月別アーカイブ: 2006年12月

ありがとうございました

12月末日をもって、スタジオ・ポットを退職することになりました。短い期間ではありましたが、本当にありがとうございました。

ポットにおじゃまさせてもらうことになった初日の朝、床に転がっている(死んでいた?)先輩方を見て、当時大学生だった私は「これが社会か…」と思いました。流通については「取次って何ですか?」とイチから教わりました。編集の仕事は、おもしろさと難しさを同じくらい知りました。

何もかもがはじめて知ることばかりで、毎日が文字通り「勉強させていただいた」日々。これからは、みなさんにお会いできたことを大切に抱えて歩んでいきます。またいつかどこかでお会いできる日を楽しみに…。
ありがとうございました!

養子を迎えました。

fukufuku1.jpgといっても猫ちゃんですが。里親募集のサイトにアクセスして新しい家族を得ることにしたのです。
我が家は余命いくばくもない老婆と、更年期障害の中年男の二人暮らしなので、最近どうも死臭が漂っていて(笑)このままじゃあヤバいということになり、禁欲していた猫との暮らしをはじめることにしました。おととしにブーニーを亡くして以来、もう猫はやめようと母と言っていたのですが、背に腹は代えられず。
しかし、子猫ってすごく元気! なんか目が回ってしまいます。生後3ヶ月って生命力がスパークしていて、圧倒されますね。黒白の雑種で、祖母の名前をとって「フクちゃん」と名付けました。雌猫で相当気が強そうなので春日局っぽいし、シニカルな表情をするところは『ハッピーマニア』のフクちゃんに似ていないこともないし……。
伏見はこのところ単行本を二冊書き上げて(『欲望問題』の刊行は2月頭)、もうすっかり仕事をする意欲をなくしていたのですが、そうだ、この子を育てるためにがんばらねば、とがぜん奮起。お父さん(というかお母さん)ガンガン稼ぐわ。来年は書評だってインタビューだって取材だってなんでもやるつもりなので、編集者のみなさん、どーんどん仕事持ってきてちょーだい。はすっぱな仕事大歓迎よ。よろしくです!

ポットがお休みの時は

会社に行かない時の鉄は、散歩とごはん以外は、
寝る、寝る、寝る、ちょっと遊んで、また寝る……です。

ポットでは、チャイムが鳴れば誰よりも先に玄関にお客さんを出迎えに行き、
ポットのみんなにかまってもらっているので、それなりに忙しいのでしょう。
休みの日は、とにかくよく寝ています。


寝る

寝る
RIMG0032r.jpg
ちょっと遊んで

また寝る、です。

[鉄の飼い主・佐藤]

いただいたご本『高齢化社会と日本人の生き方』

oguogu.jpg以前にもこのサイトで紹介したことがある社会学者の小倉康嗣さんの博士論文が単行本として出版された。

「〈生き方としての学問へ〉ーー。老いの季節を迎えんとする『団塊の世代前後の現代中年と、30代でゲイでもある研究者が、それぞれに社会と対峙した経験をたずさえ、出会って生成される新たな人間存在の地平。それを、両者のライフストーリーの螺旋のなかから渾身の力で描き出す、人間生成のとエイジングの社会学』。

上記の帯のコピーの通り、この大著は著者とインタビューイの人生が織り込まれたタペストリーである。ぼくはあとがきを読んでいてどうにも切なく、涙をこぼしそうになった。それは書き手を直接知っているからではなく、人が生きるということの切実さが行間にほとばしっていたからだ。自分の生き様をもって学問する。そんな気概に深く打たれた。最近バトラーとセジウィックを使って社会を分析してみました、みたいな安直な論文を読んだ後だっただけに、よけいこの本の圧倒的な力に気圧された。

「自分に刺さった『棘』にフタをせず、その『棘』を一生懸命に生きると、社会を相対化する目が見開かれてくる。みずからの人生、そしてみずからが生きる社会は、わが身でつくっていくのだという深い了解が生まれる。そこから新たな生き方づくり・社会づくりへの模索が始まる」。これから社会学や他の学問をはじめる学徒たちにぜひとも読んでもらいたい。学問をするということが、誰かの理論をなぞることだったり、自分の情緒を満足させることではなく、自分の実存とそこに映し出されるものとの闘いと共生の営みであることがわかるだろう。

● 小倉康嗣『高齢化社会と日本人の生き方ーー岐路に立つ現代中年のライフストーリー』(慶應義塾大学出版会) 5600円+税