フランス国民を魅了してやまないセゴレーヌの微笑

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オーマイニュース』に次のような記事を執筆しましたので、転載いたします。
タイトル:フランス国民を魅了してやまないセゴレーヌの微笑
サブ・タイトル:大統領選敗北後も高い人気
【本文】
 ニコラ=サルコジ大統領に大統領選挙で敗北を喫したにもかかわらず、セゴレーヌ=ロワイヤル下院議員の人気は衰えそうにない。ロワイヤル氏は下院議員選挙には出馬せず、ポワトゥー=シャラント地方圏知事に専念して、国政から少し距離を置くかのように見える。
 ただ、彼女の側近によれば、「社会党のリーダーになる意志は強く持っている」とのこと。国会に議席を置かずとも、社会党のトップに就き、野党第一党のかじ取りをしたいようだ。
 5月30日、31日に有権者955人を対象に調査会社・CSAが行った世論調査は、政界に波紋を広げた。
 「社会党のリーダーに誰がふさわしいか2人選んでください」と尋ねたところ、セゴレーヌ=ロワイヤル氏の名前をあげた人が47パーセントで、社会党の重鎮であるドミニク=ストロス=カーン元財務相の45パーセントを上回った。3位がパリ市長のベルトラン=ドラノエ氏の26パーセントだった。
 イプソスの先月調査では「社会党のリーダーに誰がふさわしいか1人あげよ」という設問には、社会党支持者に限ると、53パーセントがロワイヤル氏と回答し、2位のカーン元財務相を大きく上回った。
 大統領選に敗北したというのに、なぜ、ロワイヤル氏は支持されるのか。それは彼女の微笑が仏国民を魅了してやまないからだろう。ロワイヤル氏にとっては、最大の武器が微笑だった。
 ロワイヤル氏が社会党候補になる前に、ローラン=ファビウス元首相とカーン氏による党内予備選挙があり、討論会が複数回、行われた。ローラン氏が旧態依然とした社会主義を掲げて挑むと、「子どもの面倒は誰が見るの?」と庶民で分かる範囲のレベルで切り返した。
 男性の両候補が左右対立の伝統的イデオロギー論戦に対抗すると、どこまでも「公正な秩序」をスローガンに「市民参加の民主主義」を掲げた。それだけでなく政治の審判役として「市民審査制」や「週35時間制の弊害」、「非行少年の軍隊による指導」、「通学区域制廃止」案など、党路線から逸脱する民衆受けする構想を披露した。
 どんなことがあっても、笑みを絶やさず、生活圏内で物事を語るロワイヤル氏は、イデオロギーに固執する社会党幹部が多数を占める中で、新鮮に映った。
 今でも、ロワイヤル氏が社会党支持者から支持されるのは、社会党がイデオロギーの党でなく、市民政党に脱却して欲しいからだろう。
写真脚注:セゴレーヌ=ロワイヤルさん(及川健二・撮影)

カテゴリー: 及川健二のパリ修行日記 | 投稿日: | 投稿者:

及川 健二 について

ジャーナリスト/研究者。 それまで一分もフランス語を学んだことがなかったのに、 フランス留学を決断。2002年UCLAエクステンションセンター・ 夏期英会話講座・修了、グランゼコールの一つ、2004年 リール政治学院・夏期特別セミナー修了(European Summer University Program at Institut d’Etudes Politiques de Lille)。 フランス国立パリ第九大学・Dauphine修士課程に2004-05年に在学。 多国籍企業の経営戦略が研究テーマ。大学では”英語”で講義を 受け、語学学校でフランス語を勉強するというチョット変わった留学生活をおくる。2004年7月3日から2006年3月25日までフランスに滞在。リール、トゥール、パリにて生活する。数々の政治家にインタビューする。 共著『オカマは差別か』(ポット出版)、2002年1月。 編集・共著『常識を超えて』(ポット出版)、2002年6月。 単著『ゲイ@パリ 現代フランス同性愛事情』(長崎出版)、2006年10月。 単著『沸騰するフランス 暴動・極右・学生デモ・ジダンの頭突き』(花伝社)、2006年10月。 単著『フランスは最高!』(花伝社)、2007年6月。