2006-09-13

ルースターと荻窪のおばさん

ルースターはタイトルにもあるように荻窪にあります。
私の遠縁のおばも荻窪に住んでいます。荻窪のおばさんと私は呼んでいるのですが、彼女は現在一人暮らしで年は75歳くらい。この話は、今から3年か4年くらい前のことです。
夏のある日、71歳か72歳の誕生日を迎えたその日、荻窪のおばさんは一人ですごしていました。子供や孫たちが誕生会を開いてくれる約束はあったのですが、誕生日当日の平日はみな忙しく、その週の土日にみんなでお祝いしようということになっていました。
「誕生日に一人で家で食事ってのも寂しいわ」と荻窪のおばさんは思ったんでしょう(このへん私の想像)。
外で食事をして自分で誕生日を祝おうと考えた荻窪のおばさん、荻窪駅前をうろうろして、なんとルースターに入ったというのです。接骨院と整形外科がその先にあって、ルースターの前をふだんからよく通っていたらしい。「あああそこなら一人で行っても、ライブをやってるから、手持ち無沙汰じゃないかも」と思ったかどうかは知りませんが、とにかく荻窪のおばさん、地下へと続く階段を降り、ドアを押して、「一人なんだけど、お酒も飲めないんだけど、いいかしら」と言ったようです。そうしたら男の人が(たぶん佐藤店長)にこやかに「もちろんお一人でもどうぞどうぞ」と迎え入れてくれたそう。
以来、荻窪のおばさんはルースターにお友達を連れて2、3回は行ったようです。しかし、腰の骨を折ってからは、椅子に長時間座っていることが苦痛で、足が向かなくなったそうです。
荻窪のおばさんとルースターにそんな接点があったことを、ひょんなことから今回はじめて知ったのですが、その話を聞いて、ルースター店主の佐藤さんが目指す「ひとりでもふらりと入って音楽を楽しめるライブハウス」が成功している!とうれしくなりました。しかも70歳すぎの女性がふらりと入れるなんて、これまたすごい。もちろん、好奇心旺盛の荻窪のおばさんもすごいけれども。

最後に、『荻窪ルースター物語』の裏表紙のオビの言葉を紹介します。
「ルースターのここがこだわり」
●60組のレギュラーバンドは一流ミュージシャンオンリー
●知らないバンドでも聴きに来たくなる面白アイディアを豊富に用意
●ひとりで来ても老若男女問わず楽しめるライブを提供
●お客様にとってライブハウスとは娯楽の飲食店であるべき
●ライブの後は余韻に浸れるバータイム
●めざすは観光スポットとしても認められるライブハウス