本の紹介

藤野千夜『夏の約束』


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● 藤野千夜『夏の約束 (講談社文庫)

★★ 感動のツボが違うので

藤野千夜は芥川賞作家として初めてクィア(性的少数者)であることを公言した人物である。

藤野は、力みを感じさせずに「カミングアウト」をさらりとやってのけた。政治主義的な主張でもなく、あるいは「文学とプライベートは別なのだ」というわざわざの自己表明をするでもなく、男性から女性のトランスセクシュアルとしてそこに存在していた。そのたたずまいこそが21世紀のクィアらしい。 続きを読む…

今一生『家族新生』


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● 今一生『家族新生』(ワニブックス)

★★ 結論には異論がないが

私たちには郷愁の中に普遍を見出したがる傾向がある。ほんの少し前の過去の状態が、本来あるべき姿なのだという思いを抱きやすい。たかだかここ百年くらいの間に作りだされたものが、通史的な伝統や、人間の本来性を兼ね備えていると錯覚されている例もままある。

ここで問題にされる家族にしてもそうである。多くが婚姻関係を国家に届け出るようになったのは案外最近のことだし、かつて農業が中心だった社会では、女性も労働の重要な担い手であり、職を持っていない「専業主婦」という存在は、きわめて今日的な女性役割にすぎない…。 続きを読む…

速水由起子『恋愛できない男たち』


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● 速水由起子『恋愛できない男たち』(大和書房)

★★ 怒りは伝わってくるが、説得力がいまひとつ

これは男たちに向けられた怒りの書である。

著者の速水由紀子は、現代の風俗を追う仕事で定評のあるジャーナリストである。が、本書を通じて読むと、ジャーナリズムとしての客観報道より、著者の抱く怒りの感情に強い印象を受ける。

速水は言う。「本著では、恋愛コネクション能力がきわめて低く、『どんなに愛しても愛してくれない男たち』をルポしてみた。つまり、恋愛で一番大切な相手を心から求め、共生のために歩み寄ろうとする建設的な人間関係が築けない人々だ」 続きを読む…

松沢呉一編『売る売らないはワタシが決める』


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● 松沢呉一編『売る売らないはワタシが決める―売春肯定宣言』(ポット出版)

★★★ 現場の声は大切です!

フェミニズムからの「性の商品化」批判が盛んだった10年程前の状況を考えると、こうした本が出版されるは、隔世の感がある。『売る売らないはワタシが決める』は、性風俗で働く当事者とそれを支援する人たちからの、職業差別を解消するための訴えであり、「性の商品化」なぜ悪い!という、「性の商品化」肯定論なのである。

90年代、性をめぐっては、同性愛者をはじめとしてさまざまなマイノリティが自らの存在証明をすべく声を上げたが、昨今のセックスワーカーを名乗る売春婦(夫)たちの権利獲得への主張は、もしかしたら最後の「解放の政治学」になるのかもしれない。彼女ら(彼ら)は、売春を合法化し、労働問題としての認知をいま社会に迫っている。 続きを読む…

勢古浩爾 『こういう男になりたい』


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● 勢古浩爾 『こういう男になりたい』(ちくま新書)

★★ こういうところからしかジェンダー論は更新されないのではないか

近ごろ男は分が悪い。若い男たちは女たちに相手にされないと、「性的弱者」を名乗るはめになる。歳を取れば威厳が身に付くどころか、若い世代から「オヤジ」と嘲笑される。

そうした状況において男が「男である」ということがどういう意味を持つのか、を追求したのが本書である。著者は、「メンズリブ」などの、「男らしさ」から「自分らしさ」「人間らしさ」へという考え方を支持しつつも、「男」である根拠をすべて放棄してしまうことを潔しとはしない。一方で、格闘技やヤクザへの憧憬に見られる「力」の獲得を男の理想型とする立場にも与しない。 続きを読む…

小林信也『カツラーの秘密』


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● 小林信也『カツラーの秘密 (新潮文庫)

★★★ 人生はそれぞれ理由(わけ)ありです

軽口や冗談が誰かを深く傷つけていることがある。

そのことを笑いの文脈に置くことの了解が一般になされている場合、話し手にはさしたる悪意などない。しかしだからこそ、笑いの対象にされた側は怒ることもできず、その痛みを自分の中に抱え込むことになる。相手に悪意がないことに不快を露にすることが、むしろ大人げないこととされ、むきになることで、かえって周囲の笑いを誘うことにもなるからである。したがって、笑われている当事者が、自ら傷ついていることをカミングアウト(表明)しないかぎり、その痛みが相手に理解されることはない。 続きを読む…

ロビン・ベイカー『セックス・イン・ザ・フューチャー』


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● ロビン・ベイカー『セックス・イン・ザ・フューチャー―生殖技術と家族の行方』(紀伊国屋書店)

★★★ SF的思考は現在を相対化させてくれる

『セックス・イン・ザ・フューチャー』は、人工授精、代理出産、体外受精、凍結精子・卵子、クローニング…といった生殖技術の発達が、人間の性行動や家族のかたちにどういった影響を与えるかについての、予言の書である。といっても、著者は科学者なので、それは科学的な知識と洞察力から描き出される未来予想図だ。

例えば、父子鑑定の技術が完成し、扶養義務者の登録制度が導入されると、家族関係はどうなるのか。「男性はもはや、浮気を阻止するために女性のそばに居続けなくてもいいし、女性も貧困を回避するためだけに男性の愚かさや暴力を我慢する必要がなくなるだろう」。そして、そのことは核家族の解体を促し、単親家庭と利便性優先の男女関係が社会の基礎となる。 続きを読む…

イヴ・コゾフスキー・セジウィック『男同士の絆』


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● イヴ・コゾフスキー・セジウィック『男同士の絆―イギリス文学とホモソーシャルな欲望』(名古屋大学出版会)

★★ いまやセジウィックの理論はジェンダー/セクシュアリティ論の「公式」になった感があるが、でも、これも一つの「物語」だよねー(笑)

例えば、サッカーの試合で勝利したチームの選手たちが、硬く抱き合って感激を分かつとき、例えば、サラリーマンが酔いつぶれた同僚にさりげなく肩を貸して、夜道を帰途につくとき、その男性と男性の間に流れる情感はいかなるものなのだろうか。

それらは情緒的な親密さと身体接触を重ね合わせている点において、同性愛者間の性愛表現と区別することは難しい。性器的な接触がそこにあれば同性愛で、なければただの親しさの顕れであるとするのは常識的な解釈だが、体育会のような場において、男同士の精力比べのような相互ゲームが行われるのは半ば公然と知られている。そういった遊技と性行為を区別することは、定義上、相当困難なことである。 続きを読む…

ジョン・K.ノイズ『マゾヒズムの発明』


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● ジョン・K.ノイズ『マゾヒズムの発明』(青土社)

★★ やっぱ読むよりもやるほうがいいけど

例えば、あなたが誰かに鞭で打たれたり、言葉で貶められたりすることに、性的な興奮を覚える傾向があるとする。そうした欲望を抱えたあなたが、前近代の西洋社会に生まれ、それを実践していたら、道徳にもとる行為に耽っていると、非難されるかもしれない。

近代になると、そんなあなたは精神医学によって「マゾヒズム」という病気に分類され、「マゾヒスト」という負のアイデンティティを与えられることになるだろう。後天的に、そして先天的に通常の発達から逸脱した人間として、治療の対象とされるのだ。 続きを読む…

井上章一『パンツが見える。』


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● 井上章一『パンツが見える。―羞恥心の現代史 (朝日選書)

★★★★ こういう堅実で誠実な仕事がアカデミズムに求められているのでしょう

昨今、男性の乳首がエロティックなものとして意識されるようになってきた。若い世代の会話の中で、「なんでお前、乳首硬くしてんだよ」「あいつ、シャツに乳首浮き立たせている」といった会話が冗談めかして交わされているのを、耳にすることがある。かつては無用の長物と思われたそれに、羞恥心が芽生えてきたのだろう。

男性の身体も性的な視線を敏感に感じるようになってきた。羞恥心とエロティシズムの関係は裏腹であり、相乗的に人々の性意識を変化させていく。 続きを読む…

セレナ・ナンダ『ヒジュラ』


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● セレナ・ナンダ『ヒジュラ―男でも女でもなく』(青土社)

★★★ インドの「ヒジュラ」は性が二元的でない可能性を示す存在である。が、世界中見渡してもそういう性制度が「ヒジュラ」や「ベルターシュ」くらいしか見つからない、つまりほとんどの社会が性別二元制になっている事実もまた無視できないことなのである。そこに安易な性別二元制解体論が言説上しか意味をなさないところがある。

「この世には男と女しかいないんだから…」

というのは、ドラマなどでしばしば耳にするフレーズである。しかしながら、この世に「男でも女でもない」人たちがいるとしたら、どうなるのか。

実際、生物学的には男性と女性の間に位置する性、最近ではインターセックスと呼ばれる身体に生まれ付いた人たちが存在することが明らかになっている。が、そういう人たちは「性別二元制」の支配する近代社会では、男か女のどちらかに強制的に振り分けられ、間の性を生きる権利は奪われている。 続きを読む…

石井達朗『異装のセクシュアリティ』


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● 石井達朗『異装のセクシュアリティ』(新宿書房)新版

★★★ 「性の多様性」ってなんだかノスタルジックなテーマに思えますね。少なくとも言説上は。

本書は一九九一年に刊行された『異装のセクシャリティ』の改訂版である。この十二年の間にジェンダー/セクシュアリティをめぐって生じたさまざまな動きを考慮して、本文と脚注に加筆が施されている。

著者はアートへの関心を中心に、世界各所で垣間見られる、男女の二元性や通常の異性愛には回収されない性現象を広く追っている。その多様性をなぞるだけで、読み手の性の固定観念は激しく撹乱されることだろう。 続きを読む…

NHK『日本人の性行動・性意識』


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● NHK『データブック NHK日本人の性行動・性意識 (データブック)』(NHK出版)

★★★★ 量的調査の有効性と無効性

本書『NHK 日本人の性行動・性意識』は、全国民から無作為抽出法で実施された、日本初の科学的かつ大規模な性の調査である。これが、今後、日本人の性を考えていく上で欠かせない資料となることは、間違いない。

このような客観的なデータの持つ説得力は、圧倒的だ。私自身、本書を一覧して、自分の考えが単なる思い込みであったことに、はっとさせられたりもした。 続きを読む…

伊藤文学『薔薇ひらく日を』


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● 伊藤文学『薔薇ひらく日を―『薔薇族』と共に歩んだ30年』(河出書房新社)

★★ 肯定も否定も含めて、ちゃんとした評伝が書かれるべき人です

著者である伊藤文学氏は、同性愛の商業誌「薔薇族」の編集長を続けてきた人物である。1971年に創刊された同誌は、ポルノグラフィーを主な内容にしながらも、孤立した同性愛者たちを応援し、励ますという役割を担ってきた。本書『薔薇ひらく日を』は、そこで伊藤氏が30年にわたり書き綴ってきたエッセイを抜粋した一冊である。

同性愛の専門誌としては、それ以前にはミニコミ誌しか存在せず、多くの同性愛者が情報に接することは、不可能に近かった。当事者はただ一人、他人に語りえない性に苦悩するしかなかったのである。 続きを読む…

ジェフリー・F・ミラー『恋人選びの心』


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● ジェフリー・F・ミラー『恋人選びの心―性淘汰と人間性の進化 (1)』(岩波書店)

★★ 検証できないことは想像力がふくらみます

ときどき不思議に思うことがある。どうして女の子たちはあんなに、女性雑誌を片手にファッションやメイクに関する情報収集に熱狂しているのだろうか。どうして男の子たちは車やスポーツに憧れてやまないのだろうか、と。

生きていくということだけを考えるのならば、経済問題や農業技術?について日々研究した方が有益なようにも思える。しかし実際には、私たちは、そうした生存を保障するような事柄よりも、生物としてさしたる意味をもたないような、無駄とも思える「価値」の追求に躍起になっている。そして、それらは、進化論として語られてきた、自然淘汰によって生存に有利なものだけが残されていく、という理論では説明がつかないことでもある。 続きを読む…

岩村匠『性別不問。』


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● 岩村匠『性別不問。―「性同一性障害」という人生』(成甲書房)

★★★ 性同一性障害のカミングアウト本が同性愛者のそれよりも出版点数が多いのはなぜ?

もし朝目覚めて、男性であるあなたの股間から、あるべきものが消えていたら? もし女性であるあなたのおっぱいがしぼんで、あるはずのないペニスがついていたら? 本書を読むと、「性同一性障害」の人たちの苦悩というのは、そういう根源的な身体感覚にあることが、おぼろげながらわかってくる。

『性別不問。』の著者、岩村匠は、女性のからだに生まれたにもかかわらず、女性であることに馴染めず、ずっと心の性別とからだのそれとの不一致に悩んできた。岩村は子供の頃から女性の性役割に強い抵抗感を抱き、思春期になると、女の子のことを好きになる自分を、レズビアンではないかと後ろめたく思うようになった。 続きを読む…

山内昶『ジッドの秘められた愛と性』


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● 山内昶『ジッドの秘められた愛と性 (ちくま新書)

★ 現在の感性からすると、あほくさ…としか思えない本だが、まあ、こういう言説が行き交っていた時代もあったということで。怖いもの見たさならお勧め(笑)

僕は一応、”ゲイ・ライター”などと名乗ってジェンダー/セクシュアリティ論を展開している立場なのだが、恥ずかしいことにアンドレ・ジッドについてはこれまでほとんど関心を抱いたことがなかった。もちろん、思春期には『狭き門』くらいは読んだと思うし、彼が同性愛者であったと言われていることもそれなりには知っていた。が、いつか同性愛を主題とした『コリドン』くらいはちゃんと読んでおかなきゃねーと思うくらいで、今日に至るまで著作をひもとくことはなかった。

しかし、この『ジッドの秘められた愛と性』を読んで、彼に対する関心は俄然高まった。へぇー、こんな人がいたんだーと、同じ同性愛者として誇らしい気持ちになったほどだ。著者の山内昶氏がジッドの著作から引用している言葉に触れるだけで、彼のゲイネスが熱く伝わってくる。 続きを読む…

安野モヨコ『ハッピー・マニア』


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● 安野モヨコ『ハッピー・マニア 2 (祥伝社コミック文庫)

★★★★★ もう古典ですね。90年代という時代を体現する名作

『ハッピー・マニア』と時代の欲望

この10年の日本のポップカルチャーでもっとも重要な収穫が、庵野秀明の『新世紀エヴァンゲリオン』と安野モヨコの『ハッピー・マニア』であることは間違いない。他のいかなる言語表現も映像表現も、この二つの作品以上には時代の核に深く届いてないし、人々の心の奥行きを掬い上げたりはしなかった。メインカルチャーを名乗るものの担い手たちは、自分たちがもはや「サブ」カルチャーの座に退いたことを、素直に認めなくてはならない。

90年代という時代は、史上初めて私たちに、物質的に満たされることを目的にしない日常を用意した。そこで私たちは、欠落を回復しようとする自我ではなく、自我そのものの意味を問うような実存形式を追求しなければならなくなった。欠落感を軸にした「生」の意味付けとは異なる「存在様式」。80年代バブルにおける過度のブランド品への志向やグルメの追求は、ある種、それまでの貧しさへの反動として生じたルサンチマン現象だった。そして、一通りの贅沢を「体験」してみた末に、それらが自分たちの「生」を必ずしも納得させるものでないということも明らかになった。だからこそ、経済のバブルが弾けても、人々は本当のところそんなに慌てたわけでもないし、経済学的な数値を回復しなければと躍起になったわけでもなかった。 続きを読む…

鴻上尚史『ラブ アンド セックス』


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● 鴻上尚史『ラブ アンド セックス』(角川書店)

★★ 鴻上尚史って意外と正常位志向?(笑)

はてさて、どうしてこの本のタイトルは『ラブ アンド セックス』なのだろうか。愛と性。『セックス アンド ラブ』でもなく、ましてや『セックス』でもない。出版に関わっている人間としては、版元サイドが本を売るために「愛」を優先することを強要したのではないかと、邪推してしまうのである。

著者の鴻上尚史さんは、
「セックスは、恋愛に比べて、語られる量がはるかに少ないと思いませんか?」
と読者に語りかけ、この本ではセックスをセックスとして論じることが心がけられている。にもかかわらず、愛を先に持ってこざるをえない。それが逆説的に、まだこの社会では、セックスが愛に比べて軽んじられていることを、浮かび上がらせてもいる。 続きを読む…

J・ストルテンバーグ『男であることを拒否する』


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● J・ストルテンバーグ『男であることを拒否する』(勁草書房)

★ 妄想っぽくって笑える

かつて「俺は男だ!」などというタイトルのドラマがあった。男という存在をこれほど無根拠に肯定してみせてくれる表現もないと思うが、たしかにあの時代、男であることはそれだけで底上げされていたように思い返す。

ところが、女の子たちが男たちに満足できるセックスを堂々要求するようになり、田中真紀子氏のような女性政治家が台風の目になっているような今日では、「俺は男だ!」は空しい力みにしか聞こえない。 続きを読む…