投稿者「高橋 大輔」のアーカイブ

沼正三◎『懺悔録』と『家畜人ヤプー』後追い制作日誌・2

『懺悔録』ができるまでの工程を、少しずつ日記にアップしていきます。

「もう、疲れた。今月で連載を終わりにさせてほしい。渡邊編集長に伝えていただけませんか」
と沼さんは言い、電話を切りました。

沼さんとお話をしたのは、これが最初で最後になりました。
以前は、雑誌の忘年会に出席し、「化粧品を作るために動物が犠牲になっているのを知っていますか? 女性の美のために命を失うなんて……僕にとっては本望です!!」とか、年末にどっぷり疲れる素敵な話をしていたそうです。

沼さんは、エッセイ「ある異常者の体当たり随想録」を1988年2月号から連載していました。
連載は、雑誌がDVD付きにリニューアルする2007年11月号まで続きました。

編集長に電話のことを伝えると、「沼さんは、屈強なマゾヒストだから、大丈夫だろう」とのことでした。
翌月も、何もなかったように原稿が届きました。
さすが、『家畜人ヤプー』の作者です。屈強なマゾヒストです。

沼正三◎『懺悔録』と『家畜人ヤプー』後追い制作日誌

5月21日に発行された、『懺悔録』ができるまでの工程を、少しずつ日記にアップしていきます。

何度も書きましたが、以前SM雑誌の編集部に在籍していました。2004年から2008年までのことです。
その雑誌で『ある異常者の体当たり随想録』という、エッセイを連載していたのが、あの『家畜人ヤプー』の著者、沼正三(連載時は天野哲夫名義)です。
毎月毎月、素っ気ない封筒に入れられた、原稿用紙が編集長宛てに送られてきました。
毎月毎月、自身の赤裸々なマゾヒズム体験が綴られていました。

手書きの原稿に、赤鉛筆で校正記号を記し、印刷所に入稿します。ゲラが上がってきたら、イラストレーターさんにFAXし、レイアウトの調整をして再入稿。
毎月、機械的に行なう作業でした。

ある日、午前中に編集部に一人でいると、沼さんから編集長宛てに電話がかかってきました。
編集長はだいたい2時頃にならないと出社しません。
「もう、連載を辞めさせてほしい」
突然伝えられました。多分、2005年くらいのことです。

松沢呉一『エロスの原風景』完成しました!!

稀代のエロ本蒐集家、松沢呉一による『エロスの原風景』がついに完成しました。
ものすごくざっくり言うと、江戸時代に発行された風俗誌の原型『吉原細見』〜戦後のカストリ誌〜昭和50年代後半の自販機本まで、「日本のエロ出版史」を概観する資料性の高い一冊です。

昨年末から足かけ7ヶ月、やーっと完成にこぎつけました。

松沢さんに罵倒されたり、函のことで大失敗ぶっこいたりしましたが、ともかく完成、です。
お待たせした皆様、すみませんでした。月末には書店に並ぶ予定です。ポット出版に直接ご注文いただければ、すぐに発送いたします。
アマゾンでの販売は、こちら

写真は函に入った状態のものです。向きが合っているのを確認し、心底ほっとしました。

※7月12日の15時50分から、TIBFの版元ドットコムブースでは、松沢呉一によるトークショー「戦前、戦後のエロ本」を開催します。こちらも、是非!!

沼正三◎『家畜人ヤプー』と『懺悔録』

ポット出版から、『懺悔録』が絶賛発売中です。

作者の沼正三は、あの戦後最大の奇書『家畜人ヤプー』を書いたことで知られる、骨太のマゾヒストです。
せっかくなので、ここでちょっと『家畜人ヤプー』の紹介をしておきます。
1950年代、『奇譚クラブ』(きたんくらぶ)というSM雑誌がありました。
今のエロ本のように、乳首が頻出するものではなく、メインは小説をはじめとする読み物です。それに挿絵が付いて、グラビア写真はほんのちょっと掲載されている程度、かと思います。実物を見たわけではないので曖昧ですが。
現在は、飲みの席で「自分、M」だのサドマゾ談義がお盛んですが、その当時のサドマゾは人前で言うのは憚られる性癖だったのです。
で、そんな隠れマニアの人たちがこぞって買っていたのが『奇譚クラブ』です。
この雑誌には、さまざまな読者から自身の妄想、告白が投稿されてきました。
今でいう、SNSみたいな役割も果たしていたのではないでしょうか。

そこで『家畜人ヤプー』を連載したのが沼正三です。
正体一切不明の作者が書く、不謹慎極まりないマゾヒズム小説。
そこでは、日本男児は白人女性の完全なる家畜として描かれ、一部マニアの圧倒的な支持を得ました。

その小説を絶賛したのが、三島由紀夫です。
熱心に単行本化を薦めるのですが、内容が内容ゆえ、どの出版社もその小説を刊行しようとしません。
やっと、本が刊行されたのは、1970年のことです。(刊行は都市出版社。ちなみにその後、右翼の襲撃を受けている)
『懺悔録』に収録されているインタビューでは、その頃の経緯が語られています。

沼正三は、昨年の11月30日に亡くなりました。
『懺悔録』はその死の直前まで書かれていた、沼正三の、遺言です。
女の足を舐めたいとか、犬のように扱われたいとか、お尻に押し潰されたい、とか。
徹底的にマゾヒズムを実践し続けた男が、沼正三です。

江戸川乱歩、夢野久作、澁澤龍彦などが好きな方には是非読んでいただきたい。

『家畜人ヤプー』はこちら(アマゾンです)。
『懺悔録』はこちら、アマゾンではこちらで販売しております。

肉が、好きなんだ

でかいステーキ肉を買ってきて、ニンニクと塩こしょうでレアレアに焼いて、
ワインでがばがば流し込むのが、好きです。
高校生のとき、賄い肉目当てでステーキ屋でバイトしていました。
今でも、そこでバイトしたいです。

先日、肉好きの福田さん(SM関係)に誘われ、肉好きの聖地「肉の大山」へ行ってきました。
(写真手前より時計回りに)ステーキ、トンカツ、牛タン網焼き、牛タタキ、、ハンバーグ、(スペアリブ)と、ビールに赤ワイン2本。
閉店間際だったため、40分でたいらげてやりました。しめて9000円。安。
大人になってよかったなあ、と思うのはこんな瞬間です。
連休はヤフオクで生レバーを買って、レバ刺しを思う存分食いたい。

「肉と酒」というタイトルで専門誌、もしくはサイトができねえかな、と妄想中です。

3ヶ月は1年の4分の1

早いもので、入社して3ヶ月が経ちました。
なんとなく、なんとなくですが、自分の抱えている問題が見えてきたような気がします。
文章の校正も。デザインの打ち合わせも。とにかく、今までの自分のやり方(思考の癖?)、というのがあったのですが、あれです。毎日それが破壊されていきます。こっぱみじんに。
僕はマゾヒストなのでそれが快感だったりもしますが、毎日色々なことを考えさせられます。
自分で変なしばりをいれない。原点に戻って考える。事実だけを見る。
これが固定観念に凝り固まった頭には難しいのです。

明日は休みだ

前回の僕の日記を読んだ先輩(SM関係)から昨夜電話をもらいました。
「浅草橋のやきとん、いいの?」
「最高です」
「じゃあ、行こう。行くとき電話してよ」
「ああ、僕家近いんでいつでも大丈夫ですけど、明日とかどうですか?」
「わかった」
ハードボイルドなまでの会話の早さで、今夜、痛飲決定です。

明日は休みだし、糸の切れた凧みたいになるまで飲もう。
そして、隅田川に飛び込もう。
それでは、お疲れ様です!!

酒飲みたい

自宅最寄り駅の一駅手前、浅草橋駅西口の立ち飲み屋は最高だ。
安い。それに尽きる。焼き物は一串100円、その他のつまみは50円〜、酎ハイは280円。
ここの酎ハイは濃い。氷はなし、で一気に呷ると胃が熱くなる。
酎ハイ、煮込みとレバ刺しで530円。1時間で4杯くらい飲み、たった1500円でフラフラになって自宅まで歩いて帰る。

作業服を着たナイスミドルたちに囲まれて飲む酒は楽しい。冬だからか、このお店では保温ポットに入った6合入りの熱燗(多分1500円)がバンバン売れる。で、みんなそれをここはビアガーデンかと見紛うピッチでがんがん飲む。すごすぎる。はやくこんな漢(おとこ)になりたい。

コートからマフラーまで全身がもつ焼き臭くなるのが難点といえば難点だが、今日も多分、行く。

大変なことです

以前お世話になっていた会社が、来月末、大幅な人員整理をする予定、という話を聞きました。

現在16〜17人くらいの編集部員が、8人くらい減るそうなので、規模は約半分になるようです。
どうなるんだろ。グループ会社に移動するのか、退職となるかで大きく話は変わると思うのですが。
前々からずーっと言われていたことなんだけど、本当に今、アダルト誌業界は厳しいみたいです。
何度も何度も言われていることでも、実際自分の身の周りで起こってみると重みが違う。

最近、コンビニでよく見るアダルト誌は、お宝雑誌やDVDメーカーのサンプル集が多い。
つまり撮りおろしをしなくて作れる、撮影という一番銭のかかる(モデル代、カメラマン代、スタジオ料など)コンテンツがない雑誌が多い。
ライターの安田理央が「エロの敵」という本で「今後は撮影の出来ない編集者が増えていく一方だろう」と書いていましたが、本当にその通りになってきた。
とにかく、コストを切り詰めて雑誌作りをしなくてはならない、という辛い状況です。

でも、いつからだろう。僕が入社した2002年ごろにはこんな状況考えられなかったはず。
アルバイトの身でも残業手当、休日手当でけっこう稼げたし、ボーナスも少しは貰えてた。
あと、一日1000円の食事手当。これはすごいありがたかった。とりあえず、食べることの心配は一切ない。会社の近所に銭湯もあったし、倉庫には蒲団が常時敷かれていた。天気がいい日はビルの窓に干したりした。で、半年いたらまず間違いなく正社員になれた。
撮影後の打ち上げも一軒目までは会社が負担してくれたし、打ち合わせも同様。どうしても雑誌の編集者になりたい、と卒業後も無職で就職活動を続けていた友人にこの業界に入ることを進めたら「エロは嫌だ」とか言っていて本当に馬鹿なんじゃないか、と思った。とにかく、悪い世界ではなかったのです。
6年でこうも変わってしまうことに寂しさを覚えます。「エロは不況に強い」なんて定説ももう、終わりです。オジサンは悲しい。

印刷のお勉強

印刷と用紙について、シナノ印刷の方にお話を伺いました。
一番勉強になったのが「紙の取り都合」に関することです。

もちろん、どんなものにも規格、というものは存在するわけで、用紙のサイズも然り。たとえば四六全判(788mm×1096mm)という用紙を使用するのであれば、あるサイズの本なら無駄なくきっちり印刷出来るけれども、別のサイズの本だと、上手くサイズが合わず余分な部分(印刷されない、無駄な部分)が大量に出来てしまい、大変効率が悪い、という事態が起こってしまう、ということもあるわけです。

電卓を叩いて、如何に無駄を無くすか考えることも編集者のお仕事、というわけです。
これ上手いこと無駄なく決まったらすげえ気持ちいいだろうな。
早速amazonで「印刷発注のための紙の資料」、買ってみました。これを読んで勉強してみます。そして今日書いた2段落目の部分を書き直します。わかりにくい文章を書く、ということは自分の中で全然咀嚼出来ていない、ということだと思うので。要反省、ですね。

わお、今日で1ヶ月です。