投稿者「伏見 憲明」のアーカイブ

伏見 憲明 について

作家。 1963年生まれ。 著書に『魔女の息子』(第40回文藝賞受賞/河出書房新社)、『さびしさの授業』(理論社)、『ゲイという[経験]増補版』(ポット出版)ほか多数。 編集長として『クィア・ジャパン vol.1〜5』(勁草書房)、『クィア・ジャパン・リターンズ』(ポット出版)を刊行。 詳細なプロフィールへ→

いただいたご本『いじめの直し方』

● 内藤朝雄・荻上チキ『いじめの直し方』(朝日新聞出版)

本書のなかで「女の子って裏攻撃が大得意!?ーーいじめと『男らしさ/女らしさ』」というコラムを担当している小笠原通子さんにご献本いただいた。ありがとうございます。

いじめを「個人の問題」にするのではなく、いじめが起こる仕組みそのものを捉えて、それに対処する、というコンセプトには、大いに共感。内容もわかりやすく、納得ができた。

ジェンダーによっていじめのありようも違うというのはその通りで、もっとその辺りを深くつっこんだ分析も読みたいと思った。当事者にも学校関係者にも家族にもお勧め!

「仲間ハズレにする「排除系」か奴隷にする「飼育系」か、殴る蹴るの「暴力系」かシカト・悪口の「コミュニケーション操作系」か・・・。複雑化するいじめを徹底分析!「がんばれ!」といった精神論や「かわいそう」といった感傷論を一切排し、「いじめが起こる仕組みを理解し、それに対処する」ためのヤングアダルト向け実用書。いじめ研究の第一人者、内藤朝雄氏が気鋭の若手評論家、荻上チキ氏とコラボした画期的な一冊!」

『団地の女学生』発売直前祭り!!

hennkann_1.jpg3/31(水)のエフメゾは、『団地の女学生』発売直前祭り!!ということで、ボトルを入れてくださったお客様に伏見の著書をプレゼントします! 『団地の女学生』の見本が3冊、『ゲイという「経験」』1冊、『性という「饗宴」』『クィア・ジャパン・リターンズ』各号1冊ずつ、『魔女の息子』1冊、『オカマは差別か』1冊……を先着順に(ボトルを入れてくださった順にお好きな本から)差し上げます。いちばんお安い鏡月と、『ゲイという「経験」』の定価の価格差はなんと千円! →つまり千円でボトル入れられるよー!

* エフメゾの営業はカフェタイム(17:00−19:00)、バータイム(19:00−04:00)です。
** 営業日は水曜だけです。他の曜日は福島光生さんが経営しているゲイバー、メゾフォルテになっております。
*** 女性客やノンケ客もOKですが、「ブス!」とか「便所女!」とか「粗チン!」とかオカマにからかわれてもそれを面白がれる方のみにご入店いただいております。

**** 学生のバイトを募集しております。ご興味のある方は「@yahoo.co.jp」の前に「gaybarfushimi」をつけたアドレスに自己紹介、履歴などを記してお送りください。

● 『団地の女学生』(集英社)が書店に並ぶのは4/5です!!

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伏見憲明 新刊『団地の女学生』(集英社)

hennkann_1.jpg● 伏見憲明・第二小説『団地の女学生』(集英社/4月5日刊行予定) 以下、版元からのパブ

第40回文藝賞受賞後第一作となる短編『団地の女学生』と中篇『爪を噛む女』の二篇を収録。埼玉県下のマンモス団地を舞台に、独居老人、中年のゲイ男性、アラフォー独身女性の訪問ヘルパー、落ち目の歌手ら、昭和の遺物から脱出できずにくすぶっている人々の日常を描く。現代の格差社会への絶望と希望を裏に秘め、毒舌と笑いに包んだ「新ジャンルコメディ」というような不思議な読み心地。90年代のゲイムーブメントを牽引してきた著者の筆致は、弱者に寄り添いつつも本音満載、毒てんこもり。微苦笑の新!純文学・シニカルコメディ。

・「爪を噛む女」
老人ばかりが残されたマンモス団地で働く独身の訪問ヘルパー・美也のもとに、久しぶりに歌手となった幼馴染・都から連絡が。落ち目とはいえ彼女は「団地の星」。100万枚のヒットを飛ばした「白川Miiya」の名で活動するミュージシャンだった。嫉みと羨望に激しくもだえながらもスターからの連絡に尻尾をふってしまう自分を嫌悪する美也。中学時代、ユニットを組んで喝采を浴びた、アノ頃はわたしのほうが才能があったのに……。「彼女の凋落を見届けるのが私の役目」とさらに憎しみをたぎらせるが……。

・「団地の女学生」
齢八十四。足腰が立たなくなる前に……と、故郷への墓参りにいくことにした瑛子。同じ棟に住む独身のゲイ中年・ミノちゃんをお供に高崎を目指す。道中、今夜のお相手を携帯で探すミノちゃんと噛み合わない会話をしながら、瑛子は戦争前の淡い初恋の相手をたずねる決心をするのだが……。

*ご予約は→アマゾン

映画評『フィリップ、きみを愛してる!』

middle_1261660968_1.jpg● 初出「キネマ旬報」2010.3月下旬号
「本当を求めて嘘を積み重ねる生のアイロニー」

主人公のスティーブン・ラッセルが求めてやまないものは、文字通りの愛なのか。

彼は幼少時代、実母に捨てられ、引き取られた先の家族からも疎まれて家を追われた。映画ではあまり描かれてはいないが、たぶん、養父母の家では彼の異様に高い知能が持て余されたのだろう。さらに、成人して実母に会いに行くも、残酷なまでに拒絶され、彼は過去のどこにも人生の根を見出すことができなかった。

成長の過程で、自分を承認してくれる人間関係、ありていに言うと愛が注がれる環境がないと、人は自分という存在の根拠を実感できないのかもしれない。だからこそ、それを補償するためにスティーブンは妻子と「普通」の家庭を営み、警察官としてまっとうな人生を歩もうとしていた。それはまるで絵に描いたようなアメリカン・ファミリー、模範的な男性像。しかし「普通」を体現すれば体現するほどに、彼のなかで「本当」は希薄になっていったのだろう。そしてそんな彼に転機が訪れた。交通事故に遭い生死の境を彷徨うことで、やっぱりこう思ったのだ。「自分の人生に嘘はつかない! 好きなことだけをやってやる! 本当の自分として生きるんだ!」 続きを読む

3/17(水)のエフメゾ

カフェタイム(チャージなしの営業17:00−19:00)から店を開けてます。バータイムは04:00までですが、深夜はお客様がいなくなり次第、看板を消してしまいます。

先週はカフェタイムに高校生のレズビアンが母親同伴に来店するなどという珍事もあり、SMの女王からショッピングの女王からバイセクシュアルの童貞男子からフィストファッカーの兄貴から……FTMの元女子まで、よくぞまあこれだけ変態が集まった!というにぎわいでしたが、はてさて、今週はどんな展開になることか。エヴァ部の部員は先週末、映画『アバター』→『東のエデン』→旅館で合宿というイベントがあったので、ちょっと疲れているかな。4月には中村うさぎ部長が発足した読書部の第一回の読書会もあるので、参加希望の方はとりあえず、お店でお友だちをつくってね。

いただいたご本『日本の神様』

● 畑中章宏『日本の神様』(理論社/よりみちパン!セ) 1500円+税

この本とは不思議な縁があるようだ。

昨年12月、理論社から献本をいただいたのだが、忙しさにかまけて封すら開けずに机の上に置いていた。それでふらりと年末関西へ旅行に出掛け、神社仏閣をめぐっているうちに、日本の神様についての興味がふつふつとわいてきた。帰ってきて、そうだ、日本の神々を記した本でも買いに行こうと思い立ったとき、なんのきなしに封に入ったままのこの本を取り出してみると、そこに書かれていたタイトルが『日本の神様』。これには信心深さとは遠い伏見もビックリ! 以来、このシンクロニシティについて思いを馳せる。

「日本人の心の底に古くから宿り、人生の節目節目で願いをかけてきた、たくさんのまだ見ぬ神様たち。ある父娘を水先案内人に、ゆたかできびしい自然のなかから生まれた、素朴でつつましい、愛すべき姿に、いまここで、出会えます。中学生以上。」(版元データ)

いただいた雑誌「TOMARI-GI」

tomarigitomarigi.jpgHIVの啓発のために制作され、ゲイバーなどに配布されている季刊誌。発行しているのは、厚生労働科研「エイズ予防のための戦略研究MSM首都圏グループ」。エフメゾにもいつも、編集を担当している永易至文氏が持ってきてくれる。

HIVの問題はゲイバーでは表面上はトピックにはならないが、実際は水面下でお客さんとスタッフの間でいろんな情報が交わされている。なかなか自分のことを語れない感染者が、ふと思いを吐露してしまうのがゲイバーであることは珍しくない。ゲイバーはそうしたメンタルケアの場としても機能しているし、またHIVの情報やメッセージを伝える広報の役割りも担っている。そうした活動の「前線」にいるゲイバー・スタッフに向けた媒体がこの「TOMARI-GI」である。感染者の切実な手記、検査所などの情報、啓発に関わっている人たちのインタビュー等々が掲載されている。

費用対効果を考えれば、こうした冊子は「事業仕分け」の対象にならざるをえないかもしれないが、こうした啓発活動にはキメ玉はなく、「やらないよりはやったほうがまし」という行為を積み重ねていくしかない。本誌もその一端を担っていると言える。日本ではHIVの感染率数は増加しているとはいえ、こうした地道な活動によって、欧米に比べて感染者数自体はかなり少なくなっているのだと思う。啓発活動に関わってきた人たちの実績を低く見積もる必要はけっしてない。

が、感染者は日々増えている。年々増加している。先日もエフメゾで、ゲイでもありHIVの医療者でもある人が、その状況にとても危機感を抱いているとこぼしていた。そしてゲイであることと、医療者であることの狭間にいることの難しさを嘆いていた……。日本ではたぶん、HIVの問題もゲイ差別の問題も、これからが正念場になるのかもしれない。

いただいた雑誌「キネマ旬報」3月号

100302main.jpg自分は「年齢同一性障害」だなあと思うときがある。最近、三十代半ばくらいの人に「伏見さんの本を高校生のときに読みました」などと言われることがけっこうあり、なにかきょとんとしてしまうのだ。四十六歳のいま、三十代なら年齢差はほとんどないでしょ、くらいの気持ちでいるので、「なんで二十年も前に出したはずの本を君が高校生で読んでるの?」と思う(←相当身の程知らず)。いつのまにそんなに時間が経過してしまったんでしょうね。

そのようにけっこう長い間物書きをしているわけだが、考えてみたら、映画雑誌「キネマ旬報」に寄稿したことがなかった。今回初めて映画「フィリップ、きみを愛してる!」の評論を書いたのだけど、「キネ旬」というと亡くなったゲイバー「クロノス」のマスターを思い出す。そうか、映画マニアだったクロちゃんも、「アバター」や「ハート・ロッカー」は知らないんだなあ……。

「フィリップ」はけっこうお勧めの映画です。ユアン・マクレガーの演技がとてもいい味を出しています!

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縦と横のつながり

mfmap.gif横のつながり、同世代のつながりを得ることは、学校でも職場でも比較的容易にできるが、異なる世代同士で平場の関係、心地よい縦のつながりを得る機会はあまりない。まず、出会いの場がないことや、共通の関心を見つけることが難しいという問題。かつての二丁目では異世代間コミュニケーションはけっこうありえたが、昨今ではゲイの業界も生息域が傾向と対策別に分かれて、似たような人たちが似たような場で集まる傾向が強くなっているように思える。あるいは、多様化が進み、ゲイという共通項だけでは「仲間」だとは思えなくなって、集うモチベーション自体も希薄になってきているかもしれない。

そんななか先日、母校出身のゲイやレズビアンなどで集う会を立ち上げる、という話しを聞きつけ、面白そうなので参加してみた。50代から20代の現役学生までの、大学を同じにしているということと、性的少数者であることを共通項にした集まり。主催者がネットなどでは宣伝せず、口コミだけで情報が流れたにしては、けっこうな人数が集まり、会場はとても盛況で、みんな会話もはずんでいた。一次会だけでは時間が足りず二次会に流れた人たちもかなりいた。たまたま隣り合わせて座った者同士が同じ業種だったり、現役の学生と何十年も前に卒業した先輩が言葉を交わすことができたり……なかなか楽しい場であった。伏見が大学生の頃には、こんな集まりが将来ありうるなんて、想像もできなかった。

エフメゾでもときどき思うことだが、ゲイバーのよさは同じ性的嗜好の者同士が集えるということだけではなく、職場や学校では知り合えないようないろんな世代の、いろんな立場の人と同じ目線で話せることだと思う。そんな関係のなかで、会社での悩みを年配の人に聞いてもらいアドバイスをもらったり、おばさんが若い世代の新しい文化に触れたり、異なる業種の者同士が情報を交換したり……案外豊かなものが得られたりするのだ。だから、同世代の連れだけで盛り上がりたいときにはエフメゾは向かないかもしれないが、もっと人間関係の幅を広げたいという人には、きっと心地よい空間になるだろう。いや、そういう場になるべく努力をしていきたい。

3/10(水)は17:00(−19:00 カフェタイム)から営業をしています。おでんや、カレーやハヤシライスもありますので、お食事もできます。帰宅途中にふらりと寄ってください。04:00まで営業している予定ですが、深夜はお客様がいなくなり次第、看板を消してしまいます。

青山ブックセンターでトークイベント


以下、青山ブックセンターで行われるトークイベントのパブです。

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■『リハビリの夜』(医学書院)刊行記念
中村うさぎ×伏見憲明×熊谷晋一郎トークショー
「ままならない身体をかかえて生きていく、ことの官能」

熊谷晋一郎さんは東大医学部卒業のエリート医師にして脳性まひ当事者。幼少期から受け続けてきたリハビリ中に、身体に立ち上がってくる“めくるめく感覚”を克明に綴ったのが『リハビリの夜』です。
本書を読んだ中村うさぎさんは、女性としての自分も同様に「恥辱感と劣等感にがんじがらめに縛られつつも、奇妙なM的エロス妄想を育んできた」と語り、トレーナーの視線を意識するあまり身体が硬く縮こまって不自由になるという一文に、「ああ、セックスしているときに私と同じだ」と強い共感を示します。
伏見憲明さんは本書について「今後マイノリティを論じる上でも、セクシュアリティを論じる上でも、障害を論じる上でも、コミュニケーションを論じる上でも、本書を抜きには何も語れない。希有な思想書にして私小説だ」と評価します。
う〜ん。一体何がそんなにすごいのか!?
「ままならない身体をかかえて生きる」エキスパートたちによる、官能的トークバトル!!

<プロフィール>
中村うさぎ
1958 年福岡県生まれ。同志社大学文学部英文科卒業後、OL、コピーライターを経て、小説家に。数多くのエッセイ、ルポルタージュも発表。主な著書に『ショッピングの女王』(文藝春秋)『美人になりたい』(小学館)、『オンナという病』(新潮社)など。最新作に『こんな私が大嫌い!』(理論社、よりみちパン!セ)、『狂人失格』(太田出版)がある。

伏見憲明
1963 年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。1991年に『プライベート・ゲイ・ライフ』にてゲイであることをカミングアウトし、90年代のゲイ・ムーブメントに大きな影響を与える。2003年に『魔女の息子』で第40回文藝賞を受賞して小説家としてもデビュー。最新作は『欲望問題』(ポット出版)。4月初めに『団地の女学生』(集英社)を刊行予定。

熊谷晋一郎
1977 年山口県生まれ。新生児仮死の後遺症で、脳性まひに。以後、車いす生活となる。東京大学医学部卒業後、埼玉医科大学小児心臓科などを経て、現在クリニックで小児科医として勤務。東京大学先端科学技術研究センター特任講師。綾屋紗月氏との共著に『発達障害当事者研究』(医学書院)がある。

<書籍紹介>
『リハビリの夜』
刊行:医学書院
A5/258頁/2,100円(税込)/2009月12月発売

現役の小児科医にして脳性まひ当事者である著者は、18歳のとき、それまで幼少期から毎日欠かさず行ってきたリハビリをやめた。「健常な動き」を目指すことを諦めたのだ。
都会で一人暮らしを始めた著者は、しかし意外なことを発見する。《他者》や《モノ》たちが、《私》の身体を突き動かすのだった。
女子との腹這い競争に負けたときに襲ってきた強烈な刺戟、リハビリキャンプでトレーナーからの授けられた快感と恐怖、初めて電動車いすに乗ったときのめくるめく感覚——。
身体接触をたよりに「官能的」に自らの運動を立ち上げるまでを、鮮烈な文体で語り尽くした驚愕の書。

■2010年3月26日(金)19:00〜20:30(開場18:30〜)
■会場:青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山 

■定員:120名様
■入場料:700円(税込)
■参加方法:2010年3月3日(水)10:00より
 [1]青山ブックセンター本店店頭にてチケット引換券販売
[2]青山ブックセンターオンラインストアにて オンライン予約
(入場チケットは、イベント当日受付にてお渡しします。当日の入場は、先着順・自由席となります。)
http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_201003/20100326_rehabilitation.html