2012-02-21

お部屋2345/脱原発杉並とデモの効用

雑事に追われて書くのが遅くなりましたが、一昨日の脱原発杉並デモは本当に素晴らしかったです。前回書いた脱原発杉並の特性がそのまま形になってました。

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デモ報告の写真がこれかよってカンジですが、この店は阿佐ヶ谷駅前にあるベルギービールの海晴亭。道に面した勝手口で拳をあげてデモ隊を迎えてくれました。

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デモのあと、「あの店に行くべ」と10人ほどで行ったら、すでに満員。日曜日だったし、時間が早かったので、やっていない飲み屋、食い物屋が多く、やっている店はすぐ満員。私らは「意地でも阿佐ヶ谷に金を落とすべえ」と放浪したのですが、同様に放浪している人たちも多くて、阿佐ヶ谷の店はもっと商売気を出した方がいいです。

デモによる地元への経済効果を考えると、そもそもデモが午後4時に終わるのは早すぎです。メシを食うにも、酒を飲むにも早すぎ。その分、買い物をして時間を潰した人たちもいたかもしれないですが、早く乾杯をしたくて新宿に移動した人たちも多かったと想像でき、もったいなかったなと思います。たぶん高円寺や荻窪に移動した人たちも多く、杉並区内に金が落ちたなら、それでもいいですけど。

結局、我々は焼鳥屋四文屋に落ち着きまして、そこから電話をして、秋山理央も呼びました。メールのやりとりはしてますけど、最近あんまり話してなかったものですから。

イラストレーターの小塚類子さんもいて、彼女はワールドスタンダードのコーラスだったと初めて知りました。つっても、私は記憶力がひどく弱いので、ワールドスタンダードってどんなバンドだったかよく覚えてなかったんですけど、インクスティックあたりで、何度か観たと思います。

あとで思い出したんですけど、やはりコーラスの女子で、知り合いがいたかもしれない。それで観に行ったんじゃないかな。全部忘れる私です。

面白いんですよ、デモコミュデモ友になってよくよく話を聞いてみたら、案外どっかでつながっている。もちろん、全員が全員ではないんだけれど。

さらにこのあと、たまたま店にやってきたのが元徳間ジャパン・現いぬん堂主宰の石戸君と模索舎の店員。名前は忘れた。

模索舎は『デモいこ!』を18冊売っているそうです。これはすごい数字です。その編集をやった野間君もこの時一緒にいて、彼は元花電車だし、クボケンはロック系のカメラマンだし、野々村文宏は元タコだし、河原崎君は元スマッシュだしで、元・現音楽関係者が多すぎ。

野間君も参加した先週土曜日の浦安デモの主催は、元リザードWAKAさんだそうです。面識はないですが、30年ほど前、何度もライブは観てます。

私もしばらく気づいておらず、TwitNonukesの中心メンバーである野間君も一昨日まで気づいてなかったみたいですが、TwitNonukes九州広瀬健一ってクリナメンでしょう。十数年前に渋谷かどこかの路上でバッタリ会ったのが最後じゃないかな。そのうち再会することになりそう。

音楽関係から離れて、長らくエロ業界に私はいたのに、次々と古い知り合いに再会しています。元ブルーハーツの梶君とはデモで何度か会っているし、LOUD MACHINEの西村君とも、ちょっと前にデモで久々に会ったし。

映画関係だったり、演劇関係だったり、漫画関係だったり、思想関係だったり、仕事関係だったり、さまさまなつながりで、阿佐ヶ谷や高円寺、あるいは新宿、荻窪であの日は語り合っていたはず。

その点、秋山理央は20代ですから、そういうつながりがあろうはずはないんですけど、こういう若い面白いヤツらともデモでは知り合えます。私やクボケンは彼に仕事を振ったりしていて、デモから始まった関係から、別の関係も始まっている。仕事のためにデモに出ているわけではなくても、そういうさまざまが派生していく。

『デモいこ!』にも書いているように私は「何の効果がないとしても人は歌う。同じように、何の効果がなくても人は路上で叫びたくなるし、叫んでいい」と考えています。それでも集まる人たちだから、その時点で実は何かしらの共通項がある。「原発に反対している」ということだけではなく、話が合う。だからいよいよつながりやすいのだと思っています。

デモの効用というより、デモの面白さとして、デモコミュについてはメルマガには繰り返し書いてきたのですが、これについてまとまったものを書いている人は見かけず、そのため、ある程度は見えつつも実感がなかったと見えて、これまでさほどデモには参加していなかった野々村文宏がデモのあとの集まりをえらく面白がってました。専門とは違うかもしれないけど、彼がデモから生まれるネットワークについて文章にすると、私よりずっと説得力のあるものになりそうです。

その日のメンツは誰にもわからないまま、三々五々、茶会、飲み会、食事会が開かれ、20代から50代までが、時には10代から60代までが昔からの友人かのように語り合う。デモでできた人脈が他の行動にもつながる。たとえば、昨日の経産省前の行動も、そういったネットワークが情報を伝播し、行動を促しています。

脱原発杉並では、もうひとつ、地縁という、強いつながりが加わって、さらに大きな派生効果を生み出すことになります。一昨日は阿佐ヶ谷、高円寺、荻窪、西荻窪などなどで、地域でつながった人たちの集まりが多数開かれていたはずで、そこから何が生み出されるのかを想像すると、ワクワクします。

「デモに効果はない」なんてわかったようなことを言いたがる人は、デモがどういう人のつながりを作り出し、そのつながりが他の行動においてどう機能しているのかについてまったく見えていない。自分に想像力が欠落していることの自覚もまったくない。バカもここまで行けば幸せでしょう。

デモそのものについても書きたいことはいっぱいあるので、気が向いたらまた書きます。

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おじいちゃんとおばあちゃんと孫たちでしょうか。おじいちゃんは孫たちを守るように車道側に出ながら車を引き、おばあちゃんは孫たちに何か話しかけてます。こうやって家族総出で参加する人たちが多いのも、地域密着型のデモの特徴です。

このエントリへの反応

  1. 杉並デモは駅前と目的地の小学校で見学していただけですが、面白かったなぁ。
    ほのぼのしていて良かったです。くまのプーさんのぬいぐるみにNoNukeシャツ着せているおじいちゃんがいて感心しました。その手があったか!

    デモコミュのネットワークで友達増えました。
    イベントや勉強会に呼ばれたりしてます。
    アウトローだったり、下1の参加者だったり、飲み屋の人だったり、面子が豊富です。

    自分が主宰のワークショップに参加したいって人もいてくれて、ありがたいです。

  2. うん、デモは、自分の関心によって、どうにでもアプローチが可能ですからね。

    今回も、デモに参加して、意味を見いだせなかったとツイートしている人がいましたが、福島から来ている人だっていたんだから、話しかけることだってできる。どこかのグループに加わって、そのあと喫茶店や飲み屋で議論することもできる。

    隊列が分かれているんだから、自分に合った場所を探せるだろうに、それもやらずに、デモを否定する。意味を見いだせない理由がどこにあるのかを見極める能力さえないんだと思います。

    こういう話は去年の4月にも書いているんですけどね。
    http://www.pot.co.jp/matsukuro/20110411_083400493923166.html

    ところで、下1参加者って誰? げんきいいぞうさんか。