欧州人権裁判所が仏同性婚を審理へ

_12_0144.jpg
_12_0144.jpg
_12_0144.jpg
日刊ベリタ』に【欧州人権裁判所が仏同性婚を審理へ】というタイトルの記事を執筆しましたので転載します。
【本文】
フランスの同性愛者向けの総合月刊誌「テテュ」(インターネット版)が25日に報じたところによれば、フランス南部ベーグル市が2004年6月5日に男性同士の結婚を認めたものの、最高裁が結婚を無効とする判決を下した事案について、欧州人権裁判所は判決が「人権侵害にあたるかどうか」審理することを決定したことが判明した。事件はステファン=シャパン氏とベルトラン=シャルパンティエ氏の男性2人のカップルが、「同性カップルの結婚合法化」を支持するノエル=マメール下院議員(緑の党)が市長を務めるベーグル市に婚姻届を提出したところ、マメール市長が結婚を承諾し、市長立ち会いの下、市庁舎で結婚式を行ったことに端を発する。 
 
この結婚は挙式前からメディアで大々的に報じられ、式当日には報道陣に加え、賛成派と反対派の人々が大挙し、市庁舎の外は一触即発の状態だった。式が終わると昼のニュースでその模様がトップで報じられ、翌日の新聞の一面を埋め、同性婚をめぐる議論が巻き起こった。マメール市長は違法な行為を行ったとして内務相によって停職1ヶ月の処分となり、この結婚の合法性をめぐる訴訟が起こされ、一審、二審につづいて、最高裁は2007年3月13日、「フランスの現行法では同性間の結婚は認められないため、結婚は無効である」という判決を下した。 
 
そこで、2人が原告となって「最高裁判決は人権侵害に当たる」として欧州人権裁判所に訴え出た。同裁判所は欧州連合加盟国の人権侵害事件に対して判決を下す権限を有し、加盟国は判決を履行する義務がある。原告側の弁護士カロリーヌ=メカリ氏は上申書で「フランスの民法では男女間でのみ結婚が認められるという規定はどこにもない」と述べ、「憲法が認める原則的な価値観は、法の前における万人の平等という原則を保障し、(成人に達すれば)誰もが結婚できるという本質的な自由を認めている」と、結婚が適法だと訴える。 
 
欧州人権裁判所がこの結婚が適法だと認めた場合、フランスでは同性間の結婚が合法となる。判決の行方に注目が集まる。
写真脚注:ノエル=マメール市長(及川健二・撮影)

カテゴリー: 及川健二のパリ修行日記 | 投稿日: | 投稿者:

及川 健二 について

ジャーナリスト/研究者。 それまで一分もフランス語を学んだことがなかったのに、 フランス留学を決断。2002年UCLAエクステンションセンター・ 夏期英会話講座・修了、グランゼコールの一つ、2004年 リール政治学院・夏期特別セミナー修了(European Summer University Program at Institut d’Etudes Politiques de Lille)。 フランス国立パリ第九大学・Dauphine修士課程に2004-05年に在学。 多国籍企業の経営戦略が研究テーマ。大学では”英語”で講義を 受け、語学学校でフランス語を勉強するというチョット変わった留学生活をおくる。2004年7月3日から2006年3月25日までフランスに滞在。リール、トゥール、パリにて生活する。数々の政治家にインタビューする。 共著『オカマは差別か』(ポット出版)、2002年1月。 編集・共著『常識を超えて』(ポット出版)、2002年6月。 単著『ゲイ@パリ 現代フランス同性愛事情』(長崎出版)、2006年10月。 単著『沸騰するフランス 暴動・極右・学生デモ・ジダンの頭突き』(花伝社)、2006年10月。 単著『フランスは最高!』(花伝社)、2007年6月。