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沼正三◎『懺悔録』と『家畜人ヤプー』後追い制作日誌

5月21日に発行された、『懺悔録』ができるまでの工程を、少しずつ日記にアップしていきます。

何度も書きましたが、以前SM雑誌の編集部に在籍していました。2004年から2008年までのことです。
その雑誌で『ある異常者の体当たり随想録』という、エッセイを連載していたのが、あの『家畜人ヤプー』の著者、沼正三(連載時は天野哲夫名義)です。
毎月毎月、素っ気ない封筒に入れられた、原稿用紙が編集長宛てに送られてきました。
毎月毎月、自身の赤裸々なマゾヒズム体験が綴られていました。

手書きの原稿に、赤鉛筆で校正記号を記し、印刷所に入稿します。ゲラが上がってきたら、イラストレーターさんにFAXし、レイアウトの調整をして再入稿。
毎月、機械的に行なう作業でした。

ある日、午前中に編集部に一人でいると、沼さんから編集長宛てに電話がかかってきました。
編集長はだいたい2時頃にならないと出社しません。
「もう、連載を辞めさせてほしい」
突然伝えられました。多分、2005年くらいのことです。

沼正三◎『家畜人ヤプー』と『懺悔録』

ポット出版から、『懺悔録』が絶賛発売中です。

作者の沼正三は、あの戦後最大の奇書『家畜人ヤプー』を書いたことで知られる、骨太のマゾヒストです。
せっかくなので、ここでちょっと『家畜人ヤプー』の紹介をしておきます。
1950年代、『奇譚クラブ』(きたんくらぶ)というSM雑誌がありました。
今のエロ本のように、乳首が頻出するものではなく、メインは小説をはじめとする読み物です。それに挿絵が付いて、グラビア写真はほんのちょっと掲載されている程度、かと思います。実物を見たわけではないので曖昧ですが。
現在は、飲みの席で「自分、M」だのサドマゾ談義がお盛んですが、その当時のサドマゾは人前で言うのは憚られる性癖だったのです。
で、そんな隠れマニアの人たちがこぞって買っていたのが『奇譚クラブ』です。
この雑誌には、さまざまな読者から自身の妄想、告白が投稿されてきました。
今でいう、SNSみたいな役割も果たしていたのではないでしょうか。

そこで『家畜人ヤプー』を連載したのが沼正三です。
正体一切不明の作者が書く、不謹慎極まりないマゾヒズム小説。
そこでは、日本男児は白人女性の完全なる家畜として描かれ、一部マニアの圧倒的な支持を得ました。

その小説を絶賛したのが、三島由紀夫です。
熱心に単行本化を薦めるのですが、内容が内容ゆえ、どの出版社もその小説を刊行しようとしません。
やっと、本が刊行されたのは、1970年のことです。(刊行は都市出版社。ちなみにその後、右翼の襲撃を受けている)
『懺悔録』に収録されているインタビューでは、その頃の経緯が語られています。

沼正三は、昨年の11月30日に亡くなりました。
『懺悔録』はその死の直前まで書かれていた、沼正三の、遺言です。
女の足を舐めたいとか、犬のように扱われたいとか、お尻に押し潰されたい、とか。
徹底的にマゾヒズムを実践し続けた男が、沼正三です。

江戸川乱歩、夢野久作、澁澤龍彦などが好きな方には是非読んでいただきたい。

『家畜人ヤプー』はこちら(アマゾンです)。
『懺悔録』はこちら、アマゾンではこちらで販売しております。

横浜科学開拓高校

日曜日に何となしにテレビを見ていたら、横浜サイエンスフロンティア高等学校という学校が取り上げられていました。

ハマッ子としてこの履歴書に書くとき面倒な名前には異議があるのですが、(横浜科学高校でいいじゃないか)それはそれとして、この学校、ノーベル賞を出す為のエリート教育をするというこの学校の設立までの経緯や特徴を紹介する感動秘話(?)で、ハマッ子として気になってつい見てしまいました。

その中で、「専門性が高く、個性派ぞろいのスーパー教員陣」と7人の先生を紹介していたのですが、その一人がどう見ても高校時代に私が教わっていた先生でした。自分が習っていた先生がスーパー教員だったとは思いませんでした。専門性が高く個性派の先生でした。そういえば。

不真面目な高校生活を送っていたので、スーパー教員の授業内容はほんの少ししか覚えていないのですが、とりあえず、「CDの裏側が傷つかないようにケースに裏返しで入れてる奴がいるけど、それはバカ。裏は傷ついても割と大丈夫で、本当に傷ついたらマズいのは表側」と言っていたことはやけに覚えています。それ以来、ディスクの表側を傷つけないように気をつけています。

さてさて、沼正三『懺悔録』が先週より発売中です。現代書館さんからも今月、沼正三『異嗜食的作家論』が復刊されています。沼正三再読の機運が高まるといいのですが。気になりましたらぜひ読んでみて下さいね。内容の良さはもちろん、どちらの本も装丁がとてもかっこいいので、本棚が映えますよ!

懺悔録

戦後最大の奇書『家畜人ヤプー』の著者・沼正三、ついに逝く─

●沼正三がその死の直前までSM専門誌「S&Mスナイパー」(ワイレア出版、現在は休刊)に書き続けた実体験エッセイ、「ある異常者の体当たり随想録」から選集。

●未完の短編小説「化粧台の秘密」、2006年に受けた生前のインタビューを特別収録!!

歯医者と懺悔録

今日歯医者に行くのをすっかり忘れた。連休明けぼけ。
2週間前、ミルキーを食べてて、奥歯の銀メッキの詰め物があめちゃんと一緒に見事にはずれた。
しかも、右奥歯と左奥歯のふたつも!
「あっ、はずれた」とつぶやいたら、隣の新入社員が、不思議そうな顔して
「はずれたってどんなふうにはずれるんですか?」みたいなことを聞くので
「つめてたとこがはずれたんだよ。つめものがとれたことないの?」みたいな会話をしていたら、驚がくの事実が発覚。
「ボク虫歯になったことないんです」
えー!!! 虫歯で歯医者に行ったことないっていうもんだからぶったまげた。
人生40ン年で、虫歯のない人に初めて出会った。ほんと。
歯医者というのは、人が必ず通る道だと思っていた。
そんないい思いをするやつがいていいのか! しかも隣に!

連休中に新刊『懺悔録』の書店からの事前注文がけっこう入っていたのが、
うれしいニュース。5月はさいさきいいぞー。