2006-04-08
募集「ゲイの都市伝説」
二丁目を歩いていたら、BYGSビルの裏手の一角がすっかり更地になっていて(移転前のアーティがあった辺り)、呆然としてしまった。あそこにあった古めかしいビルは伏見がデビューした頃からそこに建っていて、なんだか強者どもが夢のあとといった気分になった。こうやって街はいつの間にか姿を変えていくのだ。
そういえば、あの近くに、「すずめのおやど」があった。もうどんな外観だったかも思い出せないのだが、「ラブホテル」なんて呼び名ではありえないまさに「連れ込み旅館」だった。実は、そこは伏見の筆おろしの現場なのだけど(笑)、もはや記憶もおぼろげになっている。
断片的に残っているのは、浴室が共同で、そこを使っているとき他の客とバッティングしそうになったこと。それから狭い個室には冷房がついていなくて、天井に扇風機が回っていたこと。あとは事が終わるやそこから逃げ出したので(詳細は『ゲイという[経験]増補版』収録の「デビューの日」)、ほとんど覚えていない。あの旅館は二丁目から何年前に消えてしまったのか。
以前「ゲイの考古学」という仕事で、日本のゲイシーンの歴史をある程度、実証的にまとめることをやったのだが、もっと「都市伝説」みたいな形で、二丁目やゲイシーンの過去も遺しておくべきかもしれない。大塚隆史さんとも前にそんなことを話したことがあって、シーンの薄れゆく記憶を書き留めておくことも大切だ。
ということで、新たな企画を発動! 名付けて「ゲイの都市伝説」。みなさんが見聞きした、ゲイシーンのエピソード、伝説をメールでお寄せください。例えば……八十年代初頭まで二丁目にヌードスタジオなるノンケの風俗店があった、とか、七十年代のゲイのハッテン場、権田原には、そこを仕切る大姐御のオカマが存在した、とか……。そういった小ネタをここにアーカイブしたいと思う。これはあくまでも伝説なので、真実かどうかの詳細な検証は不問。ただしプライバシ−に触れることは掲載に関して考慮させてください。
この「ゲイの都市伝説」は長く投稿をお待ちしております。気長に情報を集めていくつもりですので、思いついたときにメールをください。投稿はこちらのフォームから。

伏見の新刊『男子のための恋愛検定』が来週半ばに発売されます。理論社から刊行されている「よりみちパン!セ」シリーズの一冊で、伏見にとっては『さびしさの授業』に続く第二弾になります。本日、出来立てホカホカ(ボノボ)の見本が手元に届きました。
映画『ブロークバック・マウンテン』に関しては、多くは語らず、いらだつので他人の批評は極力読まないようにしている。自分の心の聖域に確保しておきたい気分の作品なのだ。
斎藤綾子さんが新刊『ハッスル、ハッスル、大フィーバー!!』を発表した。その名の通り、パチンコ小説である。もうパチンコ依存症にはたまらない作品だ。帯の言葉を借りると、「セックスも男遊びもテキトーにこなし、執筆もパチンコほど熱中できない独身小説家が、ある日突然にとり憑かれた”死後の不安”。負け犬ポルノ作家(37)、ついに自分の墓を買う」。
他人ごととは思えないタイトルの本である。
パチンコで数時間にン万円すってもまったく平気なくせに、他のものにはほとんどお金を使わない伏見である。パチンコに印税丸ごと持っていかれて余裕がないのもあるが、そもそも消費という行為に興味がわかない。物欲はほとんどなし。その上、服飾品を買いに行くのが何より嫌い、ときてる。だって、なかなか合うサイズがないし、似合う(と思える)ものを見つけるのがとにかく至難の業。試着室は恐怖の空間で、あそこの鏡を見ることくらいつらい瞬間はない。それで服は必要最小限しか持っていない。
先週は人の生死について考えさせられる一週間だった。知人が相次いで亡くなったり、大病をしている恩人をお見舞いしたり、海外で働いていた親友が、あわや半身不随かといった大けがで成田に搬送されてきたり、なんだか慌ただしかった。
HIV啓発のコピーのやり取りは新鮮でした。いままでサイトをやっていても(カウントはあっても)ほとんど反応がないので、あーあ、また「伏見のことが嫌いでしょーがないくせに気になって仕方ない連中」に奉仕してんのかなあ、などと疑心暗鬼になっておりました。春から有料化しようと思っていたのは、お金で決済できれば納得できる、という面があったのですが、読者といい形でコミュニケートできるのならば、こうした開かれたところでやるのもいいなあ、と。最近、表に出ると、どうしてもストーカーっぽいのとか、鵜の目鷹の目な連中の餌食になってしまうので、QJrのイベントを企画するのも気乗りしないんですね。
フォトグラファーの早坂ヒロイチ氏(他のお名前でもお仕事なさっていたのですが、伏見とはこのお名前だったので)が急逝されました。早坂氏には、もう十年近く前、ぼくがAERAの「現代の肖像」に取り上げられたときに、数ヶ月にわたって取材していただきました。(若き日の)エスムラルダや肉乃小路ニクヨとの二丁目での撮影、唐十郎氏などとのシンポジウム、名古屋でのゲイたちとの会議などに同行してくださった姿が、いまでも目に浮かびます。
週末は新潟へ行ってまいりました。新潟女性財団主催の講演会で、聴衆はおもに中年のおばさまたち。用意していった講演原稿が少々難しすぎることに途中で気づき、「ジェンダーフリーはなぜ駄目なのか」というテーマから、「なぜ「同性愛者」はいるのに「潮吹き者」がいないのか」といった古いネタに方向転換(笑)。みなさんと楽しい一時を過ごすことができました。講演の後は、しばし新潟日報のインタビューを受けて、ホテルへ。
最近、新聞社がらみの件が多い。