デジタル/シゴト/技術

スタジオ・ポット
ポットのサイト内を検索 [検索方法]
▲ゴト技top| 第5章 1234567891011
[第5章●録音データのデジタル化道]
8… Skypeって何?
[2005.02.08登録]

石田豊
ishida@pot.co.jp

何度か書いていることなんだけど、さいきんどうもアタマの具合がよろしくない(今に始まったことじゃないかもしれんのだが)。そのため、好奇心にドワっと火がつくことが少ないのでとてもタイクツである。なにかおもしろいことないか、と、POTの日高さんに訴えたところ、「すかいぷはどうでっしゃろ」とのサジェスチョン。

さっそく試してみたのだが、これがなかなか面白いのだ。

Skypeとは何か。

何ができるかというと、まず「インターネット網を介して、無料で電話通話することができる」というものである。

Skypeの日本語ページからアプリケーション(Windows版だけでなく、Linux版、MacOS X版もある)をダウンロードする。無料である。

つぎに、コンピュータに音声を入力するシステム、音声を出力するシステム(こちらはふつー、どんなパソでも備えてますな)を用意する。ぼくの場合、PowerBookにはビルトインのマイクもスピーカーもあるから、なんら問題がない。

この状態で、SkypeのIDを持っている人、たとえば日高氏のSkypeIDを指定し、「コール」のボタンをクリックする。すると日高氏のパソではリリリンと着信音が鳴り、受信のボタンをクリックすることで、ふたりの間で、電話のように会話ができる。通信料は無料である。

つまりSkypeユーザ同士は、どんなに離れていようと、無料で電話のような通話が可能になる。

音声の品質は非常によい。電話よりクリアといっても過言ではない。しかも通話料は(プロバイダに支払っているインターネット接続料とかは考えなければ)まったくの無料である。日高氏は10キロも離れていないところにいるからナンだけど、たとえばイルクーツクに住んでいたとしても、これは同じ。

ワープロ画面とかが開いているだけのコンピュータを前に話すのは、どうも勘が狂うというか、調子が悪いというか、で、ずいぶんヘンな感じだが、それでもちゃんと会話はできる。これでパソにヘッドセット(後述)でもつければ、ぐんと感じがでて、ふつーの電話会話になるに違いない。

ここまでのところでも、ずいぶん恩恵を受けうる人は多いと思う。たとえば、遠距離恋愛をしているアナタとか、娘を語学留学に送り出したアナタとか、札幌の下請け先と毎日のように長時間打ち合わせをしているアナタとか。

通話者双方が(1)PCがあり、(2)そのPCがインターネットにつながっており、(3)SkypeアプリをDL(無料)さえすれば、何時間電話で話そうと、無料なのである。これだけでも十分うれしい。

かくなることを書くと、あ、それそれ知ってる、BBフォンといっしょねとかいう人が出てくるわけだが、ぼくはいままでその手の新機軸には、どうもこころ引かれなかった。それは、「じぶんとこにとりこむぞ」路線が衣の隙間から見え見えだったからである。べつに自分が利益を受ける範囲内でどこのだれがその代償を受け取り大もうけしたところでいいようなものだが、どうもぼくは狭量でいかん。「わしがとりこむぞ」システムはなんだか知らないが、キライなのである。

BBフォンの相互無料通話を享受できるのはその会員相互である。ケーブルテレビの電話も同じく。

このSkypeのいいのは、そういうケチくさいことをいわないところだ。つまり、プロバイダがどこでもいいし、マシンが何でもいい(っても、WinかMacかLinuxかポケットPCだけなんだけど、いまのところ)。とにかくSkypeのアプリをインストールしただけで、相互の無料通話が楽しめてしまう。

じつはこのシステムの存在は、少し前にライブドアのサイトで知ってはいたのだが、ここの会社も「何でかは知らんが」やっぱり些かキライであり、そのキライさのバイアスから、どーせしょーもないしすてむだろお、と、こころ引かれながらも、ちゃんと検討していなかったのである。そういうところは「題名はえげつないですが、言っていることはかなり納得できるのです」と平常心で100億稼ぐ超メール術 1日5000通メールを処理する私のデジタル仕事術ぬけぬけと持ち上げることのできる日高氏とは、人間の出来がまるっきり違うのである。反省しなければなるまい。たしかに「ラ」もいっちょかみしているものの、これはもともと生まれも育ちも北欧で、なんら「ラ」様とは関係がないのであった。ただの代理店であるようだ。少なくとも今のうちは。

とにかく、このアプリをダウンロードし、自分のパソにインストールする。この時点では、話すべき相手はいない。だって肝腎の日高氏も、ヘッドセットは家にあるから、いまは会話できませんというていたらくである(彼がカイシャで使っているパソには内蔵マイクもよういされてないんだ。デスクトップだから)。

そこで通話先IDを「echo123」とする。「echo123」といれて「Call」ボタンをクリックすると、ヨーロッパの電話の呼び出し音(!!)が2、3回鳴って、英語の女性アナウンスが、なんでもテストで言ってちょうだい、10秒後にそれがあんたに返ってくるから云々かんぬんてなことを言う。「あーあー、こんなことゆーてもはずかしですな」とか馬鹿なことをパソにむかってつぶやく。そっから10秒、じっと待っていると「あーあー、こんなことゆーてもはずかしですな」と悪意によってヘンな声に加工された自分の声がフィードバックされる。

なるほど、この音質であれば、音声の電話として使うのに、なんの障害もあるものではない。

つまり、この音質と気軽さで、世界のどこに対してもタダ電話を掛けられるちゅうのは、まさにたいしたものである。

しかし、それでは世間は納得しない。Skypeの本領は、実にSkype OUT。Skype者以外にどうやってコミュニケーションをとるねんというところにあったのだ。

それは、明日。

では。

この記事は
面白かったですか?

お読みになっての印象を5段階評価のボタンを選び「投票」ボタンをクリックしてください。

つまらなかった           おもしろかった    

投票の集計

投票[ 14 ]人、平均面白度[ 4.4 ]

※「投票」は24時間以内に反映されます※

ご意見をお聞かせください

  
メールアドレスはWeb上では公開されません





  

デジタル/シゴト/技術topへもどる page top
▲ゴト技top| 第5章 1234567891011

ポット出版ず・ぼん全文記事石田豊が使い倒すARENAメール術・補遺ちんまん単語DB
デジタル時代の出版メディア・考書店員・高倉美恵パレード写真「伝説のオカマ」は差別か
黒子の部屋真実・篠田博之の部屋篠田博之のコーナー風俗嬢意識調査ゲル自慢S-MAP
ポットの気文ポットの日誌バリアフリーな芝居と映画MOJもじくみ仮名

▲home▲


このサイトはどなたでも自由にリンクしていただいてかまいません。
このサイトに掲載されている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
ポットメンバーのもの、上記以外のものの著作権は株式会社スタジオ・ポットにあります。
お問い合せはこちら