政性分離

内務大臣に返り咲いたフランス政界のエース、ニコラ=サルコジ・UMP党首が離婚の危機にある……というニュースがベタ記事だが、欧州憲法投票前にいくつかの新聞に載った。フランスで政治家のプライベートなことが報じられることは余り無い。今回の発端は、スイスの新聞がそれをスクープしたために、フランスの新聞もいくつか追随した。
サルコジ氏とそのワイフは、公の場に二人で登場することが多かった。
離婚の危機に立たされている(もう離婚したのかも知れないが)のに、サルコジ氏が大臣になるとき、そのことは問題視されなかった。日本ではどうだろうか。目玉大臣が就任する時、離婚する……という問題があれば、一斉に大きく報じられるのではなかろうか。
フランスでは政治と性事は分けて考えられている。クリントンのモニカさんとの不倫関係も好意的に報じられたように、政治と性事との分離、「政性分離」が進んでいる。
故・ミッテラン前大統領が長年、愛人とその間に娘を持っていたことを隠していたが、それを非難する人はあまりいなかった。しかし、ミッテランが自身のガンを隠していたことは大いに非難された。
日本ではどうだろう。政治家の病気と、愛人と隠し子。どちらが問題だと考えられるだろうか。フランス人にしてみれば、公務の支障をきたすかもしれない病気に関する情報は開示されるべきなのだ。

カテゴリー: 及川健二のパリ修行日記 | 投稿日: | 投稿者:

及川 健二 について

ジャーナリスト/研究者。 それまで一分もフランス語を学んだことがなかったのに、 フランス留学を決断。2002年UCLAエクステンションセンター・ 夏期英会話講座・修了、グランゼコールの一つ、2004年 リール政治学院・夏期特別セミナー修了(European Summer University Program at Institut d’Etudes Politiques de Lille)。 フランス国立パリ第九大学・Dauphine修士課程に2004-05年に在学。 多国籍企業の経営戦略が研究テーマ。大学では”英語”で講義を 受け、語学学校でフランス語を勉強するというチョット変わった留学生活をおくる。2004年7月3日から2006年3月25日までフランスに滞在。リール、トゥール、パリにて生活する。数々の政治家にインタビューする。 共著『オカマは差別か』(ポット出版)、2002年1月。 編集・共著『常識を超えて』(ポット出版)、2002年6月。 単著『ゲイ@パリ 現代フランス同性愛事情』(長崎出版)、2006年10月。 単著『沸騰するフランス 暴動・極右・学生デモ・ジダンの頭突き』(花伝社)、2006年10月。 単著『フランスは最高!』(花伝社)、2007年6月。