紹介
東京荻窪、1997年にオープンした「Live Cafe Rooster 荻窪ルースター」。
オープンから29年(2026年現在)のルースター運営のさまざまな物語を語った一冊。
その風景は、カウンター越しの風景。そして、その物語から多くを学ぶ。
2006年9月に発行された『荻窪ルースター物語 ライブハウスのつくりかた』で、自身で構想するライブハウスの夢を語り、続刊にあたる本書では現実の運営をとうした「物語」を語る。
目次
はじめに
第1章 いつかライブハウスをやりたい
第2章 ライブハウスを始めたのはいいけれど
第3章 ライブハウスは出演者募集をしないのが普通?
第4章 出演者が集まった経緯
第5章 宣伝は独自の方法で
第6章 2号店は貸切専門ライブハウス?
第7章 コロナで変わったライブハウス観
第8章 移転統合でルースター本店コンセプトは継続できるのか?
第9章 歌謡曲でライブハウスの敷居を下げてみたい
第10章 ルースターにはこんな方々もやってきた
第11章 ルースターならではのライブの巻
第12章 超ベテランのステージングから見えてくるもの
第13章 幸せは目の前にあった
あとがき
前書きなど
2026年元日、カウントダウンライブを終え、朝方就寝。
むむっ!
午後になって起きたものの、身体がだるく、動けない!
何か悪いものでも食べたかなと思い出すも、これというものは無し。
思えば今年、2026年は64歳を数えます。ビートルズが歌っていた「僕が64歳になっても」では64歳は老人。
「ああ、このまま、動けなかったらどうしよう」
不安がよぎります。昨夜のカウントダウンライブで私はベースを担当していたのですが、ボーカルのあべ由紀子さんにステージで来年の抱負はと聞かれ、こう答えました。
「こうして皆さんと楽しくライブができていることがとても幸せで、この幸せが継続できることが願いです」
これは現在の本心。
若い頃は野望があって、いつも挑戦している状態でした。
ライブハウスをやっていることが「幸せ」というよりも、そんなことを感じている暇はなく、「あれしなきゃ、これしなきゃ」が連続の毎日。
ゆえに若い頃は来年の抱負と聞かれてもこのようなことは思いもしなかったわけです。
それが60歳を超えた頃にこうなりました。
「いつまでライブハウスを続けることができるだろうか」
年々、その想いは強くなり、老後が頭によぎる。
というより、もうすぐそこ。
あべ由紀子さんの問いに、あんな抱負を語ったばかりに、神様がいたずらして私を動けなくしてしまったのだろうか?
ともかくもう一度、布団に入ろう。
4時間後、起き上がるもまだ調子は悪い。
水を飲み、また布団へ。
さらに3時間、爆睡。
よし、なんとか動ける。
元日だというのにこれから店へ行って仕事を片付けねばならない。
毎年のことゆえ、慣れてはいるけれど、今日はちょっと一苦労だぞ。
老体に鞭打ってとはこのことか?
先月、ポット出版の沢辺社長にこの本を「1月には取り掛かりますね」と伝えたことを急に思い出し、具合が良くないなか急いで店へ行くよりもまずは落ち着くべきか。
そう思い、店へ出かける前にここまでを記しています。
実は先月までは何を書くべきかと思い悩んでいました。
高齢になると自分史を出版される方がおられますよね。
自分が生きてきた証を何かに記しておきたい気持ちなのでしょう。
今日のように身体が動かないなんてことを体験すると、今はまさにそんな気分。
ただし、私の自伝など誰が関心を示すだろう。
読んでも親戚くらいかな。
でも、ちょっと待てよ。
沢辺社長は「佐藤さんの生き方を書いて欲しいんだ。売れなくてもいいから
(笑)」と言っていたではないか!
そうか、売れなくてもいいのか(笑)。
でも、ありがたくこの本を手に取ってくださった方にはせめて読んでみて面白かったと思っていただける内容を書かなくては。
幸い、これまでの人生の半分近くは、当店、荻窪ルースターで生きてきました。
ここで得た体験ややり方、そして考え方を記せばちょっと面白い内容になるかも。
何しろ荻窪でライブハウスを開店した時は本当に誰も知らない店でした。
ところが、みなさまご存知のミュージシャンが多数出演し、今では全国的な知名度に。
それには秘訣があったし、他のライブハウスと考え方ややり方は大きく違っていました。
こんなライブハウスにしたいという思う気持ちは人一倍。
それに開店以来、面白い裏話には事欠きません。
しかもそれらはその夜、現場にいた方しか知らなかったことだったりするわけです。
誰にも伝えてこなかったあんな話、こんな話は山のよう。
書かなければおそらく墓場まで持っていく裏話がわんさかです。
これらを書いていきますね。
実は当店がどんなライブハウスだったのかは2006年に出た『荻窪ルースター物語』(ポット出版)に詳しく記しております。
けれども、『荻窪ルースター物語』を読んだ上で、今読んでくださっているこの本を「待ってました!」と手に取ったという方は果たして何人おられるのでしょう?
いないかもです(笑)。
もしおられたら私はその方にこう言いたい。
「マジかよミステリーツアー!」
いや、違いました。
「マジですか、本当にありがとうございます。感謝いたします」と伝え、深々と頭を下げたいです。
(★土下座)
というわけで、まずは『荻窪ルースター物語』とちょっと似た部分も出てきますが、読んでない方が大多数という前提で導入部分は始めますね。
でも前述のように『荻窪ルースター物語』が出たのは2006年。
もう20年も経ってます。
なので大半は違う内容の本になってますのでご安心くださいませ。
まずは当店がどういう経緯でできたのかから紹介していきたいと思います。
著者プロフィール
1962年:新潟県生まれ東京育ち。
1997年:荻窪に「ルースター」開店。
2005年:荻窪に2号店「ルースター・ノースサイド」開店。
2020年:「ルースター」、2号店に移転統合。
「ぶちかま志郎」でベーシストとして、
「サギー司郎」でマジックもする。
著書に
『荻窪ルースター物語』
『ライブハウスオーナーが教える絶対盛り上がるライブステージング術』(いずれもポット出版)がある。