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● ベルトラン・ドラノエ『リベルテに生きる パリ市長ドラノエ自叙伝』(ポット出版)
★★ 同性愛の視点からフランス政治が見える
民主主義とは終わりのない実験であるーー。思わずそんな時代がかった感想をつぶやきたくなるのが、本書『リベルテに生きる』だ。
著者は現職のパリ市長で、フランス政界の大物、ベルトラン・ドラノエ氏。彼は二十二歳で社会党に入党し、国民議会議員になる。ミッテラン氏の側近として活躍後、一時政界を離れるが、2001年に保守派の牙城で、同性愛者であることを公言して首長に当選した。
この本は社民主義を奉じるドラノエ氏の経歴と政見をつづった「自伝」である。しかし個人史を超えて、民主主義とはいかに困難であるかを示した内容となっている。デモクラシーの故郷とも言えるフランスでさえ、それは確立した政体と言うにはほど遠く、危うい「過程」なのだ。
一読すれば、フランス政治では、異質なもの同士の対立をいかに解消するのかがつねに問われていることがわかる。だからこそ、人権という最低限のセーフティネットが争点となるのだろう。
ドラノエ氏自身の異質性も緊張に置かれている。選挙戦で同性愛を明らかにした彼を非難したサルコジ氏(現フランス大統領)に対しては、あなただって異性愛の家庭生活をメディアで誇示しているではないか、と舌鋒鋭く反論する。一方で、同性愛者の運動にある内向きの共同体主義にも批判は向けられる。「私の興味は多様性に向っていて、画一性にではないのだ」。
移民問題においても、ドラノエ氏は排除ではなく、多様性を認め合うことこそが大事だと訴える。公的領域でのイスラム教徒の女性によるスカーフ着用には反対するが、市庁舎をラマダンの集いに開放しているというのは、実に彼らしい。そこはキリスト教のクリスマスのイベントには使用されてきたのに、イスラム教に門戸を閉ざしているのはおかしい、と言うのだ。
自由こそが最も大切な人権だ、とするドラノエ氏の原点が、かつてフランスの植民地だったチュニジアで子供時代を過ごしたことにあるのは、回想から理解できる。人間が人間を差別することの理不尽さを肌で感じた原体験が、彼に血肉のある人権意識を植えつけたのだろう。
*初出/時事通信
