沢辺均」タグアーカイブ

ポット出版社長・沢辺均の日記-30[2009.08.26-08.27]

ためないで、シャチョーの日記をつづけるぞ。

●2009.08.26水
午前中はS社のデザイン打ち合わせ。30分で終了。
午後イチに、さわやか信用金庫の担当者が来て、政府の緊急保証融資の手続き。
夜は版元ドットコムの組合員会議。
青弓社・矢野さんに「沢辺はキレるな!」とおこられる。
その場で「キレてないですよ、ホントにキレたらこんなんじゃないですよ」と開き直る。
あとで考えなおしたら、確かに「もういいよ」といった根拠の半分は、
「キレていた」ことがあるな、。
あとの半分は、ホントに合意の得られないことを無理に版元ドットコムでやらなくてもいい
(単独でやればいいんだから)という考えでいるってのが、半分。
そのあとは、毎度の飲み会。電話で近所の中華屋を予約したんだけど、なんか変。
携帯電話に「まだこないんですか?」と電話があって、予約したのは渋谷店だったことが判明。

●2009.08.27木
午前中から出版会議(毎週木曜日)。本を売るためのネット活用法とその具体的な段取りに時間を使う。
午後中央公論新社へ、新シリーズのデザインの打ち合わせ。ツラガマエだぜ、人は。
夕方、チーム・ビラセレーナの一員=イタレリへ、H社プレゼンにむけたサイトの相談。
夜は雑用。だけど腹減った。
出版チームと編集チームは月一回の食事ミーティングに行った。
デザインチーム3人とSDさん。で寂しい社内。

▶フリッカーで「ライブポット」=ポットの日常を写真でアップ。
東洋経済アマゾン特集やら、なんやら、。

9月8日(火)でるべんの会で沢辺が話させてもらいます「いま、中小出版社に何ができるのか」

沢辺が話をさせてもらいます。お知らせまで。

ちなみに、「でるべんの会」とは出版の出、勉強の勉、のはず。

出版社/取次/書店(の30代中心かな?)が多いですが、
読者、図書館のかたなどもどうですか? 対象限定ではありません。

────────────────────
9月勉強会 「いま、中小出版社に何ができるのか」ポット出版沢辺均氏をお招きします。

各位

ご無沙汰しております、
でるべんの会幹事を務めております、梶原です。
次回の「でるべんの会」勉強会は、先日MLにもご投稿いただきました、
ポット出版代表取締役の沢辺均さんにお話を伺います。

ポット出版から7月に発売された
2冊の出版業界関連本が話題を集めております。
その一つは、ライター永江朗氏による『本の現場』。
出版業界の諸問題をつぶさに取り上げ問題提起を行う本書は、
「非再販本」として発売されることで、話題を集めました。
また、出版コンテンツの今後を考える会として発足した
「出版コンテンツ研究会」の研究報告と、
デジタルコンテンツ業界で活躍するキーマンにインタビューを行った
デジタルコンテンツをめぐる現状報告』は、
加速する出版のデジタル化をとらえる上で
必読の一冊となっております。

その一方で、沢辺さんは
出版社の枠を超えた活動、発言を多数行っております。
中小出版社ネットワーク団体「版元ドットコム」の立ち上げ・運営から、
責任販売システム「35ブックス」への参画、
Googleブックサーチ問題では率先して賛成の意を唱えるなど、
出版業界の各所でご活躍を続けております。

今回は、その多岐にわたる活動についてお話を伺うとともに、
変革を迫られる出版業界において一人一人が何をなすべきなのか、
より率直なお話を伺いたいと思っております。

急なご案内で申し訳ございませんが、
皆様ふるってご参加いただきますよう、お願い申し上げます。

(以下参照)
━━━━━━━━━━━━━━━━━

■テーマ
いま、中小出版社に何ができるのか
——版元ドットコムから非再販本出版、35ブックスまで——

■日時:9月8日(火)19:15〜20:45(*受付は18:45から)

■会場:水道橋・貸会議室「内海」東京学院ビル3F教室
http://www.kaigishitsu.co.jp/access/index.html
※終了後、近辺で懇親会を予定しております

■講師
沢辺均(ポット出版代表取締役)
http://www.pot.co.jp/

■当日のタイムスケジュール(仮)
18:45〜   受付開始
19:15〜   開始 → 講師紹介、導入
→ トークセッション、質疑応答
〜20:45   終了 → 片付け
21:00頃から 懇親会開始

■勉強会参加料 1,000円(予定)
■懇親会参加料 4,000円(予定)

■予約お申し込み
下記の受付フォームにて承ります。
http://my.formman.com/form/pc/IuZ3mlXvML915uvE/

『エロスの原風景』ができるまで/松沢呉一インタビュー04/『エロスの原風景2』に向けて

前回まではこちら

01・国会図書館を抜き去るまで(ただし、エロ本のみ)

02・エロ本を捨てるな

03・松沢呉一が語る『エロスの原風景』の読みどころ

万単位(家ひとつ分)のエロ本を所蔵している松沢呉一。
1冊1000円だとするとン千万。
その選りすぐりの資料がオールカラーで大量に掲載された『エロスの原風景』はなんと2800円ですぞ!

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松沢呉一『エロスの原風景』に関する記事一覧

●『エロスの原風景2』に向けて

──これだけ資料が充実していると、オールカラーにした甲斐がありますね。

「そうそう。モノクロにすると、写真はどうしても古く見える。当たり前ですけど。でもオリジナルはきれいなものも多いんですよ。戦後すぐ占領軍がカラーで撮った写真集(『GHQカメラマンが撮った戦後ニッポン』・アーカイブス出版)があるじゃないですか。戦後の焼け跡って、私のなかではモノクロのイメージなのに、当時の町並みはカラフルなんですよね。モノクロかカラーかで時代のイメージが作られてしまうってことをあの本でつくづく感じました。写真のカラー印刷ができなかった時代は、木版や石版でカラーページを作ったり、本文用紙に色のついた紙を使っていたりもする。好事家向けの本だと、本文を二度刷にしていたり。カラー印刷の技術が発展していなかった時代は、その時代なりの色の工夫がなされていたんですね。そんな工夫は何もなくて、カラーで再現する意味がないものもあるんですけど、彩色のポストカードだったり、カストリ雑誌の表紙だったり、昭和30年代のカラーグラビア雑誌だったりはカラーで再現したい。今の鮮明すぎるカラーより魅惑的に見えたりもするし、昭和30年代のヌード写真は今とさほど違わなかったりもする。そのことを読み取ってもらうためにはカラーで再現するしかない。じゃないと、単に古いものに見えてしまうし、ブツとしての魅力がわかりにくいので」

実話誌
『エロスの原風景』「実話誌」の項より

──2800円でも高くないですよね。

「オールカラーで3000円切れれば全然高くないと思うけど、そこを理解してくれる人がどれだけいるのかについてははなはだ疑問ではあります。今のエロ雑誌じゃカラー印刷は当たりまえで、オールカラーのエロ雑誌が千円を切るような値段で売られている。そういうものと単純に比較して高いと思う人たちが多いと思うんですよね。部数が少なくて、広告が入ってないんだから、本だと高くなるのは当然なんですけど、一般に本の値段は理解されていないので、そこが心配。この元になっているのは『実話ナックルズ』(ミリオン出版)の連載『日本エロスの原風景』で、今までに60回以上やっている。他の雑誌で書いたものもあるので、簡単にあと2冊か3冊は作れる。でも、1冊目が売れないとあとが続かない」

──単行本未収録の、面白いテーマはありますか?

「もう連載で取りあげたものでは、カストリ新聞ですね。カストリ雑誌とほぼ同時期に、ペラペラのタブロイドの新聞が大量に出ている。保存されているのが少なくて、論じたものもほとんどない。中途半端な復刻が出ているくらい。最近、取りあげたのは明治時代の造化機論。書かれていることは今見ると滑稽なんですけど、性器の図版がきれいなんですよ。明治の春画も取りあげていて、一般に知られる江戸時代の浮世絵の流れのものだけじゃなく、ハイカラな図像の春画が明治になると出てくる。軍人と従軍看護婦がやっていたり。たぶん日清戦争の頃のものじゃないかと思うけど、江戸時代のものより私は近代のものの方が面白い」

──へえ。

「今回はSM関係はほとんど入っていないですけど、連載では昭和30年頃のSM写真集も取りあげている。有名なSM雑誌『奇譚クラブ』は、もともと大阪のカストリ雑誌がはじまりで、昭和26年からSM雑誌になるんですけど、その前のカストリ時代のものも、いい記事が多い。当時は大阪で出ていたので、関西の性風俗関連の資料としては重要です。その話も連載ではもう書いてます。次の号(『実話ナックルズ』2009年9月号)に出るのは昭和初期の『エログロ叢書』というシリーズ本です。全10巻で、すべて発禁になってます。これは表紙もいいんだけど、中身が抜群に面白い。連載は春からモノクロページにされてしまったので、今までのようにヴィジュアルをあまり考えなくてよくなって、中身の面白さだけで押し通せるので、かえってやりやすくもなっているんですけどね。あとはトルコ風呂のマッチとか、ストリップのパンフとか、エロのスライドとか。印刷物というブツに着目したものじゃなくて、今回のトルコ風呂の話やオッパイ小僧の話のように資料を使ってあるテーマについて書いたものとしては、照葉という芸者の話や脇毛の話、臍の話がまあまあ面白いかな」

──ちなみに、どれくらいエロ本のコレクションがあるんですか?

「高田馬場に『エロ本館(やかた)』といわれる倉庫があるんだけど、そこに全部保管している。民家のはなれになっていて、大家にはもちろん秘密だけど、二階建ての上から下まで全部エロ本。万単位のエロ本がある」

──(笑)。

「エロ本と言っても、範囲はかなり広くて、エロ関連のテーマを取りあげた研究書の類いを含めてですけどね。以前はうちに全部置いていたんですけど、寝る場所もなくなってしまった。段ボールに入れたまま積んでいたので、中を見ることもできない。今も場所が移動しただけで同じ状態のままですから、やっぱり中が見られない(笑)」

──資料館を作って、ちゃんと見られるようにすればいいのに。

「そういうことをよく言われるんだけど、そんなものを作ったら、どれだけ金がかかるかわからない。人に見せるんだったら、それ用の人も雇わなければならない。高倉一さん(『エロスの原風景』参照)が始めた風俗資料館というのが今もありますが、公的なサポートを得られないので、維持するだけで大変ですよ。図書館に寄付なんてことをしたら、ほとんどすべて捨てられますしね。国会図書館に寄付したら、もしかすると保存はしてくれるかもしれない。箱に詰めたまま積まれるんだったらいいんですけど、下手に整理されたら、箱もカバーも全部捨てられて、改装されてしまいかねない。国のやることなんて信用できるはずがなくて、国の方針が変わったら、全部破棄されるかもしれない。本はコレクターの手に渡すのがもっとも安全で確実なんです。保存したいんだったら、市場に戻すのが賢明です。バカにされ続けたエロ本や春画が残って、巡り巡って私の手元にあるのは、何人ものコレクターたちや愛好家たちが保存し続けてくれたからであり、図書館に寄付するようなバカなことをしなかったからなんです」(続く)

(このインタビューは2009年7月12日東京国際ブックフェアで行なわれた公開インタビュー『「戦前、戦後のエロ本」〜日本のエロ表現史』に大幅な加筆・訂正を加えています。聞き手:沢辺均)

『エロスの原風景 江戸時代〜昭和50年代後半のエロ出版史 』

978_4_7808_0126_2.jpg

著者●松沢呉一
定価●2800円+税
ISBN978-4-7808-0126-2 C0095
A5判 / 168ページ / 上製・函入
[2009年07月 刊行]
印刷・製本●シナノ印刷株式会社
ブックデザイン●小久保由美

内容紹介

エロ本は遠からず消えると言っていい。そんな時代だからこそ、こんな本を出す意義もあるだろう──
(「はじめに」より)

●『実話ナックルズ』(ミリオン出版)で2004年より現在も続く、日本エロ出版史を網羅する長期連載の単行本第1巻。
●稀代のエロ本蒐集家である著者所蔵の膨大な資料の中から、エロ本173冊、図版354点をフルカラーで掲載。
●読み物としてだけでなく、顧みられることのなかったエロ表現史の概観を辿る、資料性の高い一冊。
●大幅加筆に、連載時には掲載されなかった資料も掲載。

本のご購入はこちらでお願いします。

ポット出版社長・沢辺均の日記-29[2009.08.17-08.25]

最近この日記は、ためないで書いているつもりだったんだけど、もう1週間以上ためてる。

●2009.08.17月
午後、岡本くんのアカデミアリソースガイド主催の「この先にある本のかたち 我々が描く本の未来のビジョンとスキーム」に行く。出口まで小学館の岩本さん(「デジタルコンテンツの現状報告」の著者)とおしゃべり。

●2009.08.18火
午後、均整を受ける。
夕方S社にちょっとした打ち合わせ。編プロ仕事。

●2009.08.19水
午前中、Yさんと筑摩書房に菊池さん訪ねる。
午後、共同通信の取材。「本の現場」など、最近の出版の動きなど。
書店と書店員の自由を増やすことが大切だって、話す。
夕方から、H社プレゼンのブレスト。4時間かな?

●2009.08.20木
出版会議。
午後は東中野小学校のイベント「盲導犬に会おう」。
途中で抜けて国立国会図書館へ。打ち合わせ。

●2009.08.21金
午前中ポット会議、その後掃除大会。
午後は永江さんインタビュー。ポット出版サイトでの新企画であり、
本の現場」のプロモーション。

●2009.08.22土
鉄とすずをつれて代々木公園ドックランに行く。
夜は下北沢のZajiで、友人であり「たったひとりのクレオール」著者の上農正剛さんと飲み、おしゃべり。
大学でのカンニングや、事故をめぐる対処の話で盛り上がる。
映画になるような話だ。

●2009.08.23日
午後事務所で、永江さんのテレビ取材。BS日テレ。
放映は9月10日22時だと。財部さんの番組。
詳細はまた、おしらせしますね。
夕方には、鉄とすずをつれて代々木公園のドックランに。

●2009.08.24月
NPOげんきな図書館の代々木図書館スタッフではじめた
twitter
の説明をしに、中央図書館へ。うまく説明できたんじゃないかな? 了解も得られたし。
ゲリラ雷雨に引っかかって帰って、H社プレゼンの打ち合わせ。

●2009.08.25火
午前中マンションの管理組合。ビラセレーナ祭りのことなど。
夕方はさわやか信用金庫の担当者と融資手続き。
なんとおいらの印鑑登録証明書が必要だということが判明。手続きが翌日に持ち越し。
夜、げんきな図書館の理事会。代々木図書館スタッフによる新事業のこと。

グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業」 (幻冬舎新書)夏野 剛 (著)
他乱読。と次々に読みたい本がたまっていく。

twitterdeアンケート「Googleブック検索って使ってる人いますか?」

twitterを使ってアンケートをしてみました。

みなさんに質問! Googleブック検索って使ってる人いますか?
このつぶやきを呼んだ人、もしよければアンケートにお答えを。
よく使う/たまに使う/試しただけ/使ったことない、
で選択してもらえませんか。タグつけて。#q_gbs

回答数=29人
回答が集まった時間=約1日(逆に言えば1日たったら回答が止まった)
よく使う=1人
たまに使う=4人
試しただけ=14人
使ったことない=5人
他に、初めて知った、原書の確認につかう、といった回答もありました。

ご協力感謝。

うむ、ジャパニーズブックダムの夢をみてるんですけど、
このアンケートだと、実は必要がない、と解釈するのか?
いえいえ、やっぱり、それなりに日本語の本を網羅してないと、
よく使われるようにならない、ってことなんでしょうね。

http://twitter.com/#search?q=%23q_gbs でそれぞれの回答が読めます。

沢辺のtwittereへは、http://twitter.com/sawabekin

でるべん9月勉強会 「いま、中小出版社に何ができるのか」

沢辺が話をさせてもらいます。
よろしければご参加ください。

ジャパニーズブックダムの構想などを話させてもらおうか? と思ってます。
主催者の許しがでればですけど。(↓とはちょっと違うんで)

ココから────────────────────

各位

ご無沙汰しております、
でるべんの会幹事を務めております、梶原です。
次回の「でるべんの会」勉強会は、先日MLにもご投稿いただきました、
ポット出版代表取締役の沢辺均さんにお話を伺います。

ポット出版から7月に発売された
2冊の出版業界関連本が話題を集めております。
その一つは、ライター永江朗氏による『本の現場』。
出版業界の諸問題をつぶさに取り上げ問題提起を行う本書は、
「非再販本」として発売されることで、話題を集めました。
また、出版コンテンツの今後を考える会として発足した
「出版コンテンツ研究会」の研究報告と、
デジタルコンテンツ業界で活躍するキーマンにインタビューを行った
『デジタルコンテンツをめぐる現状報告』は、
加速する出版のデジタル化をとらえる上で
必読の一冊となっております。

その一方で、沢辺さんは
出版社の枠を超えた活動、発言を多数行っております。
中小出版社ネットワーク団体「版元ドットコム」の立ち上げ・運営から、
責任販売システム「35ブックス」への参画、
Googleブックサーチ問題では率先して賛成の意を唱えるなど、
出版業界の各所でご活躍を続けております。

今回は、その多岐にわたる活動についてお話を伺うとともに、
変革を迫られる出版業界において一人一人が何をなすべきなのか、
より率直なお話を伺いたいと思っております。

急なご案内で申し訳ございませんが、
皆様ふるってご参加いただきますよう、お願い申し上げます。

(以下参照)
━━━━━━━━━━━━━━━━━

■テーマ
いま、中小出版社に何ができるのか
——版元ドットコムから非再販本出版、35ブックスまで——

■日時:9月8日(火)19:15〜20:45(*受付は18:45から)

■会場:水道橋・貸会議室「内海」東京学院ビル3F教室
http://www.kaigishitsu.co.jp/access/index.html
※終了後、近辺で懇親会を予定しております

■講師
沢辺均(ポット出版代表取締役)
http://www.pot.co.jp/

■当日のタイムスケジュール(仮)
18:45〜   受付開始
19:15〜   開始 → 講師紹介、導入
→ トークセッション、質疑応答
〜20:45   終了 → 片付け
21:00頃から 懇親会開始

■勉強会参加料 1,000円(予定)
■懇親会参加料 4,000円(予定)

■予約お申し込み
下記の受付フォームにて承ります。
http://my.formman.com/form/pc/IuZ3mlXvML915uvE/

『エロスの原風景』ができるまで/松沢呉一インタビュー03/松沢呉一が語る『エロスの原風景』の読みどころ

前回まではこちら

01・国会図書館を抜き去るまで(ただし、エロ本のみ)

02・エロ本を捨てるな

「トルコ風呂」の元祖は「東京温泉」ではなかった──!!
そんな、ほとんどの人は知らない通説をひっくり返す『エロスの原風景』
手つかずのテーマだから、面白いのです。

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松沢呉一『エロスの原風景』に関する記事一覧

●松沢呉一が語る『エロスの原風景』の読みどころ

──50年後、宮武外骨、プランゲ、松沢呉一、ってなるかも。

「そうはならない(笑)。なぜかっていうと、宮武外骨は、わいせつに関する本や売春に関する本も出しているし、発禁もくらってますが、それ以外にもいろんなことをやっています。対して、私はエロしかやってないですから」

──やっばエロだけ、はダメ?

「日本では基本的にエロって文化の最底辺、いや、最低より下で、文化だとさえ思われていない。国によっては、大学の中にセクソロジーのコースがあったりもするけど、日本にはない。学問の対象ではないんです。そんなもんに金や時間をかけて調べるような人間は単なるバカ、単なるクズですから」

──プランゲもエロ本だけ持って帰ったわけではないんですか?

「検閲していたものを全部持って帰っている。『噂の真相』の元となった『真相』といった左翼誌だとか、『政界ジープ』とか、そういう政治雑誌も持って帰った。今早稲田大学の先生が中心になって整理をやっているけど、エロ系はまだ整理されていないんじゃないかな」

──じゃあ、松沢さんがそんなエロに惹かれるのはなんでですか?

「誰もやっていないテーマが好きなんですよ。世間からゴミ扱いされているもの、存在さえ認識されていないようなものに魅力を感じてしまう。ここ数年、ずっと調べているのは、提灯だったり、暖簾だったり、建物の色だったり。その話をすると長くなるので、ここでは深入りしないですが(笑)、こうも日本はエロを軽視していると批判的に語りつつ、だからこそ、そこにこだわりたくなる。『エロスの原風景』のなかでは、カストリ誌の章が面白いっていう人が多いんですけど、私自身は、トルコ風呂発祥の話が面白いと思っている。一般的には、トルコ風呂の元祖は、銀座にあった『東京温泉』ということになっているんですけど、それは違うってことを昔の雑誌から記述を拾い集めて論証してます。これはまだ誰もやっていないことなんだけど、もともと『東京温泉』がトルコの元祖と言われていること自体がどうでもいい話で(笑)、知っている人自体が少ない。そんな小っちゃなものを根底からひっくり返しても、なにも世界に衝撃を与えない(笑)。それでも、そういう作業が好きなんですよ。エロというジャンルはそういう話がいくらでもあります。調べている人が少ないので。トルコの元祖という話もそうですが、カストリ誌に掲載されている文章や写真から何かを見出していく作業はとても刺激的です。でも、カストリ雑誌そのものに関しては、過去に何冊か研究書がまとまってるから、書いている側としては、正直、いまひとつです」

──ビニ本の章はどうですか?

「ビニ本はリアルタイムで買っていて、それ以前のものよりもずっと愛着があるんですけど、多くの人が知っているジャンルなので、あんまり書く気がしなくて、先に各論とも言えるスカトロものを連載で取りあげてまして、今回の本でもそっちを先に収録してます。ビニ本は、スカやホモものなどの各ジャンルにとっても意義があるという視点はあまり書いている人がいないかと思いまして。でも、今の30代となるとビニ本と裏本の区別もついていないことがわかって、ちょっと前にビニ本の概略的な原稿を連載で書いたんですけどね。ビニ本、裏本はすごいコレクターたちがいて、会ったことはないんだけど、ほぼ全部の裏本を持っている人もいるんですよ。人を介して、その人のコレクションのリストをもらったら、完璧なんです」

──裏本ではその人にはかなわない?

「全然かなわない。その人が持っていないのは、存在しているのかどうかもよくわからないものだけなんですよ。そのリストをみて、ものすごすぎて、このジャンルはその人に任せました(笑)。各ジャンルにそういう人がいて、『エロスの原風景』で紹介しているフレンチ・ポストカードのコレクターもけっこう多い。もともとフランスのものですから、当然フランスのコレクターには勝てないし、国内にもコレクターはたくさんいます。フレンチ・ポストカードは20世紀の頭くらいにフランスで大ブームになって、世界中にコレクターがいて、日本でも復刻されていたりする。ただ、ヌードで、彩色のものっていうのはわりと珍しいので、私の原稿ではそこに重点を置いてます。どうしても、他の人が書いていないところを探す習性があるもんですから」

フレンチポストカード

『エロスの原風景』フレンチ・ポストカードの項より

──当時のカラーっていうのはどうやって色をつけてるんですか?

「手作業です。筆で彩色するか、スタンプを使って彩色する。だから、同じ写真でも、色が違っていたりする。そういうところまで見ていくといよいよ面白くて、同じ図柄のものを何枚も買ってしまったり。でも、私はエロ以外に興味はないんで、他のフレンチ・ポストカードはどうでもいい(笑)」

──フレンチ・ポストカードってエロ以外にもあるんですか?

「そのまんまの意味でフランスのポストカード全体を指す意味もあるんですけど、英語でフレンチって言うと、『エロ』の意味になることが多いんですよ。英語で『フレンチ・レター』っていうとコンドームの意味だったり。『フレンチ』がつくとエロになる。フレンチ・キッスもそうだし、英語圏でいやらしい色はブルーなんですけど、これもフランスのエロの全集から来たとされている。フランス人がエロいってことじゃなくて、フランスとイギリスは、互いに品のないものを相手の国に押し付けている」

──そういうことなんだ。

「ちなみにピンクがいやらしい色と認識しているのは、私が調べた範囲では日本だけです。なぜそうなったのかの歴史も一通り調べていて、前史はあるにしても、確定した歴史はそれほど古くない」

──で、松沢さんは、いやらしいほうのフレンチ・ポストカードが好きだと。

「そうですね。たまーに、陰毛が見えてるのがあると、ものすごく幸せになる(笑)。たぶん当時も非合法で出されたものじゃないかと思うんですけど。エロ以外に興味がないわけではなくて、実際にはそうじゃないものも買ってますが、原稿を書くとなると、エロに向かってしまう。誰も書いていなかったりするので。プランゲは別として、カストリ雑誌は数で言うとたぶん私が日本で一番か二番に所有していると思うんですけど、自分が所有しているかどうかはさして重要ではない。すでに書かれているものよりも、自分のオリジナルの視点を探せるかどうかにかかってくる。それが探せないと、どうも執筆意欲がわかない。それを探すためには自分で買い集めるしかないってことです」(続く)

(このインタビューは2009年7月12日東京国際ブックフェアで行なわれた公開インタビュー『「戦前、戦後のエロ本」〜日本のエロ表現史』に大幅な加筆・訂正を加えています。聞き手:沢辺均)

『エロスの原風景 江戸時代〜昭和50年代後半のエロ出版史 』

978_4_7808_0126_2.jpg

著者●松沢呉一
定価●2800円+税
ISBN978-4-7808-0126-2 C0095
A5判 / 168ページ / 上製・函入
[2009年07月 刊行]
印刷・製本●シナノ印刷株式会社
ブックデザイン●小久保由美

内容紹介

エロ本は遠からず消えると言っていい。そんな時代だからこそ、こんな本を出す意義もあるだろう──
(「はじめに」より)

●『実話ナックルズ』(ミリオン出版)で2004年より現在も続く、日本エロ出版史を網羅する長期連載の単行本第1巻。
●稀代のエロ本蒐集家である著者所蔵の膨大な資料の中から、エロ本173冊、図版354点をフルカラーで掲載。
●読み物としてだけでなく、顧みられることのなかったエロ表現史の概観を辿る、資料性の高い一冊。
●大幅加筆に、連載時には掲載されなかった資料も掲載。

本のご購入はこちらでお願いします。

8月28日柳与志夫さん「指定管理者制度を選んだ理由」研修のお知らせ

NPOげんきな図書館の研修で、元千代田区立図書館長=柳与志夫さんの講演があります。
スタッフ以外も歓迎(500円ですけど)の研修なんで、興味のある方はどうぞご参加を。
http://www.genkina.or.jp/archives/291
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げんきな図書館8月研修●参加者募集

「指定管理者制度を選んだ理由」

全国で公共図書館の指定管理者制度の導入が拡がっています。中野区でも先日「図書館のあたらしいあり方」(案)が発表され、指定管理者制度移行の検討が盛り込まれています。指定管理になるとどう変わるのか、どのようなことが可能になるのかなど、指定管理者制度は図書館で働くものの大きな関心事です。

2007年に指定管理者制度を導入し、新しいサービス展開で話題になった元千代田区立図書館長の柳与志夫さんを講師に迎え、柳さんが指定管理者制度で実現しようとしたことをお話いただきます。

日時  8月28日(金) 18:30~20:30
場所  中野区男女協同参画センター 研修室
講師  柳与志夫さん(元千代田区立図書館長)
参加費 500円
申込み 8月26日(水)までに電話かメールでお申し込みください
03-6662-5896 (担当 磯村)
info●genkina.or.jp
主催   NPO法人げんきな図書館
      http://www.genkina.or.jp

ーげんきな図書館 今後の研修予定ー
9月25日(金) YAサービス        講師:澤田亜矢子さん(荒川区立図書館上級非常勤職員)
11月27日(金) お話会のテクニック   講師:おはなしびっくり箱
1月29日(金) 実践!レファレンスIII 講師:斎藤誠一先生(千葉経済大学短期大学準教授)

ジャパニーズブックダムの夢

・インターネットで、本の全文から検索できるウエブサイトをつくりたい
・ヒットした本の該当ページは画像で表示できてほしい
・対象の本は、日本語で書かれたすべての本がいい
・もちろんGoogleのように、本の数ページだけ表示されるとか、その前後の数行だけ表示されるとかの制限はあっていい
 これは、著作権者と出版社が判断すればいい
・本が表示されるページには、もちろん、その出版社へのリンク/ネットもリアルも書店へのリンク(コレ実現するためには書店業界の努力が必要だけどね)/図書館へのリンク(これも図書館業界の努力が必要だけどね)をおくんだ
・もちろんAPIで利用可能にして、趣味/商売に関わらず、これをイッパイネット上で活用できるしかけにする
・Googleの他に、もう一つはこうしたサービスをつくりたい

これを、「ジャパニーズブックダム」というのだ(名付け親は僕の友人だけどね)
(ジャパン=日本国、じゃなくてジャパニーズ=日本語、の本が対象なんだよね、夢では)

なぜ、こんなサービスを作りたいと思っているのかというと、すでに、
「ポット出版●Googleの書籍デジタル化への集団訴訟和解案について」2009-05-11で書いている通り
 ────────────────────
 ●ポット出版は、ポット出版が発行した書籍の全文を対象にした検索が実現することを歓迎します。

 ・すべての人が、書籍の書誌情報(タイトル・著者名など)だけでなく、
 その全文にたいして一定の言葉の存在を検索できることは、
 その人にとって有用な書籍を「発見」する手だてを格段に増やし、
 そのことで、社会全体でさまざまな知の共有が前進すると思うからです。
 ・「発見」する手だてが増えることは、ポット出版の発行物の発見も増やすことにつながり、
 販売の増加が見込めると判断するからです。
 ・発見→販売増大は、現時点で可能性があるという範囲だと思いますが、
 少なくともそうした実験はされるべきだと思います。
 ・もし実験がおおきな失敗をしたとしたら、その実験から離脱しようと考えています。
 ・これらは、すべての発行物で一律に判断する意思はありません。
 例えば辞書のように、発見→販売増大に結びつかない可能性があるものも考えられます。
 したがって、基本は提供ですが、それぞれの書籍によって例外的に、提供しないという判断もあり得ます。
────────────────────
だからです。

じゃあ、Googleブック検索にまかせるのではなく、なぜ「ジュパニーズブックダム」を作りたいのか。
Googleの取組みは歓迎ですが、心配が二つあります。

一つは、Google一つしかないことです。ちょっと独占度が高すぎる。
(正確にはアマゾンにも「なか見検索」がありますけど、ちょっとこと部分ははしょります)
それに、フランス国立図書館とも契約するかもってニュースも流れたし、
アメリカ議会図書館も来年アタマにはタッグを組むだろう、って見る人もいる。
集中し過ぎだと思うのです。

二つ目に、Googleとの交渉、日本の出版社としてはとても難しいと思う。
Googleが今、対応しようとしてるのは英語圏の出版社+著作権者。
それらとうまく話をまとめられれば、日本その他はくっついて来るでしょ、的なムードを感じるんです。
日本語全文検索を作って、そこで独自にこのサービスを始めることで、
そこで合意して作る基準をもって、Googleに迫れるのではないだろうか?
と思うのです。

それならこの夢をどうやって実現していこうと考えているのか?
ちょっと長文になったので、その「思いつき」は今度書きます。いえ、そのつもりです。

アメリカの音楽販売のネット経由が35%だって

昨日、2009.08.19水の日経新聞夕刊3面に「米の音楽販売ネット経由35% 上半期」って記事があった。

2009年=35%(上半期)
2008年=30%
2007年=20%
だそうだ。

35%の残り(65%)はCD。

意外な気がした。
これほどiPodや、そんなのが席巻してるのに、相変わらずCDが多いのが。
オレ自身、買うのはほとんどCDだけどね。

中身と物体、の問題はまだまだよくわからないんだなと思った。
うん、またしてもうまく言語化できてない。

電子データ化に抵抗したい気ははまったくないんですよ、紙がいいとか強調する気もない。
でも、単純に電子データになるんだ説に100%同意もできない、中途半端な気分なんだ。

本に関して言えば、長期的には電子データに移行するんだろうけどね。
イメージは2〜3年くらい先からデータで入手することが拡大して、10年くらいで2/3ぐらいにデータ入手がなるんじゃないか?って気がしてるけど。