1ページネーション・マニュアルVer.9712QX3.3 このマニュアルは、 ■QuarkXPress3.31を使用することを前提としている。4.0BETA2nd版での適応性も確認してある。 ■編集者,デザイナー,組版・製版担当者がともに仕事をするためのものである。 ■自由かつ無料で,ダウンロードが可能である。書物づくり,雑誌の創刊,その他プラットフォームやアプリケーションへの応用・活用を歓迎するが,「ページネーション・マニュアル」そのものを商業化・営利化することは許可しない。 ■「ページネーションのための基本マニュアル」は、JPC(Japan Publishing Consortium)のホームページ(http://www.MdN.co.jp/JPC)にAcrobatのPDFデータとして掲載されている。ダウンロードして自由にカスタマイズして利用できる。 ■あらゆる書籍・雑誌のページ作成に有効とは限らず,仕事に応じて不適切な箇所,不足している項目,過剰な部分を改変してよいし,するべきだろう。 ■番号あるいはアルファベットのうしろの+はタテ組への,-はヨコ組への適応を示す。+-はタテ組・ヨコ組両方にの適応するということである。 ■リスクの伴う高度なテクニックは採用していない。 ■使用,応用,活用・改変のさいには,下記へ連絡をいただきたい。求めるものは,金銭的対価ではなく使用例や意見・批判である。このヴァージョン9712QX3.3も,「日本語の文字と組版を考える会」の活動や『DTPWORLD』誌の提案を参考にして改良している。 連絡先:日本語の文字と組版を考える会hcc00672@niftyseave.or.jp ---------------------------------------------------------------------------- 1. 単位 ---------------------------------------------------------------------------- 1.1+- 1pt(ポイント)を0.3528mm(1インチ=2.54cmの72等分)とする。 1.2+- 文字の大きさ,行送り,ケイの太さは,ptで指定する(級数での指定は原則として行わない)。 1.3+- 距離,写真,図版の大きさは,mm指定にする。 1.4+- ptとmm相互の換算については,下5けたで四捨五入する。 1.5+- 見開きおこしを,ページ編成の基本とする。 1.6+- 仕上がり寸法の外側にとる断ち分(トンボの幅)は,3mmとする。 ---------------------------------------------------------------------------- 2. データの受け渡し ---------------------------------------------------------------------------- 2.1 a MS-DOSによる文字などの原稿は,2DDは720KB,2HDは1.44MBでフォーマットされたフロッピーで受け渡しする。 b ファイル名は,半角英数字で付す。 2.2 Macintoshでは,フロッピーを2HD/1.44MB,2DD/800KBでフォーマットする。 2.3 MOは,3.5inchとし,230MBや540MBおよび640MBの受け渡しが可能か,さらにフォーマッタとヴァージョンの確認をする。できれば受け渡しのテストをしてみる。 2.4+- WindowsやDOSからのコンバートに問題のある記号類をリスト化する。 2.5+- 外字は,わかりしだい速やかにリスト化する。当該部分にはゲタ〓をはかせておく。 2.6 a+- 編集担当者は,データ(できればMacintoshの)とそのハードコピー,紙に書かれたラフスケッチとを袋に揃えてデザイナーに入稿する。文章はその文字量をメモしておくとデザイナーが助かる。 b+- 文章は,テキスト形式で保存するし,不要なスペースや改行はとる。 c+- カタカナの半角入力は厳禁である。 d+ タテ組の和文本文中では()や/!?は和文で入力する。単位記号,たとえば%やcmは,パーセント,センチメートルと表記する。 e- ヨコ組の和文中の欧文・洋数字,および欧文・洋数字に所属した約物(例:!,?,/),単位記号(例:km,cm,kg)は,半角英数字で入力しておく。 f+- ルビは,約束されたかっこ類・約物で囲み,本文テキスト中にいれておく(例:【ルビ】★ルビ★)。 g 欧文のイタリック,ボールド体,アクセントなどを,いつどこでだれが入力するかを決めておく。 h 画像は,各アプリケーションのオリジナルデータ形式とする。 i フロッピーにはラベルを貼って記事名をはっきり書く。 j+- ノンブルを明記する。 k+- 校正記号を統一しておく。 l+- データ中のメモ書きの入れかたも決めておく。 2.7 a 写真・図版は,記事との照合を確認する。 b 袋には希望締め切り日やデザイン上の要望点も書いておく。 c どのようなファイル名によってデータを管理するか決めておく。わかりやすいファイル名にすることが重要である。 2.8 デザイナーは,組版ソフトのデータと,レイアウト結果のプリントアウト(モノクロ)を揃えて,編集者ないしは組版・製版担当者に入稿する。 2.9 特別の取り決めがない限り,オリジナルデータの保管は各担当者とも1か月とする。 2.10 最終出力データをだれが保管するかを決める(版元,印刷会社,作家,デザイナーなど)。 ---------------------------------------------------------------------------- 3. 本文文字組 ---------------------------------------------------------------------------- (基本設定) 3.1 a+- 箱組を基本とし,QuarkXPress上で,環境設定─文字─標準emスペースのチェックボックスをオンにする。 b+- 1ジョブは,32ページ以内にする。 (書体) 3.2+- 使用書体を,和文,欧文ともに決める。 3.12+- ひとつの書籍は,ひとつの和文本文書体から成立させる。 3.3+- 欧文書体は,ローマン体で1ファミリー,サンセリフ体で1ファミリーとする。 3.4+- 和文中の欧文・洋数字は,欧文書体を使う(例:明朝にはBodoni,ゴシックにはFrutiger)。 (文字の大きさ) 3.5+- 文字の大きさは,2.5,3,3.5,4,4.5,5,6,7,8,9,10,12,14,16,18,20,24,28,32,36,40,48,56,64,72,80ptを基本として使う。 3.6+- 和文中の欧文は,欧文書体によって差はあるが,和文文字の大きさの5〜10%を目安として大きくする。 3.7+- 小さい文字の限界を,ルビを含めて2.5ptとし,大きい文字の限界は720ptである。 (字間・字送り) 3.8 a+- 字間を,全角組にするかプロポーショナル組にするかをあらかじめ決めておく。 b+ タテ組のときは全角組を推奨する(カーニング・ソフトの確認と追試が必要)。 c- ヨコ組のときはプロポーショナル組を推奨する(カーニング・ソフトの確認と追試が必要)。 3.9+- 欧文のワードスペーシングは,文字サイズの25〜30%を基本とし,ケースに応じて+-5%とする。 3.10+- 欧文のレタースペーシングはゼロとする。 3.11+- 和文とローマ字・洋数字とのあいだは,本文が全角送りの場合は15%(6分),プロポーショナル送りの場合は10%あける。 3.12+- 字アケ(字割り)は,意識的なデザイン処理以外では行わない。 3.13+- 行頭・行末・分離禁則を回避するときは,追い込みを原則とし,やむを得ないときは追い出しも可とする。+-4/200emの範囲でのトラッキング調整をおこなう。 (文字揃え) 3.14 a+ タテ組のときはセンターラインの文字揃えを原則とする。 b- ヨコ組のときはベースラインの文字揃えを原則とする。 (文字の変形) 3.15+- 文字は正体で使用する。 (行送り) 3.16+- 行送りは,環境設定─文字─行送り─モードで,タイプセッティングとし,ベースラインから次行のベースラインまでの距離とする。 3.17+- 行送りは,1行の長さが30〜40字の場合,使用文字の170%を基本とする。9pt/15pt,8.5pt/14.5pt,8pt/13.5pt,7.5pt/12.75pt,7pt/12pt,6.5pt/11pt,6pt/10.25pt,5.5pt/9.5ptとなる。 3.18+- 行間は,行長によって調整する。行長が短ければ行間をせばめ,長ければひろげ,その幅は150〜190%である。 3.19+- 字間を全角送りよりきつくしたときは,行間をせまくできる。逆に,字間をひろげたときには行間もひろげなければならない。 (行長) 3.20 a+- 1行の文字数は,段数にかかわらず12〜55字とする。 b+ 1段のタテ組のとき,1行の文字数は40〜45字を基本とする。 c- 1段のヨコ組のとき,1行の文字数は35〜40字を基本とする。 3.21+- 1行の字数が7字以下の行はつくらない。1行の字数が10字以下の行が10行以上つづくのも好ましくない。図版のくいこみなどのときに注意が必要である。 3.22+- 句読点をのぞいて本文が1文字だけの行をつくらない。2文字以上は入れたい。 (改行ルール) 3.23+- 行頭禁則を守る。、。,.・!?」』)]〉》〕】くり返し符号(ヽゝ々)ー(音引き)ただし,中黒(・)と音引き(ー)は許容する場合がある。 3.24+- 行末禁則を守る。「「『([〈《〔【 3.25+- 分割改行禁則を守る。…… ── 数字列・単位記号(km No.など) 3.26- a- 欧文は,ハイフネーション改行を使用。 b- ハイフネーションは3行連続まで許容する。 c- 欧文ハイフネーションがうまくいかず,字間が空いてしまったとき,校正時に編集担当者が原稿調整する。 3.27+- 欧文固有名詞の単語ごと改行を許容するか,編集担当者と検討する(例:MS-|DOSWindows|95)。 3.28- 年号は,下2けたでの改行を許す(例:19|94年8|67年)。 (改ページルール) 3.29 見出しの泣きわかれは不可とし,本文を最低2行入れる。 (注記:最低1行でよいとしたり,見開きの偶数ページでは許容する場合がある) 3.30 本文末の1行の泣きわかれは不可とし,文章を最低2行入れる。 (注記:3.29の見出しの泣きわかれ禁則が最低1行でよいとするならば,本文末の1行の泣きわかれは許容され,この項目は不要となる) (インデント) 3.31 a+- インデント(段落の字下げ)は,1倍下げ(和文本文の字送り)。ただし,見出し直後の字下げはなしとする。 b+- プロポーショナル組のときのインデントについては,インデント無しや2倍下げなどを検討すべきである。 (句読点) 3.32 a+ タテ組では、。を使用。行揃えは「ジャスティファイ」(追いこみ)とする。行末の句読点は二分とする。 b- ヨコ組では,。を使用。タテ組と混在する誌面ではヨコ組でも、。を使用したほうが安全かもしれない。行揃えは「ジャスティファイ」(追いこみ)とする。行末の句読点は二分とする。 (かっこ類) 3.33+- かぎは,「」『』(大かぎ)を使用し,その使い分けを決める。 3.34+- かっこは()[]〈〉《》【】〔〕を使用し,その使い分けを決める。 3.35+- かっこ類「」『』()[]〈〉《》【】〔〕,中黒・は,半角使用する。ただし,かっこ類同士は半角あける。 3.36+- かっこ類は,段落では全角下げ,各行頭折り返しでは頭揃えとする。 3.37+- 小かぎは,「「」」というように引用内引用のときにのみ使う(ヒラギノやビブロスを使用)。 (約物・単位記号) 3.38 a+ タテ組の和文本文中では()や/!?は和文書体を使う。漢数字に所属する単位記号,たとえば%やcmは,パーセント,センチメートルと表記する。欧文・洋数字に所属した約物(例:%,!,?),単位記号(例:km,cm,kg)は,欧文書体を使う。 b+ タテ組の!?は,垂直のものとし,使用和文ファミリーのうちもっともウェイトの軽いものを使い,ヨコ組では欧文書体のもっともウェイトの軽いものを使う。 3.39 a- ヨコ組の和文中の欧文出自の約物や洋数字に所属した約物(例:!,?,/),単位記号(例:cm,%)は,欧文書体を使う(教育的配慮からの例外はある)。 b- ヨコ組の和文中の欧文出自の約物・洋数字に所属した約物・単位記号は,欧文書体のもっともウェイトの軽いものを使う。 (ケイ) 3.40+- 使うケイの種類は,0.25pt(0.1mm=0.28pt)幅の表ケイを基本とする。あらかじめ出力機種がわかっているなら,ケイ幅を出力解像度の整数倍にしておくほうが安全である。格別の指定がないかぎりケイは表ケイとする。 3.41+- リーダーケイは,2倍の……を使う。 (傍点・傍線) 3.42+- 傍点(圏点)は,......とする(タテ組では,、、、)。使用ファミリーの最軽量ウェイトのものを使う。 3.43+- 傍線(アンダーライン)は,◯◯◯◯◯◯とする(タテ組では右側)。 (ルビ) 3.44+- a+- ルビは二分,正体を基本とする。 b+- 漢字1文字にルビが対応してつく場合は,漢字1文字ずつルビ処理をしたほうがよい(娯楽「レジヤー」明後日「あさつて」などのケースは熟語全体のルビ処理となるが,分離禁則となるので改行部での注意が必要)。 c+- 漢字1文字に対して3文字以上のルビがつく場合も,漢字1文字ずつルビ処理をし、ルビの文字数によっては字間を手作業であける必要がある(本文が10pt以上ならば全角の40%の大きさの文字を三分ルビとしてふることが可能)。行頭,行末のときも同様に手作業が必要である。 d+- ルビ文字の大きさが2.5pt以上ならば,ルビにも拗・促音を使用する。 3.45+- ルビ書体は,使用和文ファミリーのうちもっともウェイトの軽いものを使う。 3.46+- 割ルビは,原則として使わないように工夫する。 (分数) 3.47 a- 分数は,ヨコ組では1/8,2/3と表記し,欧文書体で組む(スラッシュも欧文書体に従属させる)。 b+ 分数は,タテ組ではなるべく漢数字表記する(例:三分の二)。 (文中の注記) 3.48 文中,注記的な丸かっこおよびその中の文章は,本文の85%の大きさの文字を使う(例:一九五〇年(昭和25年)(笑い))。 3.49+- a- 注記番号などは,ヨコ組では上付き文字を二分のスペースに入れる。 b+ 注記番号などは,タテ組では右付き文字を二分のスペースに入れる (ベースラインシフトが必要)。 ---------------------------------------------------------------------------- 4. タイトル・見出し・リードなど ---------------------------------------------------------------------------- (基本設定) 4.1+- アンジャスティファイド(文節改行,頭揃え・尻不揃え)組を基本とする。字間はプロポーショナル詰めとする。 (行揃え) 4.2+- タイトル,リードなど文字の要素ごとに,頭揃え(左寄せ),左右中央ぞろえ,頭末揃え,尻揃え(右寄せ)をはっきり使いわける。 4.8+- 頭揃え,尻揃えのために,テキストボックスを各行ごとにつくる必要があるかもしれない。 (書体) 4.3+- 使用書体を,本文使用書体と関連させながら,和文,欧文ともに決める。 本文使用書体とあわせて,明朝体で1ファミリー,ゴシック体で1ファミリーが原則である。 4.4+- 欧文書体は,本文使用書体と関連させながら,決める。本文用書体とあわせて,ローマン体で1ファミリー,サンセリフ体で1ファミリーが原則である。 4.5+- 和文中の欧文・洋数字は,欧文書体を使う(例:明朝にはBodoni,ゴシックにはFrutiger)。 (文字の大きさ) 4.6+- 文字の大きさは,2.5,3,3.5,4,4.5,5,6,7,8,9,10,12,14,16,18,20,24,28,32,36,40,48,56,64,72,80ptを基本として使う。 (字間・字送り) 4.7+- 欧文のワードスペーシングは,文字サイズの25〜30%を基本とし,ケースに応じて+-5%とする。 4.8+- 欧文のレタースペーシングはゼロとする。 4.9+- 和文とローマ字・洋数字とのあいだは,10%あける。 4.10+- 字アケ(字割り)は,意識的なデザイン処理以外では行わない。 (文字揃え) 4.11 a+ タテ組のときはセンターラインを原則とする。 b- ヨコ組のときはベースラインの文字揃えを原則とする。 (文字の変形) 4.12+- 文字は正体を使うことを原則とし,スペース調整のため,95%前後の目立たない程度の変形をかけたり,デザイン的に思い切った長体・平体を使用することはある。 (行送り) 4.13+- 行送りは,環境設定─文字─行送り─モードで,タイプセッティングとし,ベースラインから次行のベースラインまでの距離とする。 4.14+- 行送りは,使用文字の150%を基本とする。 4.15+- 行間は,行長によって調整する。行長が短ければ行間をせばめ,長ければひろげ,その範囲は20〜190%である。 4.16+- 字間・字送りをきつくしたときは,行間はせまくできる。 (改ページルール) 4.17+- 見出しの泣きわかれは不可とする。 (注記:見開きの偶数ページでは許容する場合がある) (インデント) 4.18+- インデント(段落の字下げ)は,無しとする。 (句読点) 4.19 a+ タテ組では、。を使用。 b- ヨコ組では,。を使用。 c+- 尻揃え(右寄せ)では,句読点はぶら下げとする。テキストボックスを各行ごとにつくる必要があるかもしれない。 (かっこ類) 4.20+- かぎは,「」『』(大かぎ)を使用し,その使い分けを決める。 4.21+- かっこは()[]〈〉《》【】〔〕を使用し,その使い分けを決める。 4.22+- かっこ類「」『』()[]〈〉《》【】〔〕,中黒・は,プロポーショナル詰めにする。ただし,かっこ類同士は四分あける。 4.23+- かっこ類は,各行頭折り返しでは頭揃えとする。 (約物・単位記号) 4.24 a+ タテ組の和文本文中では()や/!?は和文書体を使う。漢数字に所属する単位記号,たとえば%やcmは,パーセント,センチメートルと表記する。欧文・洋数字に所属した約物(例:%,!,?),単位記号(例:km,cm,kg)は,欧文書体を使う。 b+ タテ組の!?は,垂直のものを使い,約物・かっこ類(!?(「・,。)は,使用和文ファミリーのうちもっともウェイトの軽いものを使い,ヨコ組では欧文書体のもっともウェイトの軽いものを使う(例:新ゴUに新ゴL用を,リュウミンBにリュウミンL用を,Bodoni BoldにBodoni Book用を,Gill SansにGill Sans Light用を使う)。 4.25 a- ヨコ組の和文中の欧文出自の約物・洋数字に所属した約物・単位記号(例:!,/,?,cm,%)は,欧文書体を使う(教育的配慮からの例外はある)。 b- ヨコ組の和文中の欧文出自の約物・洋数字に所属した約物・単位記号は,欧文書体のもっともウェイトの軽いものを使う。 (ケイ) 4.26+- 使うケイの種類は,0.25pt(0.1mm=0.28pt)幅の表ケイを基本とする。 4.27+- リーダーケイは,2倍の……を使う。 (ハイフン・ダッシュ) 4.28+- ハイフン,ダッシュの太さは,表ケイと同じとする。長さのちがいによって差違を表現する。 (ルビ) 4.29+- ルビは,文字の大きさにかかわらず7pt以上の大きさにはしない。漢字1文字ずつにふる。傍点も,ルビと同じ扱いとする。 (拗・促音・中黒・句読点) 4.30+- 12pt以上の大きさの文字では,拗・促音・中黒・句読点は,文字の大きさを65%に下げ,字間はプロポーショナルに詰める。 (音引き) 4.31+- 12pt以上の大きさの文字では,音引きの長さをを90〜95%に短くし,字間はプロポーショナルに詰める。 (欧文・洋数字) 4.32+- 12pt以上の大きさの文字中では,欧文・洋数字は文字の大きさの1/20(5%)から1/12(8%)までを目安として大きくする(書体の組み合わせによってちがう)。 (見出し) 4.33 a+- 見出しは,タイトルのほかに,大見出し,中見出し,小見出し,極小見出しの4ランクを最多とする。 b+- 大見出しは2段×2行どり,段中のとき前1行アケ,中見出しは2行どり,段中のとき前1行アケ,小見出しは1行どり,段中のとき前1行アケ……のように,体裁を決めておく。 c+- 極小見出しは,本文行中への埋めこみ(見出しとしての改行はなし)とし,本文と同じ大きさのゴシック体,あるいは本文と同一ファミリーのウェイトの重いフォントをつかう。頭に約物を入れることも可能である(例:■○○○○○…)。箇条書きなどは,極小見出しの応用と考えられる。 (箇条書き) 4.34+- (1)のスタイルの使用にあたっては,(1)の組方向が本文とそろっているかの注意が必要である。@(編者注:丸付きの1)のスタイルでの21以上の数字使用は,注意が必要である。三桁はほぼ不可能。|(編者注:黒丸付き白抜きの1)のスタイルでの二桁以上での使用にはビブロス外字などをあらかじめ用意する必要がある。 ◎1…,●1:などデザイン上の工夫ができないか考えてみたい。 (人名表記) 4.35+- 人名は姓名間をあけないのを原則とするが、タイトル部などでの著者名は,1字姓,1字名あるいは,3字姓,3字名のときは例外的に二分から四分スペースをとることがある。 (例:○│○○│○○○○│○○│○○○○○○│○○○│○○○○○○│○○)。 (註) 4.36 a+- 本文とは性格が異なるが,箱組を原則とする。 b+ タテ組のときは全角組を推奨する(カーニング・ソフトの確認と追試が必要)。 c- ヨコ組のときはプロポーショナル組を推奨する(カーニング・ソフトの確認と追試が必要)。 4.37+- 本文の行方向にそろえるのを原則とする(本文がタテ組なら註もタテ組み)。 4.38+- 本文より,2pt小さい文字を使用することを基本とする。 4.39+- 行送りは,150%を基本とする。 4.40+- 註と本文との距離は,本文書体の全角以上あける。 (キャプション) 4.41+- アンジャスティファイド(文節改行,頭揃え・尻不揃え)組を基本とする。字間はプロポーショナル詰めとする。 4.42+- 本文の行方向にそろえるのを原則とする(本文がタテ組ならキャプションもタテ組み)。 4.43+- 文字の大きさは,6ptを基本とする。 4.44+- 行送りは,150%を基本とする。 4.45+- キャプションと本文との距離は,本文書体の全角以上あける。 (柱) 4.46+- 柱と本文との距離は,本文書体の全角以上あける。 4.47+- 文字の大きさは,6ptを基本とする。 (ノンブル) 4.48+- ノンブルと本文との距離は,本文書体の全角以上あける。 4.49 a+- 洋数字の場合は欧文書体を使用し,6ptを基本とする。漢数字のノンブルもありうる。 b+- 目次,索引など,書物全体でノンブル書体を統一する。 ---------------------------------------------------------------------------- 5. 画像・色彩 ---------------------------------------------------------------------------- (文字との間隔) 5.1 文字とケイ,ケイと図版,図版と文字などのアキは1mm=約3ptを原則とする。 (輪郭ケイ) 5.2 写真・図版の角判のケイはアタリとし,例外のときだけ指定する。 (色指定) 5.3 色指定は,5%から100%までとする。できれば5%刻みとし,フィルムを介在させる工程では5%以下の網点は変動しやすいので注意が必要である。 5.4 最大インキ濃度を350%とする(Adobe PhotoShopの,環境設定─色分解設定─インキの総使用量の制限─もチェック)。 5.5 色指定は,CMYKの順とする。「カラー」の名前は,c00+m00+y00+k00の書式とし,プロセスカラー分解をチェックする。 (のせとヌキ) 5.6 のせかヌキかを点検する。特にペイントソフトなどで制作した画像に注意する。 5.7 トラップは,設定をゼロにする。トラップを誰がかけるのかは,ワークフロー上未解決の問題である。 (特色) 5.8 a QuarkXPress上のCMYK版を特色に置換するのでない限り,特色版では,プロセスカラーとのケヌキあわせはできるが,プロセスカラーとのかけあわせはできない。 b 画面外に許される範囲で直径10mm以上の色玉を作成しておく。色合わせのためである(CMYKインキでも大きな色玉を作成したほうがよい)。 (スキャニング) 5.9 スキャニングは,使用サイズに対して,使用線数の二倍以上の解像度を確保(175線なら350dpi以上)するのを原則とするが,写真によっては,300〜400dpiの範囲内で選択する。 QuarkXPress上での拡大縮小は,75〜125%のあいだとする。 5.10 a スキャニングデータは,グレースケールないしはCMYKのEPSファイルでQuarkXPressに貼りこむ。 b QuarkXPress上で色・線数・コントラストなどを変えたいときは,TIFFファイルが便利である。QuarkXPress上でのEPSファイルとTIFFファイルの混在は可能だが,出力担当者と相談したほうが安全だろう。 5.11 カラー製版調子は,余裕ある解像度をもって,写真原稿や書物の性格にあわせて設定されたシャープネス,コントラスト,ボリュームのバランスによって仕上げられなければならない。 5.12 モノクロ製版調子は,余裕ある解像度をもって,写真原稿や書物の性格にあわせて設定されたシャープネス,コントラスト,ボリュームのバランスによって仕上げられなければならない。ハイライト部は0%,最暗部はソリッド(ベタ)にする。 (出力) 5.13 線数は,カラーもモノクロも175線を基本とする。 5.14 フィルム出力の解像度は,およそ15倍を確保する。175線なら少なくとも2400dpiは必要である。画像の階調が重要なときは,3600〜4000dpi(20〜23倍)で出力する。 (スクリーンショット) 5.15 a スクリーンショットの解像度は,72dpiのまま画面原寸で保存する。 b 色に関しては,環境設定─色分解設定で「墨版合成─最大」としてからCMYK変換した後,EPS保存する。 (色校正) 5.16 ポストスクリプト対応のカラープリンタで色校をし,必要に応じて印刷機による本紙の色校正をとる。カラープリンタの色校では,特色の扱いの不自由さや,発色の傾向を関係者が理解しておくことが必要となる。 5.17 色校正と本機のキャリブレーションデータをそろえておきたい。 (印刷) 5.18 本刷りでは,インキを盛る。印刷担当者は,インキの盛ることができる版を製版担当者に要求するべきである。 ---------------------------------------------------------------------------- ページネーション・マニュアルVer.9712QX3.3 1997年12月11日改訂