新党「民主運動」は壊滅の危機? バイル党首は強気の姿勢

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日刊ベリタ』に【新党「民主運動」は壊滅の危機? バイル党首は強気の姿勢】というタイトルの記事を執筆しましたので転載します。
【リード】
 6月10日と17日にフランスで行われる下院議会議員選挙(定員577人)で、注目を集めてきた新党「民主運動」が壊滅の危機に瀕している。同党は今春の大統領選挙で682万0914票(18.57%)を獲得し第3位につけ、一大ブームを起こしたフランソワ=バイル党首によって結成された。結党時にはバイル党首の人気をバネに躍進が期待されたが、各種世論調査は同党の壊滅を予想する。 
【本文】 
 大手調査会社のIFOPは5月30日に発表した下院選に関する世論調査で「民主運動」の獲得議席を0~6議席と予想している。同じく調査会社のCSAは6月1日に発表した調査で同党の獲得議席を1~6議席と予想、TNS-Sofre社は5月30日に発表した調査で同党の議席を2~6議席と予想する。 
 
 各種調査はバイル党首の当選すら危ういと分析する。そんな逆境の中、6月1日、同党ホームページにバイル氏のインタビューが掲載された。 
 
 バイル氏は「下院選でフランスの多様主義が問われている。もしも、危機に瀕している社会党を尻目に、(与党が圧勝して)下院議会に一つの意見だけしか存在しないことになれば、下院の存在意義が問われる。フランスが正常な民主国家であるならば、大統領選挙で形成された巨大な潮流が、議会に議席として反映されなければならない」と述べ、「民主運動」が一定の勢力を持つべきだとの考えを示した。 
 
 バイル氏は「私はいわゆる予測議席を信じない。577議席を正確に予測できる調査機関はどこにも存在しない」と述べ、同党の苦戦を否定した。 
 
 また、6月1日に支持者を前にした集会で「ニコラ=サルコジ大統領はとてつもない強大な権力を持とうとしている。大統領の決定に時には賛成し、時には反対する物言える独立した議員が必要とされている」と述べ、与党の圧勝は「権力の一極集中になる」と非難した。 
 
 フランスの2大政党制を打破し、「第3極」をつくるべく結成された「民主運動」だが、躍進どころか党は存亡の危機に立たされているといえそうだ。 

カテゴリー: 及川健二のパリ修行日記 | 投稿日: | 投稿者:

及川 健二 について

ジャーナリスト/研究者。 それまで一分もフランス語を学んだことがなかったのに、 フランス留学を決断。2002年UCLAエクステンションセンター・ 夏期英会話講座・修了、グランゼコールの一つ、2004年 リール政治学院・夏期特別セミナー修了(European Summer University Program at Institut d’Etudes Politiques de Lille)。 フランス国立パリ第九大学・Dauphine修士課程に2004-05年に在学。 多国籍企業の経営戦略が研究テーマ。大学では”英語”で講義を 受け、語学学校でフランス語を勉強するというチョット変わった留学生活をおくる。2004年7月3日から2006年3月25日までフランスに滞在。リール、トゥール、パリにて生活する。数々の政治家にインタビューする。 共著『オカマは差別か』(ポット出版)、2002年1月。 編集・共著『常識を超えて』(ポット出版)、2002年6月。 単著『ゲイ@パリ 現代フランス同性愛事情』(長崎出版)、2006年10月。 単著『沸騰するフランス 暴動・極右・学生デモ・ジダンの頭突き』(花伝社)、2006年10月。 単著『フランスは最高!』(花伝社)、2007年6月。