map for auditorypresentation of printed text contents)
日本でデファクト化しつつある,印刷物用の音声プレゼンテーションのための表示方法を定義したもので,ユーザビリティ,アクセシビリティの点から期待されている。

▼電子書籍ファイルフォーマットの概念
電子書籍を製作するには,大きく分けて2 つの工程がある。1 つはDTP データをもとに電子書籍フォーマットに加工する方法であり,もう1つは印刷物をスキャニングして画像データやPDF 形式とする方法である。前者は,文字中心のコンテンツに多く,後者はDTP 導入以前の書籍や,図表の多い学術専門書,さらに現在でも版下によって入稿されているマンガに多い。
書籍は,冊子体という物理的な構造がほぼ共通であっても,開いて見ればわかるようにレイアウトは多様である。章,節,項という体系的な見出しや,本文,図表の関連など,コンテンツの構造をレイアウト表現に転化しているからである。紙面を構成する要素が多ければ多いだけ,構造は複雑になり,統一したフォーマットで表現することは困難になる。その結果,画像データなどでの電子書籍化が図られることになる。
一方,文芸などの文字中心のコンテンツであれば,組版ルールという壁は残されるものの,ある程度,統一したフォーマットにまとめることができる。市場規模の大きい文芸コンテンツの流通促進を考慮すれば,電子書籍の専用フォーマットであることが求められる。
電子書籍コンテンツが,出版社,コンテンツプロバイダを経由して,エンドユーザ(一般消費者)によって閲覧されるまでには,いくつかの段階がある。そこで,IEC/TS 62229 では,この概念モデルとして図1 に示すようなContents creation/distribution model を定義している。電子書籍フォーマット関連の標準化においては,これを参照して,どの部分のフォーマットに対応するのか,明らかにすることが行われている。中間(交換)フォーマットは, 図1 のData preparer とPublisher の間で用いられるフォーマットで,ここではGeneric format と呼んでいる。図1 では,Author が著作者,Data preparer は出版者,Publisher はコンテンツプロバイダー,Readerは読者およびデバイス(端末)と考えていただきたい。

○図1

具体的な例で説明しよう。製作過程では,著者,出版社,製作会社(印刷会社)の間でのデータ交換や,異なるシステム間での変換を保証する必要がある。また本文の文字情報などに加え,ルビや段組,縦中横,脚注といった頁組版情報や画像・音声といったデジタルならではの表現形式の取り扱いを規定していく必要がある。これらの条件に応えるのは,XML のような構造化文書となる。
テキストデータ形式であることからデータ量は大きいが,印刷会社内での利用や,出版社と印刷会社における閉じたネットワーク間でのやりとりであり,市場流通するものではないので問題とはならない。
一方,電子書籍の読書にはケータイからパソコンまで多様な読書端末装置が使われている。画面サイズ,カラー表示,音声や画像処理,入力のインタフェースなどや,処理能力にもかなりの違いがある。そこで流通し,読まれるテキストコンテンツはブログや掲示板などで入手できるテキスト情報やケータイメールなど,必ずしも対価を必要としていないものが多い。これに対し電子書籍のコンテンツは,原則的に情報収集に対価を必要としている。このため電子書籍はコンテンツの管理や著作権管理が必要であり,コンテンツ同士も販売競争が常に行われている。また流通上の制約として,データ量が小さい方が好ましい。さらに流通適性を考慮すると暗号化やDRM(著作権管理システム)情報を含む必要があり,表示ファイルはバイナリーデータ形式となる。
このように制作過程など中間段階でのファイル形式(Generic format)と,読者へ配信して表示するファイル形式(Reader’s format)では,本質的に異なることになる。つまり現実的な標準化として,両者を一つに統一する必要はない。

▼中間フォーマットの統一の目的
現在,ブームとなっている電子書籍は,文芸などの文字中心コンテンツであり,日本語表現に実績のあるファイルフォーマットとして,前述報告書のように「XMDF」(シャープ)と「ドットブック」(ボイジャー)がある。そこで,IEC 62448 の第3 版として,ドットブックとも交換可能な中間(交換)フォーマットの策定を目指すこととした。このような「日本語フォーマット」は日本企業による「ガラパゴス」標準を決めるだけで「世界から孤立するだけだ」という俗耳に入りやすい見方がある。このような誤解が生じている理由の1つとして,制作段階に応じて,いくつかの異なるファイル形式が存在していることが理解されていない点がある。
具体的には,表1 に示したように,HTML のように記述形式(タグ付きテキスト)で書かれた「中間(交換)フォーマット」がある。これを専用端末や携帯電話で閲覧するために実行形式(バイナリーデータ)としてデータ量を小さくした「閲覧フォーマット」。不正な複製を防ぐ目的もあってDRM がかけられた「配信フォーマット」。さらに,電子書籍ファイルを閲覧する「ビューワーソフト」や,「オーサリングツール」と呼ばれる制作するための開発システムも存在する。たとえば「XMDF」と呼ばれるのは,これらのファイル形式や開発システムを総称して呼んでいるものである。

表1

今後とも配信フォーマットは各社,各サービスの競争にゆだねられている。もちろん,見やすい「ビューワーソフト」や使いやすい「オーサリングシステム」も同様である。
各社の競争により多様なファイルフォーマットが存在するのはやむを得ない点でもある。米国などは,コンテンツホルダーではなく,IT 企業の主導によって事実上の標準化(デファクトスタンダード)となる傾向にある。一方で,多様なファイルフォーマットに対応することで電子出版制作の非効率性が生じることや,ファイルフォーマットの違いを通じた電子出版端末・プラットフォームでのコンテンツの囲い込みなどは,避けるべきである。
そこで三省デジ懇の報告書では,「様々なプラットフォーム,端末が採用する多様な閲覧ファイルフォーマットに変換対応が容易に可能となる,中間(交換)フォーマットの確立」が求められているとした。このように交換フォーマットを標準化することで配信フォーマットへの変換にも対応しやすくなるだろう。これにより「ワンコンテンツ・マルチファイル」(1 つの作品に対していくつものファイルを作らなくてはならない状況)から「ワンコンテンツ・ワンファイル・マルチプラットフォーム」の実現を目指すものである。

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●電子書籍ファイルフォーマットの構造−−記述言語とIEC TC100/TA10 の電子書籍フォーマット
小町祐史(KOMACHI,Yushi 大阪工業大学情報科学部 教授)

キーワード ファイルフォーマット;記述言語;
スタイル指定;スキーマ言語;HTML;XML

▼記述言語とマーク付け
電子書籍に限らず,文書などの構造をもつデータの交換フォーマットには,ASN.1,SGML,XML などの記述言語が用いられてきた。
記述言語は文書構造記述などの特定目的のデータの記述とアクセスを指示する言語であり,指示要素の組合せによってコンピュータの多様な動作を規定するプログラム言語と比較するとき,データがテキスト形式で扱われ,制御変数をもたないことが多いなどの特徴をもつ。目的によって表1のように分類される。

◎表1

・マーク付けの一般化
文書処理の電子化は植字機(タイプセッタ)において開始され,印刷指示がタグとして文書データの中に埋め込まれた。タグは機器に依存していたため,それが埋め込まれた文書データの交換性は極めて限定されていた。
そこで文書中に印刷指示を書くのではなく,次のように文書を構成する意味的なまとまり(論理的要素)を示すタグを文書データの中に埋め込む(マーク付けする)ようになった。

全会議…

その結果,
◇マーク付けを機器非依存にできる。
◇マーク付けに用いるタグの可読性が高く,しかも印刷の専門技術に関係しない。
◇したがって文書内容の作成者は意味内容の記述に専念できる。
ことになった。
マーク付けはさらに,ある文書クラスに共通する論理的要素とその構造を識別するようなタグ集合へと一般化され,共通マーク付け(genericmarkup)と呼ばれた。要素に関する属性記述をもタグに含めて,多様なアプリケーションに対応できるようにしたマーク付けも行われて,一般化マーク付け(generalized markup)となった。
このようなタグ集合の定義方法を国際的に取り決め,言語として体系付けたものが ISO(国際標準化機構)によって承認され,SGML(StandardGeneralized Markup Language:標準一般化マーク付け言語)として制定された。これを用いれば,いわゆる文書に限定せず,さまざまなタイプのデータ集合(アプリケーション)に対して,一般化マーク付けを定義でき,さらに各種の補助機能によってさらにマーク付けを扱うさいの利便性の向上が図られた。
なお,SGML のいくつかの追加機能は,処理
系の進歩によって不要になり,その後開発された
XML では簡素化が施された。

▼スタイル指定
論理構造(論理的要素とその構造)のマーク付けを施された文書データは,表示メディア上にフォーマット付けされて展開される必要があり,そのため論理的要素をどのようにフォーマット付けするかの指示(スタイル指定)を受ける必要がある。
なお,本稿では“フォーマット” を異なる2 つの意味で用いる。“文書・書籍の交換フォーマット”という文脈におけるフォーマットは,交換対象データを扱う送り手と受け手との間の交換対象データに関する表記方法の取り決めであり,JIS などでは交換様式と書かれることが多い。
もう一方の表示メディア上での“文書データのフォーマット付け” という文脈におけるフォーマットは,文書データを構成する文字列等のまとまりを視覚的に見やすく表示メディア上にマッピングすることである。組版,レイアウト,スタイル付け,ページ展開などが,類似の意味をもつ。
表示機能を大きく異にする装置間での文書交換では,スタイル指定はローカルに設定しなくてはならず,交換の対象は論理的要素とその構造に限定される。しかし,充分なフォーマット付け機能と表示機能をもつ環境では,再編集の可能性を維持したまま交換による版面の一致または最適近似が要求されることが多い。その場合には,文書の論理構造に加えて,論理的要素に対するスタイル指定が交換の対象となる。
CERN(欧州原子核研究機構)における技術文書の交換から始まったHTML は,それが扱う要素型を極端に限定し,それらに対応するスタイル指定をもある程度規定して,SGML 宣言,文書型定義,スタイル指定の交換を不要にすることで,当時の処理系においても,ウェブ環境での軽快なナビゲーション(文書間のたどり)を可能にしてインターネットの普及に貢献した。しかしこの限定された仕様が,とくにフォーマット付けに関する要素型および属性の独自拡張を呼び,交換性が失われることが目立った。World Wide WebConsortium(W3C)は禁欲的なまでにHTMLでのフォーマット付け機能を制限し,充実したフォーマット付けに関するユーザー要求はスタイル指定言語CSS を併用することで充足した。
この戦略によって,SGML の時代から提唱さ
れていた電子化文書,とくにウェブ文書を論理構
造とスタイル指定とに分離して記述することが社
会に定着していった。

▼XML とスキーマ
HTML の大普及の結果,当初のHTML のスコープ(適用範囲)を越えた複雑な文書までを,HTML と同様の簡便さで交換したいという要求が現れた。この要求を満たすため,SGML のサブセットに整形式のコンセプトを導入したXMLが開発された。
SGML においては,共通する論理的要素とその構造を定義するスキーマ言語としてDTD だけが使われていたが,XML の普及と共にXML の構文を使ったスキーマ言語(W3C XML Schema,RELAX NG XML syntax)が利用可能になり,さらに簡素な記述を可能にするRELAX NGcompact syntax がISO/IEC 19757−2 として制定された。図1 〜 3 にそれぞれXML DTD,RELAX NG XML syntax,RELAX NG compactsyntax による論理構造の記述例を,その入れ子構造を図4 に示す。データ型の規定,XML 名前空間なども次々と開発されて,XML はいわゆる文書だけでなく,一般的なデータの構造を記述する言語として,プロトコルの記述などにも広く利用されている。

◎図1

◎図2

◎図3

◎図4

電子化文書を論理構造とスタイル指定とに分けて記述することは,XML の利用においても同様であり,CSS をさらに拡張してXML の構文で表記したXSL が開発されて,印刷・出版の文化の中で発達してきた多くのフォーマット付け・組版技術の要素(文書スタイルオブジェクト)がサポートされるに至っている。

▼IEC TC100 における電子書籍規格の扱い
電子書籍においては,文書としての論理構造とそのコンテンツ(文字列,画像など)だけでなく,フォーマット付けされたページイメージに対しても著作物としての扱いを受けることが多い。そこで電子書籍モデルを示す前にとくにフォーマット付けを論じる。

・電子書籍におけるフォーマット付け
人の思いは通常,ことばによって表現され,文字列を使って記述されることが多い。人の思いを時間的に固定して,文字列およびその他の補助データで表現したものが文書であり,他の人(または自分自身)にその思いを伝えることを目的とする。
ことばによって表現される思いには,必ずしも明示的ではないこともあり得るが,意味的な区分(論理構造)があり,その構造を適切に示すことによって思いの伝達が明確になる。思いを文字列で記述するとき,その論理構造をなるべくわかりやすく伝達するために,文字列を展開する表示メディア(紙など)の上で文字列を幾つものブロック(見出し,段落,注釈など)にまとめ,ブロックの境界を空白等で明らかにし,さらにブロックの中での文字の並び方,フォントなどで他のブロックと区別するというフォーマット付けが印刷・出版技術とともに発達した。
著者や編集者は彼らの思いを表示メディアの制約の範囲でなるべく適切に表現できるスタイルオブジェクトを用いて文字列を展開し,読者は紙面に展開された文字列のブロックから著者や編集者の思いをより明確に把握する。紙などのハードコピーによる文書交換においては,表示メディアに展開された文字列のブロックという著者や編集者が意図する論理構造のインスタンス(論理構造に基づく実際の値としてのデータ)があるだけであり,表示メディアの制約の変化への柔軟な対応は困難である。
文書が文字コードの列として表示メディアから独立してはじめて,その文字列に対して記述言語などを用いて論理構造の指定が可能になり,電子化された情報として論理構造が交換可能になる。

・電子書籍モデル
文書の論理構造を読者に視覚的に示す技術としてフォーマット付け・組版技術があり,それは前述のとおり表示メディアに依存する。eBook(電子的な書籍)流通系の中では,多様な表示メディアの存在を許容する必要があり,表示メディアに依存しないgeneric format と表示メディアに依存するreader’s format とを用意することが必要である。
そこでIEC 62229(マルチメディア電子出版の概念モデル)が示すTC100 のe−Publishingモデルでは,Data preparer(電子書籍を作成する組織または人。たとえば編集者)とPublisher(電子書籍を発行し,配付する組織または人)との間の交換様式としてgeneric format を規定し,Publisher とReader(読者)との間の交換様式としてreader’s format を規定することを推奨している。generic format においては,論理構造を含むだけでなく,reader’s format への変換に際してのヒント情報としてのスタイル指定を含む必要がある。
reader’s format においては,Reader における表示メディアに依存したスタイル指定が含まれる。そのスタイル指定をフォーマッタ(文章の整形を行うアプリケーション)によって実行した結果をreader’s format とすることも可能である。
Author(著者)とData preparer との間の交換様式としてIEC/TS 62229 のモデルに含めたsubmission format においては,Author がとくに指定することを要求するスタイル指定を含むとともに,Data preparer との間のproofreading(文書校正処理)交換のサポートが望まれる。

・IEC 62448 の基本構造
IEC/TC100(国際電気標準会議のマルチメディアシステム及び機器に関する技術委員会)のe−Publishing モデルに基づくgeneric format として,すでにIEC 62448 が発行されている。これは我が国がTC100 固有の加速化手続きを用いて提案した規格であり,当時のe−Publishing の国際マーケットを考慮すると「統一フォーマットの国際的議論が困難である」との判断に基づき,マーケットを拡大しつつあったBBeB Xylog とXMDF のフォーマットを追認するとともに,極めて簡素なe−Book を考慮したg−core というフォーマットを規定している。g−core においては,vocaburary(要素と属性)のセマンティック(データの意味)の厳密な規定は示されておらず,スタイル指定も行っていない。
なお,最近ではISO とIEC の各種手続きが統一化される方向にあり,そのための検討が続けられているが,IEC/TC100 ではISO やISO/IECJTC1(ISO/IEC 合同技術委員会)とは異なる標準化手続きが認められており,加速化手続きにもTC100 固有の手続きが用意されて,新規分野の国際規格開発の効率化が図られている。
これらの規定の構文には,RELAX NGcompact syntax が用いられ,RELAX NG 記述の先頭部分で図5 のような,g−core,BBeB,XMDF の選択が行われる。今後,国際的に合意されたフォーマットもこの機構を用いて(この選択肢の追加によって)IEC 62448(電子出版の共通フォーマット)の中に導入することが可能である。

◎図5

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●統一中間フォーマットの要件
齋鹿尚史(SAIGA,Hisashi シャープ株式会社システムソリューション事業推進本部電子出版事業推進センターコンテンツシステム開発室 係長)

キーワード フォーマット;HTML;XML;ス
タイル記述;国際標準化;IEC62448

▼統一フォーマットの技術的意義
統一中間(交換)フォーマット(以下,統一フォーマット)を策定することになった経緯については,別稿に詳しく述べられているのでここでは繰り返さないが,その技術的な意義について述べる。
国内のテキスト系コンテンツフォーマットとして, 現状ではボイジャーのドットブック(.book),シャープのXMDF が双璧となっている。ドットブックはHTML を拡張した仕様となっており,一方XMDF(記述フォーマット)はXML 形式で定義されている。それぞれのタグ記述例を図1 に示す。いずれも,「横書き,本文のフォントはOsaka,MS ゴシックの順に優先して使用」「“はじめに” という文字列を中央揃えで表示」という記述を行う例である。

◎図1

いずれのフォーマットもタグ形式で定義されている点では同じであるが,両者のタグや属性は,機能が一致しているものでも,図1 でわかるように,名称は必ずしも一致していない。したがって,2 つのフォーマットでコンテンツを作成するには,何らかの方法で,それぞれの仕様に基づいて個別にタグ付けを行う必要がある※ 1。統一フォーマットの最大の意義は,このような,フォーマットが分かれているために生じている電子出版制作上の,非効率性を除去することである。
ドットブック,XMDF は,それぞれの開発の経緯や各社の意図によって,機能についても一致しない部分がある。このような機能面での相違の扱いについては後に述べる。
なお,統一フォーマットの仕様は公開が前提となっており,誰もが使用することができるものであることを改めて強調しておきたい。また,統一フォーマットから,閲覧フォーマットや流通フォーマットに変換することは,各社のビジネス領域であり,今回の標準化(統一フォーマット)で規定する範囲には含まれない(図2)。

◎図2

中間フォーマットを変換する出力先は,特定の流通フォーマットに限られるものではない。コンテンツの権利者の許諾が得られ,変換ツールが整備されているのであれば,中間フォーマットから,いかなるフォーマットに変換して配信することも可能である。このような点については,中間フォーマットの標準化では取り扱わず,各社がビジネスとして取り組むことになる。図2 で,「各社のビジネス領域」と書かれているのはこのような意味である。

▼統一フォーマットの技術的内容
統一フォーマットの仕様については現在未定の部分が多く,方針も含めて,現時点ではあくまで案の段階であることをお断りしておく。

・XML フォーマット
統一フォーマットは,別稿で説明されているような,XML フォーマットとして策定する予定である。XML を扱うツールの充実などから考えて,統一フォーマットをXML で定義するのは技術的に自然なことと考えられる。また,今回の統一フォーマットは国際標準化を視野に入れており,この面からもXML 形式で定義することには異論は少ない。

・既存フォーマットとの関係
統一フォーマットは,その策定の目的から,ドットブックおよびXMDF の機能を包含したものとする必要がある※ 2(図3)。なお,図中の「ミニマムセット」については後に述べる。

◎図3

機能の包含の仕方については,
1) 共通または類似した機能は,同一のタグや属性にまとめる。
2) 双方のタグをできるだけそのまま使えるようにする。
という,異なる方針が考えられる。後者の方針は,各フォーマットとの互換性は高いという利点がある反面,統一フォーマット自体の仕様は煩雑になりがちであり,前者の特質はその裏返しとなる。このあたりも今後の検討によって決定することになる。

・スタイル記述の分離
統一フォーマットは,個々の端末に縛られるようなものであってはならず,そこから作成されたコンテンツが長期の利用に耐えるものでなくてはならない。すなわち,今後の端末の発展に,交換フォーマットとして利用し続けることができるものである必要がある。
これを保証するためには,
◇端末の仕様(解像度など)に依存した,「見え方」に関する部分(スタイル)
◇端末によって変わらない部分(内容)
を分離するのが良いと考えられる。これにより今後,現在予想されていないような画面を持った端末に遭遇したとしても,最悪でもスタイル記述のみ変更するだけでコンテンツを利用し続けることができる。すなわち,現在の端末仕様に縛られず,長期にコンテンツを利用できることになる(図4)。

◎図4

スタイル記述と内容を分離する考え方は,たとえばWeb でも導入されてきている。Web では,よく知られているように,HTML でコンテンツが記述されるが,スタイル記述は,スタイルシートと呼ばれる,別のファイルに記述することが可能になっている。
HTML の各タグに対して,どのように表示すべきかを指定するのが,Web におけるスタイルシートの基本的な考え方である。図5 に内容とスタイル記述が混在しているHTML の例と,スタイル記述をスタイルシートに分離した例を示す。

◎図5

図5 左側の例では,ボールド体であることを示す
これに対して,図5 右側の例では,ボールド体であること,センタリングを行うスタイル記述はfont−weight, text−align として記述され,
ここで例に用いたスタイル記述の仕様はCSS(Cascading Style Sheet) と呼ばれており,HTML のスタイル記述としては主流となっている。図6 は図5 で示した記述に対応する表示の例であり,「スタイルシートとは」という文字列がボールド体で,行の中央に表示されている。

◎図6

統一フォーマットはHTML ではないが,ここで述べたスタイル記述の考え方を適用することで,各社のフォーマットの仕様も踏まえつつ,スタイル記述と内容との分離を図る。

・ミニマムセット
統一フォーマットの制定にあたっては,日本語を表すのに最低限必要なタグの集まりであるミニマムセットを同時に定義することが考えられている。
統一フォーマットは,すでに日本語コンテンツで実績を持つ2 つのフォーマットを機能的に包含しているため,このような日本語を表すのに最低限必要な機能は当然含まれることになる。したがってミニマムセットの機能は,図3 に示した通り,統一フォーマットの機能のサブセットである。そのタグ名や属性名などの仕様については,既存フォーマットや,IEC62448 との関係も踏まえて,どのような形が望ましいかを検討することになっている。

・仕様策定の動き2010 年10 月に仕様案第一版を策定することを目標としている。また国際標準化も同時に進めることを想定しており,IEC62448 の改訂に合わせ,仕様案をCD(委員会原案)に盛り込むことになる。国際標準化提案にあたっては,必要に応じて,多国語対応のための仕様調整や拡張が行われる。
現状では不確定要素も多いが,2012 年中にこの統一フォーマット仕様が盛り込まれた国際標準を発行することを目標に,国際標準化活動も並行して進める予定である。(図7)

◎図7

統一フォーマットの策定にあたって,ご協力,ご指導頂いている各位に深く感謝いたします。

※ 1:一方から他方に機械的に変換するソフトウエアも存在するが,完全なものではない。
※ 2:特殊な端末や用途に特化した仕様についてはかならずしもこの限りではない。またそれ以外の機能については今後検討の必要がある

社内勉強会「inDesign+組版」のレジュメ

inDesign+組版勉強会   2010.12.08 スタジオ・ポット 沢辺

課題本
「組む。 – InDesignでつくる、美しい文字組版」
ミルキィ・イソベ (著), 紺野慎一 (著)
# 単行本: 203ページ
# 出版社: ビー・エヌ・エヌ新社 (2010/5/25)
# ISBN-10: 4861006732
# ISBN-13: 978-4861006739
# 発売日: 2010/5/25

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■ファイル/新規/ドキュメント
 ●印刷可能領域は有効に使う A4=297×210 ポット四六=128(256)×210 →天0 地0 ノド20 小口20 【P41】

■マスターページの設定
 ●親子関係を使う A=親 A-1/A-2=子 【P62】
  親マスターはノンブルと柱
 ●柱はテキスト変数の使用を検討 【P70】

■約物
 ●ニ倍ダーシ Unicode2015 【P98】
 ●鷹の爪/ダブルコーテーション 【P101】
 ●アポストロフィー

■段落パネルの設定
 ●日本語単数行コンポーザ =選択 【P107】
 ●連数字処理=オフ 【P112】
 ●全角スペースを行末吸収=オン 【P114】
 ●欧文泣き別れ 場合によって検討 【P116】
 
■アプリケーションデフォルトの設定 【P118】
 ●段落パネル
 ・ぶら下がり→なし 選択
 ・禁則調整方式→調整量を優先 を選択
 ・連数字処理 オフにする
 ・縦組み中の欧文回転 オフにする
 ・全角スペースを行末吸収 をオン
 ・欧文泣き別れ をオフ
 ・グリット揃え→仮想ボディの中央(縦組用をデフォルト/横組の際は変更
 ・Adobe 日本語単行コンポーザー を選択

 →環境設定ファイルを保存して、共有
 ユーザー/ライブラリー/Preference/Adobe inDesigns/Version7.0-/ja_JP/inDesign Defaults

 ●字詰め機能
 ・プロポーショナルマトリクス+メトリクス →見出し等で利用 【P124】
  文字パネル/OpenType機能→プロポーショナルメトリクス
 ・約物あとの字詰めは、文字パネル/文字前空き量、文字後空き量を活用 ベタ/二分/四分など 【P125】

 ●禁則処理設定
 ・課題 【P140】
 ・行頭字下げ は検討課題 【P150】
 ・調整量を優先  【P151】

■フレームグリッドと段落スタイルなど
 ●フレームグリッドは使用(プレーンテキストフレーム) 【P158】
 ●段落スタイルは 親子で管理 親=タイトル系(約物まで字ツメ) 本文(ベタ、もしくは字だけツメ) リード・キャプション(ベタとしないものなど) 【P162】
 ●

■レイアウト調整の利用 【P174】
 任意に活用

ポット出版社長・沢辺均の日記 -99[2010.11.29〜2010.12.06]

事務所のBGMに、ディランⅡ(セカンド)の「きのうの思い出に別れをつげるんだもの」という
アルバムをかけながら、日記を書く。10代のイチバン記憶に残ってるアルバムかもしれんな。
歌えるもんな。ほぼ全曲。

●2010.11.29月
午後、北原みのりさんと打ち合わせ。
夜は雑協の電子雑誌配信実験のことで、マガジンハウスの久我さんと深沢さんと、
メシを喰いながらいろいろと打ち合わせ。
三人とも酒を飲まないんだ、。酒を飲まなくなって10年以上たつけど、
三人集まって三人とも酒を飲まないなんて、始て。

●2010.11.30火
18時から雑協の電子雑誌配信実験のサイト構築会議。
終わったら22時。
深沢さんとラーメン喰って分かれた。

●2010.12.01水
雑協の仕事を集中的に片付ける。
連絡/課題まとめ/情報集約とか。
ヨルは「ず・ぼん」編集会議。

ただいま「プカプカ」。
うーん、俗っぽい歌詞なんだけどな、
このメロディ、ピアノ、がしみる。

●2010.12.02木
出版会議。整体(均整)。
ヨルはポットチャンネル=松沢呉一さんと、なべやかんさん。
終わってから食事しながら、お笑い界の話とかイッパイ聞く。
ゲイパレードを運営してる東京プライドの「内紛」のようで、
臨時総会要求とかいうメールが来た。
前々から「?」だったのだが、アタマに来て、言いたいことをイッパイ書いて返信。

●2010.12.03金
ポット会議、9月決算で黒字だったので「社長賞」の贈呈式。
その前に長々と演説してしまう。
掃除大会。
夜22時、ほーんとに珍しく、ポットのスタッフと近所の飲み屋へ行く。
和田、上野、大原。山田にはメシ喰ったとか言って、断られる。
終電まで飲み食いして、事務所にもどったら、山田がいる。
山手線が事故とかで、あきらめて泊まることにしたって、ザマアミロだ。へへへ。

●2010.12.04土
人間学アカデミー櫻田淳さんの回。安全保障の話。
そりゃそうだって話を、あらためてちゃんとしないといけないほど、
戦後の「平和」「民主主義」のイビツさが、、、。

●2010.12.05日
久しぶりにバンドの練習。
来年3月のライブにむけて練習練習。
スーパーフライの「マニュフェスト」。ストーンズみたいな雰囲気な曲だな。うん気持ちいい。
LAYLASweet Home Chicagoも、まとまってきたゾ。
深夜自宅で練習。スタジオ行くと練習したくなる。
課題はまだまだあるんだけどね。

●2010.12.06月
予定が全然ない一日。
課題の、事務所の問題や、ファックス問題、株主・私募債提供者などへの報告書(これから書くんだけどね)、ジャパニーズ・ブックダム
いろいろ細々したことを片付けられた。
悪夢の日本史編劇画家畜人ヤプー2【復刻版】
石ノ森 章太郎 監, 沼 正三 原作, シュガー 佐藤 画「劇画家畜人ヤプー2【復刻版】 」と田亀源五郎の「童地獄・父子地獄(わっぱじごく・おやこじごく)」の新刊2冊の見本出来。