『ゲイ@パリ』第2章 パートナーシップ制度パクス(PACS)

『ゲイ@パリ』の第2章は次のような内容だ。
第2章 パートナーシップ制度パクス(PACS)
1 同性愛と強制収容所
2 ミッテラン政権下における同性愛の前進
3 フランスの裁判制度
4 エイズがすべてを変えた
5 同性カップルも利用できるパクス(連帯民事契約)とは何か
6 事実婚(内縁)と結婚の中間にある緩い形での準結婚制度
 第2章ではナチス侵攻によってフランスが占領された頃の話から、異性カップルのみならず同性カップルも利用できる準結婚制度・パクスができるまで、同性愛から見たフランス現代史について書いた。ナチス傀儡のヴィッシー政権ではフランスの同性愛者はドイツと同様に強制収容所に送られた。フランスがこの負の歴史にどう向き合ったか記述した。
 また、「エイズがすべてを変えた」といえるぐらいに、エイズはフランス社会に強烈なインパクトを与えた。そして、エイズがキッカケになり、同性カップルの権利保障が社会的問題となった。なぜ、エイズによって同性カップルの権利保障が問題化されたのかについて書き、激しい議論が交わされた末にパクスが完成する過程を詳述した。
 パクスという制度についても簡単な解説をくわえた。これを読めば、制度の輪郭を御理解いただけると思う。
「同性カップルの結婚合法化」よりもまず、パクスのような制度が日本で誕生するべきだろう。
 それにしてもこの章を書いているときに、日本ではなぜ、エイズによって同性カップルの権利問題が社会的に議論されなかったのか不思議でならなかった。フランスではエイズ患者やその恋人が表に出た。テレビ・週刊誌・新聞でエイズ患者をなくした恋人の存在が多く報じられた。日本ではエイズ患者は匿名の存在だった。川田龍平さんが薬害エイズによるHIV感染者であることを19歳のときに公表したが、その前にHIV感染者で有名だったのは1994年に亡くなった平田豊さんくらいだ。

カテゴリー: 及川健二のパリ修行日記 | 投稿日: | 投稿者:

及川 健二 について

ジャーナリスト/研究者。 それまで一分もフランス語を学んだことがなかったのに、 フランス留学を決断。2002年UCLAエクステンションセンター・ 夏期英会話講座・修了、グランゼコールの一つ、2004年 リール政治学院・夏期特別セミナー修了(European Summer University Program at Institut d’Etudes Politiques de Lille)。 フランス国立パリ第九大学・Dauphine修士課程に2004-05年に在学。 多国籍企業の経営戦略が研究テーマ。大学では”英語”で講義を 受け、語学学校でフランス語を勉強するというチョット変わった留学生活をおくる。2004年7月3日から2006年3月25日までフランスに滞在。リール、トゥール、パリにて生活する。数々の政治家にインタビューする。 共著『オカマは差別か』(ポット出版)、2002年1月。 編集・共著『常識を超えて』(ポット出版)、2002年6月。 単著『ゲイ@パリ 現代フランス同性愛事情』(長崎出版)、2006年10月。 単著『沸騰するフランス 暴動・極右・学生デモ・ジダンの頭突き』(花伝社)、2006年10月。 単著『フランスは最高!』(花伝社)、2007年6月。

『ゲイ@パリ』第2章 パートナーシップ制度パクス(PACS)” に1件のフィードバックがあります

  1. ピンバック: ゲイ@パリ 現代フランス同性愛事情 | ってどうよブログ

コメントは停止中です。