エロスの原風景」タグアーカイブ

お部屋2313/赤線と白線と黒線

今回、クラブ規制とは何の関係もないです。誤解されると困りますが、私の専門はエロです。性風俗産業やラブホを取り締まる法律として、風営法も関心の対象ってだけ。最近、「専門はチャルガだ」と言っているんですけど、誰も相手にしてくれないです。面白いんだけどな。

2305/風営法とダンスホールで、私が軽く流しておいた遊廓の廃止と赤線については、おはらんが説明してくれました。

C.I.L.「遊郭の廃止と赤線・青線」

この中で、白線黒線について、おはらんが書いているような使用例があることを知りませんでした。板橋は洋パンが多かった場所で、よーく探すと、今なお米兵を相手にしていた飲屋街の痕跡を見ることができます。そういう場所なので、たぶん白パン黒パンという街娼用語が転用されたものなのでしょう。
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お部屋2311/風営法と公共圏の規制

風営法について、ええ加減なことを訳知り顔で書いている輩がいるものですから、より正確に風営法が制定された時代のことを書いておこうと思ったのですが、いざ調べ出したら、昭和20年代に検事がストリップショーの摘発について書いたものを見つけてしまいました。

2304/『エロスの原風景 2』の目次発表に書いた「ストリップショーの始まり」について、我が論を裏付けるものだったため、また加筆をしていて、いつまでも『エロスの原風景 2』の作業が終わらないです。

これを契機にメルマガでずっと休んでいた「松沢式売春史」というシリーズを再開することにしました。457回までやって力尽きたのですが、このシリーズがあると、性の行動、性のビジネス、性の風習など、たいていのことは検索して出てくるので、いざという時に訳に立ちます。雑誌でこの手のことを書くことがなくなって、役に立たせる機会が5年に1回くらいしか来ないですけど、自分の興味です。
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お部屋2306/風営法と深夜喫茶

前回書いたように、暇ができたら改めて風営法を調べ直そうと思っていたのですが、あっさり警察庁保安局防犯課編『条解 風俗営業等取締法』(立花書房・昭和34)が出てきたので、ざっと読んでしまいました。また仕事が遅れたぜ。

この本は、この年大きく改正された風営法を解説したもので、やはり深夜喫茶が風営法の対象になったのは、この時の改正です。

しかし、深夜に営業する喫茶店すべてが対象になったわけではなく、喫茶店、バーその他の設備を設けて客に飲食をさせる営業で、「総理府令で定めるところにより計った客席における照度を十ルクス以下として営むもの」「他から見とおすことが困難であり、かつ、その広さが五平方メートル以下である客席を設けて営むもの」が対象です。
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お部屋2305/風営法とダンスホール【追記あり】

2304/『エロスの原風景 2』の目次発表 に書いた章立てが早くも変更になって、なお差し替え原稿をまとめています。今回、洋物を入れるのを忘れていたので、『エロスの原風景』に収録した美麗フレンチポストカードに続いて、おフランスの卑猥エロ写真の原稿でも入れようかなと。

それでも一段落ついたので、チャルガを観たり、ツイッターに復帰したりしているのですが、昨日、ツイッターで、大阪のクラブシーンについて書いた「The fight for Osaka」という一文と、筆者のTerumi Tsujiという人物のツイッターでの発言、および批判を浴びると鍵をかけて議論を放棄した点などが批判されていました。
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お部屋2304/『エロスの原風景 2』の目次発表

ずっとポット出版の高橋君にせっつかれながら、「いざやれば一週間でできるさ」と豪語して一年放置していた『エロスの原風景 2』の作業を先週金曜日に始め、本日完了。ホントに一週間でした。

この一週間、デモ断ちをし、チャルガ断ちもし、食糧を買い込んでほとんど外に出ず、電話も出ず、ツイッターもやらずに集中しただけのことはあります。

連載時の原稿は文字数が少ないため、メルマガや他の雑誌に書いたものを貼付けたり、複数の原稿をくっつけたりしているうちに文字数が増えすぎて、前回の半分程度の本数しか入らなくなりました。これではまずいと再度削ったり、差し替えたりしていて、その無駄がなければもっと早かったんですけどね。

さらに差し替える可能性もありますが、今のところは、以下の17本。
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お部屋2299/クラブが厳しく取り締まられる歴史的背景 2【補足あり】

2217「クラブが厳しく取り締まられる歴史的背景」で、当時のダンスホールでは、ダンサーたちによって実質的な接待が行われていて、個人交渉による売春にも発展、それを取り締まるために、ダンスをする場所が風営法の対象とされたと書きました(補足参照)。

この回はやたらとアクセスが多くて、クラブに対する規制についての関心の高さがよくわかるわけですが、あの話は間違ってはいないものの、十分ではないです。良識ある人々にとっては、他にもダンスホールを放置しておくのはまずいと考える事情がありました。

前回の「『エロスの原風景2』を出します」に書いたように新刊を猛スピードでまとめているところなのですが、その過程で、メルマガのバックナンバーを調べていたところ、ダンサーが売春をしていたことを裏付ける資料を多数取り上げてました。
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お部屋2298/『エロスの原風景 2』を出します

今年こそは『エロスの原風景 2』を出します。

『エロスの原風景』は、「コケた」というほど悪くなかったのですが、当初、それほどいい売れ行きではなく、続編は難しいと思っていました。ところが、地味に売れ続けて、意外にももうじき品切れになりそうです。

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松沢呉一新刊『クズが世界を豊かにする』

『エロスの原風景』に続く、松沢呉一さんの今年二冊目の新刊は、YouTubeを中心に、インターネットは世界をどう変えたかを検証するメディア論です。

YouTubeにアップされている動画を75本紹介し、「深読みの松」こと松沢さんが既存メディアの現状、インターネットの現状を読み解きます。

発行は12月半ばを予定。ポット出版のサイトでは、紹介するYouTubeの動画へのリンク集をアップする予定です。

今週は小浜逸郎さんの新刊『子供問題』の入稿も控えているし、禁酒して頑張らなくてはだな、これは。。

『エロスの原風景』ができるまで/松沢呉一インタビュー05/エロ本を集めることの悲哀

前回まではこちら

01・国会図書館を抜き去るまで(ただし、エロ本のみ)

02・エロ本を捨てるな

03・松沢呉一が語る『エロスの原風景』の読みどころ

04・『エロスの原風景2』に向けて

江戸時代〜昭和50年代後半のエロ出版史を概観する『エロスの原風景』
遠からず消えるであろうエロ本だからこそ、残しておかなくてはならないのだ。

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松沢呉一『エロスの原風景』に関する記事一覧

●エロ本を集めることの悲哀

──それだけの数があっても、けっこう中を読んでますよね。

「コレクター気質だから集めているということもあるんですけど、ライターにとっての資料という意識も強いので、ただ集めたいってだけではないですから。全部は読んでられないので、もちろん、ものにもよりますけどね。『変態資料』は、前々から断片的には読んでいたんですが、原稿を書くにあたって全冊読んだら、今まで読んでいなかったものの中にも、たくさん発見があった。『エロスの原風景』にも書いてますけど、その時見つけたのが、老け専の人が実体験を書いた私小説的な連載で、その人は男も女もいける口で、どっちも老け専。この時代に、堂々とこんな文章を書いている人がいたのかと驚きましたね」

──それは読んでみたいです。

絵はがき

『エロスの原風景』「絵はがき」の項より

「『変態資料』は、戦前の軟派本の中ではポピュラーなんで、安い店だと、一冊2000円から3000円で買えます。80年くらい前のものですよ。戦争を超えて残ったものがそんな値段で買えるのは、公的機関が買わないから。大学の図書館だったら収蔵しているところもあるだろうけど、一般の図書館や資料館ではそんなものを集めない。いろんな地方公共団体が、一時、なんだら文学館、なんだら資料館をやたら創設して、古本の値段が高騰したこともありましたが、高騰したのはもっぱら文学書です。どこも同じようなものしか買わないですから。エロ本資料館はどこも作らない。大衆的な資料を集めるところはあっても、エロには至らない。おかげで安くて助かります。ものによっては万単位しますけど、おおむねエロは安い」

──高いものはいくらぐらい?

「伊藤晴雨のもののように、石版画で作られているものは、美術品として高いし、SM関係者でも集めている人が多いので、十万、二十万とするものがあります。あと、全般的に高いのは遊廓関連の資料ですね。遊廓は江戸研究者にとっては避けて通れないテーマで、その流れから、近代になってからのものでも集めている研究者がいます。また、花柳界とのつながりがあって、踊りや歌舞伎との関係もあるので、探している人が多いんですよ。もともと貸座敷組合(遊廓の組合)が出しているものは部数が少ないってこともあって、値段が張る。今回の本の冒頭に出てくる細見も、ものによっては十万を超えます。そういったものを避ければ、さほどの金がなくてもエロのコレクションは可能です。高度成長期に出たセックスのハウトゥものだったら、1冊500円も出せば買える。5万円もあれば100冊買えますから、立派なコレクションですよ。戦後、歓楽街で売られたエロの生写真も一枚百円かそんなもんで買えます。ただ、数が多いので、完璧なコレクションをしようと思うと、ひとつのジャンルでもそれなりの資金が必要です。裏本だけでも数百万はかかる。万単位するものもあるので、今から集めようとすると、一千万円以上かかるかな。困難なのは、値段の問題だけじゃなくて、モロ出しのものは古本屋も扱わないし、ネットオークションにも出せないから、入手自体が難しい。カストリ雑誌もだいたいのものは2千円から3千円程度で買えるんですけど、ある特定の雑誌の特定の号を探すとなると、とてつもない時間がかかります。誇張じゃなくて10年かかりかねない。10年かけても入手できないかもしれない」

──最初は入れ食い状態で買えるけど、集まるとともに買えなくなってくる。

「その分、時間が経つと、お金はかからなくなりますけど。この話も単行本の続編にたぶん入ると思いますが、カストリ雑誌は全国で出てたんですよ。特にそういうものは探せない。カストリではないですが、戦前、『越佐春秋』という雑誌が新潟で発行されていて、地元政財界の暴露記事やカフェーの記事が出ている。現在はソープ街になっている昭和新道という通りが新潟市にあって、そこがカフェー街だった。たまたま何冊か入手して、カフェーの記事を読みたくて、全部集めようとしたんだけど、新潟の古本屋でさえ、聞いたことはあっても見たことがないって言う。『改造』のような雑誌であれば、図書館や大学が保存しているし、個人で保存している人も全国にたくさんいるだろうけど、大衆雑誌は残らない。特に地方の少部数のものは残らない。だから、値段はたいしたことがなくても入手は難しくて、時間や手間がかかる。それが面白かったりするんだけど」

──そういうものを松沢さんが保存しているわけですね。

「ですね。妙な使命に取り憑かれて。見返りがあればいいんだけど、何もない。バカにする人はいくらでもいるけど、感心してくれる人はほとんどいない。こんなものを集めて調べても原稿依頼をしてくれる雑誌もほとんどない。20年かけて集めてきても、それが本になったのは今回が初めて。それもそのはずで、誰も読みたがらない(笑)。もとはと言えば、高橋鐵にきっかけがあって、その頃は、まだエロライターとさえ名乗ってなかったんですよ。他のテーマもやっていたし。高橋鐵のものだけじゃなくて、性学関係のものを片っ端から買って読んでいくうちに生まれたのが『魔羅の肖像』。だから、エロ本を集めることと、書くテーマがエロに傾いていく軌跡とはリンクしている。現実にはエロライターに求められる仕事は、生々しい今の時代のエロであって、資料を駆使した原稿を書ける機会は数えるほどしかない。エロ本より、一般誌の方がまだしも需要があるかもしれないけど、エロライターだの風俗ライターだのと名乗り出すと、今度は一般誌に敬遠されるから、結果、書ける機会はどんどん減っていく。このジャンルは本腰を入れて取り組めば取り組むほど、評価が落ちて需要が減る。だから、エロ本の収集も、それを読む作業も、ほぼ趣味でしかないです。メルマガではそういった連載を400回くらいやって、今は休んでますけど、そのうち復活しようと思ってます。でも、ここ数年は金も尽きて、新規では買ってない。そろそろ維持するのも限界。だからここまで書いた分だけでも本にしておきたかったんです」

──ありがとうございました。是非、消え去りつつあるエロ本の収集にご協力いただくためにも、『エロスの原風景』をお買い上げ下さい。(終わり)

(このインタビューは2009年7月12日東京国際ブックフェアで行なわれた公開インタビュー『「戦前、戦後のエロ本」〜日本のエロ表現史』に大幅な加筆・訂正を加えています。聞き手:沢辺均)

『エロスの原風景 江戸時代〜昭和50年代後半のエロ出版史 』

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著者●松沢呉一
定価●2800円+税
ISBN978-4-7808-0126-2 C0095
A5判 / 168ページ / 上製・函入
[2009年07月 刊行]
印刷・製本●シナノ印刷株式会社
ブックデザイン●小久保由美

内容紹介

エロ本は遠からず消えると言っていい。そんな時代だからこそ、こんな本を出す意義もあるだろう──
(「はじめに」より)

●『実話ナックルズ』(ミリオン出版)で2004年より現在も続く、日本エロ出版史を網羅する長期連載の単行本第1巻。
●稀代のエロ本蒐集家である著者所蔵の膨大な資料の中から、エロ本173冊、図版354点をフルカラーで掲載。
●読み物としてだけでなく、顧みられることのなかったエロ表現史の概観を辿る、資料性の高い一冊。
●大幅加筆に、連載時には掲載されなかった資料も掲載。

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