2008-09-27

ソースカツ丼

小用で江東区は森下~白河までチャリでいく。
新大橋で隅田川を渡って、そのまま新大橋通りをまっすぐいけば、一ヶ月くらい前に現代美術館に行った際、初めて降りた都営新宿線菊川駅近辺だ。

区民センターにある、のらくろ資料館を覗く。
俺が小学生の頃、のらくろが文庫サイズの新装版で出て、何冊か読んだ。
戦時中の兵隊をやっているのらくろよりも、戦後復員してきて妻を娶って喫茶店を開く『のらくろ喫茶店』の方が面白かった。
確か喫茶店をやる前は探偵の真似事をしていて、大学生の息子の素行調査を依頼されたら、その息子が実はオチ研で落語に熱中していた…というエピソードがあった。
のらくろの作者・田河水泡が落語作家でもあるということを知るのは、それからずっと先のことだ。

菊川駅前のソースカツ丼の店で食事をしようと思ったけれども、時刻はAM11時前後。まだ店が開いていない。
いや、ソースカツ丼。訴求力あるでしょ。食べたいでしょ。
でも、店が開いていない。
少し近辺をブラブラしたりしたけれども、何か、開店はまだっぽくって。
ううん。待つのはかったるいな。てか、てゆうか、
そのときの俺、考えてみれば別にソースカツ丼みたいなこってりしたものは食べたくなかったのだ。どっちかというとサッパり系を欲していたのだ。そうだよ。朝からそうだったじゃん。
いいや。ソースカツ丼は別の機会にしよ。さっぱり系でいこ。
で、どうしようかなとチャリを走らせると、近くに「せんねんそば」のチェーン店を発見したので、そこに入る。
そう、さっぱりした冷たいそばでも食べよう。ざるかせいろだ。それが正論。もう秋だけど、サマージャムだ。
何にしようかと券売機の前に立つと、メニューにソースカツ丼セットというのがあるのを発見してしまった。
まあでも、いまさらいいよなあ。だって、今の気分はさっぱり系なんだから。俺のモードはそうなっちゃったんだから。…梅干入りのおろしそばなんてのがあるじゃないか。いいね。それでいくか…。ソースカツ丼セットなんて、いまさら…

オチは当然、その5分後にはソースカツ丼とかけそばをサクッと完食する俺がいたという、ま、そうゆうハナシである。

ここのソースカツ丼は、いわゆる「づけ」形式のソースカツではない。
ご飯の上にキャベツとカツが乗っていて、テーブルに備え付けられたソースをお好みでかけるというカタチだった。
だから、ソースをかけなければ、ただのカツのっけ飯である。
そば用の七味唐辛子をかければ、七味カツ丼である。
アイデンティティ的には、結構弱い。

「づけ」として最初から存在するのではない。
かける側の意向で、自らのソースカツ丼度が決まるのだ。
その希薄さが、じわりとせつなくて、しょっぱかった。
かけすぎたソースのせいではなく、しょっぱかった。

あと、できればカラシが欲しかった。