デジタル/シゴト/技術

スタジオ・ポット
ポットのサイト内を検索 [検索方法]
▲ゴト技top| 第1章 1234567
[第1章●机と椅子と机の上の環境]
6… 救世主・低反発クッション
[2003.08.24登録][2004.10.02更新]

石田豊
ishida@pot.co.jp

長時間坐業を続けると、どうしても尻が痛くなってくる。コシイタ、肩凝りはいままで述べてきた「机と椅子の高さを適正にする」ということでかなり軽減できるのだが、尻痛はまぬがれえない。

年配者ほどその傾向が著しいということから考えると、やはりその原因は大臀筋の衰えにあるのかもしれない。尻の筋肉が薄くなってきたため、体重の負荷が骨を直接圧迫するようになってくるのだろう。

医者にそれを訴えたりすると、即座に対策は教えてもらえる。デスクワークの時間を短くしなさい、と。そりゃそなんですよね。それができりゃ、苦労はしない。

義父はとうに現役を退き、一日の過半を座って暮らしている。囲碁のテレビを見る、競馬新聞を読む、絵を描く、碁を打つという生活だ。傘寿をとうに越した彼の最近の悩みは尻痛。座っていると尻が痛くなるというのだ。この場合はやはり大臀筋が痩せてきているということになるんだろうね。

そこで私は彼に低反発ウレタンクッション(座布団状のもの)を贈ることにした。もしかしたら効果があるかも、と考えたからだ。気休め程度にはなるんじゃないか、と思っていた。それでもいいか、と。

買ってきて、それを持参するまでの間、私も試してみることにした。効果のほどを一応チェックしておくほうがいいだろう。ま、責任感、ってやつですかね。

小学校の頃、家から持参して学校の椅子の上に取り付けたクッションをひとまわり大きくしたような形をしている。これを坐業につかっている椅子に取り付け、シゴトを行う。驚いたね。たった2日間のテストであったのだが、非常に快適なのだ。長時間作業を続けていても、尻に不快感がでない。痛くもならない。

低反発ウレタンとはNASAが開発した新素材なんてふれこみで、枕やらなんやらが最近盛んに販売されている。体温と体圧に応じて変化して体圧を分散させてくれる素材だそうだ。私は枕については別段不満があるわけじゃないから、どうでもいいので、今まで着目もしてこなかった。しかし、クッションはすごいね。びっくりした。

坐業における尻は、就寝時における頭よりずっと大きな体重の負荷を掛けられ続けている。寝ていて後頭部が圧迫されて痛くなるなんてことはないが、尻は痛くなるのだ。枕よりクッションでしょ。どう考えても。

で、さっそく自分用にも買いました。テンピュールのシートクッション。標準価格12,000円と高価だが、それを上回る効果はばっちりある。夕方になっても尻が痛くならないのだ。

しかし、低反発ウレタンクッションと言っても、いろんな製品がある。価格も高低さまざまだ。どれでも同じような効果があるのだろうか。こういうのをいくつも買い求めて比較実験をするわけにもいかないので、私はテンピュールのものを購入したが、Web通販を見たり、東急ハンズに行くと、そのた、さまざまなものが売られている。ハンズには原反も売っていた。要するに低反発発泡ウレタンの素材。これは安かった(1700円)から試しに買ってみた。しかし、まったくだめ。密度が全然違うので、体重ほど重いものは支えきれないのだ。これは失敗の買物であった。

また友人のひとりが低反発ウレタンのクッションをWeb通販で買ったというので、ウチでイッパイ飲ろうと誘い出し、持参してもらったそのクッションを試してみたが、効果はあまりないように思えた。

他社の製品については、自分で確かめた経験をもたないので、私にはわからない。もしかしたらもっと安くて同じような効果がある製品もあるのかもしれない。

このクッションを使っているうちに確信したこと。

それは、これこそ会社員の福音であるんじゃなかろうか、ということである。

私は自営業であるから、もし望むなら最近はやりの超高機能チェアを買って使うこともできる。腰痛、尻痛に苦しむなら、それなりの投資をして対策を講じることもできる。しかし、多くの会社員には、それは難しかろう。

自腹でアーロンチェアを買って、それを会社に持ち込んで、何が悪い。そうはいかないのが、日本の社会というものだろう。そういうことは許されてないのだ。

面妖なことに、日本のカイシャでは、椅子は単に座る装置ではない。ステイタスの目安にもなっている。課長になればひじ掛けが付き、部長になれば背もたれが高いタイプに替わり、重役に上り詰めれば革張りになる、なんて具合。あほくさいことだ。

そういう風土にあっては、いかに自腹であると言い張っても、会社に自分にあった椅子を持ち込むわけにはいかないだろう。

でもこのクッションなら許容範囲内であるんじゃないかな。これを持ち込んで椅子に置いて使ったら、社内の秩序を乱すなんて言いがかりをつけられる会社だったら、もう即、辞めちゃったほうがいい。

私は高機能チェアについては不信感があるので使っていないため、正味のところはわからないが(そもそもひじ掛けは不便だし)、尻痛腰痛に関して言えば、低反発ウレタンクッションは高価な椅子と遜色ないほどの効果を発揮するんじゃないかと思う。

オススメだ。

この記事は
面白かったですか?

お読みになっての印象を5段階評価のボタンを選び「投票」ボタンをクリックしてください。

つまらなかった           おもしろかった    

投票の集計

投票[ 28 ]人、平均面白度[ 4.4 ]

※「投票」は24時間以内に反映されます※

スタ子さんより
ご意見いただきました

[2004.10.02]

尻痛について

私は29歳のOLです。いまものすごく★尻痛★に悩んでます。。
3ヶ月前に結婚し、引越し、家事仕事、通勤が車から電車になった。
など、生活の変化はありましたが、その頃から右足のふくらはぎ張って、まぁ
仕方ないか。。と思う程度でしたが今月に入り、右尻から右足全体が張った感じで痛くなり、今では右尻が痛くて座ってるのは大変困難です。。。右足も張ってくるし。。
歩いてる方が楽って感じです。整体、整形外科へ行き、今は接骨院で電気治療をしています。これはまぁまぁ効いてる感じです。接骨院では『筋肉が硬くなりそれが神経を圧迫して足がしびれた感じになる。針うつ方が早いかも』と言われました。
治るならすぐにでもやりたいですが、いまいち信じきれていない自分がいます。
MRI検査をしてみようかな、など考えてます。石田さんが書かれてる様にお年寄りによくみられる筋肉の衰え(薄くなる)なのでしょうか。最近会社用にクッションを買いました。(千円(笑))低反発がいい!と良く人に言われましたが高額なので、とりあえず感触が似てたのでokかなーと思い買ってみました。使わないよりいいかなーと思いますが、やはり痛みはあります。記事を読んでやはり低反発はいいのだなぁと感じました。今度買ってみようと思います。
長くなりましたがそれではこのへんで。
失礼致します。

____

片側だけというのは気になりますね。
運動不足や加齢による筋肉の衰えなら(シロート考えでも)両方ともきそうですもんね。

別の医者にかかってみる、というのが先決ではないでしょうか。(石田)

ご意見をお聞かせください

  
メールアドレスはWeb上では公開されません





  

デジタル/シゴト/技術topへもどる page top
▲ゴト技top| 第1章 1234567

ポット出版ず・ぼん全文記事石田豊が使い倒すARENAメール術・補遺ちんまん単語DB
デジタル時代の出版メディア・考書店員・高倉美恵パレード写真「伝説のオカマ」は差別か
黒子の部屋真実・篠田博之の部屋篠田博之のコーナー風俗嬢意識調査ゲル自慢S-MAP
ポットの気文ポットの日誌バリアフリーな芝居と映画MOJもじくみ仮名

▲home▲


このサイトはどなたでも自由にリンクしていただいてかまいません。
このサイトに掲載されている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
ポットメンバーのもの、上記以外のものの著作権は株式会社スタジオ・ポットにあります。
お問い合せはこちら