月別アーカイブ: 2010年6月

いただいた本●超解読! はじめてのヘーゲル『精神現象学』

竹田青嗣さん西研さんからいただきました。

書名●超解読! はじめてのヘーゲル『精神現象学』
著者●竹田青嗣、西研
定価●760円+税
2010年5月20日発行
新書判/並製/293頁
ISBN978-4-06-288050-3 C0210

●全国の書店で購入できます。
Amazonで購入する

●版元による紹介
難解な書物がここまでわかった!<知>の巨人が問う自由のゆくえと は?人間の欲望の本質とは?哲学史に残る重要な書物を徹底的に平易に読み砕く「超解読」シリーズ、第1弾!

<共同体から切り離された自由な個人となったときに、人は、他者・社会・自己に対してどのような態度をとっていけばよいか>。――これこそが『精神現象学』のなかで問われている最大の問いなのだ。

メルロ=ポンティは「ヘーゲルの『精神現象学』は小説みたいにおもしろい」と語ったが、『精神現象学』は、「あ、こんなやついるぞ!」と思ったり、自分のことが語られているようで身につまされたりする、そんな珍しい哲学書なのである。それほどおもしろい本ではあるのだが、この本の全体を通したモチーフ、つまりヘーゲル自身の「問い」がつかまれてきたかというと、決してそうではない。その思想の一部でもって全体が解釈されたり、モチーフを無視した上で全否定されることも多かった。(略)『精神現象学』は、中身を徹底的に読んではじめてそれが問おうとしたことがわかってくる、そんな困った本なのである。そして、大胆な言い方になるが、いまだ『精神現象学』はほんとうには読まれていない、という気持ちが私たち(竹田と西)にはある。――<本文より>

●目次
第1章 意識(西)
第2章 自己意識(竹田)
第3章 理性(西)
第4章 精神(「純粋洞察」まで西、「啓蒙」以降竹田)
第5章 宗教(竹田)
第6章 絶対知(西)

イベントレポート●『劇画家畜人ヤプー【復刻版】』刊行記念トークショー 丸尾末広×吉田アミ

2010年6月6日(日)、有隣堂ヨドバシAKIBA店にて『劇画家畜人ヤプー【復刻版】』刊行記念トークショー「丸尾末広が語るリビドー、マゾヒズム、家畜人ヤプー」を開催しました。
丸尾さんは同書に解説文を寄稿しています。
_MG_0180.JPG
_MG_0210.JPG
_MG_0318.JPG

トークショーには約50人のお客さんが来場。前回のヴィレッジヴァンガード下北沢店でのトークショーとはまた違う、マニアックなSM、ヤプー話が中心に語られ、『奇譚クラブ』の話など、若いお客さん(十代の人もいました)も興味津々で聞き入っていました。
_MG_0360.JPG
_MG_0385.JPG

トーク終了後は、丸尾末広さんのサイン会を開催。聞き手の吉田アミさんもサイン入りポスターを購入していました(笑)。

みなさま、ありがとうございました。感謝!です。

以下、トークショーの模様です。


吉田「前回の下北沢のトークショーでは初心者向けだったんですが、今回はちょっと突っ込んだ話をしたいと思います。丸尾先生は、今回復刻された『劇画家畜人ヤプー』で解説を書かれていますね」
丸尾「ええ」
吉田「小説版の『家畜人ヤプー』は70年に発売されましたよね」
丸尾「はい。持っています。カバーの村上芳正さんの絵が好きでね。でも下手くそで(笑)。見ればわかるんだけど、宇野亜喜良がヘタクソになったような。もっとリアルでわかりやすく書くべきですね。下品になってもいい。マゾヒストの人が見たら興奮するようなものを描くべき。これはそそられないと思う(笑)」
吉田「丸尾さんが描かれるとしたら、全然べつのものに?」
丸尾「ぜんぜん。もっとどぎつくなると思う。この絵は、ちょっとソフィスティケートされてますよね」

吉田「そして71年に石ノ森章太郎さんの『劇画家畜人ヤプー』が発行される」
丸尾「石ノ森さんが一番脂が乗り切っていたのが70年頃。ちょうど一番頑張ってたころですから」
吉田「丸尾さんも解説で指摘されていますが、普通の漫画とは逆の左開きでセリフも横書きですね。内容が白人女性に家畜化されるという話なので、アメコミ風を意識されたのかと」
丸尾「書下ろしですから、そのへんも自由だったんでしょうね。雑誌ではできませんから」
吉田「あと、ルビが多いですね」
丸尾「そうですね。ルビが非常に面白い。原作者が英語ドイツ語フランス語ができる人なので。相当語学の堪能な人です」
吉田「原作者、沼正三は天野哲夫さんだと言われていますが……」
丸尾「文春かなにかが、沼正三の正体は最高裁の判事の倉田卓次さんだと書いたんです。でも倉田さんは社会的な立場がありますからね。だから天野さんが名乗り出たということもあるかもしれない。でも、解説文にも書きましたが、沼正三というのはバンドのユニットのようなものですからね。正体がわからないというのが、また魅力的ですよね」

吉田「『家畜人ヤプー』は連載当時、三島由紀夫とか、錚々たるメンバーが褒めていますよね」
丸尾「大阪にあった(連載誌)『奇譚クラブ』編集部には川端康成、寺山修司なんかも来たみたいですね。そこは須磨敏行という人がほとんど一人でやっていて。雑誌で発表された時点ではマイナーなものでしたよ」
吉田「それがメジャーになっていく過程が面白いですよね。決して一般受けする内容ではないのに。最初、『奇譚クラブ』に発表されたのが56年で、都市出版社から単行本が出たのが70年。結構経ってますね」
丸尾「最初は中央公論社から出るという話だったみたいですけどね。三島が中央公論に持っていったとか」
吉田「でも、内容が内容だけに発行出来なかった。都市出版社は出した後に右翼に襲撃されたりもしてますよね」

吉田「石ノ森さんにはSM的な趣味はあったんでしょうか」
丸尾「ちょっとわからないけど、背の高い人が好きですよね。みんな観月ありさみたい(笑)。170cmくらいあるでしょう。顔が童顔なのがちょっと残念ですけどね。もうちょっと西洋人女性をリアルにしてほしかった」

吉田「初めて漫画化したのが石ノ森さんで、江川達也さんも2000年代に出されてますね。今回復刻されたのは『家畜人ヤプー』のすべてが入っているのではなくて、この後、石ノ森プロのシュガー佐藤さんが描かれた続編もありますね」
丸尾「漫画のボリュームと小説のボリュームと違うので、全部漫画化するのは難しいでしょうね」
吉田「小説全体の一部しか漫画化されていませんね」
丸尾「やっぱり、まずは小説、原作を読んで欲しいですね。両方見たらいいと思いますが」
吉田「石ノ森版を見ると、ユーモアがあって笑っちゃうところもありますよね。あんまりエロい感じではない。石ノ森さんは、本当に原作が好きで、惚れ込んで出したようですね。ただ、「文字を絵にする難しさ」というのを自分で言っていて、それが面白い」

吉田「先ほども聞きましたが、もし丸尾さんが漫画化されるとしたら?」
丸尾「もうちょっとどぎつくやりますね。あと、わかりやすくすると思います」
吉田「ハラキリのシーンとか、ストーリーが逸れるところを削ってやることもできますよね」
丸尾「ヤプーはストーリーというか部分部分が面白いですからね。それをSFということでまとめているけど。字面として肉便器というのが出てくるとそれだけで嫌だという人もいると思いますけど、絵にしたいものはいろいろあります」
吉田「もし丸尾さんが描かれるとしたら、(登場人物を)もうすこし人間っぽく描かれるかと思ったんですが」
丸尾「そうですね。あと、日本人と白人の書き分けをもっとすると思います。日本人の顔をリアルに書きにくいということはありますけど、そこはリアルにやるべきでしょうね」
吉田「当時の時代的に、あまり生々しく書けなかったということもあったかもしれないですね。当時ヤプーって、子供も読んでいたんですかね」
丸尾「その頃、永井豪のハレンチ学園とかが話題になってたんですよね。だから、そういったノリで中学生くらいでも読んだかもしれません」

吉田「丸尾さんも、原作のあるものを漫画化されるじゃないですか。最初に小説を全部読んで、その中から描きたいところを抽出していく感じでしょうか?」
丸尾「いや、最初からきちんと描きますけどね。でも、文章と絵はちがうんですよ。文章だと簡単ですむけど、漫画にすると枚数の計算が上手くいかないんですよ」
吉田「『パノラマ島奇譚』とかも」
丸尾「あれも計算できなかったです。最初に思っていたよりも長くなってしまった」
吉田「見開きのパノラマ島のシーンとか、ずっと見ていたいですからね。それから、思ったよりはセリフが少なくなっていますけどね。使う言葉と使わない言葉を丁寧により分けている。一方『劇画家畜人ヤプー』は原作を全部入れているのが特徴ですよね。原作があるものをコミックにするのはテクニックが必要ですよね。ただ漫画化すればいいものでもないし、あまりにも歪曲しすぎるとそれも違うし」
丸尾「映画とか見ると全然違ってたりして、がっかりしますよね」
吉田「その点では、石ノ森版は原作に忠実ですよね。漫画と原作を行き来する楽しさもありますよね。『パノラマ島奇譚』も漫画と原作を行き来すると楽しいと思います」
丸尾「でも、劇画の方には郭公手術法(クックー・オペレーション)のシーンが出てこないですよね。白人女性が妊娠の苦痛を持たなくていい。雌ヤプーの子宮に胎児を移植して帝王切開で生ませる。妊娠するためのヤプーがちゃんといるわけです。それは非常に面白いところですが、ただ、絵にするとなるとのんきに言ってられない」

吉田「他に、好きなシーンとかありますか? 私が好きなのは、最後の方、月の羊羹(メンス・ゼリー)をリンが完食するシーンです」
丸尾「メンスゼリーは、最初違和感があるけど、馴らすために(日本の伝統食である)タクワンを混ぜると。タクワンによって日本人の味覚に近づける。すこしずつタクワンを減らして行って、最終的には純粋なメンスゼリーにする、と。タクワンを英語風にしているのが面白かったですね(笑)」
吉田「『家畜人ヤプー』には言葉遊びみたいなのがたくさんありますよね」

吉田「あと、知らない人はSM=縄みたいになるけど、『家畜人ヤプー』ではそういう世界は描かれない」
丸尾「そうですね。それから、ヤプーにはセックスシーンが出てこない。ポルノだけど、セックスはない。天野哲夫も告白しているけど、女性に対して興味はあるけど、セックスの興味はないと」
吉田「縄とかにも興味がなかったみたいですね」
丸尾「そういうのは平凡ですからね」
吉田「かといって、西洋的な責めでもなく」
丸尾「ムチ打ちは出てくるけどね。黒人奴隷を撃ち殺して遊ぶ黒色猟獣(ブラック・ゲイム)とか、もっとハードだよね。しかも、そういう荒っぽいことをやるのは男性じゃなくて女性。男性はむしろ綺麗にしている」
吉田「男に向かって『おてんば』という言葉を使ったりしてますよね」
丸尾「なにからなにまで徹底してますよね」
吉田「あと肉体改造がすごいですね」
丸尾「それもマゾヒストの願望なんでしょうね。自分を改造されたいと」

吉田「今日は『家畜人ヤプー』の話ばかりしちゃったんですが、今後丸尾さんが漫画化したいものはありますか?」
丸尾「いろいろ考えてはいるんだけど、まだ、実現するかどうか自信がないんだよね。だからあんまり軽くは言わない方がいいかもしれない」
吉田「では、最後に丸尾さんのこれからのご予定を聞かせてください」
丸尾「この先は何もないです」
吉田「今、LIBRO池袋本店で原画展を開催していますよね。個展はけっこうやったりしていますか?」
丸尾「いや、漫画家ですから、そうしょっちゅうやれるものではありません」
吉田「原画はやっぱり美しいですよね」
丸尾「カラーはそうですね。漫画は印刷の方がきれいだったりもするけど、カラーはやっぱり原画を見ないとわからないですよ」
吉田「ありがとうございました」


■出演
丸尾末広(まるお・すえひろ)
1956年生まれ。漫画家。『薔薇色ノ怪物』、『夢のQ-SAKU』、『DDT』、『少女椿』、『ギチギチくん』など著作多数。近著に『パノラマ島綺譚』(2009年第13回「手塚治虫文化賞新生賞」受賞)、『芋虫』がある。

吉田アミ(よしだ・あみ)
(よしだ・あみ)1976年生まれ。音楽・文筆・前衛家。1990年頃より音楽活動を開始。
マンガに関する著作も多数あり、2009年5月よりウェブマガジン「WebDICE」にて「マンガ漂流者(ドリフター)」の連載を開始。

劇画家畜人ヤプー【復刻版】

作●石ノ森章太郎

原作●沼正三

定価●2,200円+税

ISBN978-4-7808-0143-9 C0979

A5判 / 288ページ /上製

[2010年03月刊行]

内容紹介や目次など、詳細はこちらをご覧ください。

庄野真代さん街頭演説&ミニミニライブ

ここは、原宿駅前(6月5日土)。
鉄とすずが歩道に寝そべって何をしているかというと……。

P1030809.JPG

庄野真代さんの街頭演説&ミニミニライブを聞きにきたのでした。
P1030839.JPGP1030850.JPG

ちょうど、ポット出版の本の著者でもあり友人でもある上農正剛さんが
宮崎からポットに遊びにきたので、一緒に行きましょうと誘ったら
「庄野真代って言ったら、僕らの世代、大スターだよ!!」と言って、すぐに
「飛んでイスタンブール」を歌い出した(笑)。
庄野さんは音楽の著作権に関することなど自分の考えを話し、
「飛んでイスタンブール」など数曲を歌った。

今週の木曜日、6月10日には、
庄野さんの本の出版を記念したトーク&サイン会を開きます。
ポットの出版部のメンバーと、沢辺、私も行きます。
お時間のあるかたは、どうぞいらしてください。

飛んでイスタンブールの想い出

先頃ポットで出した庄野真代さんの本発売記念イベント
そろそろ近づいてきた。
今週の木曜日(6/10木)ジュンク堂新宿店で。まだ残席があるのでぜひみなさんどうぞ。
先日はじめてなまの庄野真代さんに会った。
顔が小さい。スタイルがいい。背筋もぴーんとしてる。やっぱ芸能人だ〜、かっこいい!
庄野真代といえば、「飛んでイスタンブール」。大学時代に流行ってたなー。
当時は八神純子とか、大橋純子とか、歌唱力のある女性シンガーソングライターが続々と出ていた頃。
大学で下手な女の子バンドをやってたんだけど、ボーカルの子がそういう歌が大好きで、
時々バンド練習でコピーしてたようなしてなかったような……。
というわけで、ポットでも最近は庄野さんの曲が流れているんだけど、それを聴くと
大学時代の想い出がよみがえる。昔読んだ本を読んでも、あんまり時代の思い出がよみがえらないけど
音楽は間違いなく、フラッシュバックがおこるんだなー。
ちなみにバンド名は「花ひらめ」でした。

雨宮まみさんの「セックスをこじらせて」第6回がアップされました。
雨宮さん自身の「女をこじらせた」テーマもいよいよ佳境です。

◎おまけ

骨折しました。
薬指と小指がきれいにぽきんと。
原因はどうやらケンカらしい。
添え木をあてられ身動きできず、ふてくされております。

我が家の猫の左前足画像でした。

銀河鉄道の夜へ

銀河鉄道の夜へ

先日、イーハトーヴへ里帰りした。
帰郷した折には必ずといってよいほど見学する宮澤賢治記念館に行った。施設も三つに増えて、だいぶ、整備されていた。

宮澤賢治は北上川の“イギリス海岸”の石畳の上に寝そべって、物思いに耽ったという。街灯などほとんどとなく月明かりがたよりになる深夜、河岸に寝そべると、星々が美しく見える。河のせせらぎに耳を澄ましていると、銀河鉄道の汽笛が聞こえてくるようだ。

正統派指向というわけではないが、ワタシは賢治の作品で、『銀河鉄道の夜』がもっとも好きだ。たいてい黙読するのでなく、朗読CDで作品を聴く。なんとなもいえぬ切なさを覚えるのは何故だろうか。わたしよりも先に、天に召された知人・親族・友人の顔が浮かぶ時もある。

嗚呼、カムパネルラよ、ジョバンニよ。

イベントレポート●『落語を観るならこのDVD』刊行記念落語会 柳家ほたる「書店落語inリブロ松戸店」

2010年5月29日(土)、リブロ松戸店にて、『落語を観るならこのDVD』刊行記念落語会「書店落語inリブロ松戸店」(柳家ほたる)を開催しました。

書店さんのお店の中で落語家さんが落語を演じるイベント「書店落語」09年12月19日(土)横浜・石堂書店10年5月20日(木)浜松町・ブックストア談浜松町店に続く3回目の今回の会場はリブロ松戸店さん。

リブロ松戸店
松戸駅東口からデッキで直通のショッピングセンター・プラーレ松戸内にあり、広いお店ではないのですが、棚に渋い専門書が入っていたり、コミックに丸尾末広さん特集があったり、オノ・ヨーコの本のすごい陳列があったり、品揃えが工夫された書店さんです。お客さんも多く、住宅街の松戸という場所柄、けっこうお子さんも多いです。
今回はレジ横の通路から目立つ場所に高座を設置させてもらいました。布と座布団を弊社で準備して、お店にあるものを活用。左側の台はイベントに合わせて作った落語フェア。買っていかれる方、多かったです。

柳家ほたるさん
浜松町に続いて演じていただいたのは柳家ほたるさん。今回は呼び込みも。

一回目
15:30からの一回目は「初天神」。65名ほどのご来場でいっぱいいっぱい。

二回目
16:30からの二回目は「動物園」。すこしお客さんが少なくなった時間帯でしたが、40名強のご来場。

三回目
ラストの17:30からは著者の瀧口さんとなぞかけも一つ

三回目
落語は「転矢気」。50名弱ほど。この時間は女性が多かったです。

今回もまたまた沢山の方にご来場いただき、大いに賑わいました。またまた3回とも聴いてくださった方もいらっしゃいました。リブロ松戸店さんはもちろん、プラーレ松戸の方にもご協力いただき、お店の外の通路も使用させていただいたおかげで、多くの方に落語を楽しんでいただくことが出来ました。

リブロ松戸店さん、柳家ほたるさん、プラーレ松戸さん、そしてご参加いただいた約150名以上の皆さま、ありがとうございました!

【出演者】

柳家ほたる(やなぎや・ほたる)
平成16年柳家権太楼に入門。前座となり「ごん坊」。20年に「ほたる」で二つ目。出囃子は「石段」。

落語を観るならこのDVD


著●瀧口雅仁
定価●1,600円+税
ISBN978-4-7808-0131-6 C0076
四六判 / 232ページ /並製
[2009年11月刊行]

内容紹介や目次など、詳細はこちらをご覧ください。

パインの事務所にお別れ [下関マグロ 第26回]

久しぶりにパインの事務所に顔を出すと、事務所のレイアウトがすっかり変わっていた。

右手の壁際中央にパインのデスクがあるのは変わらないが、以前は全てくっつけて置かれていた他のデスクが、それぞれ離れて部屋の隅に配置されていた。伊藤ちゃん、伏木くん、坂やん、三角さんといった人たちの姿もない。かわりに奥の席で長髪の男が原稿を書いていた。

「あ、紹介するよ。バンドやってる青木くんっていうんだけど、仕事を手伝って貰ってるんだ」とパインが言った。

立ち上がって挨拶をした青木くんという男は、座ってるときの印象とは違い、えらく背が高かった。

僕が名刺を渡すと、青木くんは申し訳なさそうな顔をした。

「すみません、名刺ないんですよ」

「キミ、ライターさん?」 続きを読む

06/11金、講演します●JAGAT「電子書籍と印刷出版の新ビジネス 」

「電子書籍と新ビジネス展開」というタイトルで話をさせてもらいます。
JAGAT=日本印刷技術協会というところです。

「新ビジネス展開」という、およそ似つかわしくないテーマですが、
お座敷があると、どんなんでも座ってしまう性格なもんで、挑戦します。

でも、この日誌やら「談話室沢辺」などを読んでもらっている方には、
もうバレバレの「タグ付きテキスト」「文書の構造化」「ビルダー/インデザインプラグイン」
あと、ジャパニーズ・ブックダム=本の全文検索+一部表示に、むけたデータ抜き出し、
てな話になると思います。

よければご参加を。

────────────────────
電子書籍と印刷出版の新ビジネス

※注目の集まる電子書籍ビジネスに、出版印刷はいかに対応すべきか?

Apple社のタブレットPCであり、電子書籍リーダーでもあるiPadが国内発売され、連日TVニュースでも取り上げられ、社会的な反響を呼んでいる。
しかし、現時点のiPad向けの電子書籍コンテンツの配信はごく少数に留まり、一般書籍や文芸書、コミック、新聞・雑誌などの本格的な配信は、これからのことになると見られている。

また、iPad以外でも、世界の有力メーカーから新たなタブレットPCや電子書籍リーダーが、続々と提供される見込みとなっており、多種多様な電子書籍コンテンツが求められる状況が続いていくだろう。

国内の出版印刷業界にとって、このような電子書籍の動向は、技術面でも市場面でも未知数のことが多く、対応に苦慮されているところがほとんどではないだろうか。

今回の研究会では、出版社とDTP制作スタジオの経営者であり、電子書籍にも造詣の深いことで知られるポット出版の沢辺均氏(※談話室沢辺 )をお招きし、電子書籍の今後の見通しと出版・印刷業界の課題についてお話を伺う。日本フォーム工連の山口実氏には、電子書籍時代のオンデマンドブック・ソリューションについてお話を伺う。
開催日程・開催時間

2010年06月11日(金) 14:00-16:40

詳細
■構成と内容[講師や時間割はやむを得ず一部変更する場合がございます]

■14:00-15:20 電子書籍と新ビジネス展開
ポット出版 代表取締役 沢辺 均 氏 

■15:20-15:50 電子書籍時代のオンデマンドブック・ソリューション 
日本フォーム印刷工業連合会 専務理事 山口 実 氏

■15:50-16:20 パネルディスカッション「電子書籍と印刷出版の新ビジネス」
(沢辺氏、山口氏、JAGAT 郡司)

申込要項
<会場>
社団法人日本印刷技術協会 3Fセミナールーム
(〒166-8539 東京都杉並区和田1-29-11)
<参加費>
■JAGAT会員/一般 10,500円(税込)

<要項>
■Webからの参加申込み(ショッピングカート方式):
JAGAT会員/一般はこちら

※Webからの参加申込には、JAGAT Web会員の登録が必要です(無料)
新規Web会員登録はこちら

■参加費振込先
参加費は下記口座にセミナー開催日の2日前までにお振り込み願います。なお,お申込み後の取り消しはお受けできません。代わりの方のご出席をお願いします。
* 口座名:(社)日本印刷技術協会
* 口座番号:みずほ銀行中野支店(普)202430

■FAXからの参加申込み:
以下の申込書をプリントして必要事項をご記入の上、 FAX(03-3384-3216)にてお申し込みください。
申込書
(テキスト&グラフィックス研究会メンバーの方は、別途送付の専用申込み用紙をご利用ください)

問い合わせ先
●内容に関して
(テキスト&グラフィックス研究会)TEL:03-3384-3113
●お申し込み及びお支払に関して
(サービスサポートセンター) TEL:03-5385-7185

ご紹介が遅れていた、いただいたご本

すみません、いただいたご本の記事のアップが遅れていて、不義理をしています。読んでから、と思っているうちに発売日を遠く過ぎてしまい……。宣伝にご協力できなくなってしまうので、ここで未読のものも含めて一挙にご紹介!

広島大学教授の有元伸子さんの『三島由紀夫物語る力とジェンダー―「豊饒の海」の世界』(翰林書房)は、三島由紀夫をテーマにした博士論文の『豊穣の海』の章を単行本化したもの。伏見は昨今、三島由紀夫に再び関心を抱いていて、有元先生の博士論文を先般国会図書館で読ませていただき、とても感銘を受けた。このご著書も読み進めているのだが、やはり『豊穣の海』も再読しつつ読み合わせなければと思うと、なかなか時間がかかる。なにせ、三島の遺作は大作だから。

デニス・アルトマン著『ゲイ・アイデンティティ――抑圧と解放』(岩波書店)の刊行はちょっと感慨深い。この本は1971年にオリジナルが出版され、当時のタイトルは『Homosexual』。実は伏見は四半世紀以上前、ゲイリブの先輩から原著を借りて読もうとしたことがあったのだ。でもそのときは英語力が不足していて、数ページで挫折(笑)。あのときにちゃんと読めていたら、その後書くものは違ったのかなあ……。

相澤啓三『冬至の薔薇』は詩集。「死を眼前に凝視する詩人の脳裏を一人の少年がよぎる。スキップして野を行く少年に死の日はまだ遠い。彼は険しい道を辿りどこまでも川を遡ることになるだろう……」。詩がまったくわからない伏見ですが、行間から臭い立つ相澤さんの性への「執念」みたいなものにあてられました。

よりみちパン!セ(理論社)からも相変わらず、面白い本がばんばん出てきますね。写真家の平沼正弘による『世界のシェー (よりみちパン!セ)』は、彼が欧米諸国、アジア、ジンバブエ、ルワンダ、パプアニューギニア……など世界中を回って、現地の人々に「シェー!」のポーズを取ってもらった写真集。「シェー!」って知ってる? 

葬儀と墓といえばこの人、ともいえる書き手となった井上治代さんも『より良く死ぬ日のために (よりみちパン!セ)』という一冊を上梓している。「ーー人がより良く生きるためにある、「死」という営み。いつか、かならず訪れる「その日」の前に学んでおきたい、葬式とお墓のこと」。

加門七海という作家の『「怖い」が、好き! (よりみちパン!セ)』は伏見も興味津々で、早く読みたいと思っている。「怖いとは、何か。どうして、何かを怖いと思うのか。ーーそして、恐怖をおぼえながらも、どうして人は、この世ならざるモノたちに「萌える」のか。私たちには、「お化け」が必要です」。オカルト系のことは現代社会を生きていく上で一度は考えるべきテーマですよね。

伏見とハーヴィー・ミルクの写真集を出版したAC BOOKSさんはこれから文芸方面にも進出するということで、翻訳本を刊行。この夏に米ABCネットワークでドラマ化されるという『ライアーズ1 ひみつ同盟、16 歳の再会』。サラ・シェパードによるガールズ・ミステリー。「イジワル女のみなさま、私はまだいるわよ。そして、何もかも知ってまーす!」オカマ心をくすぐる帯の言葉であります。

● 伏見憲明のmixi ID https://id.mixi.jp/3837974 マイミク歓迎!
● ツイッター http://twitter.com/fushiminoriaki

愛人に対する態度

鉄は、人をみて態度を変える。
愛人・ナースには、「こんなことやってもお前は俺にほれてるだろ」と、
膝の上に前足をのせて食べ物をねだる。
R0014652.JPGR0014648.JPG

そんなこと母(私)には、絶対にしない……と思っていたら
さっき、私があんぱんを食べていたら、鉄は空腹のあまり我を忘れたのか
私の膝に前足を乗せてしまった!
「ダメでしょ!」と叱ったら、「はっ」と我に返って、即座におすわり。
和田に「テッちゃん、だめお君だな〜」言われた。

RIMG0037.JPG