2011-11-02

ドラッカーによるケインズ論

ケインズの代表作を出版されますことを、たいへん悦ばしく存じます。
ひょっとしたら、広く読まれるのでは……と推し量っております。

ピーター=ドラッカーは「国民国家からメガステイトへ」という論文の中で、ケインズについて次のように述べています。

世界不況といわれているこんにちにおいて重要な指摘です。

「ジョン=メイナード=ケインズは、少なくとも中規模以上の国家の場合、国民経済は世界経済から隔離された存在たりうると主張した。さらに彼は、この隔離された国民経済は、政府の政策、すなわち政府支出によって、完全にその状態を左右しうるとした。今日、フリードマン派、サプライサイド派、その他ポストケインズ派のいずれもが、他の点ではいかにケインズと異なろうとも、この二つの教義についてはそのままケインズに従っている」(『ポスト資本主義社会』159頁)