2013-07-19

お部屋2523/2月17日プラカード登場——しばき隊の「暴力性」4 [追記あり]

しばき隊はなぜ男しか入隊できなかったか。野間易通は「ザイトクは弱いもんを狙ってくる。女性をターゲットに差し出すわけにはいかんやろ」てなことを言って、いい人ぶっているわけですが、女子がいると弱点を作ることになるのを嫌ったということでしょう。これは純然たる腕力、体力の問題。また、男と拮抗する力があっても、狙われやすいだけで弱点になる。

実のところ、カウンターには、一対一でやったなら、ザイトクデモの男たちの誰一人かなわないのではないかと思われる豪腕女子がいるんですけど、見た目ではわからないので、そこを集中的に狙われるのはまずいし、その力を発揮されても困ります。殴られ、蹴られるのがしばき隊の役割ですから。

その時にたとえば私が殴られたり、蹴られたりしても、たいして心配はないじゃないですか。骨が折れてもそんなに気にしない人間です。

実際にはちょっと殴られたり、蹴られたりしても、心配する人が多くて、かえって面倒だったりします。あまりに無駄な心配をする人が多いので、Facebookでは「心配禁止令」を発布しました。「ワシが殴られて本当に心配するヤツはカウンターに参加しろ」ってことです。

おそらく女だともっと大変で、ただでさえ世間から叩かれているしばき隊はどんだけ叩かれるか。

もうひとつの問題としてはイメージです。本当のところは、これがもっとも大きいのではないか。暴力イメージを前面に打ち出す上ではやはり男だけの方がいい。

この流れが、新興武闘派勢力・男組に引き継がれています。男組はイメージだけじゃないですしね。何すっかわからない。怖いので、私は男組の5メートル以内に近づいたことがありません。最高権力者は女性ですけどね。

女子が入っているしばき隊と、男子だけのしばき隊と、どっちを警察は警戒するのかって話。当然後者であって、トラブルを回避する警備警察の本能が刺激されるわけですよ。

血に飢えた凶暴な男たちの集団という体のしばき隊の登場によって「お散歩」ができなくなるわけですが、もう一方で起きていたのがデモ自体に対する警備の強化です。

2月9日、10日のしばき隊の登場によってプラカードの掲示を可能にする前提が整いました。もししばき隊が登場しない段階でプラカードを掲示していたらどうなっていたのか。

以下は2012年4月8日のものです。

今とコースは違い、職安通りのガードを超えたところですが、ここで抗議したのがいたのか、デモ隊が歩道になだれ込んでいます。よく見るとわかりますが、デモのスタッフであろうカトテツが元に戻そうとしている。警察がチラホラとしかいないため、無軌道なデモ参加者を主催もコントロールできないのです。

この状態でプラカードを少人数が掲示したところで、すぐに蹴散らされてしまい、警察もそれを押さえられない。まずこのことを見ておいてください。

2月9日の段階でも、警察はしばき隊の登場を予想して、すでに警備強化をしていたのですが、それでも路上から突っ込もうとする人がいて、デモ隊もそれに殴りかかるという場面があって、私も止めに入っていました。翌10日には警備は増強されていて、17日はさらに増強されるであろうことがわかっていたため、プラカードの掲示が木野トシキからなされたわけです。

それでも最初にプラカードの呼びかけがなされた2月17日のデモではビクビクでした。大久保通りは広いですから、反対車線まではデモ隊が突っ込んでくることはないだろうというので、掲示はデモ隊の通る側ではなく、反対側で出すように呼びかけています。しかも、デモ隊ではなく、歩道に向けるように呼びかけていました。

デモ隊に向けるのではなく、街に対する意思表示が主眼であったためですが、デモ隊を刺激しないという意図もありました。

現実にはこの日の警察の警備は厳しくて、とても反対側にデモ参加者が駆け寄れる状態ではありませんでした。大久保通りのこの周辺は一部を除いてガードレールがあるので、飛びかかってきても逃げられますし。

そのため、プラカードをデモ隊に向けている人が多く、デモ側の歩道で掲示する人もいたのですが、すべてはしばき隊による下地作りがあったことによるものです。

プラカ隊が初登場した2月17日の様子。

17分台からプラカードの掲示が見られます。

先導車がつき、完全装備の機動隊がデモの両サイドを挟み込み、その上、歩道にも警察が並んでいることがわかります。昨年のデモと比較すると一目瞭然です。

「しばき隊→プラカ隊」という流れは最初から計画していたものではなく、当初しばき隊に参加していた木野トシキが「こんな暴力的なやり方ではなく、僕はもっと広範囲に参加できる方法をやります」としばき隊と殴り合いをして決裂し、外に飛び出して始めたということになっています。

実際には、この行動はしばき隊としても歓迎しつつのものであり、完全な別行動ではあれ、互いの共闘関係があってのこと。

ここから私は何を始めたかと言うと、しばき隊への誹謗中傷です。「あんな粗暴で品のない連中を相手にせず、プラカードを出そう」と。

これを本気にした人がけっこういたようで、Twitterではしばき隊憎しの人が私の文章をリンクしていました。私が書いていたのはあくまで「しばき隊とプラカ隊はまったくの別行動であり、しばき隊が気に食わない人は、プラカードを出せばいい」ということです。プラカ隊を応援し、そちらの参加者を増やすためのものであり、「しばき隊を批判する暇があるならプラカを出せ」ということなのですから、しばき隊批判をする人たちへの批判でもあったのですが、これもしばき隊を批判するために利用するのが出てくる。ゲスはどこまでもゲス。

私の書いたことの影響ではないでしょうが、プラカードを掲示する人の中にも、「しばき隊はちょっと」という人がけっこういます。それはそれでいいのですが、事実として、以上のような経緯で初めてプラカード掲示は可能になったのであり、プラカードを掲げながら、しばき隊を非難するのは本末転倒。

私が木野君の行動を積極的に支持したのは、より広い範囲で多くの人が行動できるようにしたいということとともに、メディア対策です。しばき隊はすでにネットでは話題になっていたわけですが、しばき隊では新聞やテレビは取り上げられない。そういったお澄まししたメディアをここに呼び込むためには別の入口を作る必要があります。今になって言っているのではなく、メルマガではずっとその辺の分析しつつ、この先のためにそうすべきであると言ってました。

しばき隊は対警察、対ザイトクにおいて効果を発揮すればいい汚れ担当ですから、上品なメディア向けの絵になる行動が必要です。しばき隊のように「おらおら、ぶっ飛ばすぞ、このレイシストどもが」ではなく、穏やかな言葉をメディアに向けて言える人が必要。それが木野トシキでした。中身は野間易通同様の悪魔ですけど、表向きは善人に見えます。

まずはこれを韓国メディアが取り上げ、この月のうちには有田芳生議員も動き出します。やがては国内メディアも取り上げるようになり、逮捕騒ぎ以降、「しばき隊」という文字が出ていることがありますが、当初はすべてプラカードの話題でした。計画通りであります。(まだまだ続く)

追記:「まだまだ続く」とありますが、すでに局面が変わっていることでもあるので、もういいかと。しばき隊は「対警察」「対ザイトク」だけでなく、さらに大きな役割を担っていたという話がこの先続く予定だったんですけど、そこまで書くのは大変。メルマガではとっくに書いていたことだし。あとは皆さんが考えていただきたい。