投稿者「及川 健二」のアーカイブ

及川 健二 について

ジャーナリスト/研究者。 それまで一分もフランス語を学んだことがなかったのに、 フランス留学を決断。2002年UCLAエクステンションセンター・ 夏期英会話講座・修了、グランゼコールの一つ、2004年 リール政治学院・夏期特別セミナー修了(European Summer University Program at Institut d’Etudes Politiques de Lille)。 フランス国立パリ第九大学・Dauphine修士課程に2004-05年に在学。 多国籍企業の経営戦略が研究テーマ。大学では”英語”で講義を 受け、語学学校でフランス語を勉強するというチョット変わった留学生活をおくる。2004年7月3日から2006年3月25日までフランスに滞在。リール、トゥール、パリにて生活する。数々の政治家にインタビューする。 共著『オカマは差別か』(ポット出版)、2002年1月。 編集・共著『常識を超えて』(ポット出版)、2002年6月。 単著『ゲイ@パリ 現代フランス同性愛事情』(長崎出版)、2006年10月。 単著『沸騰するフランス 暴動・極右・学生デモ・ジダンの頭突き』(花伝社)、2006年10月。 単著『フランスは最高!』(花伝社)、2007年6月。

書評:東條隆進「経済社会学の形成」

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インターネット新聞・JANJAN』に【 書評:東條隆進「経済社会学の形成」】という記事を書きましたので転載します。

【本文】

 本書に、次のような指摘がある。

 【「万人祭司」は「万人商人」説、神の「選び」「予定は」、神のinvisible handの「予定」「調和」説にすりかわる。このすりかえによって「近代市民社会」が自らのアイデンティティを主張することができるようになった。スミスの『諸国民の富』はこの市民階級、商業社会のアイデンティティ論であった】(119頁)

 このすりかえは、現在もなお、主流となっている経済学の中で、おこなわれている。本書によれば、【ソクラテスは古代ギリシャのアゴラで青年達と自由に「議論」していたとき、キルケゴールが最も尊敬するほどに実存的であった。彼らは前提された枠組みの内部で「データ」のやり取りをしていたのではなく、まさしく枠組みそのものを実存的に問うた】(182頁)というから、現在の主流経済学の有り様を見る限り、学問における議論が【今日、ソクラテスの水準から限りなく退行している】という著者の手厳しい指摘は現状を痛烈に射抜いているように思う。この著書は大学生のテキストとして記されたものだそうだが、主流経済学者への警告の書であるように私は思える。ソクラテス的な議論、即ち、経済学の枠組み自体を、果敢に問うているからだ。 続きを読む

2002年大統領選挙でルペン・ショック

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写真脚注:国民戦線集会でガッツ・ポーズをとるルペン党首(撮影:及川健二)

オーマイニュース』に次のような記事を執筆しましたので、転載いたします。

主題:2002年大統領選挙でルペン・ショック
副題:欧州極右のカリスマ「仏国民戦線」の没落(2) 続きを読む

「欧州緑の党」代表に独占インタビュー(上)

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写真脚注:「絶対自由主義が変わらぬ信念です」と語るダニエル=コーン=ベンディット欧州議会議員。(撮影:及川健二)
オーマイニュース』に次のような記事を執筆しましたので、転載いたします。
主題:「欧州緑の党」代表に独占インタビュー(上)
副題:パリ五月革命の指導者が語る 続きを読む

◇読者レビュー◇ 『プリーモ・レーヴィへの旅』 徐京植 著

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オーマイニュース』に次のような記事を執筆しましたので、転載いたします。
主題:◇読者レビュー◇ 『プリーモ・レーヴィへの旅』 徐京植 著
副題:在日の作家・徐京植がアウシュヴィッツから生還したユダヤ人の苦悩を追う
【本文】
 毎年8月になると、生死について考える機会が多くなる。それは、日本がかつて闘った太平洋戦争について回顧する特集番組がテレビでは多く流れ、書店には戦争肯定派から戦争の悲惨さを語り継ぐものまで多種多様な戦争物の本が並び、日本全国で護憲派から改憲派まで、天皇主義者から反天皇主義者までが、戦争にまつわる集会を開催する。戦争焼け跡世代から平成生まれまでが参加し、ときには発言する。
 NHKが、原爆被爆者たちに関するドキュメンタリー番組を2003年8月に放映した。画面の中に出てきたヒロシマ被曝者の女性が発した一言、それは広島原爆ドームに訪れた子ども達を案内し、彼ら彼女らに向けて放った言葉なのだが、その至言がわたしの心を強く捉えた。 続きを読む

仏極右が財政難から長年保有してきた党本部を売却へ

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写真脚注:フランス極右政党「国民戦線」のジャンマリー=ルペン党首&欧州議会議員(撮影:及川健二)
オーマイニュース』に次のような記事を執筆しましたので、転載いたします。
主題:財政難から長年保有してきた党本部を売却へ
副題:欧州極右のカリスマ「仏国民戦線」の没落(1) 続きを読む

パリ五月革命から40年、赤毛のダニーはどこへ

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オーマイニュース』に次のような記事を執筆しましたので、転載いたします。
主題:パリ五月革命から40年、赤毛のダニーはどこへ
副題:今も闘う指導者、エコロジストの大御所に
【本文】
 来年2008年は、パリ五月革命から40年になる。その時のリーダー「赤毛のダニー」は、今、どうしているのか? 
学生寮の男女分離の撤廃を要求
 1967年3月、パリ西部は移民のスラム街と、急ごしらえセメント団地に挟まれたナンテール大学で、社会学部の学生たちが大学改革案へ反対すると同時に、男子学生の女子寮への入室禁止規則の廃止を要求して女子寮を占拠した。
 学生たちは「拘束のない生活を」「禁じることを禁じる、自由を侵すことを禁じて初めて自由が始まる」と、落書きした。
 その中には「赤毛のダニー」の愛称で親しまれたダニエル=コーン=ベンディット氏がいた。ダニーはフランスで、ドイツ人の家庭に生まれ育った生粋のドイツ人で、ナンテール大学の学生だった。 続きを読む

フランス語の古典的教科書

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写真は私が通う語学学校のクラスで遣っているフランス語の教科書の表紙だ。
モージェ=ブルーという愛称で呼ばれている同書の著者はギャストン=モージェ博士で
初版は1967年1月1日。
なんと40年前に出版された教科書が今でも遣われているのだ。
全面カラーの教科書が現在では圧倒的に多いのに、この教科書は全面モノクロ。
内容も固い。古き伝統にこだわる頑固一徹な老舗のような教科書だ。
テキストの内容が現代フランスから離れていることもある。
それでも、この教科書が読み継がれ、遣われ続けてきたのは、歴史に絶えうる名著だからだ。
仏語を学びたい人にはオススメの書である。