月別アーカイブ: 2009年6月

序章 [下関マグロ 第1回]

「せっかく受かったんじゃから、そこへ行きなさい」

母親は、唯一合格した大学に行けと言う。もっともなことだ。僕は、一浪しており、その年に受けた大学もほとんど落ち、たったひとつだけ合格した大学なのだ。しかし、この唯一合格した大学は、たまたま予備校で試験があったので、受けただけで、まったく行く気がなかった。だいたい東京の大学に行きたいと思っていたのだが、その大学は大阪にあった。僕はどうにも気が進まず、母親の言葉にも黙っていた。

「おばあちゃんも心配して、どこでもええから、行きなさいって言うちょったよ」
と母親が言う。祖母は、病気で入院していた。そんな祖母に心配をかけちゃいけないなと思い、この大学へ行くことにした。

大阪の大学とは桃山学院大学であった。入学してもやる気は起こらず、僕は5年間も大学生活を送ることになった。1年留年したのだ。

つまり一浪一留で、僕は社会に出るのに通常の人よりは2年多めにかかったことになる。これだけ、時間を費やしたにもかかわらず、僕は自分がどういう仕事をしたいかとか、何をやりたいかということはさっぱりわからなかった。

でも、とりあえず東京へ行こうという考えはあった。不思議なことに東京に行けばなにかあると思っていたのだ。

就職活動というものはほとんどせず、とりあえず上京。高校時代の同級であった岡本くんの下宿先へ転がり込んだ。 続きを読む

Googleカスタム検索

勤務先のWEBサービス勉強会で、Googleカスタム検索が面白そうだという話が出た。

Googleカスタム検索は、外見はサイト内検索の検索窓と似た感じだが、特定サイト内の指定したディレクトリ以下だけを検索するという機能で、さらに複数のサイトをまとめて検索することもできるというのが大きな特徴だ。

この話が出てすぐに、「はてな」や「ブクログ」を使った当館のWebサービスをまとめて検索する「WEB図書館横断検索」をつくってみた。
さらに、このカスタム検索をいろいろ試しているうちに、自館発の情報を束ねて検索する以外にも、もっと面白いことに使えそうな気がして思いついたのが、雑誌の出版社サイトを横断検索して、目次検索に近いものをつくることだ。

そこで、現在継続受入中の雑誌457タイトルの全出版社サイトをチェックし、fujisan.co.jpやCiniiなども利用して325誌の擬似目次検索機能をつくってみた。
これだけ大量のサイトを横断するのだから、いっそGoogleをそのまま使えばいいのか?などと迷いながら作業したのだが、意外に利用価値のあるものが出来たのではないかと思う。

★ゆうき図書館「雑誌記事サーチ」

ところで、各出版社サイトを見ているうちに思ったのだが、大半は目次を公開しているものの、そのファイルが画像であったり、サイトで独自に目次データベースを作っているなど、Googleのクローラが情報を拾えないサイトが案外多い。
自社出版物を全部まとめて同じフォルダに入れているサイトもいくつかあったのだが、それではノイズが多すぎて検索しにくい。
今のところ、自社サイトを訪れた人が刊行物の情報を見るという導線以外を想定していない出版社が多いようだが、書誌や目次に外部から直接飛んでくる導線をもっと意識した方が、より多くの人に本を見つけてもらいやすいのではないかと思った。

もっともこれは、図書館OPACについても同じことが言える。
今のところ多くの図書館システムは、書誌1つ1つが固有のURLを持っていないので、Googleから直接蔵書を検索することはできない。
だが、書誌データが開放された図書館システムが増えれば、Googleカスタム検索で、簡単に図書館間やオンライン書店と図書館との横断検索ができるようになる。
サーチエンジンで図書館蔵書が探せるとなれば、そこから実際に来館して図書館を利用する人も現われるかもしれない。
だから今後は、そういった図書館システムが増えて欲しいと思う。

この「雑誌記事サーチ」は出版社のサイト次第で、最新号に限らずバックナンバーも調べられる可能性がある。
これに対して、既に公開済みの「新着雑誌記事速報」は、RSSリーダーで分野ごとに新着記事をブラウズできるものだ。
今のところ「はてなRSS」を使っているが、タイトルごとに一覧できる仕組みをGoogle AJAX Feed APIでテストしている。

★ゆうき図書館「新着雑誌記事速報」

こういった外部の情報源を活用するやり方は、手軽に無料である程度のサービスを提供できるのだが、この方向で突き進めば万全だとは考えていない。
OPACや商用データベース、電子ジャーナルなど、これまで図書館が提供してきたサービスは、検索対象データが保証されたものに限られていた。
それに対し、出版社サイトを検索する仕組みのような不安定なサービスに軸足を置くことは、本当は好ましいことではないだろう。
例えば、文献に基づいた資料の正確な裏づけとして、資料のある、無しなどの確証を得たい場合は、このツールでは、不十分な結果となる。
網羅的で緻密な情報検索と、図書館資料への導線をたくさん設けることとの違いを利用者が理解して、それらの特性を活かした使い方をして役立ててもらえればうれしい。

ある程度不十分な状態であっても、現段階で出来る限り、調べもののツールを多く提供できるよう、利用者の選択肢を広げていけるよう、工夫しながら進めていきたいと思う。

お部屋1868/部数と印税 4・上製にする理由

お読みでない方は、以下を先にどうぞ。

「1864/部数と印税 1」
「1865/部数と印税 2」
「1866/部数と印税 3」

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間もなく出る『エロスの原風景』を宣伝するために始めたシリーズなのですが、ついつい書き込んでしまって長くなってます。今回こそ終わるつもりだったのですが、さらに1回伸びました。もうちょっとおつきあいください。

今回は以前書いたことの焼き直しです。広く公開した文章ではないので、改めて書き直して出しておくことにしました。「部数と印税」ではなく、「部数と定価」がテーマです。

2004年に私の企画・監修で翻訳本『セックス・フォー・セール』を出した時、「3360円は高い」と文句をつけてきた人がいます。
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お部屋1866/部数と印税 3・下がる印税率

「日本トンデモ本大賞」矢野穂積のパシリと化した人々傍聴人の写真を撮って議会で注意される恥ずかしい市議「貝になりたい」とわめき続ける饒舌な盗作者など気がかりなことがたくさんあるのですが、「1864/部数と印税 2」の続きです。

出版業界紙「新文化」をチェックしていると、出版界が終焉に向かっていることをヒシヒシと感じます。年にいくつも出版社が潰れているのはいつものこととも言えますが、書店のチェーンまでが次々と潰れています。そりゃ、本の売り上げが増えないのに、雑誌はコンビニにもっていかれ、本はアマゾンにもっていかれれば、書店は潰れるしかない。

かといって、コンビニとネット書店が既存のマーケットのすべてを支えられるかと言えば無理でしょう。町の書店が消滅しつつある中で、18禁のエロ本が危機に瀕しているように、書店があるから売れていた商品が存在しています。

「エロ本なんてなくなってもいい」と考える人たちもいそうですが、「くだらない本」「公序良俗に反する本」「どうでもいい本」「すぐに捨てられる本」「安直な本」を含めて本のマーケットは成立しています。むしろ、それが大多数かもしれない。

そういった本はついでに買うものだったり、勢いで買うものだったり、気分で買うものだったりしますから、わざわざアマゾンで探して買う人はあまりおらず、どうしたって部数は減ります。
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いい男

吉田拓郎とかぐや姫が1997年に嬬恋でおこなったコンサートの
短縮版再放送をテレビでみた。

若いとき、拓郎なんてちっともいいと思わなかった。
ああいう「男」って感じがいやだった。
ところが、再放送をみて思った。
「拓郎、いい男だなー」
この日からファンになった。

わが家にもいます。いい男が、一匹。
顔はいいんだけどねー。でも、心が狭いんだよねー。
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お部屋1865/部数と印税 2・刷部数と実売

「1864/部数と印税 1」の続きです。

前回、「ネットでは印税について細かく、かつ正確に書かれたものが少ない」と書きました。

以下は、「印税とは」で検索すると上位にくる印税の説明です。

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印税とは、著作権使用料です。本を出版するために、出版社が著作者に支払います。

単行本の定価の10パーセントが、印税分に割り当てられる場合が多いです。出版部数に応じて、印税は支払われます。

出版物が売れようが売れまいが、著者が受け取る印税は変わりません。

本が始めて出版されることを初版といい、次に出版されることを2版といいます。版が増えるその度に、印税は支払われるのです。

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「1864/部数と印税 1」を読んだ方にはおわかりのように、「明らかに間違っている」とまでは言えなくても、これでは「買い取りもある」「実売計算の印税もある」「印税率はさまざま」「版と刷は違う」ということがわかりません。

その点、ウィキペディアの「印税」の項では必要最低限の説明がなされていますが、「詳しい説明」とは言いがたい。

なぜこうも印税について正確かつ詳細に語られることが少ないのかと言えば、印税は本を出す人しか興味がないってこともあるでしょうし、興味があるはずの著者たちも、こういう話を公開してはいけないと思い込んでいることがあるためです。
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いただいたご本『きみが選んだ死刑のスイッチ』

「ホームルーム、裁判員制度、死刑。この三つに共通する、最大の注意点はなんでしょう? 答えは、この本のなかにあります。「思考停止」を乗り越え、手遅れになる前にじっくりと考えるための、入魂の一冊。」

裁判員制度がはじまるにあたって、この本は、日本国民なら誰しも読んでおくべき一冊かもしれない。議論を法とか民主主義の成り立ちから掘り起こしていて、私たちの社会の根幹を振り返るのにとても有意義。伏見は死刑制度に関しては、「やっぱあったほうがいいんじゃない?」というくらいの情緒的な立場なのだが(要するにあまりちゃんと考えていない)、本書を読んでうーむと考え込んでしまった。というのも、死刑囚がどのように殺されるのかが詳細に記述されていて、その臨場感を共有することで、それまでふたをしてきたものを開けられたような気がしたのだ。

だけど、「あんたは人を殺せるの? 殺していいの?」と畳み掛けられるようで(意図してそうした書き方にしているのだろうけど)、その倫理主義的な物言いが逆に説得力を失わせてしまうような気もした。あと、小泉の新自由主義が諸悪の根源!みたいな断定は、どんなものかなあと……。ともかく、本書がとても良いテキストであることは間違いなく、死刑について考えたことがない人は一度手に取ってみるのがいい。

よりみちパン!セシリーズの『阿修羅のジュエリー (よりみちパン!セ シリーズ44)』はまだ読めずにいる。面白そうな気もするのだが、伏見にとってジュエリーは「豚に真珠」なので、興味がわかずごめんなさい。……「国宝「阿修羅像」は、キラキラでエキゾティックなジュエリーをまとった、天平のファッションリーダーだった! そしてあまりにも有名なこの少年顔の鬼神の装飾には、現代のアクセサリーや携帯ストラップの持つ秘密が隠されていたのです。」

ポット出版社長・沢辺均の日記-18[2009.6.02-6.04]

01時にちょっと加筆

●2009.06.02火
今日は雑用つぶした日。
夕方、原書房のブックデザインの打ち合わせ
夜飯、手下=大田に買い物に行かせ、でかいホットプレートを久しぶりに取り出して、
広島風お好み焼きを作って振る舞うが、食べてくれたスタッフ半分くらい。
人気ないな、オレ。
この日、制作チームは、飯付きメィーテイングに。
●2009.06.03水
朝8時出勤、デザイナー和田と打ち合わせてから、ウエヴサイトの仕事の打ち合わせで、
福島県南会津町針生の芳賀沼製作へ。
はじめて、プリウス=ハイブリッドカーに乗った。

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昼飯を田島駅前の柏屋とうそば屋で、半ソースカツ丼ともりそばのセットを食べて、
午後は、芳賀沼製作の社長、専務、はりゅうウッドスタジオのメンバーたちと打ち合わせ。
夜、田島町の焼き肉屋・やなぎで、焼き肉三昧。日高と、はりゅうウッドスタジオの若手女性・白鳥さんと
三人で、ロース2人前/カルビ2人前/上ロース1人前/上カルビ1人前/ホルモン1人前/キムチ盛り合わせと
ご飯を食べる。
この店は値段と量と味のバランスが抜群、値段のわりに量が多く、うまい。
写真の上カルビは1600円で1人前でこの量。普通のカルビとロースは1000円なんだ。

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●2009.06.04木
昼前から出版会議。制作チームとの顧客対策会議、それから
神楽坂の日本出版クラブで、出版倉庫の大村紙業の説明会。
はは、乾杯の音頭だった。オレでいいのか?
懇親会で、いろんな人と挨拶させていただきました。
で、我が社のバイト、映画監督志望の川崎龍太のおじさんという方がいた。
世間は狭し。
また、書協の坂詰さんがおいらのふるーい友人とあったとか。
世間は狭し。