月別アーカイブ: 2009年2月

第59回ベルリナーレ 2月11日

ドイツにいながらも、W杯予選のオーストラリア戦が
気になっていました。家族に録画を頼んだのですが、
やっぱり気になっちゃって、ネットニュースで見てしまいました。
引き分けって、どーなんでしょうか?
帰ってから、「よくやった!」の引き分けなのか、
「ああもう勝てたのに!」の引き分けなのか、録画で確かめることにします。

さて、サッカーではなく、映画祭に戻りますね。
今日も青木さんに、新聞評を読んでもらいました。
前回、プレススペースにはドイツの新聞2紙が置いてあると言いましたが、
あとでよく聞いてみると、5紙ぐらい置いてあるそうです。
その中から、長年ドイツに住んでいる青木さんが、
これ!とチョイスした「ベルリン新聞」と「ターゲスシュピーゲル」の2紙を
毎朝手に入れて、そこからの情報を解説してくれるのです。

それぞれの星取り表(5、6人の評価)によると、今のところ
「ベルリン新聞」ではイギリスの爆破事件を描いた「London River」が
トップだそうです。一方、「ターゲスシュピーゲル」では、
ドイツのラブストーリー「Alle Anderen(Everyone Else)」がトップで、
「London River」は評価が低いのだとか。
これには、共感できず、思わず首をひねってしまいましたね。

さて、今日見た3本と、昨日のヴィム・ヴェンダースのパーティについて
紹介します。

恐ろしいほど救いがなくて
残酷な物語「Katalin Varga」

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いい悪いは抜きにして、今日までのコンペ作品の中で、
一番残酷で過激な内容であり、監督の個性が際立っている作品でした。
ただ、映像や手法はどこかで見たような…という感じが
しないでもないです。
何となく、ラース・フォントリアーを思い出したのですが、
救いのなさにおいては、彼の映画を上回っているかもしれません。

主人公のKatalinは、夫と11歳の息子と幸せに暮らしていたのですが、
ある日、息子が夫の子どもではないことが
明るみに出てしまいます。それによって、彼女と息子は
家を出ざるを得なくなります。
息子には、病気のおばあちゃんの見舞いに行くとうそをつき、
家を後にして、息子の父親を探す旅に出ます。

ルーマニア、イギリス、ハンガリーの合作なのですが、
舞台はルーマニアの田舎のようです。
広大な草原や野山が広がり、村々では羊の放牧や
農業で生活している人々の生活が映し出されていきます。
しかも、Katalinと息子は馬に荷車を引かせて旅をしているのです。
いつの時代?と思ったのですが、
途中で携帯電話を村の男が使うシーンが出てくるので、
映画の時代設定は現代なのだと分かります。

Katalinの真の目的が分からないまま、何か恐ろしいことが起こりそうな
効果音と映像が続きます。途中で、彼女の目的が判明するのですが、
その後も救いのない、かつ予想外の展開が続き、
ついに、まったく希望のない、残酷なラストシーンを迎えます。

監督は、Peter Strickland(写真下右)。
プログラムによると、ミュージシャンでもあるそうです。
ロンドンとブダペストに住み、「the Sonic Catering Band」の
創設者で、この映画は長編第一作目。

妖怪チックなエレン・バーキンはじめ
俳優陣のコラボが楽しめる「Happy Tears」

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何ともご都合主義的なエンディングでしたが、
映画としては楽しみどころがいっぱいで、
私は好きなテイストです。

父親が24時間の介護を必要とするようになり、
家族を置いて実家へ帰るローラとジェーンの姉妹。
母はすでに亡くなり、家には、父親の愛人が居座っていました。

あらすじだけ読むと、深刻なテーマを社会的メッセージを込めて
描くのかと思いきや、妹ジェーンの視点で、
終始ユーモア&シニカルなテイストで描いていました。
冒頭で、妹のジェーンが2800ドルもするブーツを
衝動買いするのですが、姉に「新しいのね。いくら?」と
聞かれ、「500ドルくらい」と答えてしまったり、
父の愛人がすご〜く、挙動不審で奇妙な女だったり…。
この愛人をエレン・バーキンが演じているのだけど、
これが妖怪チックでスゴいです。
かつては独特の雰囲気が魅力のセクシーな女優さんでしたが、
雰囲気はそのままに、彼女ならでは変な女を演じているので、
面白かったです。
そのほか、姉をデミ・ムーア、妹をパーカー・ポージー、
父親をメン・イン・ブラックシリーズのリップ・トーンが
演じていて、俳優陣もコラボも楽しめます。

監督は、「ウェディング・バンケット」などで
俳優としても活躍しているミッシェル・リヒテンシュタイン。
この映画は、彼の2作目の作品とのことです。

24歳で凶弾に倒れた
伝説のラッパーを描いた「Notorious」
(コンペ外)

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24歳で凶弾に倒れたクリストファー・ウォレスの伝記映画。
ブルクックリンに生まれ、ドラッグの売人として逮捕される青年時代から、
The Notorious B.I.Gとして一時代を築き、
24歳で殺されるまでを描いています。

ヒップホップやラップは好きだけど、
名前と顔が一致するのはエミネムくらいで、
この業界についてはよく知らないので、批評は控えます。
でも、私が女だからか、彼を巡る女たちに興味を引かれました。
特に、母親ですね。アンジェラ・バセットが演じたのですが、
女手一つで育てながらも、溺愛して甘やかすのではなく、
常に一定の距離をとりながら、それでも彼を深く愛してる様子が
心に染みました。

アメリカでは1月に公開されたようですが、
ネットで検索しても日本での公開についての情報は
見つけられませんでした。
彼を殺したのが誰なのか、今なお見つかっていないようです。

監督は、アメリカ出身のGeorge Tillman.Jr(写真下右)。
主人公を演じたのは、ニューヨークのラッパー、Jamal Woolard。

ヴィム・ヴェンダース監督と
握手ができて感激!

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昨日は、ヴィム・ヴェンダース監督がDJをするという、
ミッテにあるVerve Clubのパーティーに行ってきました。
入り口には何の看板もなく、知っている人しか入れない
秘密のお店という雰囲気でした。
10時過ぎに着くと、店内はすでに大混雑で、
おしゃれなドイツ人でにぎわっていました。
すでにヴィム・ヴェンダース監督は、DJブースにいました。
青木さんが、ヴィム・ヴェンダース夫妻と知り合いで、
一緒に仕事をしたこともあるので、
なんと、こんな私も紹介してもらって、握手してもらっちゃいました。
キアヌのときといい、ただのミーハーですね。
でも、監督の手は大きくて暖かかったです。
近々、村上龍の「イン・ザ・ミソスープ」を映画化するという話が
あるそうで、楽しみですね。
上の写真は、店内の様子と、クラブがあるフリードリッヒシュトラーゼ駅。
ここは昔、旧西から旧東に入るための検問所があったところだそうです。
それから、下の写真は快く写真撮影に応じてくれた、
気さくなヴィム・ヴェンダース夫人の
ドナータさんです。彼女は写真家で、夫妻の写真展が
表参道ヒルズで開催されたこともあります。
暗い店内で撮ったので、何回か失敗したにもかかわらず、
何回もカメラに向かってくれた、とてもいい人です。

下の写真は、このパーティーに来ていた
デザイナーのアニータ・ケックアイスさん。
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この方も、青木さんの懇意にしている人で、
ケックス(Kex)というブランドで独創的な首周りのアクセサリーを
作っています。
映画祭が終わったら、私も自分のお土産にぜひ、彼女のお店に
連れて行ってもらおうと思っています。
日本では、表参道にある「モディリアニ・ヌカ
で彼女の作品を購入できるそうなので、ぜひのぞいて見てくださいね。
ロンドンの有名な美術館、テイト・モダン(Tate Modern)でも、
ここでしか購入できない特別なコレクションを販売中とのことです。

第59回ベルリナーレ 2月10日

映画祭6日目です。
だんだん行き帰りの電車にも慣れ、
上映時間の合間に、近くのショッピングセンターで
買い物をする余裕も出てきました。

さて、今日もしっかり3本見ました。
これぞ金熊賞という作品に巡り会えるでしょうか。

これはかなり金熊賞に近いかも?と思った
テロによる爆破事件を扱った「London River」

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涙があふれるというより、心の奥底で静かに泣いてしまう映画でした。

2005年にロンドンで起こったテロリストによる爆破事件。
これにより、バスと地下鉄に乗っていた50人以上の
乗客が犠牲になりました。

「秘密と嘘」のブレンダ・ブレシン演じるエリザベスは、
ロンドンで暮らす娘と連絡が取れなくなり、
爆破事件に巻き込まれたのではないかと心配になって、
娘の住まいへと駆けつけます。娘がどんな暮らしをしていたのか
全く知らなかった彼女は、そこで、アフリカ出身で、
今はフランスに住むイスラム教徒のOusmaneに出会います。
娘がアラビア語を習い、Ousmaneの息子と同棲していたことを知り、
動揺するエリザベス。
この映画には、親と子の絆や、ジェネレーションギャップ、
人種問題や偏見、グローバル社会の現状など、
さまざまな問題が含まれています。
それらについて、押しつけがましいメッセージを送るのではなく、
人と人との感情のやり取りをていねいに描くことで、
胸に迫る映像を作り出していて、上映後もしばらくは
心が泣けるなぁという状態でした。
今まで見た中では、テーマも、映像も、演技も
一番質が高かったように思います。

アルジェリア、フランス、イギリスの合作。
監督は、フランス出身で、アルジェリア系の
ラシッド・ブシャール(写真下右)。
ブレンダ・ブレシンはこの作品で、
オスカーにノミネートされているようです。

年上の女と年下の男の
ラブアフェアを描いた「Cheri」

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フランスのColetteという人が書いた小説が原作。
1920年代を舞台に、上流階級のボンボン息子を相手にしている
高級娼婦と、若くてハンサムなCheriの出会いと愛を描いています。

まあ、テイストはまったく違いますが、
言ってみれば、社会的な部分を除いた
「The Reader」のような話とも言えます。
タッチはずっとずっと軽いですが、
年齢差のある愛はいつも残酷です。

監督は、「ザ・クイーン」「堕天使のパスポート」の
スティーヴン・フリアーズ(写真下右)。
高級娼婦を演じるのがミッシェル・ファイファーで、
とにかくスレンダーで、美しいです。
衣装も帽子も豪華で、話の内容はさておき、
そういうのを見るだけでも楽しめるかもしれません。
Cheriの母親を演じたキャシー・ベイツも
やり過ぎなくらい、笑いを誘う演技で、
いつもながら存在感がすごいです。

でも、いまなぜこの映画?という感想を抱いてしまいました。

安藤政信が軍人役で出ている
チェン・カイコーの「Forever Enthralled(梅蘭芳)」

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「さらば、わが愛/覇王別姫」のチェン・カイコー(写真下右)が
再び、京劇を題材にした映画を撮りました。
実在の京劇俳優メイランファン(梅蘭芳)の生涯を描いています。

しかし、なぜ今この題材?という違和感が拭えません。
「さらば、わが愛/覇王別姫」がヒットしたのは1993年です。
これは、カンヌでパルムドールを受賞したようですが、
あの当時には目新しかったであろうテーマが、
今は驚きでも何でもありません。
実際、上映中は途中退席する人が今までになく
多かったように感じます。

とはいえ、「北京ヴァイオリン」のときに感じた、
情に流れて甘過ぎ!という感じはなく、
押さえた演出で、芸術家の内面やその周りの人々の
生き様を描いていました。

主演は、レオン・ライ。チャン・ツイィーも
出ています。そして、ちょうど第二次世界大戦の時代なので、
軍人役で安藤政信が重要な役どころを演じています。
久々に見た安藤くんは、端正な顔立ちで、良かったです。

今日はこれから、ヴィム・ヴェンダースがDJをするという
ライブに出かけてきます。この様子は、後日また紹介しますね。

明日は休みだ

前回の僕の日記を読んだ先輩(SM関係)から昨夜電話をもらいました。
「浅草橋のやきとん、いいの?」
「最高です」
「じゃあ、行こう。行くとき電話してよ」
「ああ、僕家近いんでいつでも大丈夫ですけど、明日とかどうですか?」
「わかった」
ハードボイルドなまでの会話の早さで、今夜、痛飲決定です。

明日は休みだし、糸の切れた凧みたいになるまで飲もう。
そして、隅田川に飛び込もう。
それでは、お疲れ様です!!

第59回ベルリナーレ 2月9日

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今日は早朝、ベルリンに雪が降りました。
でも、写真のように、うっすらと積もるくらい。
雪が降るくらいなので、こちらはずっと暖かく、
帽子や手袋なしで外を歩けるくらいです。
6年前はすごく寒かったのが、うそのようです。

毎日、青木さんと私は、だいたい8時半に会場について、
プレス用のエリアに行って資料をもらいます。
そこには、その日の記者会見のスケジュールや、新聞2紙、
スクリーンなどデイリーの冊子ほか、ミネラルウォーターが置いてあって、
自由に持っていくことができます。
新聞はドイツのものなので、青木さんが読んで、
前の日に見た映画の評判や、その日見る映画の情報について
いろいろ解説してくれるんです。

星取り表が毎日掲載されているのですが、
それを見ると、今のところ、フランソワ・オゾンの「Ricky」、
イラン映画の「About Elly」、ボスニアがらみの問題を扱った「Storm」、
ハートウォーミングなラブストーリー「Gaigante」などが
幅広い評価を集め、「Mammoth」「Little Soldier」などは
賛否両論でした。また、サリー・ポッターの「Rage」は
評価がだれも低かったです。
私の感じでは、まだ金熊賞一押しと言える作品は
出てないように思います。

さて、前置きはこのくらいにして、
今日見た4本を紹介します。
キアヌ・リーヴス見たさに潜入した記者会見の様子も
お知らせしますね。

新鮮さがほとんどなかった
ラブストーリー「Alle Anderen(Everyone Else)」

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ドイツ映画です。
バカンスを楽しむ1組のカップルが、最初は子どもじみたじゃれ合いを
楽しんでいるも、ちょっとしたことで気持ちがすれ違ったり、
また戻ったり、またすれ違ったり…という様子を延々映し出します。

ポスターがちょっと刺激的だったので、
見る前はあらぬ妄想がいろいろ頭をかけめぐったのですが、
まあ、なんてことはない、よくあるラブストーリーでした。
痴話げんかをしては、愛をかわして仲直りし、
「私のこと愛してる?」と彼女が聞くと、彼は答えず、
その様子にいらだつ彼女…。
かといって、派手なけんかをするわけでもなく、
微妙にすれ違っていくんです。

でも、くだらないと言って席を立つほど
不快感を与えるわけではないので、
この2人、どうするのかなぁとダラダラ見続けてしまう、
ソフトな昼メロチックなテイストでした。

何の社会性があるわけではないけれど、
こういった男女間の感情のすれ違いは万国共通のようで、
途中退席する人はあまりいませんでした。
監督は、Maren Ade(写真下右)という女性です。

イラクからの帰還兵を描いた
アメリカ映画「The Messenger」

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イスラエル出身で、「アイム・ノット・ゼア」の脚本家である
オーレン・ムーヴァーマン(写真下右)の監督デビュー作。

イラクで負傷して、長い間病院にいたウィルが
アメリカに帰ってきます。その彼を待っていた仕事は、
イラクで戦死した兵士の家族に、その死を知らせにいくという
メッセンジャー役。
上司のトニーと連れ立って、何件もの家を訪ねるウィル。
伝えにきた彼を悲しみゆえに口汚くののしる家族や、
泣き崩れる老いた両親…、それを黙って見つめるしかないウィル。
そんな心が痛む任務の中で、心惹かれる女性オリヴィアに出会います。

一兵士の視線を通して、イラクに何人もの兵士を送り、
その兵士が死んで帰ってくるという、今なおあるアメリカの現実が
浮かび上がってきます。
その中で、上司と部下の関係の変化や、元恋人とのやりきれない別れ、
新しい恋の行方が、ベタつきのない演出で語られ、
とても質の高い作品に仕上がっていると思いました。
私自身はアメリカのTVドラマ「ブラザーズ&シスターズ」で
このイラクの問題を知り、普通の人々が苦しむ姿を垣間見ましたが、
映画でもこういうテーマが扱われるようになったのだなぁと
興味深く見ました。

ウィルを演じたベン・フォスター(写真上左)も、
上司のトニーを演じたウディ・ハレルソン(写真上右)も
いい味出していました。
ハレルソンはただでかいだけの印象しかなかったのですが、
中年になって、渋さが加わり、初めていい俳優さんだなぁと感心しました。
サマンサ・モートンは好きな女優さんで、ウィルに心寄せられる女性を
演じていたのですが、若かった頃のキュートさが消え、
ちょっと貫禄でちゃって、残念でした。
まあ、うまかったですがね。

中年の主婦が直面する魂の危機と
新たな旅立ちを描いた「The Private Lives Of PIPPA LEE」
(コンペ外)

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子育てが一段落した中年の主婦の方々にお勧めの映画です。
私はとっても好きです。ある種のファンタジーですね。

ロビン・ライト・ペン演じるピッパー・リーは、
2人の子どもを育て上げ、裕福で魅力的な30歳年上の夫をもち、
料理ももてなしも上手な完璧な主婦。
その彼女が、ある日、朝起きてみると、
キッチンにチョコレートケーキが食べ散らかされていて、
言いようのない不安におそわれます。
何回かそんなことが続いたある日、防犯カメラに録画された
キッチンの映像を見てみると、なんとそこに映っていたのは
夢遊病者のように動き、ケーキを食べる自分の姿で、
ピッパーは愕然とします。
そして、今まで自分がどんな人生を送ってきたのか、
振り返るのです。

母親を嫌って、母親のような生き方をしたくないと家を飛び出した娘時代。
夫に出会って、結婚するまでの自分…。
子育て、そして、今は娘に嫌われている自分…。
女の切ない人生が描かれるのですが、テイストがユニークなので、
結構笑えます。
出演時間は短いものの、ジュリアン・ムーアやモニカ・ベルッチ、
ウィノナ・ライダーがインパクトのある役で出ているんです。
特に、ウィノナはちょっとイタい感じがしますが、会場の爆笑を誘っていました。

そして、キアヌ・リーヴス。年上の女性との恋の役が多いですね。
今回もぴったりはまっていて、素敵でした。

監督は、レベッカ・ミラー(写真下右)。自身のデビュー小説を自身で映画化したそうで、
この監督さん、父はあの有名なアーサー・ミラー、
夫はダニエル・ルイス。そして、記者会見で見たご本人は、
女優かと思うくらい、美人さんでした。
天はいくつもの才能を彼女に与えたのですね。
まあ、親とか夫とかの七光りとは思えない仕上がりでした。

そして、キアヌ・リーヴスの記者会見に行ってきました。
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写真は、記者会見場のハイヤットホテルの裏口で、
スターの入り待ち(昼間の別の日)、出待ちをする人々です。
記者会見場には昨年からライターのカメラ持ち込みは禁止になったそうで、
記者会見の写真は撮れませんでした。
様子をちょっと紹介すると、ロビン・ライト・ペン、キアヌ、監督、
若手の女優2人の計5人が参加。やはり、質問はキアヌと監督に集中して
いましたね。キアヌは、映画とは違って、ほおのあたりからヒゲをはやし、
ワイルドでした。いくつになっても、脂ぎってなくて、素敵です。

よしながふみのマンガ「西洋骨董洋菓子店」を映画化した
韓国映画「Antique

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Kulinarisches Kinoのカテゴリーで上映された映画で、
22時からの上映に、行ってきました。
これはプレスパスで入れなかったので、7ユーロ払ったんです。
飲食できるところで、早く行けば、映画にちなんだケーキなども
食べられたようです。

この映画のことは、よしながふみ好きな青木さんの情報で
初めて知りました。青木さん宅にマンガもあったので、
夜寝る前に2巻まで読んだんです。中途半端ですが…。
日本では、4月から恵比寿ガーデンシネマなどで
公開するようですね。
日本では、タッキーや椎名桔平、藤木直人などで
テレビドラマ化されたみたいです。

監督は、ミン・ギュドン、主演は、チュ・ジフン。
上映前に、監督と、フランス人パティシエ役の俳優さんの
挨拶がありました。

映画は、半分ストーリーを知り、半分知らない状態で見たのですが、
前半のちょっとコメディタッチの軽い雰囲気が
事件がからんでくる後半はいいあんばいで緊迫し、
どんどんハイテンポになって、引き込まれていきました。
主要キャスト4人を演じる俳優陣が、どの人もはまっていて、
特に、私はチュ・ジフンによろめきました。
青木さんは、パティシエを演じたキム・ジェウクがいいそうです。
韓国では大ヒットしたようですが、日本でも、
またおばさまたちを動員するのではないでしょうか。

たみおのしあわせ

今日、劇作家の岩松了さんと3月に刊行予定の脚本『船上のピクニック』の打ち合わせで会いました。
ポットへのおみやげに岩松さんが監督した映画『たみおのしあわせ』のDVDもらいました。
これから店頭に並ぶそうです。
オダギリジョー、原田芳雄、麻生久美子、大竹しのぶ、小林薫、忌野清志郎、石田えり、富士眞奈美といった芸達者な面々の豪華キャストです。地味な好青年という役どころのオダギリジョーもなかなかすてきです。でも足が長すぎる。
私は映画館に観に行きましたが、観終わって席を立つ時、中高年カップルと女性一人の観客が多かったのにちょっと驚きました。でもよく考えたら、私も中高年で女一人でした。
ところで、戯曲に続き、岩松さんのコラム集も予定しています。乞うご期待!

第59回ベルリナーレ 2月8日

昨日はいったん家に戻ってから、
想田和弘監督の「精神」を見に出かけました。
何と上映時間は22時15分からとかなり遅く、
2時間超の上映時間だったので、タクシーで家に帰り着いたのは
午前1時半を過ぎていました。
でも、ベルリンっ子たちのナイトライフが少し垣間見えて面白かったです。
上映場所のCubixという映画館は、旧東ドイツ地区にあり、
6年前に見た「グッバイレーニン」で知ったテレビ塔が
すぐそばにあるんです。
映画館の隣には、ビニールハウスのような簡易カフェなのか、
簡易ディスコなのかがあって、若者の派手な音楽がもれてきていて、
深夜を過ぎても、多くの人がまだたむろって遊んでいました。

さて、肝心の想田監督の映画「精神」がどうだったのかは、
今日見た3本の映画のあとに、紹介しますね。

巨漢でシャイな男性が主人公!
彼が恋に落ちてとる行動がユニークな「Gigante」

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恋とは無縁だった35歳のJaraのちょっと変わったラブストーリー。
Jaraはとにかく巨漢で、おなか周りなんか、
まるでワイン樽のよう。仕事は、スーパーマーケットの警備員。
いつも、スーバーの監視室で、何台もの防犯カメラを切り替えながら、
犯罪の防止に目を光らせています。
といっても、すっごく暇なスーパーのようで、
カメラに映し出されるのは、従業員同士の子どもじみたけんかや、
掃除用具に隠して万引きする姿などで、いつもクロスワードで
時間をつぶしています。
その彼が、ある日、監視カメラに映ったJuliaに恋してしまうのです。
以来、彼女のあとを毎日のようにつけて、
彼女の生活をのぞき見るわけです。

シャイで経験がないから、告白する、とかに行かないで、
まるでストーカーのごとく付け回すわけです。
でも、ヌーボーとした風貌ゆえか、なんか微笑ましい感じなんですね。
もっと音楽を派手に使って、テンポ良く描いてもいいんじゃない?とも
思いましたが、何とも言えないまったり感がこの映画はいいんだと思います。
細かいシチュエーションにもこだわって作っていて、
くすっと笑えるユーモアが心地よい、ハートウォーミングな作品でした。

ウルグアイ、ドイツ、アルゼンチン、オランダの合作で、
監督は、ブエノスアイレス出身のAdrian Biniez(写真下右)。

ニューヨーク、タイ、フィリピンの、
子どもをめぐる現実が描かれる「Mammoth」

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スウェーデン、ドイツ、デンマークの合作です。
監督は、スウェーデン出身のルーカス・ムーディソン(写真下右)。
日本でも「ショー・ミー・ラブ」や「エヴァとステファンとすてきな家族」が
公開されているので、知っている人も多いのではないでしょうか。

今回、映画の舞台はニューヨーク。
高級アパートに暮らす夫婦と8歳の娘、そして、そこで働く
フィリピンから来た子守りのグロリアをめぐる物語です。
ガエル・ガルシア・ベルナル演じるレオは成功したクリエイター。
出張でタイに2週間ほど行くことになります。
妻のエレンは、ERで働く外科医。刺されたり、暴力をふるわれて
運び込まれる人々の命を救うために献身しています。
そして、フィリピンに2人の息子を置いて出稼ぎにきている
子守りのグロリア。
彼女と息子との携帯電話でのやりとりはしょっぱなから泣けます。
年取ると、こういうシーンにはめっぽう弱いですね。

一番かわいい盛りの子どもを置いて、
他人の娘を世話しなければならない現実。医師の母親もまた、
自分で選んだ職業とはいえ、自分より子守りになついている娘を
ものすごくさびしい気持ちで見ています。
一方、父であるレオは、世界中の男たちがタイで女を買っている現実を見て、
自分だけはそうなるまいと、ヒーローじみた行動をとるのですが…。

ニューヨーク、フィリピン、タイと、
遠く離れてしまった家族が直面する問題が、
舞台を変えて、次々と描かれていきます。
そこに、その国特有とは言えない、グローバル化の中で生まれている問題が
浮かび上がり、それによって孤独に泣き、傷つけられる子どもたちの
姿が映し出されていきます。
最後の方は、少し感傷に流れすぎた気もしますが、
私的にはかなり高得点をあげたい映画です。
でも、終映後の客席の反応は、拍手もあったものの、
ブーイングもかなり多かったです。
ラストのまとめ方への批判なのでしょうか?
確かにここで扱っているタイやフィリピンの現実は、
「やっぱり家族はいい!」的な納得のさせ方で解決できるわけじゃないけれど、
この映画自体は、新しい描き方で問題を提起していたと感じました。

新しい試みではあるけれど
全編これはキツい「Rage」

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「タンゴ・レッスン」や「耳に残るは君の歌声」のサリー・ポッターの
新作と聞いて、プレス向けの上映は大混雑しました。
でも、NYのファッション業界を舞台にしたブラック・コメディという
題材の描き方があまりに斬新すぎて、途中退席の人が続出しました。

とにかく、ドキュメンタリーではなく、
フィクションでこの手の手法は、今まで見たことありません。
全編英語で、ほとんどよくわからなかったのですが、
設定としては、ファッション業界にかかわる14人の人々が、
新作コレクションの準備中に、若いブロガー、ミケランジェロの
インタビューを受けるというもの。
一人ひとりが、バストアップの大写しで、
正面を向いて、語りかけます。
背景はバックスクリーンのみで、人ごとに色が変わっていきます。

出ている俳優さんは、ジュディ・デンチ、ダイアン・ウィースト、
ジュード・ロウ、スティーブ・ブシェミなどなど、そうそうたるメンバー。
女装のジュード・ロウなんて、滅多に見れるもんじゃありません。
しかし、ただ、独白するだけの映像なので、
英語がわからないとキツいです。わかっても、最初から最後まで、
ずっと同じはキツいと思います。
しょうがないので、目の色がみんなキレイだなぁとか、
さすが、ファッション業界というだけあって、
仕立てのいい服着ているなぁとか、
人によって違う背景の色が、すっごくキレイだなぁとか、
そんな細部を眺めていました。

ただただ見つめることで
いろいろなことが見えてくる「精神

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フォーラム部門に招待されたこの作品は、想田和弘監督(写真下)の観察映画第2弾。
第1弾は、選挙運動を追ったドキュメンタリー。

「精神」は、岡山にある「こらーる岡山」という外来の精神科クリニックが
舞台。うつ病や躁鬱病、統合失調症などを長年患っている人々に、病気になるまでのことや、
今の日常生活、気持ち、不安や悩みなどをインタビューして、
それらを包み隠さず映し出していきます。
クリニックで先生(写真上右)の診療を受けるシーンも入っています。

精神疾患に関しては、まだまだ表立って取り上げることを避けたがる
日本にあって、よくこれだけの映像が撮れたなぁと思います。
実際、撮影は一人ひとり、許可を撮りつつ行ったそうで、
相当ていねいに作られています。

患者さんたちが話す内容は、それこそめちゃくちゃシリアスであるものの、
どこか突き抜けた感があるからか、見ている方がしんどくなることは
あまりありません。時折、笑いを誘う場面も結構ありました。

途中、25年患っているという人が出てきて語る、
偏見についてのくだりがとても印象深かったです。
他人は偏見の目で見るが、自分の中にも偏見があって、
それを取り去るのがとても大変だったということ。
また、普通とそうじゃないという分け方をするけれど、
すべてが健康で過不足ない人というのはあり得ない。
みんなどこかしら、健康に見える人にも普通じゃない部分があるということを
病気と向き合う中で感じたということでした。
確かにそうだよなぁと、聞き入るシーンがありました。

想田監督がすごく懐の深い視線で撮っているからでしょうか。
病気であってもなくても、そう変わりはないという、
温かさを感じました。
この映画には、全体を通して押しつけがましいところがなく、
そこがとっても心地よい。
そして、ただただ見つめることで、いろいろなことがわかってくるという
観察映画ならではの醍醐味も感じました。

お部屋1773/瀬戸弘幸でも情報を疑う

昨夜も中国人の娘さん2名とチャットしていたのですが、2人とも「こんばんは」と書いてました。いつでも紹介しますので、クロダイさんは、彼女たちから日本語を教えてもらうとよろしい。

ちなみに今回は「本音と建前の使い方が、日本人と中国人ではどう違うのか」について照らし合わせてました。面白かったです。便利ですね。スカイプは。

さて、いよいよ瀬戸一派が本領を発揮し始めました。

この国は未曾有の不況に襲われており、遂には正社員切りも始まってます。そんなことはなかったかのように、「かんぽの宿」「天下り」など、やりたい放題の官僚たちに対する批判が高まっています。何に興味を抱くのも、何に怒りを感じるのも自由ですが、いやしくも国士というのであれば、あるいはいやしくも議席を狙うのであれば、今こそ取り組むべき問題がいくらでもあるでしょうに。
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第59回ベルリナーレ 2月7日

毎朝定時に起きて電車に揺られ、ポツダム広場駅まで。
まるで、会社に出勤するOLのような生活です。
ドイツには満員電車というものはないようで、
7時台の電車でも、ほぼ座って行けます。
ドイツの電車で驚くのは、自転車OK、犬OKなこと。
日本だったらあり得ないことですが、一両に自転車2、3台が
乗っていることもありますし、大型犬、小型犬問わず、
犬も電車内でよくみかけます。

さて今日見た3本の映画を紹介します。

監督が何を描きたかったのかわからなかった
イラン映画「Darbareye Elly(About Elly)」

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イラン映画というと、日本ではアッバス・キアロスタミが有名で、
子どもが主人公の映画が多いという印象だが、
ここ数年、日本で公開されたイラン映画って、あっただろうか?
ちょっと思い当たらない。

この映画は、イランの男女の関係、結婚事情がちらっと垣間見える作品で、
3組の夫婦と子どもたちが、連れたって泊まりがけのバカンス(?)に
出かけるところから始まります。
そこに、招かれたAhmadとElly。
Ahmadはドイツ人の妻と離婚したばかり。
その彼に紹介したいという意図で、Ellyも招かれていました。

前半は、海の見える小屋で楽しむ家族たちの姿がていねいに描かれ、
少し退屈。でも、イランに住む人々の暮らしをあまり知らない
私にとっては、興味深いシーンも多く、例えば、
夜、子どもも交えてみんなでジェスチャーゲームを楽しんだり、
何か決めるのに、女性も含めたみんなの意見を聞いてみたり…。

前半はそんなこんなでまったりと進んで行くのだけど、
途中で起こる突然の事故でEllyが行方不明になってしまうんです。
それを境に彼女の秘密が明らかになっていくのだけど、
その秘密はEllyのパーソナリティゆえなのか、
イランというお国柄ゆえのものなのか、
それが見終わってもよくわかりませんでした。

Asghar Farhadi監督(写真下右)の描きたいことが、
イラン人の普通の夫婦関係、男女関係のことだったのか、
それともそこに社会性を込めたかったのか。
たぶん、社会性を込めたかったのだろうとは思うのだけど、
それがストレートに見るものに伝わるまでには
描ききれていなかったように思います。

Ellyはこの旅行に鞄を持ってきているのだけど、
それがルイ・ヴィトンのバッグなんです。しかも、村上隆デザインの。
これが色味のあまりない映像の中で、
何かを象徴するように際立っていたんですね。
これって、西洋文明の流入で、
イランの夫婦関係、男女関係が変わりつつあるという
意味がこめられていたのでしょうか。

質の高い社会派映画とはわかるものの
言葉のハンデが大きかった「Storm」

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ボスニア戦争の戦犯を有罪にするための裁判の証人になっていた男が
自殺してしまう…。その裁判を担当していたハンナは、
その男の妹に証言してもらおうと彼女を説得し、
証言台に立ってもらうのだが、
大きな影の力に阻まれてしまう…。

質の高い社会派映画とはわかるものの、
内容がかなりハードなうえ、イギリス人俳優のしゃべる英語は早くて
まったくわからなかったので、批評は控えます。
ただ、わからないながらも、会話には緊迫感があり、
演じる俳優陣はすばらしかったので、日本で公開されたら、
ぜひ見直してみたいです。

この映画は、ドイツ、デンマーク、オランダの合作で、
監督はHans-Christian Schmidというドイツ人(写真下右)。
メインの言語は英語で、字幕はドイツ語、
時折ほかの国の言葉も出てきたりして、
その場合は、字幕がふたつ。かなり混乱します。
グローバル社会を象徴しているのか、合作映画が多いし、
言語もひとつにしぼらず、いろいろというのが増えているようです。

さて、主役のハンナを演じたケリー・フォックス(写真上左の奥)は
日本ではパトリス・シェロー監督の「インティマシー 親密」が
記憶にあるのではないでしょうか。
この映画、ほぼ全編、全裸のからみあい、というのが話題で、
2001年のベルリン映画祭で3部門を受賞しているそうです。

フランス人監督とトミー・リー・ジョーンズの
コラボが新鮮な「In The Electric Mist」

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何とも不思議な作品でした。
体裁は、連続殺人鬼を追うトミー・リー・ジョーンズの物語なのですが、
単純な警察もの、というより、横道にそれまくって、
途中で、南北戦争の老人の大将がでてきたり、
それが現実なのか、夢なのか、なんだかわからないまま進んだり。
まあ、私は結構好きなテイストです。

この映画、監督はフランス人のベルトラン・タベルニエ(写真下)。
そして、言語は英語なのに、なぜか字幕も英語でした。
この謎は最後まで溶けませんでした。

今日はこれから、想田監督の「精神」を見に行きます。
この映画の話は、また明日報告しますね。

第59回ベルリナーレ 2月6日

今日は朝9時からプレス向けの上映が始まるため、
青木さんの家を7時半前に出発! 8時半前には、
会場のあるポツダム広場駅(ポツダマー・プラッツ)に着きました。
ベルリンへ来る前、ドイツは100年に一度の寒さと聞いていたので、
相当の覚悟をしていましたが、意外と暖かいです。
実際、1月はマイナス17度くらいまで下がっていたそうですが、
今は、マイナス2、3度といったところでしょうか。

さて、前置きはこのくらいにして、
今日見た3本の映画を紹介しますね。

軍人だった若くない女性が主人公の
デンマーク映画「Little Soldier」に涙…

コンペティション部門の枠で上映される映画は、
全部で26本ありますが、コンペ対象外の作品が8本ほど混じっています。
昨日のオープニングもそうで、世界的に公開される大作映画がそうですね。
ですので、コンペ対象作品としては、この「Little Soldier」が
第一作目となります。

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デンマーク映画なんて、日本ではほとんどお目にかかれません。
予備知識ゼロで見たのですが、冒頭から目が離せず、
ぐいぐい引き込まれ、ラストシーンでは人生の哀感が募って、
涙してしまいました。

物語は軍人であるロッテが、隣国でのミッションに心も体も傷ついて、
故国デンマークに帰ってきたところから始まります。
どう見ても20代には見えず、くたびれた感じの30代半ばの女性。
そのロッテが父親のもとで働くため、久しぶりに実家を訪れると、
そこには年若いナイジェリア人の恋人、リィリィがいます。
ロッテの仕事というのが、このリィリィのドライバー。
高級車ジャガーに乗って、リィリィを送り届ける先は、
彼女をお金で買う男たちの家。
普通の客だけでなく、リィリィに睡眠薬を飲ませ体をなで回したり、
拳銃を突きつけて一緒に死のうと迫ったり、危ない変態男も混じっています。
遠い海外から女を手配して売春させ、そのうちの一人を愛人にしている父親、
その父親の庇護の元で葛藤をかかえながら、リィリィと情を深めて行くロッテ。
ロッテが最後にとる行動は、父への決別でもあり、
自分の足で立って歩いて行く決意でもあったわけで、
ラストシーンは、そのことを映像でもくっきりと表していて、見事でした。

遠いデンマークの国の話ではありましたが、
描いているテーマは世界共通のものと言え、
地味ながらも、俳優陣の演技力で、とても見応えがありました。
それにしても、主役の女優さんのシワといい、おなかのタルミといい、
日本のキレイな女優さんと違ったリアルな感じがよかったです。
監督は、コペンハーゲン出身の女性監督Annette K.Olesen(写真下右)。

年上の女との恋愛は永遠のテーマ!?
ケイト・ウィンスレットが見事な「The Reader」
(コンペ外)

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2000年に日本でもベストセラーになった、
ドイツ人作家ベルンハルト・シュリンクの「朗読者」が原作の映画です。
当時すぐに読んでいたものの、すっかり内容を忘れ、
しかも本はどこかに消えていたので、ポットの那須さんに急遽借りました。
ドイツに来る飛行機の中で読破! おかげで、英語にそれほどわずらわされずに
映像に没頭できました。

この映画、ドイツが舞台ですが、
アメリカ・ドイツの合作になっていて、監督はイギリス人、
言語も英語で、ドイツ語の字幕スーパーでした。
よって、主人公の二人の名前が、ハンナはハンナのままでしたが、
ミヒャエルは英語読みのマイケルに!?(なんか変ですね…)

まあ、そんなことはどうでもいいっちゃあ、いいですね。
映画はどうだったのかというと、これが原作のイメージを損なわない、
かなりいい出来でした。
内容を少し説明すると、ケイト・ウィンスレット演じるハンナは、
バスの車掌をしながら孤独に暮らす30代半ばの女性。
その彼女が15歳の青年マイケルと出会います。
性に好奇心旺盛な年代のマイケルをハンナがリードする形で始まった関係は、
ひと夏のうちにどんどん深まり、やがて、別れた後も、生涯にわたって
忘れることのできない関係へと進んで行きます。
ハンナがアウシュビッツの看守だったという過去により、裁判にかけられ、
刑務所に入るという展開に至り、ハンナを忘れたい、でも忘れられないという、
マイケルの想いが綴られていきます。

本を読むより、映像の力に圧倒されたのは朗読のシーン。
ハンナが刑務所に入ってから、文盲のハンナのために、
何本も何本も朗読のテープを送るマイケル。
文盲であるがために、罪が重くなったハンナ。
そのハンナを助けられなかったマイケルの、
愛なのか、贖罪なのか、わからないけれど、
声を介して愛のやりとりをしているようで、
何とも美しい純愛シーンにもう、泣けました。
女はこういう映画に弱いんです。

ハンナを演じるケイト・ウィンスレットは、その脱ぎっぷりといい、
人生に疲れた感じといい、それでいてエネルギーに満ちた感じといい、
見事な演技だった。私は結構この女優さんが好きで、
彼女が演じるなら間違いないだろうと思っていたら、
まさにその通りでした。ちょっとラストはキレイなおばあさん過ぎたけど、
まあ、それはしょうがないですね。

マイケルの青年時代を演じたデイヴィット・クロス(写真上)、大人になってからの
レイフ・ファインズ(写真下左)も秀逸。監督は、「リトル・ダンサー」
「めぐりあう時間たち」のスティーヴン・ダルドリー(写真下右)。
最後の方で、マイケルがハンナの遺言で、アウシュビッツで生き残った女性を訪ねる
シーンがあるのだけど、ここは原作とは違う
監督の意図を感じるシーンでした。

何とも中途半端だった
フランソワ・オゾンの「Ricky」

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フランソワ・オゾン(写真下右の中央)と言えば、
「8人の女たち」「スウィミング・プール」など日本でも有名な監督。
最近新作を見ないなぁと思っていたら、
こんな映画を撮っていたんですね。

登場する赤ちゃんは文句なしにかわいかったけど、
ストーリーは、何とも中途半端な感じがしました。
赤ちゃんに秘密があって、普通じゃない赤ちゃんぶりなのですが、
それはそれで、今までになくて面白かったです。
でも、もっとファンタジーに徹してもいいのに、
リアルドラマの部分を結構ていねいに描いているんです。
まあ、新しい家族の形を書きたかったのかもしれないけど、
オゾンにしては、毒気が足りなく、
物足りなさが残りました。
これ、日本で公開されるでしょうか。

明日は4本見る予定です。
お楽しみに!

五賀雅子

突撃! ポットの晩ごはん

今日の晩ごはんは、社長のポケットマニーで寿司ぱーりーでした。


特上寿司たち。他にも、ばら寿司、太巻き、海鮮サラダなどなど。


たまごを食べる本日のスポンサー。


そして水面下で虎視眈々と狙う鉄さん。

げふ満腹。
ごちそうさまでした。