マシンガンを片手に駅構内を歩く男たち

 ロンドン・テロ以降、パリ市内では警察によるテロ対策が格段に強化された。
 8月19日(金)の夜九時頃、私はパリ東駅の地下鉄構内を歩いていた。人相の悪い白人男性二人がプラットホームを目指すわけでもなく徘徊している。一人はスキンヘッドで、ジーンズにワイシャツ姿で、三つボタンぐらいまで開けてだらしなく見えた。物取りか何かだろうか……と心配し私は近づかないようにそそくさと歩いていった。私が行く反対方向に歩いていた若いブロンドヘアの白人女性が彼らに呼び止められた。警察手帳らしきものをみせて、カバンの中をチェックした。どうやら二人は警察官のようだ。
そのまま速度を速めて歩くと、ガタイのいい黒人男性二人が走ってきて私の背中あたりのところまで来ると、一人が警察官に捕まえられた。もう一人はそのまま走り去った。
「なんで、走ったんだ?」
と警察官が詰問すると、
「切符を持っていないから」
 と黒人は答えた。警察官は早速、荷物検査を始めた。彼の全身を両手で触っていく。
 ちょうどその日、東駅に行く前にレ=アール駅構内を歩いた時にも、10代の若い白人男性と黒人男性が警察官5人に囲まれて全身を触られているところに遭遇した。駅構内には他にも警察官が巡回していた。
 そういえば先日、レ=アール駅近くの芝生で陽を浴びながら読書をしていたら、警察官二人が巡回しているのが目に入った。私の近くに座っていた男性がタバコを吹かしていたら、彼のところにきて、身分証の提示と荷物検査を命じた。カバンをあけさせ中身を点検し、自動車免許証だろうか、彼が渡したカードを手に取りながら、無線でどこかに照会をかけている。警察官はタバコをここでは吸わないようにと命じて、その場を去った。彼らが何をするのか気になり観察を続けていると、遠くでタバコを吹かしている若い男女のカップルのところに行き、同じように持ち物検査と身分証明書の提示を命じているようだった。男女がカバンを手渡すのが見えた。
 8月17日にパリ北駅を歩いていた時の話。構内にはマシンガンを肩にかけた迷彩服姿の男が三人たっていた。警戒にあたっているのだろう

カテゴリー: 及川健二のパリ修行日記 | 投稿日: | 投稿者:

及川 健二 について

ジャーナリスト/研究者。 それまで一分もフランス語を学んだことがなかったのに、 フランス留学を決断。2002年UCLAエクステンションセンター・ 夏期英会話講座・修了、グランゼコールの一つ、2004年 リール政治学院・夏期特別セミナー修了(European Summer University Program at Institut d’Etudes Politiques de Lille)。 フランス国立パリ第九大学・Dauphine修士課程に2004-05年に在学。 多国籍企業の経営戦略が研究テーマ。大学では”英語”で講義を 受け、語学学校でフランス語を勉強するというチョット変わった留学生活をおくる。2004年7月3日から2006年3月25日までフランスに滞在。リール、トゥール、パリにて生活する。数々の政治家にインタビューする。 共著『オカマは差別か』(ポット出版)、2002年1月。 編集・共著『常識を超えて』(ポット出版)、2002年6月。 単著『ゲイ@パリ 現代フランス同性愛事情』(長崎出版)、2006年10月。 単著『沸騰するフランス 暴動・極右・学生デモ・ジダンの頭突き』(花伝社)、2006年10月。 単著『フランスは最高!』(花伝社)、2007年6月。