月別アーカイブ: 2009年11月

クィア、リブ飲み、美男時計、同窓、ロック

クィア学会についての記事を昨日アップしたら、けっこうな反響でビックリ! こんなに一度に励ましをもらったのは、91年に『プライベート・ゲイ・ライフ』を上梓したとき以来かもしれない。友人知人、面識のない人、運動や学術に関係のない人や、海外在住の人までほんとにたくさんの人からメールが届いた。みなさん、今回の件には大いに疑問を持たれたようだ。当事者の伏見よりもよほど怒っている文面も少なくなく、「まっとう」な感覚を持った性的少数者もたくさんいることにちょっとホッとした。

だけど、伏見はクィア学会のことを攻撃したいのではなくて、むしろ応援をしたいのだ。正直、最初は「ムカつく!」と激していただけだが(笑)、ある尊敬するご仁に、「学会というのは1トピック、1学会という不文律があるので、今回のようなことでクィア学会が駄目になってしまうと、クィアという分野自体が学術として育たなくなってしまう」と指摘されて、ちょっと反省もした。96年に『クィア・スタディーズ』という本などもいち早く出し、一貫してそうした動きを応援してきた立ち場としては、やはり良識ある学会になってほしい。だからこそ、ああした官僚的な言辞を弄してやり過ごそうとする態度は看過できないと思う。そんなのちっともクィアじゃないしね!

やっぱ形式が出来上がっていくと、実質がなくなっていく面もあるのかもしれない。それに比べて、先週のエフメゾの夜中の討論は超面白かったー! 酔いの戯れ言という建前で、集まった活動家や政治家や学者や学生や社会人の連中十数人が、マイノリティの運動について侃々諤々の「リブ飲み」(笑)。オカマ版「朝まで生テレビ」という様相で、平日ただ中だというのに結局明け方まで白熱していた。みなさん言葉が尽きないので、伏見ママですらほとんど口を挟めないくらいくらい。昨今、学会とかシンポジウムというと、みんな言質を取られないように、自分が傷つかないようにディフェンシブになってしまい、内容がなかったり、議論にもならなかったりする傾向がある。もしかして、これからは飲み屋話のほうが実質があるかもしれない!←自画自賛

なんていうと、エフメゾが「リブバー」のように誤解されてしまうかもしれない。いや、ふだんはエロあり笑いありのふつうのバーです(笑)。ただとにかくいろんな人が集まるので、ママとしても厭きない。

mfmap.gif最近ブレイクしている「美人時計」というアプリを出しているノンケ社長もよく来てくれるのだが(←この人、元吉本で面白い!)、その彼が今度は「美男時計」というのを作ったという。見てみたら、1分ごと異なるインが画面に現われるという優れもの。そこに登場するイケメンがゲイ的に受けるかどうかは……みなさん、見てのお楽しみ(笑)。やはりノンケが作ったものだなあと思った点は、脇に掲示されている男子のプロフィールに、身長はあっても体重の項目がないところ。ノンケにとってのイケメンってきっと痩せているのが前提だから、体重を記す必要がないんだよね。それに比べて、ゲイにとってのイケメンはスジ筋からガチムチまで幅がある!
http://www.bijint.com/binan/

エフメゾはそんな仕事をしている人も来れば、伏見の大学のノンケ同窓生も来たりする。先日来店した彼はパリダカールなどにも出場したことがある元バイクレーサー。十数年前、二丁目のディライト(現在のアーチ)で伏見が開いたパーティで、当時伏見の担当編集者だった女子と結ばれて結婚し、現在は一児を得て、市長さんをやっている。ゲイとレズビアンばかりのパーティで唯一のノンケだった二人が結ばれて、今どんな家庭を築いているのか知りたい人は、発売中のAERAをご覧ください。「はたらく夫婦カンケイ」のページで、なれそめを語っています。タイトルは「ゲイバーで出会ったダイアモンド」(笑)

ゲイバーって一夜の劇場みたいでほんとに楽しい。大変なこともあるにはあるが、それ以上にいろんな出会いと刺激があってやめられない。学生さんからご年配の人までがいっしょに飲める空間が嬉しい。伏見は今ちょっとアグレッシグな気分なので、11/11(水)のBGMはロック。伏見がロックの名曲だと思うものを集めてiPODに入れました。ツェッペリンもストーンズもイエスもELPもブルース・スプリングスティーンもELOもドゥービーもかかります。お暇な方はカフェタイムから営業していますので、ぜひ遊びに来てください。カフェタイムは17:00−19:00、バータイムは19:00−04:00です。

お部屋1981/図書館の中では見えないこと 10・国会図書館がカバーや箱を捨てている事情【追記ありあり】

1963/多摩図書館廃棄本問題と「書影使用自由」の表示
1966/廃棄本・里親探しの実情
1967/改めて地域資料を調べてみる
1968/除籍予定本の大半は多摩の資料ではないのでは?
1969/図書館の中では見えないこと 1・図書館はコンビニである
1970/図書館の中では見えないこと 2・こんな図書館があったら
1971/【必読】多摩図書館廃棄本についての正確な情報
1972/図書館の中では見えないこと 3・図書館の本はC級品
1973/図書館の中では見えないこと 4・図書館と税金
1974/情報を訂正するためのツール
1975/図書館の中では見えないこと 5・断裁の現在
1976/図書館の中では見えないこと 6・私設図書館とコレクター
1977/図書館の中では見えないこと 7・本は商品である
1979/図書館の中では見えないこと 8・デジタルとアナログ
1980/図書館の中では見えないこと 9・国会図書館は保存に徹すべし
 
 
今回で終わりです。どうせ私ごときが言ったところで、「本を廃棄するな」という人たちは引き続き主張し続けるのでしょうから、これ以上言い続ける意味はないです。最初から意味はなかったんですが、言っておかないとスッキリしないものですから。

どうせ何を言っても無駄と諦めていたテーマであって、成り行きでこうも長くなっただけのこと。このあと当面は図書館については触れないでしょう。デジタル化の問題があるので、それだけは取りあげるかもしれませんが、その辺の話は「マツワル」でやっているので、「黒子の部屋」ではたぶんやらないと思います。

そういえば今月は「マツワル」の募集月間です。そのうち思いつきで始めますので、規約でも見ておいてください。
 
  
最初に言っておきますが、今回は長いです。とっとと終わらせたいものですから、一度に出します。
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東京朝鮮高校ラグビー部、がんばれ!

ポット出版で2007年に刊行した『青き闘球部』の著者、李スンイルさんから
東京朝鮮高校ラグビー部が、東京都予選で、なんと決勝まで進んだとのメールをもらいました。
決勝戦は、15日秩父宮ラグビー場にて、相手は強敵、國學院久我山です。
國學院久我山といえば、全国一に何度もなっている強豪。
これに勝てば、夢の花園。
ああ、勝ってほしいなあ。

大阪朝鮮高校は、早くも花園出場を決めた模様。
花園は2年ぶり、4回目。
東京朝鮮高校は、いまだ花園出場ならず、過去には一歩手前で涙をのんだこともある。
ああ、ほんとに勝ってほしいなあ。

『青き闘球部』は、朝鮮高校ラグビー部のドキュメンタリー。
設立から花園一歩手前の強豪チームになるまでの部員たちの青春群像を描いています。
15日勝っても負けても、この機会にぜひとも『青き闘球部』ご一読を!

映画「バサラ人間」●12月大阪で1週間限定レイトショー

孤高のイラストレーター・長尾みのる原作、『イラストーリー バサラ人間』(1969年刊)が、活弁映画監督・山田広野の初のトーキー映画で甦る。

2009年3月・渋谷ユーロスペース、5月・渋谷アップリンクX、7月・札幌ATTICで上映された映画「バサラ人間」が、12月5日(土)より大阪第七藝術劇場で公開決定!

主演/団時朗(『帰ってきたウルトラマン』主演・郷秀樹役)・仲村みう(2006年ミスヤングマガジン)・他、音楽/J・A・シーザー(演劇実験室◎万有引力)。

サイケデリックでレトロフューチャーな映画「バサラ人間」を見逃すな!

◎映画「バサラ人間」

オフィシャルサイト:http://basaraningen.com/

【上演情報】
日時●
2009年12月5日(土)〜12月11日(金)
毎日20:50〜 1週間限定レイトショー
場所●
大阪「第七藝術劇場」:http://www.nanagei.com/
料金(当日)●
一般1,700円
専門・大学生1,400円
シニア1,000円

【あらすじ】
時代の寵児、ファッションデザイナーのアナニス・オナニス氏(団時朗)が提唱する「バサラ」というライフスタイル。その渦中でアイドル・ピチャ(久世律)、美少女モモコ(仲村みう)に降りかかる変態達の歪んだ欲望。時間・性差・階級等全ての壁を自由にすり抜ける不思議な人間・ナッグ(采花)。次第に明かされるナッグの謎が、オナニスの嘘を解き明かしていく……。

【スタッフ・キャスト】
監督:山田広野
原作:長尾みのる『イラストーリー バサラ人間』(よるひるプロ刊)
音楽:J・A・シーザー(「演劇実験室◎万有引力」主宰 ex「演劇実験室◎天井桟敷」)
脚本:渦匁悠一郎/北庄司知宜/山田広野
キャスト:団時朗/采花/仲村みう/久世律/OBIKA/佐々木ユメカ/沢田王子/吉居亜希子/デリシャスウィートス/演劇実験室◎万有引力/野上正義/飯島洋一/根岸季衣/螢雪次朗

監督:山田広野/プロデューサー:北庄司知宜 /エグゼクティブ・プロデューサー:飯島洋一、沢辺均 /音楽:J・A・シーザー/原作:長尾みのる『イラストーリー/バサラ人間』(よるひるプロ刊) /脚本:渦匁悠一郎、北庄司知宜、山田広野 /撮影:三本木久城 /照明:安部力 /録音:小林徹哉 /美術:田村拓 /メイクデザイン・衣裳:チャーマァ●ハイヂ /編集:北山広知 /画像効果:John Springman、大地絵美 /スーパーバイザー:小鉄、根本豊、門田克彦、香月達行、外波山文明 /助監督:石川雄也/配給:スローラーナー/製作・映画『バサラ人間』製作委員会:ヤリタイ・ピクチャーズ、株式会社スタジオ・ポット(ポット出版) 、株式会社/汎企画
[77分、カラー、HD、ステレオ]

【関連URL】
映画「バサラ人間」公式WEBサイト http://basaraningen.com/
監督・山田広野公式HP「活弁天国」 http://katsuben.net/
特別対談「山田広野×飯島洋一」 http://xs355350.xsrv.jp/pot-wp/news/basarataidan1.html
特別対談「山田広野×チャーマァ●ハイヂ」 http://xs355350.xsrv.jp/pot-wp/news/basarataidan2.html

◎関連書籍

・原作『イラストーリー バサラ人間
・オフィシャルガイドブック『映画「バサラ人間」
・監督初の単行本『山田広野の活弁半生劇場

版元ドットコム入門・電子書籍の状況から作り方売り方まで

版元ドットコム入門という講演会を開きます。
版元ドットコム入門というのは、版元ドットコムの勉強会のシリーズ名です。
僕が担当なので、告知、です。

はい、もちろん二次会付きです。
終わって飲むのもまた勉強の機会になります。

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版元ドットコム入門・電子書籍の状況から作り方売り方まで

書籍の電子化はどうやら具体的に足下まで近づいているようです。
マンガや小説などの携帯配信を中心にした電子書籍は、
150社約1000サイトの電子書店サイトが営業し、年商500億円規模という調査もでています。
アマゾンのキンドル、アップルのiPhoneと年明け発売かと噂されるマックタブレット、
デバイス(端末)側が先行して、これにのせる書籍や新聞などのコンテンツの対応動向が
注目されているような気がします。
版元ドットコム入門(版元ドットコムの勉強会のシリーズ名)では、
電子書籍の状況と、どのように作るのか、どこでどのように売ることができるのか、
出版社としての具体的な対応の選択肢として、電子書籍の販売を考えてみることにしました。
たとえば
・電子書籍フォーマットって全部でいくつあって、それぞれ、どういう端末に対応関係にあるか?
・電子書籍フォーマットのそれぞれの特徴
・電子書籍を販売するサイトはどこにどれだけあるのか
・実際電子書籍ってどうつくるの
などなど、です。
「電子書籍の状況から作り方売り方まで」
どうぞご参加ください。(文責・沢辺均)

●内容(一部変更のある場合があります)
○電子書籍の制作と販売の実際
 梶原治樹(扶桑社 デジタル事業推進チームマネージャー)
 漆山保志(扶桑社 電子書籍担当)
○PC/iPhone/携帯での配信実例
 鎌田純子(株式会社ボイジャー取締役 制作企画担当)
○.bookをinDesignから作ってみた(デモ)
 山田信也(ポット出版 デザイナー)
○国立国会図書館のすすめる資料の電子化の構想と現状(予定)
 国立国会図書館から予定
終了後、懇親会をします。(割勘です)

●日時 2009年12月02日(水) 18時30分〜20時30分(終了予定)
●参加費 
 ・版元ドットコム会員社=無料
   関西支部枠10席用意あります、関西支部の方は直近の参加申し込みも可能
 ・会員社外=500円
   会員社以外、出版社以外の方も参加ください
 ・懇親会=割勘
●申し込み方法
 ・下記フォームで申し込みください(申し込み締切 11月25日(水))
 http://spreadsheets.google.com/viewform?formkey=dElyVE9kSGF4SE8zakZibFpTOWpyLUE6MA
 ・版元ドットコム事務局宛のメールでもかまいません。
 hanmoto-g@hanmoto.com
●場所 東京電機大学7号館7階 7702教室
 〒101-8457 東京都千代田区神田錦町2-2
 http://mirai.dendai.ac.jp/access.html
* 御茶ノ水駅 (中央線・総武線) 徒歩8分
* 神田駅 (山手線・京浜東北線) 徒歩8分
* 淡路町駅 (丸ノ内線) B7出口・徒歩3分
* 新御茶ノ水駅 (千代田線) B7出口・徒歩3分
* 神保町駅 (半蔵門線・都営三田線) A7出口・徒歩8分
* 神田駅 (銀座線) 1番出口・徒歩8分
* 竹橋駅 (東西線) 3B出口・徒歩8分
* 小川町駅 (都営新宿線) B7出口・徒歩3分

主催●版元ドットコム有限責任事業組合 
 〒150-0001 渋谷区神宮前2-33-18#303 ポット出版内
 電話:050-5515-9290 ファクシミリ:03-3402-5558
共催●東京電機大学出版局

ず・ぼん15●予約受付中

2009年11月20日刊行予定の近刊『図書館とメディアの本 ず・ぼん15─横芝光町立図書館/米沢嘉博記念図書館/Enju』の予約を受付中です。

1994年から刊行を続けている『ず・ぼん』は、今回で15号目。
国立国会図書館が蔵書のデジタル化に本格的に取り組み始めるなど、大きな変化が訪れている中、図書館は硬直せず、新しい在り方にどうチャレンジしていけるのか。『ず・ぼん15』では、「図書館のこれから」を考えるきっかけとなる現場の声をひろってきました。

特集記事の紹介や目次など、詳細はこちら
バックナンバー(12号まで)の記事の全文公開はこちら

ご予約希望の方は本が出来次第、送料無料でお送りします(代引の場合は代引手数料300円[代金1万円以下]のみご負担いただきます)。

本のタイトル/冊数/お名前/郵便番号/住所/電話番号/メールアドレス/お支払い方法(郵便振替または代引がご利用できます)をお書きのうえ、こちらへメールをお送りください。折り返しご確認のメールを差しあげます。

図書館とメディアの本 ず・ぼん15─横芝光町立図書館/米沢嘉博記念図書館/Enju


編●ず・ぼん編集委員会
定価●2,000円+税
ISBN978-4-7808-0137-8 C0000
B5判 / 192ページ / 並製
[2009年11月20日刊行予定]

内容紹介や目次など、詳細はこちら

こうしてエロ本の仕事をすることになった [下関マグロ 第12回]

今でも四谷四丁目から四谷三丁目にかけての新宿通りを歩くと、ここを3輪の原付バイクで走ったことを思い出す。時期は1984年の秋から1985年の暮れまで。麹町にあるパインの事務所に通っていたのだ。

今でもそうだが、新宿通りから行けば、四谷四丁目の交差点から歩道も車道も広くなり、視界が開ける。僕は劇的に変わるこの景色が好きだった。

JR四ツ谷駅を通り過ぎると、右に上智大学がある。その並びのビルに『SPA!』になる以前の『週刊サンケイ』の入っているビルがあった。ここには、オリーブオイルのPR仕事で一度お邪魔したことがある。上智大学の学食はその後何度も食べに行ったことがある。

ルノアールがあり、その先につけ麺大王があった。今は両方ともない。その先に「蛇の目寿司」がある。これは今でもある。ただし一度も行ったことがない。というか、当時はお金がなく、自分たちにそんな選択肢があるということは思いもしなかったのだ。そのお寿司屋さんの手前のビルの地下にあったのがアートサプライという編集プロダクションで、パインたちはここに間借りしていたのだ。

パインが僕に期待をしていたのは、広告営業だった。 続きを読む

お部屋1980/図書館の中では見えないこと 9・国会図書館は保存に徹すべし

1963/多摩図書館廃棄本問題と「書影使用自由」の表示
1966/廃棄本・里親探しの実情
1967/改めて地域資料を調べてみる
1968/除籍予定本の大半は多摩の資料ではないのでは?
1969/図書館の中では見えないこと 1・図書館はコンビニである
1970/図書館の中では見えないこと 2・こんな図書館があったら
1971/【必読】多摩図書館廃棄本についての正確な情報
1972/図書館の中では見えないこと 3・図書館の本はC級品
1973/図書館の中では見えないこと 4・図書館と税金
1974/情報を訂正するためのツール
1975/図書館の中では見えないこと 5・断裁の現実
1976/図書館の中では見えないこと 6・私設図書館とコレクター
1977/図書館の中では見えないこと 7・本は商品である
1979/図書館の中では見えないこと 8・デジタルとアナログ
  
 
『図書館界』という雑誌に「国立国会図書館におけるポルノグラフィの納本状況」という論文が発表されたらしい。

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 本稿では,Amazon.co.jpが扱う図書がNDL-OPACでヒットするかを調べる形で国立国会図書館における納本状況を調査し,ポルノグラフィのほとんどが納本されていない現状を明らかにする。
 また,ポルノグラフィを刊行している出版社の納本状況を調査し,一般出版物は納本しているにもかかわらずポルノグラフィだけは納本していないといった結果も提示する。
 さらに国立国会図書館,取次,出版社に聞き取り調査を行い,日本の現行納本制度の運用上における諸問題を考察する。

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「エロでもなんでも保存しろ」という立場ながら、今現在のものについては微妙な点がいくつかあるので、ここはおおっぴらに踏み込まないで欲しいと思ったりもして。全部納本させた上で、あえて未整理のままにして、検索にひっかからないようにするのが理想です。その事情にも私は踏み込まず、とっとと本題。

私が国会図書館を信用できないのは、東京国際ブックフェアで語ったように、国会図書館は保存に徹しておらず、なおかつ完本を保存する発想がないことです。
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さらに先の図書館Webサービスと、保存体制のバックボーン案

これまで勤務先では、ブログをはじめソーシャルブックマークサービス、ブクログ、そしてGoogle AJAX Feed APIなどを利用し、様々なWebサービスを展開してきた。
最近では、公開準備段階でまだ公式サイトからのリンクは貼っていないが、「結城市関連論文ナビゲーター」というサービスの準備を進めている。
これは、図書館側で用意した地域に因むキーワードをクリックするとCiNiiを検索して、全文表示可能な論文を表示するものだ。
公共図書館ユーザーにとって、CiNiiはあまり馴染みのあるものではなかったと思うが、ネットワークと資料のデジタル化のおかげで、CiNiiに収録されている膨大な学術情報を能動的に提供できることを示す事例として、これは意義があるのではないかと思う。
なお、このプログラムを製作した当館スタッフの牧野雄二が、国立情報学研究所主催のCiNiiウェブAPIコンテストに応募している。

「結城市関連論文ナビゲーター」のような路線で考えると、例えばPORTAなどの外部データベースのパーマリンクを利用し、選書感覚でセレクトしたデータに、図書館サイトから利用者を誘導することにも大きな可能性を感じる。

図書館のWebサービスを介して資料を知る利用者もいるだろうし、最近の図書館はそういうこともやるんだなぁ、と関心を持ってもらうきっかけになってくれることも期待している。
だが、これらはすべて図書館にしかできないことというわけではなく、やろうと思えば個人にも可能なことである。
現状手が届きつつあるこうしたWebサービスの方向性は、図書館固有の機能と呼ぶにはまだ少々足りない。
ではこの先、どうすればいいのか?

やはり司書が利用者や情報に対し、図書館や図書館サイトで自館にアクセスされるのを待ち受けるだけでなく、能動的に仕掛けていくことを考えたい。
つまり、非来館者サービスとしてのWebサービスという次元を超えて、図書館サイトに来る人だけでなく、Web上の一般的な場所にも司書が出て行って、積極的にサービスする試みも必要だろうと感じている。

そういう意味で、これまでにiGoogleガジェットを用意してみたが、これもユーザーがわざわざ組み込まないと使えないのだから、まだまだ満足できるレベルとは言い難い。
検索バーへのプラグインにしてもそう。
まだ図書館(サイト)を知っている人だけを対象としたサービスの域を出てはいない。

そんなことを感じていたので、先日国会図書館が三菱総研に調査を委託している次期システムの検討会議「国会図書館情報検索サービスの利用者ニーズに関するディスカッション(第6回)」に参加した際、メーカーが工場からパソコンを出荷する時点で、あらかじめブラウザーの検索バーにPORTAを組み込んでおいてもらえないだろうかという意見を出してみた。
結構無茶な意見だったかな?とも思うし、実現するかどうかはわからないが、そういうことができれば、今よりも図書館を身近に感じる人は増えるだろう。
さらに、国会図書館の資料の電子化を見越した場合、PORTAの検索結果から当該資料を所蔵している公共図書館一覧が表示できて、最寄の図書館にリンクするといった導線が必要だと思ったので、そんな仕掛けをぜひ用意して欲しいと提案してみた。
また、前回書いたOCLCのウェブスケールに関することもある程度話すことができた。
現状は、まだまだ分担保存体制が確立されておらず、他館の所蔵を確認してそれぞれが保存・除籍を考えるといったルールも整備されていないところが多い。
例えば僕が勤務している茨城県に関していうと、市町村と県との関係は、分担型なのか県内の最後の砦として県立が控えているのか、まったく不明確な状態であり、最近になってようやくその点を議論しようという機運が高まりつつある程度の状態に過ぎないのだ。

少なくとも司書は、ルールが整備されていない段階である以上「最後は国会図書館が持っていればいい」ということで安心して思考を停めてはいけないだろうと思う。
地域の図書館が地域のアーカイブとして責任を持つ分散管理型でいくのか、市区町村の後ろに都道府県、さらには国会図書館がバックアップ機関としてアーカイブしておく体制になって行くのか、今のところはいずれとも言えない曖昧な状況である。
だが最低限、除籍しようという時点で他の図書館が持っているのかどうかを知らせてくれるアラート機能が働くような総合目録は必要ではないかと思う。
個人的には、その資料が単に地球上に存在するという保証があれば良いのではなく、図書館はその資料を利用する人のアクセシビリティも考えた方がいいと思うので、できれば都道府県立図書館の機能を強化することが望ましいと思うが、ともかくそうした議論さえまだ始まってもいないように思う。

保存体制を支えるシステムとしては、総合目録の構築を前提にウェブスケール的なシステムを構築するのが、いま考えられる限りでは最も有効ではないかと僕は思う。
さらにもうひとつ考えられそうなのが、都道府県立図書館は、ゆにかネットやNACSIS-CATに接続できるのだから、その傘下に各市町村を束ねたミニ総合目録をつくり、コントロールする方向性だろうか。
あるいは、図書館システムベンダーならば自社製品の目録を集めることも容易だろうと思うし、公共図書館界最大のMARCサプライヤーであるTRCならば、公共図書館版OCLCのように発展できる可能性もあるかもしれない。

PORTAに代表されるWeb上の情報源という点でも、もちろん国会図書館には大いに期待しているが、そうした他機関を利用する方向とは別に、地域の図書館ならではの主体的なWebサービスとしては、どんなことが可能だろう?

その地域の司書がレコメンドする情報、という部分にしか価値が残らないとしたら、その情報発信自体、いつまで存在意義を保てるか、確信は持てないと僕は思う。
だから、これまでやってきた路線とは別にもう一本、全く違ったことをやる必要があるんじゃないかと考え、現在新しい構想を練っている。

ところで、こんな具合にWebサービスをどんどん発展させることに対し、キーとなる人材が異動したらサービスが止まってしまうではないかといった懸念を聞くことがある。
確かに、サービスの安定供給を旨とする考え方は正しいと思う。
だが、一人や一部だけではなく、多くのスタッフを巻き込んで一緒に話を進め、動き出して習慣化させることができれば、安定したサービスとして定着させ得るというのが僕の実感だ。
あとはそのサービスを評価し、不断に改良し続けられれば良いと思うが、そこにはどうしても人材の問題が絡んでくる。
自治体の人事制度や委託などの問題ともリンクするので、ここで詳しく言及はしないが、ともかくいま現場で出来ることを、何か一つでも始めてみることが大事なのではないかと思う。

お部屋1979/図書館の中では見えないこと 8・デジタルとアナログ【追記あり】

1963/多摩図書館廃棄本問題と「書影使用自由」の表示
1966/廃棄本・里親探しの実情
1967/改めて地域資料を調べてみる
1968/除籍予定本の大半は多摩の資料ではないのでは?
1969/図書館の中では見えないこと 1・図書館はコンビニである
1970/図書館の中では見えないこと 2・こんな図書館があったら
1971/【必読】多摩図書館廃棄本についての正確な情報
1972/図書館の中では見えないこと 3・図書館の本はC級品
1973/図書館の中では見えないこと 4・図書館と税金
1974/情報を訂正するためのツール
1975/図書館の中では見えないこと 5・断裁の現実
1976/図書館の中では見えないこと 6・私設図書館とコレクター
1977/図書館の中では見えないこと 7・本は商品である
 
 
やっとまとめ終わりました。

出版の話は図書館の話の中で出すより、出版の話として出した方が興味を抱く人が多いでしょうから、このあと、新刊宣伝用のシリーズをやるとしたら、そちらで出すかもしれませんが、こちらでは出版業界の話を簡単に済ませ、今回を入れて、あと3回で終わらせます。説明部分をすっとばしているので、なんでそうなるのかよくわからん人もいるでしょうが、あとは各自考えるように。
 
 
都議会の議事録で経緯を確認してみました。今回廃棄される地域資料に限った答弁は見当たらなかったのですが、都立図書館の体制変更に伴う廃棄問題については、以下で取りあげられています。

2001.12.11 : 平成13年_第4回定例会(第16号)
2002.02.19 : 平成14年文教委員会
2002.02.20 : 平成14年_第1回定例会(第1号)
2002.03.04 : 平成14年文教委員会
2002.03.07 : 平成14年_第1回定例会(第5号)
2005.09.30 : 平成17年文教委員会
2006.12.01 : 平成18年_第4回定例会(第15号)
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