年別アーカイブ: 2005年

いただいたご本『美人とは何か?』

__________.jpg「美意識過剰スパイラル」という副題の本書は、人気作家、中村うさぎさんの最新エッセイ集。旧知の担当編集者が送ってくれた。どうもありがとう。伏見自身は以前、中村さんに『変態入門』(ちくま文庫)の解説を書いていただいたことがあったが、直接の面識はないのだが(何年か前の東京レズビアン&ゲイパレードで、出発前、先頭の横断幕の真ん中を岩井志麻子さんと中村さんの二人が陣取っていたので、「実行委員長に場所ゆずって」とおせっかいを言ったことがあったが……)。

この本は一言で言えば美醜論ということか。伏見はこのテーマ、すごく興味あり! 中村さんの分析力は、そこらの学者よりも数段上だから、大いに期待してしまう。

少し前、「週刊文春」の彼女の連載エッセイを読んでいたら、エスムラルダが「クィア・ジャパン VOL.3—魅惑のブス」(勁草書房)で書いた「私のブス人生」とよく似た文章が出てきて、うさぎさん、盗作とは言わないけど、こういうご商売でいいのかしらん? と思ったことがあった。だから、本書の座談のゲストにエスムラルダが招かれていることに妙に納得。きっと中村さんはエスムのファンで、無意識のうちに影響を受けていたのだろう。

まだ本論のほうは拝読していないのだが、中村うさぎ、マツコ・デラックス、エスムラルダの三人による座談「『ブス』から脱却せよ!」をとりあえず読んだ。それぞれ魅力的な人たちで、爆笑発言が連発なのだが、どうもシンクロ率が低い。こういう強烈キャラを集めた座談を上手く成功させるには、触媒の役割を負う人がいないと駄目なんだよね。みんな自分を押し出そうと必死になるから(笑)、全体として道筋がつかなくなる。

エスムは、年齢を重ねたことで美醜の価値観から解かれ、他の価値観で自他を見られるようになってきたという旨の発言をしていた。男はいればいたでいいし、いなきゃいないでいい、みたいなこと。諦観か。ただ、本当の解脱ならいいけど、理念なら毒が溜まる。まだ若いのだからもう少し煩悩の世界で毒を吐いておかないと、厄年あたりに、自分の猛毒で自家中毒になるよ!(←エスム調で)

自分が見る側に立って、相手を観察することで、アドヴァンテージを獲ることはできる。知っている、ということは支配にもなる。けれど、「目」になることを徹底すると、ただ「目」として生きたナンシー関の後を追うしかないだろう。それはそれで苦行の人生だ。

●中村うさぎ著『美人とは何か?』(文芸社)1200円+税

インタビュー記事

昨日、あるブログで、編集者の方が昔の雑誌のインタビュー記事について書いているものを読んだんです。
その人があげていた記事は25年も前のもの。それを読み返してみたら、今のインタビュー記事にはないおもしろさがある。編集者によって「整理された」言葉ではなく、語られた言葉が書かれていて、実際のニュアンスが確実に伝わってくる、というような話だったんです。

ふむー…といろいろ感じるものがあったところに、偶然、智砂さんから同じような話が。
最近、女優さんにインタビューする機会があって、そのために昔の資料を集めていたところ、それがとってもおもしろかったそうなんです。現在だったら、こんなこと話していいの?(インタビューを受ける側がそもそも話さないor後からカットを求めそう、な内容)とか、編集者が切ってしまいそうなところまで入っている、と。
今日、外出のついでに車中でそれらを読んでみました。おもしろかったです。話の内容ももちろんなのだけど、本当にそこで人が体を使って、考えて、コミュニケートしているのが見えてきそうなインタビューです。

キレイキレイな文章でなく、でも決められた字数の中で話をまとめるのって、難しい。けど、大事なことはそのヘンにありそうだぞ、と改めていろいろ考えさせられました。

いただいたご本『ヨーロッパ物語紀行』

yoroppa_1.jpg松本侑子さんの勤勉な仕事ぶりを見ていると、いつも頭が下がる。とにかく熱心だし、探究心が旺盛。そしてフットワーが軽い。『赤毛のアン』の詳細な翻訳に見られるように、その仕事は単なる作家の枠を超えて、研究者の域にまで達している。日本の大学は、どうでもいい作家を教授に迎えていないで、彼女を招聘すべきである。それだけ価値のある文学研究を積んできた人だ。

彼女の今回の本は、ヨーロッパの名作小説の地を探訪する文学紀行だ。『ロミオとジュリエット』『フランダースの犬』『カルメン』『エーミールと探偵たち』……などの舞台となった街を訪ね、作品の背景をつまびらかにする。それは文学論としても勉強になるし、作家論として興味深い。というか、伏見のような無知には、(なさけなくも)読んでいない名作のあらすじを簡単に知ることができるだけでも、ありがたい一冊だ(教養、うんちく本としても使える!)。

ところで、伏見の、松本さんの文章の楽しみ方はふつうではないかもしれない。一般には、彼女は優等生とか、才女とか、その美貌ゆえにお嬢な作家とイメージされているように見える。読者はそのちょっとハイソな世界を楽しんでいる印象だ。が、伏見は、そういう「女」に化けている松本さんの自意識のほうに官能するのだ。清楚な女性だと思ってよく見たらナチュラル女装だった!みたいな感じ。この本も、ヨーロッパに外出女装して、女流作家コスプレしてみた私……的な彼女のナルシシズムに超アガる。そこにこそ、松本侑子という作家の毒と倒錯した感性が潜んでいる。

●松本侑子著『ヨーロッパ物語紀行』(幻冬舎)1500円+税

沢辺30日水〜12月2日まで出張で不在

沢辺30日水〜12月2日まで出張で不在
沖縄に行ってきます。
エフエムなはエフエムなはというミニFM局の一員で、箆柄暦(PIRATSUKA-KOYOMI)というのもやってる友人に水先案内人をたのんでます。
同行する人が、またこれコイー人なんです。
って、たぶん遊ぶ時間はとれそうにないんで残念ですけどね。

向こうでもメールはみてるので、ご連絡はどうぞメールで。