出版」タグアーカイブ

国会の書店さん/五車堂書房さん

先月、国会の中にある五車堂書房さんに営業に行ってきました。

元は神保町にあった書店さんが請われて国会内に出店。神保町の方のお店は閉店して国会のお店だけが残ったという少し変わったお店です。ポットでは『日本の公文書』をはじめ、図書館の本があるので、結構ニーズがあるのではないかとかんがえ、見本を持って伺うことにしました。

国会の中ということは軽々に入れまいと判断し、一度電話してみると、「ああ、図書館の本だしてるよね」、とご存知の様子。「明日の午後にでもお伺いしてご案内したい書籍があるのですが」と伝えると、「明日の午後ね。解りました。永田町で降りて参議院の通用門に出る出口があるから。そこ出たらすぐだよ。」とあっさりとアポが取れ、道まで教えていただきました。

翌日、『日本の公文書』『ず・ぼん15』『低炭素革命と地球の未来』『本の現場』『デジタルコンテンツをめぐる現状報告』を持って、営業に伺いました。よくよく考えると近辺を車で通ったことはあるものの国会議事堂に入ったことはない私。近くの警官に聞いて、数十メートル先の入口に行ったら今度は「ここは見学用だから」とまた別の入口へ。完璧お上りさんだと思いながら、ようやく通用門につきました。

普通の書店営業の場合はカウンターで担当の方に取り次いでもらえば済むのですが、さすがは国会。まずは入館理由を書く書類を書き→窓口に提出→窓口から五車堂書房さんへ電話→OKが出たら入館が許可されます。なので、アポ無しは無理です。電話してよかった。

入館証をもらったら金属探知機をくぐります。空港にあるやつです。精度が高く、モノを全部出してベルトを外してようやく入館。窓口で「地下1階にございますので」と言われたので階段を降りる。……が影も形もない。国会内で工事が行われていることもあり、もはや迷路同然。3回も人に道を聞いてようやく到着。やっぱりお上りさんです。

お店は目測で15坪弱ほどでしょうか。「ポット出版です、営業に伺いました」と言うと、その方が社長さんでした。挨拶して取り次いでいただき、見本を見せると、「ふーん。なるほど。どうかなあ。」と浮かないお返事。ちょっと店の中を見てごらんと言われて店を1周。

◯客層は政治家、秘書の方などスタッフ、官僚のほか国会図書館からもいらっしゃるとか。
◯新書・文庫なども揃っていて、思ったより普通の品揃え。
◯雑誌コーナーは小さい。けれども『F1速報』など雑誌コーナーが小さいお店では余り見ない雑誌も。成人向雑誌もあり。
◯政治家の著書、社会系の専門書が充実。

今回持っていった本はそういう意味では少しずれてるかも、とは思いつつ、『日本の公文書』はニーズがあるはずと感じたので、お勧めしたのですが、流れのままに世間話に。

お前タバコ吸えるのか、と言われて一緒にタバコを吸ったりしながら、最近の政治家や官僚が読む本が昔とどう違うかであるとか、神保町にお店があった頃の話、書店同士の付き合いの顔は広いから今度紹介してやるというありがたいお話まで、いろいろとお話頂きました。

そして、「昼は食べたのか?ここに来たらここで飯を食わなきゃダメだ」と言われて、お店の隣にあるそば屋さんへ行ってこいとなり、急遽昼食。しばらくするとお店で作業していた人(お店の人かと思ったら、官僚さんでした)と社長もいらして、一緒に昼食。きつねそばは学食みたいに安くてなかなかの味。

結局1時間以上ほぼ雑談だったのですが、最終的にちょっとこの辺空けて置いてみようかと言っていただいて『日本の公文書』『ず・ぼん15』『低炭素革命と地球の未来』の注文を頂きました。売れてくれるといいのですが。弊社サイトを見ていて、かつ国会でお仕事をされている方はあまりいないと思いますが、いらしたらぜひ五車堂書房さんでお買い求め下さい。

帰りにはここにしか売っていないらしい『国会議員要覧』を購入。DMに活用できたら、と思ってゲットしました。

後日、本を手配してお電話。「次の新刊(『千代田図書館とは何か』)はお薦めしたい商品なのでまた伺います!」と行ったら「ああ!来なよ来なよ。」と嬉しそうに(?)快く言っていただきました。数少ない書店周りの中でも色んな意味で貴重な経験でした。また行きたいと思います。

大阪屋さんのTBC(東京ブックシティ)に行ってきました

2/2(火)に大阪屋さんの倉庫の一つであるTBC(東京ブックシティ)に行ってきました。

以下知ったこと箇条書き。
●TBCは、大阪屋の取引社の半分程度をカバー。

●ネットを中心にiBC、書店を中心にTBCとおおまかに位置づけ。TBC在庫もAmazonステータスには反映。
●在庫がない場合や減った場合、1週間に1回、受注状況を見て発注している。

●発注は版元ごとに曜日を割り振って行っている。ポットの場合は毎週水曜に発注リストを上げ、木曜に大村へ。

●在庫は半年間の間に1度も受注がない場合はいったん返品する。

●搬入して、棚に仕分けたときに在庫となる
●棚はバーコード管理。各棚の段に何列・何棚・何段目というバーコードがあり、
ハンディターミナルで棚のバーコードと書籍バーコードを読み込み、冊数を入力することによって、
どの棚に何が何冊入っているかを記録している。
●棚卸は年に1回

ポットの棚は下の写真。格段の上のバーコードを読み取って書籍のバーコードを読み、冊数を入れると納品ということになります。

直接行って、在庫を見ながら、返品依頼や注文依頼(在庫商品の入れ替え)はできるそうです。
現場に行ってみると話をきけるというのもですが、解ることが多いですね。

商品基本情報センターへ承諾書を←ポット出版沢辺

版元ドットコム会員のみなさんへ

今日は、日本出版インフラセンター(JPO)の「商品基本情報センター」についてです。

 JPOについては、サイトを参照を。
 http://www.jpo.or.jp

商品基本情報センターというのがあります。
商品基本情報という、出版界に一つ、書籍の共有データベースを作っています。
書籍情報は、出版社からの情報提供がもっとも大切です。
版元ドットコムは、このため、書籍データの登録の際に、ボタン一つでデータ送信する仕組みを作っています。

こうした書誌情報の整備は、版元ドットコムの発足の目的(自社の書誌情報を業界全体+インターネット上に広く配って販売促進にする)にも合致しています。
電子書籍化、Googleブックサーチ、さらには国立国会図書館などのジャパンブックサーチなど、さまざまな動きがありますが、
これらへの対処の基本は、出版社が、主体的に、自らの道を決めることだと思います。
とくに書誌データの整備は、上記の事態への対応の基本の基本です。

ここに版元ドットコムの活動の意味もあるのです。

もちろん、商品基本情報センターであつめた情報の公開に一定の制限があることなど、まだ未完成/不十分な点もあると思ってます。
で、その不十分な点は、積極的な協力の上で、具体的な改善案を提案することで、克服していこうと思っています。
(沢辺が、そのセンター案を作った在庫情報整備研究委員会のメンバーですから、皆さんの意見も含めてそのパイプ役をするつもりですし、幹事会としての取組みもやっていこうと考えています)

この商品基本情報センターの運営は、出版社の「新刊1点発行につき500円」という集配信料でまかなわれています。
例えば、年間8万点の新刊につき、集配信料が出版社から支払われれば、4000万円になり、センターの費用がまかなえます。

さらに、これは、なにか一方的に「徴収」するのではなく、出版社の「承諾書」にもとづいて、
取次(日販・トーハン)の支払い控除や、直接振込でおこなわれています。

お願いごとです。
日本出版インフラセンター(JPO)に「商品基本情報集配信料課金承諾書」を送って、今後の新刊1点につき500円の集配信料を払っていただきたいということです。

JPOから、版元ドットコム会員でまだ承諾書をもらっていない会員社に、「商品基本情報センターについて」という文書と承諾書はがきがおくられます。
ぜひ、承諾書の送付をお願いします。

○もし、みなさんの要望があれば、このことについての説明会を主に版元ドットコム会員社を中心におこなうこともできます。
要望をおよせください。
○質問も、このメーリングリストに流してもらってかまいません。会友に JPOの事務局の大江さんも参加してますから、
大江さんからも答えてもらえると思いますし、沢辺もお答えするようにします。
こちらに大江さんの説明があります。ご参考までに。

出版界に一つの共有データベースを 2005-12-7 水曜日
日本出版インフラセンター 大江治一郎
http://www.hanmoto.com/diary/2005/12/07/261/

11月30日(月)高円寺純情出版界「35ブックスと出版業界、みんなで討論」

35ブックスについての議論に参加します。
どうですか、一緒に議論しませんか?
────────────────────
11月の高円寺純情出版界定例会のお知らせです。

今回の講師は、版元ドットコムの沢辺均氏(ポット出版代表取締役)です。

この夏に、業界を賑わせたポット出版発行の2冊の書籍『本の現場』、
『デジタルコンテンツをめぐる現状報告』はいま業界が抱える問題を
浮彫りにした好著で、また、ちょうど今月発刊の35ブックスも、業界の
問題に立ち向かうものとなっています。
また、沢辺さんといえば、図書館問題にも造詣が深く、このようなスタンス
ゆえ、話題には事欠きません。
(本日、電子書籍の勉強会も版元ドットコムより配信されました。詳細は
http://www.hanmoto.com/news/2009/11/09/20091202-denshisyoseki/)

ただ、これらを包括的に話していただいても、問題は拡散してしまうと思い、
今回、高円寺純情出版界では、35ブックスをひとつの主題として、業界の
問題を参加者で討議するといった場を設定しようと考えました。

             詳細             

●第17回 講師 :沢辺 均氏(ポット出版代表取締役)

タイトル:「35ブックスと出版業界、みんなで討論」

沢辺氏からの報告を受け、高円寺純情出版界世話人の野崎、鎌垣より問題提起。
皆さんとの討議へ展開といった流れにて。

参考 ■ポット出版 http://www.pot.co.jp/

●開催日:11月30日(月)

●定例会次第
 18:30 受付開始
 19:00 開会
 19:00〜21:00 沢辺氏からの問題提起、質疑応答、徹底討論
 
 21:00〜23:00 懇親会(会場近辺を予定)
●場所:「庚申文化会館」高円寺純情商店会集会所
高円寺北3−34−1 
高円寺駅北口を出て、庚申通りを早稲田通り方面に直進、
高円寺文庫センターを過ぎてすぐ右手に庚申塚、左手に
ビデオ屋ドラマがあります。
ビデオ屋の向かいが完成したばかりの庚申会館です。
(急なご連絡、お問い合わせは下記)
茶房 高円寺書林・担当原田
東京都杉並区高円寺北3-34-2
電話:03-6768-2412

下記アドレスの茶房 高円寺書林の地図を参照、庚申会館は右隣)
<http://kouenjishorin.jugem.jp/?pid=1>

●入会費:500円(初回参加者のみ)
●参加費:500円/回

●懇親会:「あかちょうちん」(予定)(予算は2500円程度)
※会場予約の関係で20人の先着とします。

●参加希望者は事前に下記アドレスまでご連絡ください。
 kjs2007book●gmail.com

○氏名
○所属
○懇親会参加の可否    参加   不参加
(どちらかを削除してください)
(上記3点をコピー&ペーストして、メールをお送りください)
以上

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「高円寺純情出版界」世話人
鈴木伸(東洋経済新報社)
野崎保志(青灯社)
原田直子(信愛書店・茶房高円寺書林)
長岡義幸(出版ライター)
白井哲(出版社OB)
鎌垣英人(大阪屋)
上田宙(編集者)
中野弘太郎(編集者)
岡部友春(NTT出版)

本は初版で3千7百部くらい作られているようだ

ときどき講演なんてモンに呼んでもらうことがある。
だいたい対象者は、出版業界人とか、図書館員とか、が多く、たまにデザイナー・編集者相手に、デザインの話や編集の話をってものあるんです。
ほんとは、哲学や社会の話をしたいんだけど、だれも聞きたがらない。
今も、カントの本読んでるのに、こんちくしょー(笑)。

で、図書館員相手のときも、図書館とはどうあるべきか?なんて話は、おいらナンゾより、大学の先生に
聞くようで、だいたいは「出版ってこんなんですよ」というのを、漫談のようにやるのだ。
結構、笑いもとれているってジコマン、してるんです。

さてさて、そんときに話すネタに、本の初版っていったい何部くらい?ってのがあるんですが、
これって、おいらが探した範囲では直接の統計がないんで、ここで改めてその算出根拠を整理しておこう。
今後のためにもなるしね。

まず出典。
タイトル●2009 出版指標 年報
発行日●2009年4月25日
発行所●社団法人 全国出版協会 出版科学研究所
頒価●13,334+税
ISBN978-49901618-6-6 C3000

使うデータは、P151の 「■書籍新刊・発行形態別出版状況」の「1)新刊点数 2)推定発行部数」
と、ここでのおまけとして「3)平均単価 4)推定発行金額」
年/新刊点数/推定発行部数/平均価格/推定発行金額
2008/76,322点/39,739万冊/1,170円/4650億6700万円
2007/77,417点/40,405万冊/1,152円/4655億7700万円
2006/77,722点/40,177万冊/1,174円/4715億8900万円
2005/76,528点/39,797万冊/1,191円/4740億8900万円
2004/74,587点/39,636万冊/1,217円/4823億7500万円

これをさらに、2004を100とした指数でいくと(200×の数字÷2004の数字)
2008/102.33/100.26/96.14/96.41
2007/103.79/101.94/94.66/96.52
2006/104.20/101.36/96.47/97.76
2005/102.60/100.41/97.86/98.28
2004/100.00/100.00/100.00/100.00
です。

0Pにある「本書の統計の読み方」の関連するところを引いておくと、
■1 この統計は、取次ルート(弘済会・即売卸売業者含む)を経由した一般出版物を対象に
  その流通動態を推計したもので、日本の全出版物を対象にしたものではない。
  したがって、検定教科書、直販ルート(一部の雑誌を除く)の出版物
  及び一般市販されない官庁出版物等は含んでいない。
  95年7月に公正取引委員会が発表した「事業者アンケート調査」によると、
  流通経路別の販売比率は、取次ルート(弘済会・即売卸売業者含む)が書籍のの7割近く、
  雑誌の9割強を占めている。
■3 この統計の年係数値は、年度ではなく暦年(1〜12月)のものである。
■4 統計期間は、取次の搬入日を基準としている。
■5 この統計の推定販売金額の算出方法は下記の通りで、書店の新規出店等に伴い出荷された店頭在庫分も含む。
  取次の出荷金額(小売りベースの本体価格換算)−小売店から取次への返品金額(小売りベースの本体価格換算)=推定販売金額
  *販売部数の算出方法も、販売金額の算出方法と同じ。
■7 主な用語の説明
  3. 推定発行部数・金額
    書籍新刊−−新刊として、委託または買切条件で出荷されたと推定される部数・金額。
    重版はふくまない。
  4. 推定出回り部数
    書籍の新刊・重版・注文品の流通総量を推定したもの。取次出荷部数のこと。
    これは返品の活用による再出荷分を含む。従って実際の生産量は出回り量の7割前後と推定される。
  7. 平均価格
    部数を加味した加重平均。ただし、消費税を含まない本体価格換算。

そんでもって、やっと初版(新刊)の制作部数。
推定発行部数÷新刊点数 という計算式であるていど見えるんじゃないかとおもって、計算してみますね。
2008/5,206.76冊
2007/5,219.14冊
2006/5,169.32冊
2005/5,200.32冊
2004/5,314.06冊

またまた、「発行形態別」なんで、単行本・文庫・新書・全集双書・絵本(他に辞典・図鑑)の2008年の
推定初版(新刊)の制作部数を計算してみると
発行形態/推定初版部数/推定発行部数÷新刊点数 2008年
単行本/3,714.61冊/16,676万冊÷44,893点
文庫本/14,530.34冊/12,669万冊÷8,719点
新書本/10,515.86冊/3,812万冊÷3,625点
全集・双書/3,252.36冊/5,476万冊÷16,837点
絵本/4,938.62冊/885万冊÷1,792点

ジャーン、ということで、
単行本全体の推定初版発行部数は、5千冊強。
で、文庫は1万2〜3千部
新書は1万強
全集などは3千冊強
絵本が5千冊弱くらい、で
ポットの出しているような単行本(といって「1Q84」もその仲間だけど)が3千7百冊くらい、
という計算になりました。

ポット出版の初版発行部数は? という疑問を持ってくれる方もいるかもしれませんが、
昔、奥付に発行部数を掲載してたんだけど、複数の著者から
「売れてない(作ってない)ことを公表するのはマイナス印象を与えるんじっゃないか」という
意見をもらって、今は解らないようにしてる。ってことで、ちゃんとした数字を計算などすること、
今、はやんない。というか、結構コレだけで手間取っちゃった。

日本出版学会・出版流通研究部会(2009.06.18木)「版元ドットコム「成功」を考える」報告

日本出版学会・出版流通研究部会研究発表で話をさせてもらった。
そんときの報告を、学会報のようなものに書くようにといわれて書きました。
なもんで、↓に公開しますね。ちなみに学会報は、まだ発行されてません。

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●日本出版学会・出版流通研究部会(2009.06.18木) 報告
版元ドットコム「成功」を考える

 版元ドットコムは2000年4月17日に本のデータベースを試験的に公開。8月6日に21社2,300タイトルでネットでの書籍販売を開始しました。以降、9年が経過して、現在148社、24,760タイトル(2009.08.31現在)の書誌情報をデータベースに掲載しています。
 とりあえず9年間つぶれずに活動を継続して来れたこと、会員社148社への成長などから、「成功」だったとして、その「成功」のポイントがどこにあったかを話させてもらいました。
 僕が考えるポイントは、会員(出版社)の利便性と情報公開と事務作業の徹底だと考えています。
 「書誌情報や在庫情報は出版社の役割だ」とか「本の出生・死亡情報くらいなぜ出せない」といった書店などからの批判もイッパイ聞こえてました。でも、版元ドットコムは「出さねばならない」ではなく、出すことがそれぞれの出版事業にプラスをつくる、ということに重点を置きました。版元ドットコムのウエブデータベースへの登録で、商品基本情報センターへの書誌情報転送をはじめ、取次の書店向き週報や、ネット書店の在庫情報の改善(取扱いなし→○日でお届け)を実現させました。
 情報公開は現代の組織運営に不可欠のものだと考えました。版元ドットコムから会員社への情報、また会員社自身の情報公開いずれも重要なポイントです。
 版元ドットコム自身の情報公開では、決算書も、会員への公開にとどまらずネットでも公開しています。月例の組合委員会議(これは株主総会を毎月やっているようなものです)参加資格もオープン化しています。
 会員社自身の情報公開といっても、特別な情報の公開を求めている訳ではありません。会員と会友全員のメーリングリスト=MLがありますが、会員社自身の疑問・質問も、事務局へ直接の問い合わせるのではなく、このMLに投稿することで、同じような疑問をもつ会員社とその疑問とそれへのアドバイスを共有するのです。
 当初は、事務局はほとんど無償でしたが、会員数の拡大や有料事業での利益を上げることで、現在は有償にすることができています。事務局を組織し、事務局に作業部分の多くをまかせることで、円滑な運営ができるようになりました。例えば、版元ドットコムで購入された場合、その連絡をメールでその会員社に送り、会員社からお客に発送していますが、その注文と発送は事務局が経過を見ていて、発送していない会員社への連絡もしています。

 業界団体などの「事業報告」は多くの場合、その理念や目的などが中心になっているようですが、当日の報告ではむしろ運営上のポイントを中心に報告させてもらいました。

レジュメ
版元ドットコムのWeb活用術/中小出版社のチャレンジと共同化
【01】版元ドットコムの現状
●形態 有限責任事業組合(出資30万×7社)
●組合員 語研/ スタイルノート/ 青弓社/ 第三書館/ 太郎次郎社エディタス/ トランスビュー/ポット出版/スタジオ・ポットSD
●会員 145社/総登録点数23,229点[2009-06-17現在]
●会友 60名[2009-06-17現在]
●決算 売上げ=2,164万円 TIBF会計=416万 販売管理費=1,642万 利益=108万円 
 販売手数料=148万円(=15%、本の売上げ1,000万)
●データ2008年度
・売上げ=3,326冊 \7,307,892
・会員数/書誌データ=22,749冊 137社
●版元ドットコムの事業(後述)
【02】版元ドットコムとは何か、なぜうまく行ったのか
(発足後数年間の困難)
●情報公開 総会資料/決算
●組織の公開制 月例組合員会議は参加資格なし発言可/議決権は組合員のみ
●メーリングリスト 連絡/相互相談
●事務局体制 発送確認/会費 →革命は事務である(竹中労)
●入会審査
●ノウハウの公開提供 ノウハウは聞いたらできるものではない
●批判ではなく、ただできることを自ら行う
●活動する人が得をする
●出版界の諸団体は活用 批判だけでなく提案(利用)
【03】版元ドットコムでやっていること
(興味のある方は、kin@pot.co.jpまでご連絡いただければ「版元ドットコム大全(A5/76ページ)」を無料でお送りします)
【04】出版業界で問題になっていることと、それにどう対処していこうと思っているのか
(沢辺個人の意見で版元ドットコム組合員の間でも意思共有していません/時間があればにします)
●Google問題の意見と対処方針(長尾真国立国会図書館館長の提案の「利用」)
●返品/委託/責任販売=35ブックス(筑摩菊池社長の発案)
●電子書籍をめぐるそなえについて
(2009.06.18木18:30〜20:45/八木書店本店・6F会議室)
沢辺均(日本出版学会会員、版元ドットコム代表)「日本出版学会・出版流通研究部会研究発表」

季刊/大学出版/(出版社は)いかにしてITを利用するか

そういえば、季刊の「大学出版 78号」(発行・大学出版部協会)に原稿を書かせてもらった。たぶん2009年の6月発行だったと思う。

ネットにも公開されている。
http://www.ajup-net.com/web_ajup/078/78web.shtml
以下もくじです
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《 特 集 》
ネットノムコウの学術出版
学術情報の流通を紙の書籍がほぼ独占していた時代は過ぎ去ろうとしているのか。いま学術出版は、ITの活用を求められ、新たな流通経路への対応を追られ、電子化するユーザを目のあたりにする、「ネットノムコウ」には明日が待っているのだろうか。

《 INDEX 》
〈初版本、ナンセンスなフェティシズム〉
*里見●著『八疊記』:酒井道夫 (●=弓+享)
〈 特 集 1〉
*インターネットの現在と未来、そして学術書の現在と未来:岡本 真
〈 特 集 2〉
*いかにしてITを利用するか:沢辺 均
〈 特 集 3〉
*学術電子出版の新しいモデル—OCLC NetLibrary:新元公寛
〈 特 集 4〉
*大学図書館で電子ブックを導入した意外な理由:矢崎省三
*社会の記憶を紡ぐ——「納本」の意義:田屋裕之
*大学出版部ニュース
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いかにしてITを利用するか

沢辺 均

 パーソナルコンピュータとインターネットが社会を大きく変化させたこと(「IT化」と呼んでおく)は多くの人と合意できると思います。これを[出版]というポイントから眺めるなら、2つの視点で切り分けるべきだと思います。
 第1の視点は、現状の本の作り方や流通に「いかにしてITを利用するか」、第2の視点は、「ITそのものが出版を変える」ということです。「ITそのものが出版を変える」というのは、本そのものの電子化やデータでの販売、販売ではない収益モデルを作り出すことなどが課題として立ち現れていると思います。版元ドットコムの活動は、主に第1の「いかにしてITを利用するか」がその中心です。そしてその目的は、
(1)書誌情報を版元自身がつくって、読者に、出版業界に広く公開する。
(2)書誌情報をできるだけ詳細なものにする。
(3)出版事業にかんする情報の交換、ノウハウの共同した獲得。
です。要するに、自分たちの作った本を1冊でも多く売るための、共同してやるべき取り組みをやっていこう、というのが最大の目的です。

 なぜ書誌(+在庫)情報なのか?

 第1に、インターネット上に本の紹介ページがないことが、その本そのものもないことになってしまうと思うからです。ネットワークを使う人が確実に、そしてものすごい勢いで増えていて、あたりまえの道具になっているからです。
 第2に、豊富な書誌情報は、その本を購入に向かわせるために有効なものであるということです。逆に言えば、書誌情報が薄ければ薄いほど、購入動機が減ってしまうと思います。
 アマゾンの渡部一文氏(書籍事業本部統括事業本部長)は「きめ細かく内容を充実させたあるアメリカの商材で、詳細ページに来た顧客の購入率が15%から 26%に上がった事例があります。」(『文化通信BB』2009年3月2日)と言っています。これが全てに当てはまるかどうかは別にして、購入意欲を高めることは間違いないと思います。
 第3は、在庫情報のことです。在庫の有無が明確なことが、書店やネット書店が販売する/しないを決める大前提になるということです。
 かって書店は、在庫の有無を調べる手だてをもたなかったので、やむを得ず注文短冊を「取次→出版社」へと回していて、出版社も「返品がくるまで保留しておくか」といったことが、私の周りにはありふれていました。しかしネットワークの発達により、新出版ネットワーク(出版VAN)や大阪屋へのメールでの在庫情報提供をとおしてアマゾンの在庫情報がかなり信用できるものになってきました。書店も手軽に出版社在庫の有無を調べることができるようになって、出版社の在庫情報提供が本の購入に直結するようになりました。さらに、提供の有無だけでなく、その正確性も購入に直結します。在庫があるのに在庫がないことになっていれば、その時点で購入意欲が大きく低下するのではないでしょうか?

 どうして書誌(+在庫)情報なのか?

 しかし、こうした書誌情報・在庫情報の整備は、それなりに手間のかかるものでもあります。特に中小零細規模の出版社にとっては、書誌情報を作ること、その情報をTRCのストックブック、JPO商品基本情報センター、取次の週報、ネット書店への情報転送など多岐にわたる情報転送先、さらには、品切れや重版・返品による在庫状況の変化に対応した情報発信を間違いなく行うためには、業界知識からこまかな作業までのノウハウが求められます。
 版元ドットコムを始めた動機には、これらの煩雑な一連の作業を簡単にすることがありました。
 第1に、さまざまな相手に求められる煩雑で多様なフォーマットに煩わされずに、その対応をコンピュータに対処してもらうこと。
 第2に、送り先とそのタイミングを間違いなく網羅して、送付の記録までをコンピュータに管理させること。
 第3に、送り先などのメンテナンスに事務局が集中して取り組む事で(あるいは各社からの情報提供を受けて)簡単にすること、として実現しようとしてきたのです。
 いわば、出版活動のインフラ構築をめざしたのです。

 出版活動のノウハウの共有

 ポット出版では、新刊発行時の営業としてファックスダイレクトメールを書店に送っていて、それを重視しています。ポット出版そのものと発行したタイトルを認知してもらうことが大きな目的ですが、それだけではないと思っています。
 ポット出版のような少部数出版では、並べてもらう書店にそのタイトルがフィットしていることが重要だと考えています。いわゆる「町の書店」にやみくもに並べてもらっても、ただ返品されるだけだと思っています。でも、ポット出版サイドでは、そのタイトルを並べるべき書店を認識することが非常に難しいので、書店の側に選んでもらいたいと思っています。逆に言えば、選んでくれた書店をキチッと認知して、情報提供などのフォローをしていく事が必要だと思っています。
 そのキッカケがファックスによる告知です。
 現在2000店ほどに(多いとは思っています)送っています。ポット出版の本を並べる意味のある書店は、せいぜい数百店だと思いますが、それをセグメントできないので対象を拡大して送っています。さて、この2000店ほどの書店ファックスリストの管理も、実はほとんどできないでいました。開店・廃業の情報を業界新聞から切り抜き、その書店に電話をかけてファックス番号を教えてもらい……ということを年単位でさぼっていました。3年前から、版元ドットコムで共同して、このリスト管理を開始、ファックス送信代行を始めました。共同化することで、それぞれの手間が省けると同時に、各社よりすぐりの営業担当者たちの「おすすめ書店パック」への絞り込みや、営業まわりから得た情報をフィードバックしています。
 この他にも「オンライン書店とのつきあい方(講師=文化通信社浴野氏)」「書店データ活用法ジュンク堂の「うれ太」を中心に(講師=ジュンク堂書店営業本部木戸秀俊)」といった勉強会(版元ドットコム入門と言っています)やメーリングリストでQ&Aなどを行って、多くのノウハウ共有をしています。

 出版社のWebサイトが持つべき機能

 さて、「いかにしてITを利用するか」という視点から、出版社、特に小零細出版社のWebサイトは、どのような機能を持つのがよいか、ということについてです。
 小零細出版社では、サイト運営に多くの人力を裂くべきではないと思います。あくまで本道は、良いと思う本を精一杯つくることだと思うからです。しかし一方では、Webサイトを持たないと信用すらされない、というくらいの状況になっていると思います。さらにそのサイトは、生きて発信を続けていなければまた大きく信用を低下させる、というくらいの状況になっていると思います。
 具体的に必要なことは、(1)新刊を発行したら即、サイトにその本の情報が掲載されていること。(2)メールマガジンのような形式で、新刊発行・書評掲載などの情報を発信すること。(3)出版社スタッフの実像を想像できるようなコンテンツがあること。この3つだと思います。
 第1に、出版社サイトを見たときに、半年も1年も前に発行された本が一番最近に出た本の位置にあると、なんだかいい加減な出版社だとか、あやしい感じがしませんか? また、その本の著者は不信を抱かないでしょうか? でも、日常の雑事に追われてついつい先延ばしにしてしまうことが、正直私にはあります。しかし、これは決定的にまずい。
 第2に、メールマガジン(新刊案内メールといってもいいと思います)を出すべきです。サイトは見に来てもらう待ちの媒体です。これに対して、メールでの発信はこちらから能動的に働き掛けられる道具です。
 私が今、Webサイトを見るのは、ある必要から検索をしてサイトを見るのと、ある種のメールマガジンがトリガーになって、クリックしてサイトを見るのとがほぼ半々、もしくは2対1です。
 第3に、スタッフの書いたものです。これからのメディアはGoogleやYahoo!のように巨大な集客をするものと、学術出版のように特定少数の人を引きつけるものに大きく分岐していくと思っています(理由は省きます)。小零細出版社は、後者のメディア発信が中心となるので、特定少数の人との濃い関係性を作り出す事が必要です。その役割は著者に求められると当時に出版社もまた担い、特定少数の「ファン」を1人ずつ獲得しなければならないと思います。具体的にはメールマガジンの読者として獲得することに結びつけていくのですが、その入口にはスタッフの発信が必要だと思うのです。
 詳細は省きますが、この3点は、版元ドットコムデータベースの利用と、メールマガジン配信システムを準備することと、HTMLを書けなくても(サイトを作れなくても)ただちょっとした文章を書ければだれもが更新できるブログ的なシステムを入れればよいのです。できれば、この3点を日常業務に組み込むようなワークフローにすることがとても重要です。
 さて最後に、「ITそのものが出版を変える」ということです。これもまた詳細を省きますが、いきなり電子出版だ、ダウンロード販売だ、という取り組みもまた意義があるかも知れません。しかし、これまでに書いたように「いかにしてITを利用するか」にキチッと取り組むことが、電子出版などの意味やシステムの理解に近づくことであって、「いかにしてITを利用するか」についての真剣な取り組みなしに、ただ電子出版に取り組めばなにか新しい地平が見えてくるものではないと思うのは、暴論でしょうか?
(ポット出版)

9月8日(火)でるべんの会で沢辺が話させてもらいます「いま、中小出版社に何ができるのか」

沢辺が話をさせてもらいます。お知らせまで。

ちなみに、「でるべんの会」とは出版の出、勉強の勉、のはず。

出版社/取次/書店(の30代中心かな?)が多いですが、
読者、図書館のかたなどもどうですか? 対象限定ではありません。

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9月勉強会 「いま、中小出版社に何ができるのか」ポット出版沢辺均氏をお招きします。

各位

ご無沙汰しております、
でるべんの会幹事を務めております、梶原です。
次回の「でるべんの会」勉強会は、先日MLにもご投稿いただきました、
ポット出版代表取締役の沢辺均さんにお話を伺います。

ポット出版から7月に発売された
2冊の出版業界関連本が話題を集めております。
その一つは、ライター永江朗氏による『本の現場』。
出版業界の諸問題をつぶさに取り上げ問題提起を行う本書は、
「非再販本」として発売されることで、話題を集めました。
また、出版コンテンツの今後を考える会として発足した
「出版コンテンツ研究会」の研究報告と、
デジタルコンテンツ業界で活躍するキーマンにインタビューを行った
デジタルコンテンツをめぐる現状報告』は、
加速する出版のデジタル化をとらえる上で
必読の一冊となっております。

その一方で、沢辺さんは
出版社の枠を超えた活動、発言を多数行っております。
中小出版社ネットワーク団体「版元ドットコム」の立ち上げ・運営から、
責任販売システム「35ブックス」への参画、
Googleブックサーチ問題では率先して賛成の意を唱えるなど、
出版業界の各所でご活躍を続けております。

今回は、その多岐にわたる活動についてお話を伺うとともに、
変革を迫られる出版業界において一人一人が何をなすべきなのか、
より率直なお話を伺いたいと思っております。

急なご案内で申し訳ございませんが、
皆様ふるってご参加いただきますよう、お願い申し上げます。

(以下参照)
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■テーマ
いま、中小出版社に何ができるのか
——版元ドットコムから非再販本出版、35ブックスまで——

■日時:9月8日(火)19:15〜20:45(*受付は18:45から)

■会場:水道橋・貸会議室「内海」東京学院ビル3F教室
http://www.kaigishitsu.co.jp/access/index.html
※終了後、近辺で懇親会を予定しております

■講師
沢辺均(ポット出版代表取締役)
http://www.pot.co.jp/

■当日のタイムスケジュール(仮)
18:45〜   受付開始
19:15〜   開始 → 講師紹介、導入
→ トークセッション、質疑応答
〜20:45   終了 → 片付け
21:00頃から 懇親会開始

■勉強会参加料 1,000円(予定)
■懇親会参加料 4,000円(予定)

■予約お申し込み
下記の受付フォームにて承ります。
http://my.formman.com/form/pc/IuZ3mlXvML915uvE/

twitterdeアンケート「Googleブック検索って使ってる人いますか?」

twitterを使ってアンケートをしてみました。

みなさんに質問! Googleブック検索って使ってる人いますか?
このつぶやきを呼んだ人、もしよければアンケートにお答えを。
よく使う/たまに使う/試しただけ/使ったことない、
で選択してもらえませんか。タグつけて。#q_gbs

回答数=29人
回答が集まった時間=約1日(逆に言えば1日たったら回答が止まった)
よく使う=1人
たまに使う=4人
試しただけ=14人
使ったことない=5人
他に、初めて知った、原書の確認につかう、といった回答もありました。

ご協力感謝。

うむ、ジャパニーズブックダムの夢をみてるんですけど、
このアンケートだと、実は必要がない、と解釈するのか?
いえいえ、やっぱり、それなりに日本語の本を網羅してないと、
よく使われるようにならない、ってことなんでしょうね。

http://twitter.com/#search?q=%23q_gbs でそれぞれの回答が読めます。

沢辺のtwittereへは、http://twitter.com/sawabekin