ネット書店で購入
紹介
影が真っ黒だということで気味悪がられ仲間はずれにされているカラスのトビオ。その様子を見つめている桜の老木、さくらばあちゃん。ある日、トビオに話しかける。「あなたには誰よりも強い光が当たっているのよ」毎日さくらばあちゃんから励まされ逞しくなっていったトビオは、生まれ育った街を離れ別の場所で幸せに暮らす。数年後、ばあちゃんに会いたくなり故郷の街に戻ってみると、街は大津波に流され、ばあちゃんの姿も消えていた。嘆き悲しむトビオの耳にさくらばあちゃんからのメッセージが聞こえてくる…。
前書きなど
「そこにいていいよ」
「いまのままのあなたでいいよ」
こんな言葉をかけてもらったり、かけたくなったことはありませんか。
ギャーギャーと鳴きながら跳び回り、我が家のトマトが赤くなる寸前に急転直下食い散らかす、憎きカラス。そこに、黒さゆえにいじめられ、生きづらさを感じているカラスがいるとなると、他人事ではなくなります。そんな迷えるカラスを、大きな愛で包み込むさくらばあちゃんのお話が絵本になりました。
「さくらばあちゃんのいる街」は、2011年3月11日に発生した東日本大震災への慰霊と鎮魂をこめて創作された一人芝居です。
著者の高山広さんは震災後、芝居を通じて被災者の皆さんを励まそうと「劇励」を始め、南三陸SAP(スマイル・アゲイン・プロジェクト)というボランティア団体にも積極的に参加してきました。この絵本は、2013年3月、南三陸SAP第2回総会で初演された同名のお芝居がもとになっています。その後、毎年各地で大切に上演を重ね、さくらばあちゃんからのメッセージを伝え続けています。
お芝居をご覧になった方々から、私たちSAP事務局にもたくさんの感想が届けられました。
「胸の奥にジーンと感じるこの気持ち。これからも大切にして生きていきたいと思います。『命はキセキ』この言葉も私の宝物にさせてください」
「五歳の娘は、高山さんのお芝居がとても気に入っていました。一人で長いセリフを間違えないでよく言えたね。がんばったね! 五歳でも感動して涙でした」
かねてより、各方面から「絵本にしてほしい」という多くの声を頂いてきましたが、十年の
時を経てこのたび待望の出版にこぎつけたとのこと。
絵本という形で、老若男女を問わずさらに多くの皆さまの心に「さくらばあちゃんの」優しいメッセージが届けられますことを願ってやみません。
一羽のカラスが、さくらばあちゃんとの交流から得た「愛」をもとに、東日本大震災という惨禍を乗り越え、未来に向かって飛翔していく姿に、読者の皆さんもきっと
「ここにいていいんだ」という勇気を得られることでしょう。
南三陸スマイルアゲインプロジェクト 事務局長 鈴木悟
著者プロフィール
1963年宮城県生まれ。
1992年から始めた自作自演の数本立て短編集『高山広のおキモチ大図鑑』がヒット。
2011年3月の震災を機に復興支援お手伝い公演『劇励』を立ち上げる。作品数は約600。
様々な人間や動物、昆虫といった生物はもとより地球上に存在するあらゆる物に魂(ソウル)を憑依させ独特のワールドを構築。
「一人芝居の概念を変えた」と評され、劇場、学校、飲食店、オフィス…場所を選ばず各地各所にて老若男女を笑いと感動で魅了し続けている。
また、新境地となる「実在する人物、アーティスト・シリーズ」ではこれまでに、一ノ瀬泰三(写真家)、ルーサー・ヴァンドロス、アレサ・フランクリンを披露、2019年から全国で再演を重ねるマイケル・ジャクソン物語は各方面で大きな反響を呼んでいる。