紹介
2000年8月27日、ゲイやレズビアンなどセクシャルマイノリティたち2000人以上が集い、渋谷・原宿の街を行進した。このイベント[パレード]について、様々な雑誌や新聞などに掲載された文章と当日の写真(カラー モノクロ)で構成した記録と実行委員ほかパレードに関わりの深かった方々の座談会、参加団体からのメッセージも加え、パレードの全貌に迫ったのが本書である。灼熱の太陽の下で輝いた数々の笑顔と熱い想いを見てほしい。
目次
始まりのための始まり——まえがきに代えて
パレードがあった。
――2000.8.27 その後の記録
東京レズビアン
前書きなど
始まりのための始まり
「ゲイやレズビアンなどのセクシュアル・マイノリティ(性的少数者)が常に身近にいることに気づいて欲しい」「2000年という新しい時代の始まりに、新しいイメージを発信したい」「コミュニティに新しい息吹を吹き込みたい」……そんな思いから、このパレードは生まれました。
もちろん、このパレードに問題がないとは言いません。当初抱いていた理想通りに進められなかった部分もあります。しかし、このパレードは「始まりのための始まり」なのです。このパレードをきっかけに、それぞれの人達が抱くそれぞれの理想の姿へ向けて新しい動きがあちこちで始まることを願います。
このパレードの発起人となり、準備を進める中で、僕は、一体いくつの「ありがとう」と「ごめんなさい」を口にしたことでしょう。本当にたくさんの人々にたくさん助けられ、また迷惑をおかけしつつ、ようやくここまでやって来ました。資金や労力を費やしてくださった方々、アイディアや励ましをくださった方々、僕の非礼や失敗を広い心を持って許容してくださった方々、そして、建設的な「批判」をくださった方々。そのようなすべての人々におかげで、このパレードは可能となりました。パレードの企画書を書いた時、僕は、「参加者にとってエンパワメント(力づけ)の機会になるように」と書きました。でも、今振り返ってみると、僕自身が、このパレードの準備の中でたくさんの人達から力をもらってきたこと、そして、それは、僕のためだけにいただいた力なのではなく、パレードに参加する人達に伝達していくために僕が預かっている力でもありるのだということに気づきます。だから、今このパンフを開いて下さった方々には、ぜひ、その僕が預かっている力を得に、パレードへ参加して欲しいと思います。パレードを見送ったり出迎えたりするだけの参加でも結構です。そんな中でも、きっと何かを感じとっていただけるのではないかと思います。
本来なら、パレードをご支援くださった方々のお名前をここに記してお礼を申し上げるべきところですが、あまりにも多くの方々に色々な形でお力を貸していただいたため、今回一人一人のお名前を挙げることはできませんでした。どうかお許し下さい。そして、改めてのお礼の言葉も、このガイドブックを通してではなく、パレード当日に直接お伝えしたいと思っています。どうか、その日まで、変わらぬご支援、ご協力をお願いします。
実行委員長 砂川秀樹
著者プロフィール
1966年沖縄県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程在学中。専門は文化人類学。特にセクシュアリティやジェンダーに関心を持ち、ゲイ・コミュニティの研究を行っている。
また、HIV/AIDSの活動にも10年以上かかわり、「ぷれいす東京」などでゲイ向けの啓発活動を中心に行う。共著に『窓をあければ』(ボーダーインク)がある。