ミッテランの最晩年を描いた映画

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 フィガロ紙が2005年2月11日、12日にフランスの有権者953人を対象にアンケートを行ったところ(2005年2月14日、第六面に掲載)、「フランソワ・ミッテランはどんな人物として思い起こされますか?」という問いに対して、「ミステリアスな人」という項目で「ハイ(= Oui)」と答えた人が79%もいた。「教養豊かな人」という項目では93%が「ハイ(Oui)」と答えている。政見や随筆をしたためた20冊以上の著作を残したから「教養の人」として記憶されているのだろうし、単純には言い表せない複雑なキャラクター故に、「ミステリアスな人」として覚えられているのだろう。
ミッテランの政策の中で最も特筆すべきものとして、10つの項目の中から二つ選べという質問で、死刑制度の廃止をあげた人は54%だった。二位の「(年間の)有給休暇を5週間にしたこと」「労働時間の40時間から39時間への短縮」をあげた人は各々27%だから、死刑廃止はミッテラン時代の一つの象徴であるようだ。
 「大統領だった頃のミッテランを総合的に見た場合、あなたはどちらかといえば肯定的ですか、否定的ですか」
 という問いに対しては、「60%」の人が肯定的だと答え、「36%」の人が否定的と答えている。シラク大統領の2005年2月時点での支持率が50%(不支持は40%)なのだから(週刊『L’Express』誌2005年2月14日-20日号、32頁より)、ミッテランへの国民のノスタルジーがずいぶん深いものだと伺える。
 2月16日から、コメディアンの大御所・ミシェル・ブーケ(Michel Bouquet)がミッテラン役を演じる映画『Le Promeneur du Champ de Mars』が全仏で公開された。
映画館で私の隣に座っていた中年男性は短い予告編であるにもかかわらず、ミッテランのセリフに時折、笑い、郷愁の眼差しで眺めていた。
※休載のお知らせ
2月21日から27日まで、筆者はチュニジア旅行にいってきますので、当ブログは休載いたします。

カテゴリー: 及川健二のパリ修行日記 | 投稿日: | 投稿者:

及川 健二 について

ジャーナリスト/研究者。 それまで一分もフランス語を学んだことがなかったのに、 フランス留学を決断。2002年UCLAエクステンションセンター・ 夏期英会話講座・修了、グランゼコールの一つ、2004年 リール政治学院・夏期特別セミナー修了(European Summer University Program at Institut d’Etudes Politiques de Lille)。 フランス国立パリ第九大学・Dauphine修士課程に2004-05年に在学。 多国籍企業の経営戦略が研究テーマ。大学では”英語”で講義を 受け、語学学校でフランス語を勉強するというチョット変わった留学生活をおくる。2004年7月3日から2006年3月25日までフランスに滞在。リール、トゥール、パリにて生活する。数々の政治家にインタビューする。 共著『オカマは差別か』(ポット出版)、2002年1月。 編集・共著『常識を超えて』(ポット出版)、2002年6月。 単著『ゲイ@パリ 現代フランス同性愛事情』(長崎出版)、2006年10月。 単著『沸騰するフランス 暴動・極右・学生デモ・ジダンの頭突き』(花伝社)、2006年10月。 単著『フランスは最高!』(花伝社)、2007年6月。

ミッテランの最晩年を描いた映画」への2件のフィードバック

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  2. Matszawa Kureichi

    昨日分になぜかコメントがつけられないので、こっちにつけておきます。
    フランスでは政治家の下半身スキャンダルが話題にならないという話は日本でもわりとよく知られていて、柳沢直子・草野いずみ著『フランスには、なぜ恋愛スキャンダルがないのか』(角川書店)なんて本まで出てますが、私の記憶によると、この本では、「タブーがないにもかかわらず、メディアはスキャンダルを取り上げず、とりあげたところで国民の多くは相手にしない」という話が展開されていたかと思います。
    しかし、及川君が言うように(『知っていそうで知らないフランス』という本にそう書いてあるのかな)、ここにタブーが存在するのであれば、「タブーがあるからメディアは報道しない」ということになってきて、私の印象とは大きく話が違ってきます。ここはしっかり調べてみていただきたいところです。

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