投稿者「伏見 憲明」のアーカイブ

伏見 憲明 について

作家。 1963年生まれ。 著書に『魔女の息子』(第40回文藝賞受賞/河出書房新社)、『さびしさの授業』(理論社)、『ゲイという[経験]増補版』(ポット出版)ほか多数。 編集長として『クィア・ジャパン vol.1〜5』(勁草書房)、『クィア・ジャパン・リターンズ』(ポット出版)を刊行。 詳細なプロフィールへ→

いただいたご本『じりラブ』

● うたぐわ『じりラブ』(集英社) 1000円

多様化と拡散化が進行する0年代のゲイたちのリアリティをつかまえるのは難しい。ましてや「ゲイ」という言葉を使った途端、「アイデンティティなんて時代遅れだー!」と批判をされかねない昨今だ(←これも恐怖のワンパターンだけど)。世間一般で目につくのは、芸能界や繁華街に跋扈するオネエキャラだし、社会運動的には「ハートをつなごう」に見られるような「悩める同性愛者」像。あるいは、言説の場では、フーコーやバトラーに官能したポストモダニストがルサンチマンをはらしている。だけど、いちばんのボリュームゾーンであるところの、リーマンゲイの機微を掬った表現はこれまでほとんどなかった。

作者のうたぐわさんはサラリーマンとして長く働き、ゲイコミュニティのリーダーとしても活動してきた。そんな彼が、ゲイであること、ゲイの日常、会社生活、パートナーとの関係性、世間の偏見、友人との関係、差別の解消の仕方……などについてコミックにしたためたのがこの『じりラブ』だ。ゲイの入門書としても秀逸だが、一般の人が読んでも「これ、これ、わかるー!」というふうにエンターテイメントにしているところがすばらしい。

もちろん、オープンリーに生きるうたぐわさんのケースが、ゲイの一般的なサラリーマン像とは言い難いが、こうやって会社で生きることができるというモデルケースであることは間違いない。その秘訣を満載した本書は、きわめて実践的なゲイ本だといえる。やはり日本では、少数者にとって社会は敵だー!という世界観ではなく、友だちになって味方にしてしまったほうがお得、という戦略のほうが差別の解消には有効だろう。表現物や笑いにはそうした力があることを本書は教えてくれる。

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ゲイの学生さんにはママから二杯目をごちそうします!

木曜日のタックスノットを担当している永易至文さんが、先週からバーのコンセプトを「生活相談バー」というのにして営業しているらしい。彼は『同性パートナー生活読本』(緑風出版)の著者であるだけに、同性カップルが生活していく上での知識やアイディアならお手の物。それを売りにしてゲイバーをやるなんて、してやられたり! 

ネットはじめゲイ同士の出会いの場がたくさんあり、ゲイである意識すら希薄になってきた今日、漫然と二丁目で店を開けていても、誰も立ち寄ってはくれない。ましてやお金なんて落としちゃくれない。そこにわざわざ出掛けて行くスペシャルな理由が必要なのだ。しかしその看板を編み出すのは大変ー!

翻ってエフメゾのことを考えてみると、ママの色気が売りでないことはたしかだけど(笑)……いったい何が売りなのやら。考えてみたら、お客様がエフメゾをどういう場として捉えているのかもわからない。ということで、今週のパブ記事のために、一部お客様に「あなたにとってのエフメゾとは?」という質問をしてみた。ハンドルネーム、ジェンダー/セクシュアリティ、身長/体重/年齢、好きなタイプ、のあとに(ツイッターと同じ)140字以内で答えてもらった。まあ、皆様、けっこう気を遣って書いてくださったみたいだけど(笑)。まだご来店いただいていない方には以下を参考にしていただきたい、と。

あ! その前に。2/24、3/3(水)のエフメゾは、ゲイの学生さんにはママが二杯目をごちそういたします!(ただし、ソフトか焼酎割りにかぎる) 春休みの太っ腹企画なので、ぜひご来店ください。サービス、サービス!(葛城ミサト)

mfmap.gif● 名前 T
ジェンダー/セクシュアリティ 男性/ゲイ
身長/体重/年齢 170/62/28
好きなタイプ ガッチリな年上

「「出会い酒場」とにかく色んな人がやってきます。(よくも悪くも)。ボックス席だと会話せざるをえません(よくも悪くも)。でも、そんな状況だから思わぬ発見が多いです。面白い考え方に巡りあったり、意外な人がタイプだったり。初対面の人とこんなに話ができる雰囲気の店って、少ないと思います。ただタイプの男は少ないですw」

● 名前 イカロス
セクシュアリティ/ジェンダー 男性/ゲイ
身長/体重/年齢 166/58/29
好きなタイプ 童顔でガッチリ〜ポッチャリな人(例:松阪大輔)

「刺激をもらえる場であると同時に安心感を得られる場所。いろいろな職業、年齢、価値観の人に出会えて話ができるので、刺激を受けるし、自分の話もきちんと聞いてくれるので、安心感を得られるから。あと、意外と(?)タイプの人に出会うことが多いので、そういう期待も抱かせてくれる場所かな」

● しゅ
セクシュアリティ/ジェンダー 男性/ゲイ
身長/体重/年齢 170/55/25
好きなタイプ ガタイが良くて笑顔が魅力的な人

「エフメゾは僕が1年前にゲイバーデビューした場所です。エロトークから勉強になる話しまでみんなで盛り上がれていつも時間が過ぎるのが早い!普段隠している自分をこんなに曝け出せる所が今まで無かったのでホントに楽しいです。学生なので金銭的に厳しいですが(笑)、毎週行きたいお店です♪ 」

● 司
セクシュアリティ/ジェンダー 男性/ゲイ
身長/体重/年齢 168/75/24
好きな相手のタイプ 年上の男性。絶倫歓迎。

「脱法なドラッグをお供に連れて、都内の発展場を巡り、果てやホテルで乱交とそんな汁まみれの自分が快楽を求めてたどり着いた場所。お客様とのお喋りは、そこらでセックスするよりも断然気持ちいいです。ただ店子のクセに色気もなく、若さも後輩にお株をとられ、そろそろ暇を出されそうです。」

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いただいたご本『社会学にできること』

● 西研・菅野仁『社会学にできること』(ちくまプリマー新書)

言説というのはつねに政治的な闘争の場、なのだろうか? というのが伏見の大きな疑問であった。こういう物言いは、ある種の情緒を抱いている人たちには有効であるけれど、ちょっと考えてみれば間違っていることがわかる。正確に言えば、「必ずしもそうではない」ことがわかる。

だって、もし学問とか言説が政治的な力関係だけで成立しているだけなら、例えば、フェミニズムはどうしてこれだけアカデミズムでポジションを得ることができたのか。男性支配社会?が「弱者」である女性を抑圧することに自己の利益を見出し、闘争していたら、女性はこれだけの社会的地位を確保できなかっただろう。だって、女性は弱者なのだから。マイノリティの問題だってそうだ。力のない少数者が何を言っても、マジョリティが自分たちの既得権益を守ることだけを考えるのなら、聞く耳を持つはずがなかったではないか。しかし現実はテロを仕掛けたわけでもないのに、マイノリティの主張だって少しずつにしても受け入れられてきている。

やはり、言説の変容のなかには、抑圧的な力関係が作用しているだけではなく、ちゃんと他者の意見や主張を聞く、利害を超えて「みんな」の立場を考えるという非政治的な?力も関わっているのだ。学問という土俵の意味や「本質」もそこにあって、もしそれがなかったら、自分の利益を実現するために相手を抑圧したもの勝ち、人をだましたって勝てばいいというふうにしかならない。だが、「必ずしもそうではない」ことは振り返ってみれば自明。んな当たり前のことが、昨今の言説の世界では無視されているようにも見える……。

同様の問題意識を共有している人には、本書は誠に持って勇気を与えてくれる一冊である。ちゃんと人とつながろうとする、社会をより良くしようとする意志に貫かれている。ドンキホーテのようだと笑われても、いま流行りの思潮に乗って近代を全否定したり、社会を抑圧的な力として表象しようとするだけでない希望がそこには見出せる。否定することで飯だねを得ようとしている輩の言うことよりは誠実さがある。

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バンパイヤとして生きてます

1407775569_251s.jpg先週のエフメゾはパーティだったので、BGMは、四十六歳の伏見ママとしては目一杯若ぶってみました。エスム先生にも「よくがんばりました」と褒められた。テヘッ。という話しを夜中、あるお客様の前でしたら、「でもなんでカイリー・ミノーグがかかってるんですか?」と驚かれた。三十代半ばの彼にしたら、「Step Back In Time」は大学時代に好きだった懐メロらしい。一方、ママにしたら、その曲はとっても今風で「なんか先端っぽくてカッケェ!」という感じで iPODにセレクトしたのであった。

ママだって若いときには全米トップ40(←これも古いけど)を欠かさずチェックするようなチャートマニアで、時代のいちばん新しいところに官能する感性をちゃんと持っていた。それがいつから更新されなくなったのか……。たぶん、そういうのって、過去のポップナンバーのどこまでを「いま」として感じるかでわかるのだと思う。ということで振り返ってみたら、ママは、マドンナを例に挙げれば、「Papa Don’t Preach」(1986)はちょっと古い気がするけど、「Vogue」(1990)なら全然新しい感じがするのだ。つまり、ママの感性は二十年前から更新されていませんでした! あーん。

そんなふうに大方、人の感性とかリアリティってある時代で更新をやめてしまうものなのだ。まあ、音楽とかなら趣味の問題として済ませられるが、これが価値観とか時代性へのシンクロ率となると弊害も出てくる。とくにママの場合、物書き業もやっていたりするので、時代の感性=リアリティを思考に繰り込むことは職業上重要になってくる(べつに、“いま”がすべて正しいわけでも、なんでも新しいものが優れているわけではないけど)。それで、これまでも、なるべく若い世代に取材したり、感性的に豊かな子たちに接したりするように努力してきた。ブルボンヌ先生やエスム先生などは、ママのそういう戦略ゆえこちらから接近していった方々だ(ごちそうさま!)。その彼らが三十代になると、ママのターゲットはたなべね先生やぼせ先生の世代になり、この子たちが社会人になると(子供だった彼らもいっぱしの社会人!)今度は……と続き、現在は、アンジェラ世代がママの“チューチュー行為”の草狩り場になっている。←なんだか自分がバンパイヤに思えてくる

1407775569_215s.jpgママは別に謙虚な性格ではないのだけど、いや、本質的には傲慢な性格にもかかわらず、年を重ねれば重ねるほど、若い人たちに「教わっている気分」になってきて、「先輩感」というのは失っていったような気がする。自分としては三十代半ばくらいがいちばん“偉そう人格”だったように思うんだけど。これ、ほんとなんです。だって、多少へ理屈をこねることにはたけていても、パソコンについてまったくわからないし、ネットはちゃんと使えないし、ポップカルチャーには遅れているし……。それに実際、貯金も身分もないから、若い人に自慢できるものもないしね(←それは痛い)。

なので、いまは若い人たちに疎まれないように少しでも老化を食い止めることが至上命題。そういう意味で、エフメゾをはじめたのは本当によかった。新しい感受性が向こうからやってきてくれる! いやあ、おかげで少しは時代を更新することができる(はず)。でもそれに甘えず、こちらも加齢臭をできるだけ抑えなければならない。

ということで、今週2/10(水)のエフメゾの音楽特集はママ的には未来音楽! Lady GAGAさんやPINKさんをガンガンかけちゃうもんね。つか、早速レンタルしてきたんだけど、すでにどっちがどっちだかわからない(汗)。でもママは努力家、あの苦手だったビヨンセ様のイキどころさえ最近体得したので、きっと大丈夫! 10日は休日前の夜なので、週末気分でゆっくり遊びに来てください。もしかしたらいつもとちょっと客層も違うかもしれないので、愛が生まれたりして……。ちゅーか、先週はノンケカップルが見事、誕生したエフメゾでございました(笑)。

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いただいたご本『大人問題』

978_4_7808_0141_5.jpg● 小浜逸郎『大人問題』(ポット出版) 1900円+税

こういうと生意気だけど……小浜逸郎さんは同世代の思想家である上野千鶴子さんなどに比べると、器用でもないし、条件反射的な頭の回転にも劣ると思う。だけど、だからこそ、自分が引っ掛かかりを感じた問題を深く掘り下げて、じっくり考えることをしてきた方だと想像する。彼は、”こういう文脈だったらこう言えるし、こういう理論からするとこのように見える”みたいな安易な相対主義にも陥らない。あるいは、”あなたの見ていた世界は偽りで、本当の世界はこのようなものです”みたいな危ういカタルシスを読者に与えようともしない。市場ではこういう態度の著者はそれほど「売れない」だろうが、思想家としては信用ができる。

そういう小浜さんの頑固な味わいが本書『大人問題』からはにじみ出ている。思想や理論としての切れ味を残したまま、なんとも人間的なこうばしさが漂っている。自分の父親について回想したエッセイや、藤沢周平についての評論など、60代まで実直に生きてきた男ゆえの奥行きがあって感動すら覚える。

社会批評としても流行の理論や言い回しに流されず、射程が広く深い。

「おそらくかつての小さなムラ社会的(氏族、部族的)な共同体では、私たちがいま考えるような家族的な共同性はそれほど強く意識されなかった。
 その代わりに、ある共同体全体の宗教とか、労役を通じたまとまり意識(たとえば狩猟や航海や戦闘に参加する男たちの共同性)のほうが重みをもって受けとめられ、配偶関係や血縁関係の認知構造としての「家族」は、その原理を保存しながら、それらの共同性(同胞意識)のなかにぼんやりと融解していたと考えるのが妥当だろう。
……しかしいっぽう、家族は近代になって初めて成立したというようなよく見かける言説も極端である。配偶関係や血縁関係の認知構造としての家族観念は、やはり歴史時代のはじめから存在したと見なすべきで、それはたとえば、山上憶良の歌やギリシア神話(たとえばオイディプス神話)や旧約清書などからじゅうぶんうかがえることである」

こういう批判に応えようとする研究者ははたして今いるのだろうか?

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女装、褌、巨根でごくり…

fmfjoso___05.jpg先日のエフメゾの「女装祭り!」は大盛況でした。まあ、ああいうイベントはお客様は入っても、人件費や諸経費がかかるので、そんなに儲けにはならないのだけど、ちょっと前にママが「CR遠山の金さん」で勝ったあぶく銭を太っ腹にも全投入し、いつものご愛顧にお応えした次第です。←かなり恩着せがましい←そしてただのパチンコ依存症(笑)

とにかくエスムラルダ先生のショーは素晴らしかった。ずいぶん長い間、先生のショーを観てきたママですが、今回のは着替えの間に「華原朋美のPV のパロディ」を挟んだ演出も含めて、なにか新境地に達しておりました。黒柳徹子のショーは犯罪ギリギリ、というかまさに犯罪(笑)。会場も拍手喝采、ノンケが多かったのにノリノリの盛り上がり。先生の場末な芸風がメゾという空間に見事にマッチしておりました。

エフメゾのスタッフも女装とは言い難いながら頑張ってコスプレしました。アンジェラはペネロペにはほど遠く、結局、ライザ・ミネリかペギー葉山(古い)という評価しか得られず。チーママの「顔だけ女装の赤鬼」も節分の余興といった中途半端なものでしたが、予想外に司の女装の破壊力はすさまじく、あまりの気持ち悪さに、カウンターのなかでチーママが「そばによるな!」とマジギレしたほど。司は女装になると勝間和代(!)クリソツになることが判明して、これからはそっち方面で売っていこうかと(色売りができないので使いようがなく、そろそろ首にしようと思っていたのですが、「司カツマー」として再デビュー)。

そしてママはハンズでうさぎの着ぐるみを買ってきました。女装は大学生のときにシャンソン歌手としてずいぶんやったのでもう卒業なの。というか、体調がよくなかったので化粧をするのが面倒くさかった。だけど、太ももも露なうさぎ姿で二丁目を闊歩するとは思いも寄らず……。

nonkeいやね、女装に対抗して?褌を締めたお客様がいて、そうだ! ノンケの体育会学生が遊びに来ていたので、どうせなら彼にも褌姿になってもらおう、と思い立った。彼も「まったく問題なし」とノンケらしく堂々引き受けてくれた。それでスタッフの誰かにルミエールまで買いに行ってもらおうと思ったのですが、みんな手が空いておらず……仕方ないので、自らうさぎとして外出しました(笑)。どうせかぶりもので誰だかわかんないだろうからいいや、と。そうしてルミエールのレジに褌を差し出したら、店長のゆう子さんが顔を引き攣らせてレジの子に「二割りおまけしてあげて」。

とまあ、そんな具合にスケベなゲイのお客様のためにママは二丁目をうさぎ姿で疾走したのです。そして店に戻ってきて、ノンケ君に着替えてもらい、見事なますらおぶりを披露してもらいました。しかし声も高らかに彼を紹介したのですが、なぜだか拍手や歓声が起こらない。ん? 受けなかったのかしら。褌なんてもう珍しくない? と周囲を見渡すと……みんな生唾ごっくんでガン見して拍手も忘れていたみたい……あぁ。それにしても、二十歳そこそこのアスリートの身体の美しさときたら! 天然ものは後ろ姿が違う(つまり背筋←中途半端なジム釜は鏡ばかり見て鍛えるから、大胸筋に意識がいって背筋がしょぼい)。ちなみに、彼は学校1の巨根だそうです(笑)。

エフメゾはそんな、ゲイもノンケも入り混じっての渾沌としたゲイバーです(水曜日だけ営業)。

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『二人で生きる技術』をめぐるトークライブ!(後編)

● パートナーは誰でもいい?

伏見 ご著書を読んでいて、大塚さんってやっぱりマニアっていうか、変態だなって思ったのは(笑)、あまりいい別れ方をしなかった恋人の後に、次々にいろんな男性と付き合おうとした「激動の4カ月」がありましたよね。こういうと何だけど、相手を選ばずといった展開で。あれを読んでいて、この人は付き合えるなら相手は誰でもいいのかなっていう印象を受けた。多分、他の読者も同じように感じると思うんですよ。大塚さんのいっている「トゥマン」の中のトゥマっていう存在は、ある意味で誰でもいいっていう話なんですか。

大塚 そうです。

伏見 ちょっとそこのところは聞きたいです。 続きを読む

『二人で生きる技術』をめぐるトークライブ!(前編)


大塚隆史著『二人で生きる技術』をめぐるトークライブ!
司会/伏見憲明 
ゲスト/大塚隆史 造形作家。ゲイバー「タックスノット」のマスター。著書に『二人で生きる技術』(ポット出版)、『二丁目からウロコ』ほか
コメンテータ/広瀬桂子 元伏見担当のマガジンハウス編集者。二丁目で出会った夫は現在市長。

*12/23(水)エフメゾにて行われたトークイベントをまとめたものです

● 関係性を開示することの困難

伏見 こんにちは、伏見です。よろしくお願いします。今日は大塚隆史さんを迎えて、最近出版されたご著書『二人で生きる技術』についてお伺いするトークイベントを設けました。助っ人にも来ていただきました。広瀬桂子さんです。

広瀬 こんにちは。(拍手)

伏見 広瀬さんはマガジンハウスの編集者にして市長夫人(笑)でいらっしゃいます。そもそも、なぜ市長夫人になったかというと。僕が『スーパーラヴ!』という本をマガジンハウスで出版したときの担当編集者が広瀬さんで、その出版パーティに、僕の大学時代の同級生がたまたま来ていました。パーティでは、その2人以外は全部ホモとレズだったんです(笑)。で、余ったその2人が何か発情しちゃって、結婚して子供までつくって、もう十数年がたちました。そういうカップルなので、ちょうど対比的にも面白いかと思って、今日は広瀬さんにも混ざってもらおうと思いました。
 そして、皆さん、よくご存じだと思いますけれども、行間に60うん年のすべてがこもっている、濃密な本をお書きになられました大塚隆史さんです。(拍手) 続きを読む

いただいたご本『子供問題』

● 小浜逸郎著『子供問題』(ポット出版) 1900円+税

伏見はこれまで教育問題にはさして関心を持ったことがなかったが、「学級崩壊」のような現象は当然だと思ってきた。思春期の頃、自分もかなり反抗的なガキで、70年代後半であったがすでに「なんでこんなに頭の悪いセンセイの言うこと聞かなきゃなんねーの?」みたいな感覚を濃厚に持っていた。つまり、教師のことを権威として敬う気持ちがあまりなかったのである。ただ、対抗主義的な意識で反発していた面も顕著だったので、半分は権威が機能していたということかもしれない。

だから、そうした感覚が80年代、90年代と時間を経ていくなかで、子供たちのなかでさらに「ふつう」になっていったことは想像に難くない。そもそも、いくら大人とはいえ、ひとりの人間が40人からの人間を整然と制御するなんてアリエナイ。またそれが可能だった時代のほうが不思議に感じる。なので教師個人の力量に学級崩壊の原因を求めるのは、そりゃ無理があると思う。

そんな現在の教育現場の状況を小浜氏は思想の言葉と分析によって鋭く批評している。「いまの豊かな社会の子どもたちにとって、厳しい規範に服従すればいまよりも将来もっと素晴らしい生活状態が期待できるはずだという論理は、ほとんど必然性をもたないからである。国家社会に有用な人材となるためにといった大義名分は、刹那的な快/不快の原則の前に敗北する」。ご都合主義の人権思想や特定のイデオロギーを批判する小浜節、健在なり! というわけで、本書は教育問題についてさして関心がなかった向きにも、考えるきっかけとなること請け合い。そして、問題の背景を知る上での良き参照点になるはずだ。

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スパゲッティ祭り→女装祭り

二丁目はこの時期いつもの冬枯れの上、未曾有の不況のダブルパンチで、とってもヤバい状況。すでに閉店したバーも何軒かあるとかないとか。エフメゾだって、そこそこお客様が入っているとはいえ、けっして良い売り上げではない。ということで、てこ入れ策を講ずるママです。

● 1月27日(水) 「スパゲッティ祭り!」

ってなんのことだか。いや、クリスマスのときに特大のミートソース缶が丸ごと残ったので、学生さんにそれを無料でサービス。貧乏学生のためにパスタを食事として振る舞います。太っ腹じゃないの! 

joso_1_mesen.jpgむかし、「クロノス」のマスター(故人)に言われた。
「ゲイバーっていうのは、金持ちだけくればいいってもんじゃないの。アンタのような貧乏学生がいて、金払いのいい大人もいるっていうのが、店を活気づかせるのよ。若い人がいるから大人も下心を抱いて遊びに来るし、反対に、若い人だって同じような世代の連中ばかり集まっていてもつまらないでしょ?」

エフメゾをやりながらよくクロちゃんのこの言葉を思い出す。たしかにそのとおりだと思う。単なる色気売りのバーでなければ、いろんなお客さんが集まったほうがパワーが漲る。なので、貧乏でも伏見ママに会いたいって学生は1/27はお得だよー!

● 2月3日(水) 「女装祭り!」

金曜のキャンピーバーがやけにはぶりがいいって聞きつけたので(笑)、エフメゾも女装接待を企画。写真は店子のアンジェラの試作。本人はペネロペ・クルスのつもりの本気女装(笑)。さて、目線を取るとどうなっているのか。当日はママも女装をしているかも?(←それは謎) そしてお客様でも女装してきた男子にはママから一杯おごります!

加えて、ショータイムもご用意しています。あの大御所ドラァグクイーンのエスムラルダ先生が、このくそ寒い季節にさらに血も凍るような怖いショーをしてくださるとのこと。料金いっしょでこの企画はお安いでしょ! こちらも来なくては損ですよ。隣り三軒両隣、お誘い合わせの上、お越しください。お仕事の接待にもご利用してください。

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