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ポット出版ず・ぼん全文記事ず・ぼん7
お棚拝見隊見参!
第二回 ブックデポ書楽の巻

お棚拝見隊
[2001-08-06]

 

たいちょう
13年間の図書館員生活に別れを告げ(させられ)、片田舎のお役人人生早1年あまり……。慣れない数字と格闘しつつ、行政資料制作に励む。はっきり言ってフケた。

せしる姉さん
仕事帰りに週2回は書店に行く私。でも、買うのはほとんどマンガ。だって、他に楽しみがないのよ。おかげで家の中はマンガの巣窟。これが私の人生なのよ!

オレンジ・ペコ
館内異動で一般・ティーンズ担当から地域資料担当になり、
書店で見る棚もすっかり変わりました。
今回の見学であまりお目にかかれない地域行政資料を見つけて、目がきらり。選書の参考になりました。

かんのすけ
インターネットで本が買えちゃう時代だけど、直に本棚で出会いシビレる楽しみも捨てがたい。自宅のそばにも素敵な本屋さんが欲しいなあ。


なんでもありの案内板

 お店のエントランスで店内のサイン(案内板)を眺める。1Fが新刊や雑誌。2Fが児童書とコミック。3Fには、ビジネス書やコンピュータ関連書と文化・交流の場としてのギャラリーがある。
 よく見るとやけにいろいろ書いてある案内板だ。
 たとえば、2Fのジャンルを見ると、演劇・舞踊・芸術・謡曲・芸能の次に突然タカラヅカが出てくる。
 隊長が「素人っぽくてわけわかんなくていい」といきなり突っ込む。
 お客さんから見れば、細かくて親切な案内だろう。
 ビル内には、書店の他にレストランが数店、文具、CD店もある。
 駐車場は二〇〇台OK、地下には、スーパーマーケットと、こりゃすごい環境だ。すぐ後ろの高層住宅からは直結していて、ほぼ濡れずにお店に行くことができる。
      *
 「ブックデポ書楽」の箕輪健一さんと松田信さんにお話を伺った。
 「ブックデポ書楽」は、親会社『安楽亭』が百パーセント出資している『アン情報サービス』の経営。『安楽亭』のオーナーが読書家だったことと、合併前に与野市が市民に取ったアンケートで「町に足りないもの」の一位が病院、二位が書店だったことにより、大型書店ができたそうだ。
 一九九七年七月にオープン。その時二フロア八〇〇坪だった店舗面積は、開店一周年で、三フロア一二二七坪へ。「ブックデポ書楽」 のホームページには二〇〇〇年九月現在、「日本最大級の超大型複合書店、売り場面積国内第二位(東日本最大)」とある。


とにかく本をたくさん集める

 「書店経験のない者が立ち上げたので、老舗のノウハウを持っていません。歴史が浅いので、まだ熟してないんです。が、お客さんが欲しい本はいつも置いておきます。数で勝負するんです」と松田さん。
 「他の書店で縮小傾向の児童書、学習参考書などをわざと増やし、棚を充実させました」と、昔ながらの本屋さんとは、ひと味違う大胆な発想だ。
 「ブックデポ」のデポとは、百貨店の流通用語で、倉庫の事を言うそうだ。「本の倉庫」とは、まったくその通りだ。
 仕入れもそれぞれの棚担当が行い、全体数の把握は仕入れ部がする。
 売り場面積が広いから、一つの主題で類書がたくさん並んでいる。
 自館で見た事もない本もある。特に、年度版でお馴染みの『現代用語の基礎知識』などの辞典には「見本」があった。「お客さんは見本を見て検討し、きれいな本を買っていける。こんな配慮がうれしい」(オレンジ・ペコ隊員)
 洋書もある(都会の専門店へ行って注文しなくてもよい)し、楽譜(楽器店に足を運ばなくてもよい)もある。専門書まで揃っている。
 雑誌のバックナンバーもビニールの袋に入って並んでいる。当月号を買い損ねてもOKってわけだ。なんといたれりつくせりなこと!
 アニメ系のムックコーナーやコンピュータ書籍の棚に思わず「おお」と言う、かんのすけ隊員。
 他書店のアニメ系本棚ではもう見られなくなったムック本がいくつもあったし、コンピュータ書籍の棚には、見覚えのないビデオ付きの解説本が並んでいた。
 多岐にわたる品揃えとはこういう事なんだ。
 店内のあちこちには、座って本を読むための机と椅子が置かれていた。立ち読みしてもいいのね。
 だんだんテンションが上がってくる私。


町が若い、だから児童書に力を入れる

 「ブックデポ書楽さんの中でこれがプッシュだ!というのは何でしょう?」という隊長の質問に、児童書フロア担当の箕輪さんが答えた。
 「町が若いので、ファミリーも子どもが小さいんです。だから、児童書や実用書に期待しています。若いお母さんは幼い子どもに何を与えていいのかわからないようです。そんなお母さんと子どものために、スタンダードの絵本を揃えて展示してみたら、良い反響がありました。長年読み継がれた懐かしい本を大切にしていきたいですね」
 うんうん、図書館もまったく同じ意見ですよ。売り上げじゃなく、貸出に反映されるけどね。
 「キッズスペース」は、図書館も負けそうな児童コーナーだった。子ども用の小さな机と椅子。テーマ別展示。暖かさを感じる手づくりのサイン。
 通路を広くあけてあるのも、子どもの遊び場的な発想を取り入れるのも、書店では珍しい。
 五味太郎やいわさきちひろなど特定の絵本作家のコーナー、絵本のフェア、洋書の絵本も並んでいる。うさこちゃんの時計やトーマスの書架など、小道具も上手くディスプレイに活用している。
 この日発売の『ハリーポッターと秘密の部屋』があちこちに山積みになっていた。羨ましい。図書館じゃ、どう頑張っても平積みは無理。リクエストで全部出払っちゃうもんね。


本のデパート

 「展示は担当者がやるんです。フェアの時には、関連書を一緒に並べます。
 が、自分の探している本がどこにあるのかわからないのは不親切になるので、基本的には、本のカテゴリーで並んでいます。どうすれば探しやすいか、知的興奮が得られるかを売り場の人は考えるんです」と松田さん。ここも図書館と同じなのよ。買うか借りるかの違いだけど。
 いかにも原価の安そうな手づくりの書架見出しがあった。紙の上にビニールを掛けたような見出し板だ。素人っぽいけど、好感が持てた。
 「このお店で買わせる決定打とは何ですか?」との隊長の質問に松田さんは答える。
 「0歳からお年寄りまで全部をカバーすること。まだ経験も少ないので、店も人も育っていません。知的興奮はしないかもしれませんが、欲しい本はあるというところから始めました。不特定のお客さんに満足してもらうには、品揃え。『今はありません注文になります』ではなく、ないものを置いておくことですね」
 何百タイトルもある本のデパートなんですね、ここは。
 各フロアには自由に利用できる利用者端末があった。探している本が店内のどこにあるのかが表示され、検索結果を無料で印刷してもらえる。これもうれしいサービスとオレンジ・ペコ隊員。
 駅に近く、車で行っても駐車場があり、店内にはひと休みできるスペースがある。喫茶店もレストランもあるので、一日過ごせる。子どもはキッズコーナーで遊びながら本を選べる。帰りには、地下のスーパーで買物もできる。これ以上の環境があるかしらん?
 コミックにうるさい私としてはコミックフロアの棚の広さに感動。
 もし自分の町にこんな店があったら、私は四六時中入り浸っているだろう。水色の空に白い雲が浮かぶブックカバーを掛けてもらって、欲しいマンガも買うことができた。
 「徹底して素人っぽく、何でもありの本屋さんでいったらいい」と隊長。
 まだまだ発展途上という感じだけど、今後が楽しみな書店さんだった。お客にどんどん育ててもらってほしい。
 最後に、箕輪さん、松田さん、お忙しいところお時間を割いていただき、ありがとうございました。



そもそもお棚拝見隊ってなに

お棚は図書館のいのち!! 井狩春男サンのいう黄金配列にビビッと感応した十余年前から“イカした”棚にめっぽう弱い?(いや、目がない?というか体を張っている?というか)隊長が、ある日「お棚拝見隊」を結成。←この辺については『ず・ぼん5号』を見てね。
“イカした”棚をつくっている図書館や本屋さんに行って、おはなしを聞いて、そのコツやツボを盗んできちゃおう、ってのがねらいです。

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