IfとWhy? で解明するハリウッド古典映画の楽しみ方

発行:ポット出版
川尻 勝則 著
希望小売価格:3,000円 + 税 (この商品は非再販商品です)
ISBN978-4-7808-0234-4 C0074
A5判 / 256ページ /並製
[2019年04月刊行]

ブックデザイン 山田信也
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内容紹介

試写では散々の評判だった『真昼の決闘』は、いかにして西部劇の名作となったのか? 『風と共に去りぬ』には、なぜヴィクター・フレミングの他に5人も監督がいたのか? 「ローマ人の休日」という意味のはずが、なぜ『ローマの休日』というタイトルになったのか? 『第三の男』のアメリカ版はなぜ英国版より10分も短いのか? 『市民ケーン』に登場する〝ローズ・バッド〟とは、何を意味するのか?……その他『サンセット大通り』『アラバマ物語』『モロッコ』『荒馬と女』『カサブランカ』のハリウッドの名画10作品を、とっておきのエピソードを交えて縦横無尽に語り尽くす、映画ファンのためのハリウッド読本。
【この本はプリントオンデマンド印刷で制作しています。】

目次

第一章 真昼の決闘
 大失敗のスニーク・プレビュー
 無声映画時代のレジェンド──『大列車強盗』
 テックス・リッターとフランキー・レインの主題歌が大ヒット
 映画における〝エディター〟の重要な役割
 クリント・イーストウッドのクーパーへのオマージュ
第二章 サンセット大通り
 サブタイトルの謎
 〝セーヌ川文化〟からヒントを得た巻頭シーン
 散々だったスニーク・プレビュー
 巻頭シーンを大改修するワイルダー
 モンティの突然の主役辞退
 スワンソンとデミルの共演に注目
 なぜスワンソンはアカデミー賞を逃したのか
第三章 風と共に去りぬ
 名前が消えた五人の監督
 スタンディング・オベーションの嵐を巻き起こしたスニーク・プレビュー
 『風と共に去りぬ』というタイトルが決まるまで
 映画化権をめぐるドラマ
 一四〇〇人の中からスカーレット役を射止めたヴィヴィアン・リー
 〝キング・オブ・ハリウッド〟の訴えで監督がキューカーからフレミングに
 『風と共に去りぬ』の主語は?
第四章 アラバマ物語
 『アラバマ物語』という邦題に異議あり!
 全世界四〇〇〇万部を超える超ベストセラー
 アメリカの良心を体現するグレゴリー・ペック
 リーとカポーティの微妙な関係
第五章 モロッコ
 最初の日本語字幕付きトーキー
 ディエートリッヒのハリウッド・デビュー
 クーパーとディエートリッヒの声でラジオ・ドラマ化
 光と影の魔術師、スタンバーグとディエートリッヒのコラボ
第六章 ローマの休日
 「ローマの休日」ではなく、「ローマ人の休日」
 ハリウッドに最も嫌われた男
 キャプラに代わってメガホンを取ったワイラーの妙案
 〝ランナウェイ・ピクチャーズ〟とチネチッタ・スタジオ
 〝ワイラー・タッチ〟の神髄を見せたラスト・シーン
第七章 荒馬と女
 〝ミスフィッツ〟な邦題
 ヘンリー・ミラーがモンローのために書き加えたヒロイン
 〝メソッド・スター〟としてのモンロー
 ゲーブル、モンロー、そしてモンティの死
第八章 第三の男
 英国版より一〇分短いアメリカ版
 「ハリー・ライムのテーマ」の誕生
 オーソン・ウェルズのギャラは一分間で一万ドル
第九章 市民ケーン
 アメリカ中を騒然とさせた波瀾の問題作
 若き天才児、オーソン・ウェルズ
 吹き荒れる、アンチ『市民ケーン』の嵐
 〝ローズバッド〟とは?
第一〇章 カサブランカ
 原作とワーナー映画の不思議な出会い
 ハリウッドの戦争協力
 ロケには行かずスタジオ内で撮影
 複数あったエンディング・シーン
 ミネラル・ウォーター〝ヴィシー〟の意味
 リックとルノーは何処へ向かったのか
 アカデミー賞授賞式でのハプニング

著者プロフィール

川尻 勝則(カワジリ カツノリ)

1937年、長崎県生まれ。
1962年、早稲田大学第1文学部演劇専修科を卒業し株式会社集英社の宣伝部等の営業、雑誌編集に勤務。勤務先の仕事柄米国出版界やアメリカマスコミ文化論を学び、また学生時代から趣味だったハリウッド映画とその産業の歴史を研究し今日に至る。著書に『ハリウッド物語―去年の雪、いま何処』(作品社、2007年)がある。