【人形劇】サルコジ24時間には笑わされた

フランスに滞在しているテレビ所有者ならば一度くらいは、有料チャンネル・Canal Plusの無料時間帯に放映されている政治人形劇「Guignol」をみたことはあるだろう。シラク大統領やサルコジ内相、ドビルパン首相など実在人物を模した人形が演ずるコメディにはいつも笑わされる。
先週の水曜日に放映された「サルコジ24時間」は秀逸なできであった。
警察に24時間密着する番組が日本でも年に何度か放映される。そのサルコジ密着バージョンがこれだ。
サルコジ内相の人形は警察署内にいて電話の前に座っている。電話が鳴る。
「なんだって。街娼が売春しているだと!?いますぐ行く」
サイレンを鳴らすパトカーに乗ってサルコジ人形は現場に駆けつけ、街娼を逮捕し獄に入れる。そして、また電話の前に戻る。
「なんだって。乞食が物乞いをしているだと?!よし、いますぐ行く」
とパトカーに乗ったサルコジ人形は現場に駆けつけ、路上生活者を逮捕し獄に入れる。
「なに、チンピラがルーレットをやっているだと?!よし、いますぐ行く」
「なに、隣人がマリファナを吸っているだと?!よし、いますぐ行く」
どんどん逮捕していき獄中には人が一杯になる。最後には
「なに、ミニスカートを履いている女がいるだと?!よし、いますぐ行く」
「なに、若者が数人でケバブを食べているだと?!よし、いますぐ行く」
なんてむちゃくちゃなこともいいだす。
ケバブとは中東系の人々が経営するファーストフード店で食べられる肉料理のことだ。ケバブなんて食べるヤツは怪しいとサルコジならば思うだろうという皮肉が込められている。
最後は、
「なに、間違い電話だと。オマエは誰だ。身分証明書は持っているのか?よし、とにかく、いますぐ行く」
というオチで終わる。サルコジ内相の下で、市民を捕まえては「身分証明書を出せ」と迫る警官にたいする皮肉であろう。サルコジ的警察国家の行く末をデフォルメしながら、その本質をよく描いている。

カテゴリー: 及川健二のパリ修行日記 | 投稿日: | 投稿者:

及川 健二 について

ジャーナリスト/研究者。 それまで一分もフランス語を学んだことがなかったのに、 フランス留学を決断。2002年UCLAエクステンションセンター・ 夏期英会話講座・修了、グランゼコールの一つ、2004年 リール政治学院・夏期特別セミナー修了(European Summer University Program at Institut d’Etudes Politiques de Lille)。 フランス国立パリ第九大学・Dauphine修士課程に2004-05年に在学。 多国籍企業の経営戦略が研究テーマ。大学では”英語”で講義を 受け、語学学校でフランス語を勉強するというチョット変わった留学生活をおくる。2004年7月3日から2006年3月25日までフランスに滞在。リール、トゥール、パリにて生活する。数々の政治家にインタビューする。 共著『オカマは差別か』(ポット出版)、2002年1月。 編集・共著『常識を超えて』(ポット出版)、2002年6月。 単著『ゲイ@パリ 現代フランス同性愛事情』(長崎出版)、2006年10月。 単著『沸騰するフランス 暴動・極右・学生デモ・ジダンの頭突き』(花伝社)、2006年10月。 単著『フランスは最高!』(花伝社)、2007年6月。