【比較】各党・機関誌(紙)を読む~反資本主義新党から公明党まで~

フランス政治はインターネットに移行しつつある。
同国は独自のパソコン通信が早い時期から普及されたため、高機能のネット環が人口に膾炙するのに時間がかかった。

私が法国にいたころはADSLで、突然、接続が止まるというトラブルが絶えなかった。私だけの話ではなく、一般的な話だ。

2009年までフランス社会党(Parti Socialiste)は全面カラーのコンパクト機関誌『週刊社会主義者』(L’hebdo DES SOCIALISTES)を発行しており、だいたい36頁(週によって異なる)で、文化欄(書籍・漫画・映画)があり、政治主張があり、国際欄があり、読み応えがあった。いまは薄っぺらくなってしまい、ネットで政治情報を配信するのが主流だ。社会党は季刊で厚い理論投稿誌を発行している。

極左政党・ガチンコ左翼政党は割と機関紙(誌)に力を入れている。

『反資本主義新党』は12頁のタブロイド版週刊紙『Tout EST A NOUS!』を発行しており、4月7日号(第97号)では日本の原発事情と反原発運動を記事にした『日本:危機と連帯』に国際面の2/3を割いている。36頁のA4版の月刊『TOUT EST A NOUS!』も発行している。

未だにプロレタリアート独裁を目指すシーラカンス極左政党『労働者の闘い』も党名通りの週刊紙を発行している。

フランス共産党は日刊紙を発行し、キヨスクで手に入る。

極右政党『国民戦線』は週刊紙を発行していたが、近年、廃刊した。

右派政党はたいてい全面カラーでA4サイズの機関誌を発行している。
MPF(フランスのための運動)はがんばって隔月刊誌を発行している。
Monsieur Philippe De Villiers、すばらしい。

中道政党『MoDem』は不定期で機関誌を出している。
正直、おもしろくも何ともないが。

日本でおすすめなのは公明党が発行する月刊『公明』だろうか。
同党の理論誌かと思ふほど意外な論稿が載る。

最近で推薦するのは2009年10月号だ。

巻頭論文の佐藤卓己・京都大学准教授『「いま、ここ」での即決迫るファスト政治の危うさ』は世論調査に政治が左右される危険性を警鐘し、評論家の西部邁氏も以前から指摘してきたが、「輿論」(よろん)と「世論」(せろん)を区別し、「輿論の結晶化」を促している。

REPUBLIQUE(共和国)の語源「res publica(公共の事柄)」について話し合う場が必要だということだろう。

他には立岩真也・立命館大学教授の「ベーシックインカムが語る税の思想」、河合秀和・学習院大学名誉教授による書評「『ドゴールのいるフランス』を読む」がおすすめだ。

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及川 健二 について

ジャーナリスト/研究者。 それまで一分もフランス語を学んだことがなかったのに、 フランス留学を決断。2002年UCLAエクステンションセンター・ 夏期英会話講座・修了、グランゼコールの一つ、2004年 リール政治学院・夏期特別セミナー修了(European Summer University Program at Institut d’Etudes Politiques de Lille)。 フランス国立パリ第九大学・Dauphine修士課程に2004-05年に在学。 多国籍企業の経営戦略が研究テーマ。大学では”英語”で講義を 受け、語学学校でフランス語を勉強するというチョット変わった留学生活をおくる。2004年7月3日から2006年3月25日までフランスに滞在。リール、トゥール、パリにて生活する。数々の政治家にインタビューする。 共著『オカマは差別か』(ポット出版)、2002年1月。 編集・共著『常識を超えて』(ポット出版)、2002年6月。 単著『ゲイ@パリ 現代フランス同性愛事情』(長崎出版)、2006年10月。 単著『沸騰するフランス 暴動・極右・学生デモ・ジダンの頭突き』(花伝社)、2006年10月。 単著『フランスは最高!』(花伝社)、2007年6月。