月別アーカイブ: 2010年4月

お部屋2042/インタビュー原稿のルール 1

ツイッターを本格的に始めて3ヶ月が過ぎました。

ここまで順調につぶやいてきた私ですが、徐々につぶやく頻度が落ちていて、先週以降はほとんどつぶやかない日、ほとんどTLを見ないも出てきています。「ツイッター離れ」です。肉離れみたいなものです。

「ツイッター離れ」を起こしている理由はいくつかあるのですが、そのもっとも大きな理由は、距離を置いてツイッターについて考える時間が増えているためです。ツイッターを理解するためにはTLに這いつくばることも必要ですが、同時に、そこから離れて俯瞰することも必要です。今は後者の時間が長い。

その位置にいると、どうもつぶやく気がせず、久々にブログの更新をする気になりました。

このところ、いったい私が何を考えているのかというと、『クズは世界を豊かにする』でも書いた「インターネットにおいて情報の検証は誰がやるのか」ってテーマです。こういうことをじっくり考えるにはTwitterは向かない。Twitterでも議論は可能ですが、熟考はできにくいかも。

ここは人によりけり、テーマによりけりでしょうが、私に関して言えば、また、このテーマに関して言えば、Twitterには向かない。ただひたすら自分で考えていた方がよさそうです。
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いただいたご本『春の小夜』

● 松本侑子『春の小夜』(角川書店) 1400円+税

松本侑子さんから新刊をお送りいただいた。デビューから二十年以上も作品をコンスタントに出し続けるエネルギーに感歎するとともに、その尽きないパワーを見習いたいと思う伏見である。

今回は「年下の青年、忘れえぬ初恋の人、野良猫、不思議な美女、孤独な少女…によせる、5つの愛を綴った、珠玉の小説5編。愛の喪失、青春の郷愁、ささやかな魂の小説集」。「あなたは何をうしないましたか?」という帯の言葉がなんとも胸をうつ。この歳になると、愛は何かをうしなうことと同義に思えてくるからだ。まだ全編は読めていないのだが、伏見も次回作は「愛」をテーマに書こうと思っているので(←ちょっと気恥ずかしい)、女性で、同世代の作家である松本さんの現在の「愛」のとらえ方にはとても興味がある。この時代に作家は愛をどう物語に託すことができるのか。これからゆっくり拝読させてもらおう。

それから、松本さんは今度、『恋の蛍 山崎富栄と太宰治』(光文社)で、新田次郎文学賞を受賞されたとのこと。作家としての松本さんの資質が見事にいかされた労作だっただけに、当然といえば当然の評価だが、やっぱりすごい。おめでとうございます。うーん、すばらしい。

『劇画家畜人ヤプー【復刻版】』刊行記念トークショー●「丸尾末広に聞くマゾヒズムの世界」 レポート

2010年4月22日(木)、下北沢ヴィレッジヴァンガードにて『劇画家畜人ヤプー【復刻版】』刊行記念トークショー「丸尾末広に聞くマゾヒズムの世界」を開催しました。
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ヴィレッジヴァンガードに来てくれたお客さんは55名。店内の什器を移動し、イベント用スペースを作ってもらいました。
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ちなみに配布した整理券は108枚(電話での事前予約含む)。約半数の55名でもけっこう満員だったので、残念なような、ホッとしたような……。
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丸尾末広さん。

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聞き手を務めてくれた吉田アミさん。

来場してくれたお客さん、ご出演いただいたお二人、そしてイベントを担当してくれたヴィレッジヴァンガードの担当・守谷さん、本当にありがとうございました。

以下、トークショーの模様です。

吉田「今回復刻された『劇画家畜人ヤプー』の解説を引き受けた経緯はどういうものなんでしょうか?」

丸尾「まあ、僕も沼正三のファンの一人ですから、断る理由はなかったですね。僕は沼正三さんに自分の本を送ったこともあったし。返事は来なかったですけど。」

吉田「『DDT』に書かれてましたよね。沼さんには『夢のQ-SAKU』を送ったんですか?」

丸尾「そうです。天野哲夫さんのもとに行ったと思います。ただ、天野さんは「私が沼だ」と言ったけど、私はどうも信用できない。あの人一人じゃなくて、他にも一人二人いたと思う。中心は裁判官の倉田卓次だと思っています。堅い仕事の人だからあまり正体を明かせなかったんだと思う」

吉田「丸尾さんが今回の解説で、「天野哲夫はリードボーカル」と言っていましたけど、それは上手いたとえだと思いました」

丸尾「『家畜人ヤプー』は天野さん一人ではないと思いますよ。澁澤龍彦もそう書いてましたね。倉田さんは本当に博識で、法律はもちろん、日本の古典、映画、ドイツ語フランス語英語も出来る。そういう人ならヤプーも書けるでしょう。あと、三島由紀夫が匿名でけっこうアイデアを提供していたふしがありますね。だから三島もバンドのメンバーの一人に加えても良いと思います。三島が一番最初に『家畜人ヤプー』を見出したということにもなってますし」

吉田「家畜人ヤプーは『奇譚クラブ』という雑誌で連載してたんですよね?」

丸尾「『奇譚クラブ』は大阪にあった雑誌で、須磨利之という人が絵も文章もいろんなペンネームを使い分けて一人で全部やっていた。その須磨利之が舞台を作って、沼正三が投稿してきた、ということです。沼正三はプロの作家ではなく、素人ですから」

吉田「そして都市出版社から『家畜人ヤプー』の小説が出た。初めてヤプーを読んだときはどうでしたか?」

丸尾「こういう人がいたのかと驚きました。マゾヒズムの一筋で他の要素がないですから。私が18歳くらいの頃だったと思います。今回の『劇画家畜人ヤプー』に関して言うと、三島由紀夫がなくなる少し前に、寺山修司との対談で、ヤプーには気取った絵は合わなくて、少年雑誌のリアリティが必要だと話していました。石ノ森章太郎さんが書いたのは、その三島の一言がきっかけだったのではないかと思います。でも、当時少年雑誌のグラビアには漫画ではない、リアルな画風のものがあって、三島はそれをさしていたと思います。石原豪人とかですね。その人たちがヤプーを書いていたら、また違ったんじゃないかと思う」

吉田「でも、石ノ森さんが書いたことでヤプーがメジャーになりましたよね」

丸尾「当時、子供は読まなかったかもしれないけど、中学生くらいだったら読んでたじゃないでしょうか。ポルノだけどセックスシーンは出てないし」

吉田「ホラーとか怪奇趣味の要素もありますよね。石ノ森さんの絵はとっつきやすいし」

丸尾「あの時代(『劇画家畜人ヤプー』初版発行は1971年)、まだ大人向けの漫画が定着してなかった時代ですよ。そんな時代に描いたんだから、石ノ森さんは先取り精神がありますよね。ただ、『仮面ライダー』と同じ作者だとは思えないですよね(笑)」

吉田「あと、売れていた、というのがすごいですよね。今売られているのは2,200円ですけど、当時はもっと手に取りやすかったわけですから」

丸尾「でも、当時子供向けのものは漫画は400円くらいだったけど、『劇画家畜人ヤプー』は800円くらいしたと思います。サイズも大きいから、ちょっと特別だったかもしれません」

吉田「丸尾さんは解説で、石ノ森さんが多忙な中書かれたことにねぎらいの言葉を書いていますが」

丸尾「忙しい間をぬって、描きたくて描いたんだから。よっぽど描きたかったんじゃないでしょうか。やっぱり、絵にするのは難しかったと思いますよ。締め切りもあるし(笑)。でも、日本が滅びた場面など、文章で説明してしまうのではなく、もう少し画にしてほしかったですね」

吉田「原作についていた挿絵に引きずられている部分もありますよね」

丸尾「そうですね。あと、女性が非常に大きく描かれているんですよね。石ノ森さんは十頭身くらいの背の高い人が好きなんでしょう」

吉田「石ノ森さんの後に、江川達也さんも描いていますよね。二人の方が漫画化するというのはめずらしいですよね」

丸尾「僕のところにも依頼が来たけど、描き下ろしだったので断わっちゃった。部分的には描きたいと思うけど、丸ごとやるとなると、3年くらいかかるかもしれないし、自分がまいっちゃうかな。江戸川乱歩の『芋虫』だって、一年かかっちゃいましたから」

吉田「でも、みんな見たいだろうなーと思います。丸尾さん自身も原作のあるものを漫画化していますけど、原作を漫画にする際に気をつけていることはありますか?」

丸尾「気をつけているというか、小説では1行で書いてあるところを、漫画にすると3ページになったりするのがしんどいです(笑)。30ページくらいだと考えていたのが70ページになっちゃったり、ページ配分が狂ってきちゃう。その違いでまごつくわけです。何でもない場面にやたらページがかかったり」

吉田「『パノラマ島奇譚』はご自分から漫画化を提案したんですか?」

丸尾「あれはずっと狙ってました(笑)。最初は200ページ以内でまとまると思っていたんですけど、実際には280ページまでいってしまった。それでももうちょっと欲しいくらいです。描いているうちに、どんどんふくらませたくなっちゃうし」

吉田「原作を読んでいるときに、映像が浮かんでいるんですか?」

丸尾「そうです。でも、漫画は手作業ですから。石ノ森さんにしても、宇宙船の内部の描き方とか、大変だったと思いますよ」

吉田「丸尾さんはアシスタントはいらっしゃるんですか?」

丸尾「全部一人でやってます。気が遠くなりますよ(笑)。自分が30ページ書くあいだに、同業者は本を一冊出してますよ」

吉田「言葉を映像化するときにイマジネーションを刺激されるものが、原作として魅力的ですか?」

丸尾「そうですね。イメージが浮かぶものと浮かばないものがある。乱歩は浮かびますね」

吉田「会場から質問とか聞いてみますか?」

会場「ヤプーは関係ないんですけど、丸尾先生が好きな映画を知りたいです」

丸尾「いろいろ好きですけど、『ブリキの太鼓』が好きですね。あと、『2001年宇宙の旅』」

会場「影響を受けたものはありますか?」

丸尾「中川信夫の『東海道四谷怪談』です。影響を受けたというか、こういうものを一本形にできたら、その仕事をやっていてよかったと思えるんだろうな、と。自分もそういうものを形にしたいと思います」

吉田「漫画より、映画のほうが好きなんでしょうか」

丸尾「そうですね。3Dのものは一通り見てますよ。ティム・バートンの『不思議の国のアリス』も見てますし。ティム・バートンは一度会いましたけど、あの人は面白いと思いますよ。あとはデヴィット・リンチとか。リンチにヤプーを見せたら、どう反応するか知りたいですね。

吉田「最近の漫画はどうですか?」

丸尾「人の漫画はあんまり見ないんですよね。最近、朝日新聞から手塚治虫賞の推薦作を出してくれと言われて、あんまり読んでないのに、と困っちゃったから、自分が好きな人を推薦したんだけど」

吉田「ちなみに誰ですか?」

丸尾「荒木飛呂彦です。『スティール・ボール・ラン』を推薦しました。あの人は賞にふさわしい実力だと思います。あと、楳図かずおさんは子供の頃から好きです」

吉田「最初の漫画体験って、覚えていますか?」

丸尾「『少年画報』を読んでいました。大友克洋も同世代なので、同じようなものを見ていたと思います」

吉田「17歳のときに、初めて自分の漫画を編集部に持ち込んだんですよね」

丸尾「『ジャンプ』編集部に持ち込みました。そのときに見てくれた編集者と、この前偶然スペインのマンガフェスティバルで会いましたよ(笑)。向こうは覚えてなかったけど、全然変わってなかった」

吉田「どういうマンガを持ち込んだんですか?」

丸尾「中途半端な怪奇マンガでしたけど、そういうものはジャンプはお呼びでなかったですね。それで少年漫画は自分には向いていないな、と」

吉田「描いて気持ちいいということはあるんでしょうか? 特に丸尾さんのは、線の気持ちよさがあるじゃないですか」

丸尾「どうでしょうか。自分は緊張して描いていますから。下書きはきっちり描いて、その上をきちんとなぞりますね。他の人とは違ったやり方かもしれません」

吉田「ほとんど独学でやられたんですよね?」

丸尾「そうです。確か中学の頃に、石ノ森さんの『マンガ家入門』を買って読んだ気がします」

吉田「あれはでも、マンガの描き方というより、漫画家のなり方でしたよね」

丸尾「あれは抽象的で、高尚といえば高尚ですけど。今はわかりやすいのが出てますよね。当時はスクリーントーンもなくて手描きでやってたし。だから、トーンを買ったときも貼り方は分かるけど、ぼかし方がわからなかった。削ればいいんだけどね」

吉田「今はデジタルでトーンなんか関係ない人もいますけどね」

丸尾「そうですね。地方で描いて、編集部にデジタルで入稿したり」

吉田「私は中学生の頃に初めて『ガロ』で丸尾さんのマンガを読みました。修学旅行のときに抜け出して、原宿のラフォーレで丸尾さんの単行本を買ったのが武勇伝、みたいな(笑)。丸尾さんの漫画のファンには、女子が多いですね。フリークスでグロテスクなんですけど、絵が美しくて入りやすい。一コマ一コマじっくり見てました」

丸尾「ただ、80年代は今より遥かに急いで描いていましたよ。人物だけ書いて、背景は真っ白だったり」

吉田「単行本にするときに加筆もしていますよね?」

丸尾「けっこうしてますね。『少女椿』なんて全然違いますよ」

吉田「版を重ねるときも修正されてますよね」

丸尾「そうですね」

吉田「私は『少女椿』がドンズバで、美容室に持っていって「この髪型にしてください」って言ったり(笑)。あと、丸尾さんがパロディにしているのを読んで、原作を読んでみたり」

丸尾「よく、本を読まなきゃと思っても、何読んでいいか分からないでしょ。萩尾望都さんが、自分が読んでいる本を気まぐれに背景に書き込んだりするでしょう。それを買いにいく人がいたりして。マンガにはそういう影響力がありますよね」

吉田「今だとインターネットもあって、漫画家さんがどういう人なのかを発信する場もありますけど、当時はそんなのなかったから、描かれたものの中からその人がどういう人なのかを一生懸命読み取ろうとしていました」

丸尾「パロディはやけくそになってた部分もありますけどね。締め切りが近かったり」

吉田「でも、そこにユーモアというか、あまり深刻になりすぎないでギャグが入っているのがいいなあ、と」

吉田「では、最後に丸尾さんが漫画という表現にこだわっている理由を聞かせてもらえますか」

丸尾「一人で出来るでしょ(笑)映画も演劇もお金もかかるし。誰かと一緒にやると、その人が出来ないとイライラする。自分は半分くらいまで書いて、そこからまた考えながら買いて、ということが多いです。楳図かずおさんなんて、けっこう即興的に描いていくんじゃないでしょうか。『わたしは真悟』とか、『おろち』とか、好きですよ」

吉田「私も好きです。親がゾンビマニアだったので、ゾンビに関しては英才教育でした(笑)。『おろち』も親が買ってくれて。丸尾さんの作品に触れる前に、楳図かずおさんなどのホラーマンガを読んでいたので、入りやすかったのかもしれないですね。今後はどういうものを描かれる予定ですか?」

丸尾「夢野久作の『犬神博士』と、西条八十という人の詩に、『トミノの地獄』という、サーカスに売り飛ばされた子供の悲しい話があるんですけど、それをなんとか漫画化できないかと思っています」

■出演
丸尾末広(まるお・すえひろ)
1956年生まれ。漫画家。『薔薇色ノ怪物』、『夢のQ-SAKU』、『DDT』、『少女椿』、『ギチギチくん』など著作多数。近著に『パノラマ島綺譚』(2009年第13回「手塚治虫文化賞新生賞」受賞)、『芋虫』がある。

吉田アミ(よしだ・あみ)
(よしだ・あみ)1976年生まれ。音楽・文筆・前衛家。1990年頃より音楽活動を開始。
マンガに関する著作も多数あり、2009年5月よりウェブマガジン「WebDICE」にて「マンガ漂流者(ドリフター)」の連載を開始。

劇画家畜人ヤプー【復刻版】

作●石ノ森章太郎

原作●沼正三

定価●2,200円+税

ISBN978-4-7808-0143-9 C0979

A5判 / 288ページ /上製

[2010年03月刊行]

内容紹介や目次など、詳細はこちらをご覧ください。

黒いランドセル

寒い。冷える。
しかし、足の上にが寝ているので、重いけど、暖かい。

昨日は『劇画家畜人ヤプー 復刻版』(石ノ森章太郎)刊行記念イベント、丸尾末広さんと吉田アミさんのトークショーがヴィレッジヴァンガード下北沢店で行われました。
近々レポートをアップすると思います(高橋が)。
丸尾さん、渋い魅力ある方でした。
あいのくの冷たい雨の中、たくさんの方に来てもらって、ありがとうございました。
また、ヴィレッジヴァンガードの方々にも、会場設営などでお世話になりました。
お客さんは地べた座りでちょっと冷たそうで申し訳なかったのですが、でもそれが逆に整然としてなくて、
手作りふうな雑多な雰囲気で、とてもいい会場でした。
また、機会があったらやりたいです。

雨宮まみさんの連載ブログ「セックスをこじらせて」
今週第4回目の更新がなされました。
第3回目の「黒いランドセルをしょって高校に通っていた」逸話がなぜかツボにはまった。
以来、雨宮さんがランドセルしょっている姿がことあるごとに頭に浮かび…。やるなー。

でるべんの会「『新潮社装幀室』というおしごと」講演ノート

でるべんの会「『新潮社装幀室』というおしごと」(2010.4.15)に参加してきました。
講師は新潮社装幀部の黒田貴さん(最近デザインした本は『ジーン・ワルツ』『マドンナ・ヴェルデ』(ともに海堂尊)、『クォンタム・ファミリーズ』(東浩紀)、『キケン』(有川浩)など)と、出版部の西麻沙子さん(『ジーンワルツ』/『マドンナ・ヴェルデ』担当編集者)。

以下、講演で伺った話をまとめたレジュメです。

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■2010.04.15 でるべんの会
「新潮社装幀室」というおしごと

新潮社装幀室─スタッフは11人、新潮社発行の単行本、文庫のデザインを担当。年間約600冊。平均一人月5冊をデザイン。

●新潮社装幀室の特徴
・担当編集者との距離が近い(物理的に近い。3階が装幀室/4階が出版局)
→修正に即座に対応できる/ラフがあがったら即見せられる/意見交換が容易/(編集側から見たら)外注のデザイナーにだったら絶対に言えないような、ちゃぶだい返しも言いやすい。
・カドの取れたデザイン
→装幀室内、出版局、さまざまな人の意見を聞き、揉まれるので出来上がりはカドのないものになる。
・外注にデザインを依頼する際も、担当になるのは装幀室。
例)カバーにイラストを使うとき、イラストレーターに指示をするのは装幀室。

●単行本発行までのおおまかなスケジュール
・装幀室が担当するのはカバー、オビ、表紙、トビラ。本文組は編集者の仕事。
・一冊の本の発行までを大体4ヶ月としている。
装幀室、出版局で会議(担当編集者から装幀室へのプレゼン/「この人にデザインしてほしい!」という考えがあれば伝える)※この時点で部数、定価、総ページ数は大体想定されている。
↓(1ヶ月)
ゲラを読んだり、下準備など
↓(1ヶ月)
デザイン
↓(1ヶ月)→オビはいつも入稿ギリギリで決定。色校はとらない。装幀室から編集者にオビのネームを催促するのもしょっちゅう。
入稿、印刷
↓(1ヶ月)
発行

●デザインに関すること
・編集者からの依頼に関して
「こういうデザインにしてほしい」という明確な意図があれば言って欲しい。それにのっとってなんとかやる/それがなければ全部投げてもいい。一番困るのは「今回は『新潮社装幀室』っぽくないデザインでお願い」とか。曖昧なのが一番困る。

・(話した黒田さんは)カバーラフ案を20種くらい作ることもある。その中から担当編集者が2、3点セレクトして出版部長に提出。※上から指示がくる場合もあるが、基本的には担当編集者の裁量。
・デザイナーはゲラを読むときもあれば、読まないときもある。
ゲラをしっかり読むことも必要だと思うけど、しっかり読むことでデザインに制限が生まれてしまう可能性(「これはこういう本だからこういうデザインはナシ」とか)もあることは意識している。編集者も同様。デザインには博打の要素もある。
・印刷の原価計算も装幀室で行なう。→デザイナーの自意識は、読者には求められていない。原価が上がれば、儲けが減るのではなくて本の定価が上がるだけ。
・単行本をデザインする際には、棚差しされるとき/文庫にするとき までは考えていない
・小説ではないが、ノンフィクションものであればデザイナーがタイトルを変更するケースもある。
・いいデザインの基準は、「売れる」こと。売れなかったら、それはよくないデザイン。
・人件費に関してはそんなに考えていない。「売る」ためにはコストもかける。
・デザイナー月刊5冊ペースは少ないと思う。もっと増やせ、ということではなく、いい環境で仕事が出来ていると思う。

2010.04.19
作成●高橋大輔

ポット出版社長・沢辺均の日記 -70[2010.04.09〜2010.04.21]

なんかバタバタしてたら、また2週間ちかくもためてしまった。

●2010.04.09金
ポット会議をやって、ず・ぼんの取材でJPO佐藤隆信さん(新潮社)に取材。
事務所に戻って、夜は石川さんのインタビューに同席。
ボーイズラブ系の漫画出版社の新米社員。

●2010.04.0土
鉄とすずと代々木公園ドックランにいったはずなんだけど、
忘れた。あ、お袋が遊びにきたか。

●2010.04.11日
ライブ直前、最後の練習。

●2010.04.12月
ず・ぼんの取材で日本図書館協会/松岡さんにインタビュー。

●2010.04.13火
マンション管理組合の役員仕事で、CSハイビジョンの受信の相談。
参議院比例区立候補予定者のポスターなどのデザインなどなどの打ち合わせ。
もどって石川さんのインタビューに同席。
不思議な女の子。プータロー。漫画家「志望」

●2010.04.14水
スタジオ・ポットSDの会議。

●2010.04.15木
出版会議。
夜は、新宿ジュンク堂でトークセッション。
『千代田図書館とは何か』刊行記念トークセッション
柳与志夫×小林麻実「新しい公共空間としての図書館」

小林さんの『図書館はコミュニティ創出の場』(勉誠出版、2009年)
は面白いぞ。
twitterマトメはこちらです。
http://togetter.com/li/15243

●2010.04.16金
午前中は、参議院比例区立候補予定者のポスター写真撮影に立ち会い。
夕方、「35ブックス」の総括会議で筑摩書房へ。
近日、「文化通信」「新文化」という出版業界紙に、マトメ記事が出るはず。
夜はその打ち上げ。iPadを見せびらかした。

●2010.04.17土
10時から下北沢で参議院比例区立候補予定者のインタビューに同席。
午後、家に帰ってライブ準備。
4時半に新宿ミノトール2に到着。
リハーサル→ライブ→二次会(新宿三丁目ゲイバーのVIPルーム)。
写真はこちらでみれますよ。

●2010.04.18日
ともかくぐったり。鉄とすずと代々木公園ドックラン。
それ以外は、一日ぐたぐた。
仕事を少しするつもりでいたんだけど、計画は見事に破産。

●2010.04.19月
ず・ぼんの取材でJPO大江さんに話を聞きにいく。
一連の取材=公共的書誌情報(近刊情報)のこと。
夕方、デザイナーの鈴木一誌さん来る。会うのは久しぶり。
D/Signという太田出版から出してるデザイン雑誌の次号企画のことで。

●2010.04.20火
午前中、マンション管理組合の理事会。
午後、Ebook2.0 Forumの、勉強会で講師。下川さん(JEPA)と一緒に討論。

●2010.04.21水
朝7:45千駄ケ谷集合で図書館弾丸ツアー。
弘前・渋谷・横浜・大田の区議・市議と一緒。
渋谷区議運転のマイクロバスで。
山中湖情報創造館と六本木ライブラリー。
山中湖では委託料金もちゃんと教えてくれたし、
独自の資料収集や編集、分類なんかもやってて、とても参考になった。
マイクロバスでオイラが話してたことを、twitterで、弘前市議がtsudaる。
あとでマトメができそうだから、そんときにURLを書きますね。
でも
http://twitter.com/#search?q=%23Lib_Tour
のハッシュタグんところでも見れるか。
オイラの撮った写真はこっち

1×2と2×1ではどっちが疲れる?

すずの力が強くなるにつれて、2頭連れでの散歩が疲れる。

散歩中、猫や鳩に出くわして猛ダッシュされると、ひきずられてしまう。

(はい、飼い主のいうこときかないんですねー)

なもんで、1頭ずつにすると、2回散歩に行かないといけないわけです。

それはそれで疲れます。

鉄とすずが命令に忠実になる賢い飼い主になるか、鉄とすずの力が弱るか、私がパワーアップするか……。

あっ、今、思いついた。

鉄とすずに、思いものを背負わせるって手があるかも(笑)。非難受けるだろうなあ。

「犬そりの訓練です」って言ってみるか。

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いただいた雑誌「scripta」

scripta.jpg上野千鶴子さんから『欲望問題』(ポット出版)への応答というメモ付きで、「scripta」(紀伊國屋書店の発行で無料配布されている冊子)を送っていただいた。

『欲望問題』は刊行時、議論の俎上に乗せてもらおうとポット出版のサイトに場を設けたのだが、
http://www.pot.co.jp/pub_list/category/promotion/yokuboumondai/
少なからずのジェンダー系の論者に書評を逃げられてしまい、寄稿してくれた方も、多くは、問題をずらして正面からとらえようとしなかったり、党派的、情緒的な反応をするだけだったように振り返る(ジェンダー系以外の方の書評はなかなかすごかった)。上野さんにも当時書評をお願いしたのだが、忙しくて余裕がなかったとのことで、今回三年経って改めて「応答」してくれた。

彼女の誠実な対応には頭が下がる思いがするが……これが「応答」になっているかは、うーん、微妙。まあ、大きくとらえればなっているとも言えるが、ぼくが上野さん自身に疑問を呈した事柄とかジェンダフリーをめぐる議論などについては言及がまったくない。ぼく自身は、結局、上野さんをもってしても『欲望問題』の問いに正面から回答できなかったのだと(偉そうに)思うのだけど、そのジャッジは両方を読み比べたみなさんに任せます。

あと、彼女はこの「日本のミソジニー」という評論のなかで、児童性愛者について論じているのだけど、そういうセクシュアリティに関しての捉え方はどうなんだろう? 昨今の「非実在青年問題」の盛り上がりを考えても、当事者の方々は自分たちの主張をしたほうがいいようにも思うのだが。ともかく、上野さんの律儀さに心よりリスペクト!←これはマジ

ああ、風邪ひいた

久しぶりに風邪ひきました。

原因は、すず。

きのう、狂犬病の予防接種とフィラリア検査&薬もらいに、動物病院に行ったのだけど

すずは血液検査のために、私と引き離されて別室に連れて行かれた途端、大暴れ。

別室からすずのわめく鳴き声と、すずをなだめる先生たちの声が聞こえた。

と思ったら、すずが別室から脱走(リードをつけたまま)。

先生の手に余る様子に、「私、一緒についてます」と言って、鉄を待合室につないでおこうとしていたら

すずの尋常ではない様子に鉄が動揺して、2階の待合室から玄関のある1階に逃亡。

あわてて鉄を確保し、その間も暴れに暴れているすずを抱っこして、診察に入る。

こんな小さな体にどれだけ力があるのか、信じられないほどの怪力で暴れる。

先生から「お母さん! すずちゃんに顔を見せてください!」と指示が飛ぶ。

ようやく少しずつ落ち着いてきた。

そしていよいよ本番。注射をされるときは、ウンでももスンでもない。(拍子ぬけだー)

でも私は汗だく。ひたいから汗がツツーッと流れ落ちました。

で、病院の帰り道にその汗が冷えて、風邪をひいてしまったものと思われます。

のどが痛くて、鼻水が出て、かなりダルい。ああー、咳も出てきた。