2006-08-22

オカマのための投資入門

このお盆休みは実家に帰って、なんと25年ぶりの(ちょっとサバ読んでいる)高校の同窓会に出席してきました。
学年全体で450人の生徒がいて、そのうち出席者は200人足らず。ほとんどが道ですれ違ってもわからないだろうなと思う人ばかりでしたが、なんと嫌みなことに、ネームプレートに高校の卒業アルバムの顔写真が貼られていて(私はまんじゅうやの娘みたいに顔がはれていた写真で、受付で気絶しそうでした)、その写真があったおかげで、「あーあんたね」と判別つきました。とくに男子の変身ぶりにはちょっとひいてしまうくらいでした。離婚していたり、ずっと独身だったり、店が傾きかけていたり……、あたりまえだけれどもそれぞれにそれぞれの人生を生きていました。
ああ、彼らもまた、QJr2の「生き残る。」でインタビューに登場してくれた人たちが働くその同じ現場で、働き、生きているんだなあ、としみじみした一夜でした。
その日から数日は、道ですれ違う赤の他人のおっさんにも、「あなたにも高校時代があったのね」とほのぼのとしたやさしい視線を送ったりして、ちょっとへんだったかもしれません。

今回のQJr2雑感は、QJr2の「会社で生き残る」インタビューに登場してくださり、その後QJr2発刊記念講座「オカマのための投資入門」で講師を務めてくださった藤井貫太郎さんにご登場いただきました。
詳しくは、QJr2の16ページを読んでいただくとして、ここでは簡単な紹介を。6年間のサラリーマン生活に別れを告げ、現在はトレーダーとして生活している藤井さん。QJr2の見出しでは「400万円→6千万円に」などというなんともいかがわしいタイトルで、編集している私自身も、原稿をみて「えっ! まじっ!?」とまんまと食いついてしまいましたが、藤井さんだって棚からぼたもちでお金が増えたわけではなく、そこにいたるまで、ものすごく勉強しておられました(このあたりは、QJrをお読みいただくとわかります)。
そんな藤井さんに、QJr2のテーマ「生き残る。」にふさわしい記念セミナーの講師をお願いして実現した、「オカマのための投資入門」。ポット出版で実施したのですが、20人近くの読者の方々が申し込んでくれて、狭い会議室でぎゅうぎゅうしながら、藤井さんの話に聞き入りました。
……では藤井さんの登場です。

7月に「オカマのための投資入門」という題目でポット出版本社内にてセミナーを開催させていただきました。僕にとってはとにもかくにも初めての経験であり、正直なところ参加者の方の立場になればあまり有効な時間にならなかったのではと反省しています。ここではそれらのことも踏まえて今の僕の心境と当日の感想を述べてみたいと思います。
短期間のうちに個人で資産を大きく増やす方法は、それなりに多く存在しています。トレーダーと呼ばれる方の中には年率100%を軽く超える利回りで成功を収めている人が沢山います。僕も数人そのような優秀な投資家と顔なじみなのですが、その顔ぶれといえば、確かに財テクのプロとして投資教育界で名を馳せている方もいるものの、その多くは、主婦、大学院生、元不良少年など、特に財テクでの学習を過去に積んできた方々ではありません。そんな彼らがなぜ投資という世界で成功しているかと僕なりに考察すれば、それはおそらく常に成功している投資家の近くに身を置いていることなのだと思います。具体的に言えば先行投資をしてでも投資家の集いに参加したり、そこで他の参加者との情報交換などの横のつながりを作りあげたりすることです。そこで大変に必要なことは決して臆せずに周囲の方々と友人関係を作りあげていき、自分に有効な人物がどうかをなりふりかまわず吟味することです。ここでは守銭奴になりきれることが重要であり、「お金よりも大切な〜〜」という考えはあまりよいことではありません。
株で資産を増やしたと言うと、運やギャンブル的要素で成り上がったと思われがちなのもまた事実です。確かにその一面がないと個人投資家が数年でウン億の資産を築きあげることは困難ですが、多くの部分は上記にあげたように常に投資の世界にどっぷり浸かることなのです。これは僕の持論でもなく多くの大成功している投資家の方々が口を揃えて発言していることです。投資といっても株投資から不動産投資、スポンサーとして各事業を展開するなど多種多様です。自分にあった投資スタイルを探しあてていくこともとても大切になります。
開催したセミナーではこれらをお伝えすることを前提にしていたのですが、勉強不足や準備不足もあり、意味不明な発言をしてしまい、せっかく足を運んでいただいた方には申し分ないことをしたと反省しています。自分が普段行っている投資法をそのまま伝えることが簡単なのですが、その人の性格や資金力、生活スタイルなどに応じて、投資法は変わっていくものなんです。僕も投資を始めたときはこれが中途半端にしか理解できませんでした。今でもたまに、自分に合わない投資法にチャレンジして、大きな損害をだしていることだってあります。
参加していただいた方や投資の世界に興味をお持ちの方は、ぜひこれらのことを念頭に置いて実践してみてください。経済学の専門家になるための勉強をするのではありません。要は一円でも多くのお金を増やす技術を学ぶことです。良書を読みそして信頼できる投資家の方々と親交を深めたりすることにより大きく成功していくことと僕は確信しています。また、お金お金とあまり言うのもいろんな意味でどうかとも思いますが、お金があることによって得られることも数多くありますので、チャレンジしてみてはいかがでしょうが。ごく基礎的な学習は必要ですが、決して難しいことをする必要はありません。投資の世界で銀行マンや証券マンなどの経済知識豊富な方が個人でも成功しているかともいえばそうでもありません。確かにそれらの知識は優位なバックボーンでありますが、前述したとおり巷でも投資で大成功して有名になっている方の多くは多種多業な分野で働いたり学んだりしてきた方ばかりです。
先日、伏見憲明さんのイベントが開催され、その会場でSMの女王様とお会いしました。もう何とも魅力たっぷりな女性でその貫禄とシャープな雰囲気に興味深々にお話を聞かせていただきました。会話の中で「人生一度きりだからね」という言葉が出てきたのですが、そのありふれた言葉にも僕は深く頷いてしまいました。伏見憲明さんもよく言われていますが、「なによりも自由であり続けたい」がために、僕は投資の世界で生き抜いていこうとこれからも挑み続けていくつもりです。数年後も投資を主な仕事にしているかどうかはわかりませんが、僕はまだまだ投資の世界で小さな成功を重ねながら、いろんな夢を発見し実現しながら一度きりの人生を歩んでいきたいと思います。

            〜オカマの投資家 藤井貫太郎〜

自分の身銭をきって日々投資に立ち向かう藤井さんの言葉は、そんじょそこらの証券マンよりよっぽど信用できると、しみじみ感じました。(最近しみじみすることが多いなあ)