ウソ、ホント?「HIV拡大は日本だけ」説

在仏日本人向けの新聞『オヴニ』紙は「約6000人」というHIV(SIDA)に関する記事を載せています。
http://www.ilyfunet.com/ovni/2004/557/onenpar.html
【12月1日の国際エイズデーに「フランスではエイズに関する警戒心が後退し、感染者が増加している」とシラク大統領。フランスでは、この1年間に約 6000人が新たにエイズに感染した。コンドーム使用のキャンペーンにもかかわらず、最近は感染者数が、男性の同性愛カップルを中心に増加している】
「先進国でHIV感染者の拡大は日本だけ」という説を私は信じていたので、昨年、HIV啓発市民グループ・AIDESのメンバーとパリ市内で立ち話をしていたとき、「フランスでも拡大」という話を聞き、驚きました。「日本のみ拡大」説では、
①政府の取り組みの甘さ
②性教育の不徹底
が、拡大の理由として紹介されています。
フランスやベルギーのフランス語圏を中心に売られているレズビアン・ゲイの総合誌「TETU」最新号で、ゲイに対するインターネット・アンケートに基づく調査記事が掲載されていました。そこでは、コンドーム使用などによるセイファー・セックスをするゲイ男性が減少の傾向にある……と、過去のデータと比較して、論じられています。
フランスでは国際エイズデーにシラク大統領が国民に向けた演説をしますし、パリ市がコンドームを無料で配給していますし、パリ市がHIV啓発のポスターを町中に貼ったりしています。日本よりは格段に啓発が進んでいます。なのに、「感染拡大……」ということで、昨年12月は少なからぬ衝撃が広がりました。
性教育をやればHIV感染は減少する……ということにはならないようです。フランスでは、如何にセイファー・セックスを普及させるか……運動の再構築が議論されています。

カテゴリー: 及川健二のパリ修行日記 | 投稿日: | 投稿者:

及川 健二 について

ジャーナリスト/研究者。 それまで一分もフランス語を学んだことがなかったのに、 フランス留学を決断。2002年UCLAエクステンションセンター・ 夏期英会話講座・修了、グランゼコールの一つ、2004年 リール政治学院・夏期特別セミナー修了(European Summer University Program at Institut d’Etudes Politiques de Lille)。 フランス国立パリ第九大学・Dauphine修士課程に2004-05年に在学。 多国籍企業の経営戦略が研究テーマ。大学では”英語”で講義を 受け、語学学校でフランス語を勉強するというチョット変わった留学生活をおくる。2004年7月3日から2006年3月25日までフランスに滞在。リール、トゥール、パリにて生活する。数々の政治家にインタビューする。 共著『オカマは差別か』(ポット出版)、2002年1月。 編集・共著『常識を超えて』(ポット出版)、2002年6月。 単著『ゲイ@パリ 現代フランス同性愛事情』(長崎出版)、2006年10月。 単著『沸騰するフランス 暴動・極右・学生デモ・ジダンの頭突き』(花伝社)、2006年10月。 単著『フランスは最高!』(花伝社)、2007年6月。